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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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いよいよもって、漫画である。あまりにも漫画そのものの展開なので、かえって笑えなくなってきたような気もするのだが、その後の動きはまだない。やなせ宿の利用にかんする問い合わせに、「いやがらせ」という見え透いた釣り針を仕掛けておいたところ、驚いたことにこのことばにあっさりひっかかって、「いやがらせのための施設利用は許可いたしかねますので御了知ねがいます」という返答が届いた。いくらなんでももう少しクレバーな切り返しがあるだろうと予想していたのだが、こういう返答だったのだからしかたがない。いやがらせはしません、だから施設を利用できますよね、とごく単純に切り返したところで、展開はストップしている。

こんどはどんな理由をでっちあげてくれるのか、心待ちにしている次第なのであるが、現在ただいま、名張市役所の中の人は、いやいや、実際には中の人というよりも、裏の人というか、陰の人というか、そういう人が施設利用を断る理由を思案してくれているところなのであろうか。考えてみれば、名張市役所の中の人も気の毒なものである。主体性を放棄し、決定権まで丸投げしてあやしむことのない市長のもと、もとより誰から信任されたわけでもなく、あろうことか公と私との区別すらまるでつけられない一部の特定の市民にあごでつかわれているらしいのは、まったくもって気の毒なことである。

しかしこうなると、名張市役所の市街地整備室に送信した質問のうち、ふたつめのものには答えが返ってこないのではないかと思われてきた。裏の人というか、陰の人というか、とにかく背後で絵図を引いている人には、きっちり回答する能力などまるでないであろうし、そもそも答える気なんかないであろう。そんなところへ催促をかましたりしたら、中の人はますます窮してしまうことであろう。どうすればいいのか。

名張市公式サイト:名張市 市長への手紙

じゃーん。この「市長への手紙」という伝家の宝刀は、もう少しあとで抜くつもりであった。あとで、というのもおかしいか。要するに、名張市立図書館と3月末でおさらばし、そのあとただちにこの「市長への手紙」を利用して、名張市は乱歩をどうする気? みたいなことをテーマにしたバトルをインターネット上にくりひろげるつもりで、いやいや、バトルといっては剣呑であるが、とにかくひとりの市民の立場から、名張市は乱歩をどうする気? ということを確認し、提案できることがあれば提案したいなと考えていた。しかし、やなせ宿をめぐるごたごたがつづいているせいで、結局はそのやなせ宿のことで宝刀を抜かざるをえない仕儀とはなった。むろんやなせ宿は、乱歩にかんすることなんかよりはるかに重大な問題をはらんでいる。宝刀の抜きどころというべきか。

で、質問を送信した。件名は、「やなせ宿について」。送信IDは20080515080555343とのことであった。

文面はこうである。

   
先日、市街地整備室にメールで質問を送信したのですが、埒が明きそうもありませんのでこちらでお訊きします。質問はつぎのとおりです。

・名張まちなか再生プランで歴史資料館として整備されることになっていた細川邸が観光交流施設のやなせ宿に変更された理由は何か。

ご多用中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

さあ、そろそろ漫画ではなくなるのかな。いつまでも漫画じゃ困るからな。
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待てば海路の日和あり。名張みたいな山国で海路というのもおかしな話だが、待っていればいつかいいお天気の日がやってくる。ついに来た。とうとう届いた。名張市都市環境部市街地整備室からのメールが届いた。それでもって、これがまたびっくりするような内容であった。

以下、メールを転載。文中の個人名は、武士のなさけで伏せ字とする。件名は「やなせ宿施設利用申し込みについて」。

   
市街地整備室の■■■■です。ただいまの時刻は2008/05/13  20:18:11です。

去る5月9日に申し込みの方法と、いやがらせと銘打った講座の使用についてお断りすることについて返信したつもりですが、届いてないようですので再度送信いたします。「施設の利用はオープン以後の実質6月10日以降となりますが申し込みは6月3日9時からの受付となります。当然のことながら、いやがらせのための施設利用は許可いたしかねますので御了知ねがいます。

あーびっくりした。驚いてしまった。それはまあ、たしかに仕掛けた。針は仕掛けておいた。しかし、まさかこんな見え透いた釣り針にひっかかる魚はおるまい、と思っていたのだが、なんと大漁である。大丈夫かほんとに。

やなせ宿は誰のものか。市民のものではない。名張まちなか再生委員会ならびにまちなか運営協議会のものである。要するに、やなせ宿は私物である。そんなことを、ここまであからさまに公言してしまっていいのかよほんとに。

無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館、なんていうのは世をしのぶかりそめの姿である。やなせ宿の真実の姿は、名張まちなか再生委員会ならびにまちなか運営協議会の私物なのである。そんなことを、ここまであからさまに公言してしまっていいのかよほんとに。そんなこと宣言してしまっていいのかよまったく。

やなせ宿運営の基準は何か。名張まちなか再生委員会ならびにまちなか運営協議会の好悪や快不快である。それが基本である。根本である。根幹である。そして、それしかないのである。連続講座なんて開かれた日にゃ右翼の街宣車が押しかけてきて近隣に迷惑がかかってしまう、といった程度の理由を示すことすらできず、あたいたちにいやがらせするための施設利用なんか認めてやんないもんね、とかれらはいうわけである。大丈夫か。気はたしかか。お迎えは来てないか。裁判沙汰になったらとても勝ち目なんかないぞおまえら。

しかしまあ、せっかくひっかかってきてくれたのである。この釣り針の線で、二の矢を放つこととする。

届いたメールに、さっき返信を送った。件名は「やなせ宿施設利用申し込みについてについて」。

   
メール拝受いたしました。どうもありがとうございました。5月9日付でお送りいただいたというメールは、たぶん当方のメールソフトが自動的にスパムメールと判断し、処理してしまったものと思われます。余計なお手数をおかけいたしましたこと、お詫び申しあげます。

さて、やなせ宿の件。「いやがらせのための施設利用は許可いたしかねます」というのは、どうにも理解できないおことばです。この判断の主体は誰か、根拠は何か、基準は何か、許可いたしかねますとする権限はいったい何によって担保されているのか、などといった点に看過しがたい疑義を感じる次第ですが、それらを問題にしはじめると話がややこしくなってしまいます。私は全然ややこしくないのですが、そちらがすこぶるややこしくなると思います。あったま爆発してしまうかもしれません。ですからこの問題は、あまり時間もないことですから、きれいにスルーしてしまいます。

それでまあ、「いやがらせのための施設利用は許可いたしかねます」とおっしゃるのですから、いやがらせでなければ施設利用は許可していただけるものと判断いたします。ようがす。合点だ。まっぴらごめんよ。私はたしかに、「やなせ宿開設記念いやがらせ連続講座」を開くと申しあげました。要するに、いやがらせをするぞ、と私がいったという、ただそれだけの事実にもとづいて、名張まちなか再生委員会ならびにまちなか運営協議会は私の利用申請を受け付けないとおっしゃるわけです。ならば、いやがらせはいたしません、と私は申しあげましょう。

やなせ宿の利用予定はつぎのとおりです。

名張まちなかに陽が昇る──やなせ宿開設記念おめでとう連続講座
・第一週「名張の歴史を語る」=6月14日を予定
・第二週「やなせ宿を語る」=6月21日を予定
・第三週「江戸川乱歩を語る」=6月28日を予定
・第四週「まちなかのあすを語る」=7月5日を予定

第四週のシンポジウム「まちなかのあすを語る」には、つぎのみなさんのご出席をお願いしたいと考えております。

名張まちなか再生委員会
・委員長
・副委員長
・前委員長
まちなか運営協議会
・会長
NPOなばり実行委員会(活動停止)
・理事長
名張地区既成市街地再生計画策定委員会(解散)
・委員長
名張市
・市長
・都市環境部長
名張市議会
・議長
名張商工会議所
・会頭

これで、いやがらせではなくなりました。いやがらせをするぞといった本人が、もういやがらせはいたしませんといってるんですから、これほどたしかなことはありません。

それで、やなせ宿利用申請の件ですが、「申し込みは6月3日9時からの受付となります」とのお知らせをいただき、感謝申しあげる次第です。とはいえ、これはまたなんと不親切なお知らせでしょうか。いったいどこで受け付けていただけるのか、インターネットを利用した申請はできないのか、申請にさいして印鑑とか健康保険証とかtaspoとかが必要なのかどうか、利用料金はいったいいつ支払うのか、光熱費はどうなるのか、そういった細かい点まで教えていただければ幸甚です。

なんども申しておりますとおり、関係各位にシンポジウムへのご出席をお願い申しあげなければなりません。「いやがらせのための施設利用」の問題はクリアできたと判断し、私が7月5日にやなせ宿を利用することは可能であると考える次第ですが、その点のご判断はいかがなものでしょうか。それから、やなせ宿利用申請の詳細はどのようなものでしょうか。以上二点、お答えをお待ちしております。

ご多用中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

2008/05/14

いよいよもって、漫画である。
きょうも寒いのか。いや、寒いというほどのこともないけれど、やなせ宿の見学会がはじまった10日からこちら、5月とは思えぬほどひえびえとした日がつづいている。きょうもそんな一日になるのかな。

それにしても、おかしいなあ。ほんとにおかしいなあ。まだ返事が届かないではないか。しかたがない。また催促のメールを送った。送信先は名張市都市環境部市街地整備室、アドレスはshigaichi@city.nabari.mie.jp、件名は「毎度おなじみやなせ宿のことですけども」。

文面はこんなん。

   
おはようございます。10日と11日のやなせ宿見学会、どうもご苦労さまでした。プレオープン、おめでとうございます。

さて、4月22日、29日、5月7日の三回にわたってメールでお訊きしたことに、お答えは頂戴できないのでしょうか。とりあえず、つぎの質問に回答していただきたいのですが。

(1)やなせ宿の利用申請はどのように手続きすればいいのか。申請はいつから受け付けるのか。

やなせ宿の利用予定は次のとおりです。

破邪の一刀、受けてみよ!──やなせ宿開設記念いやがらせ連続講座
・第一週「名張の歴史をしっとるか」=6月14日を予定
・第二週「なにがやなせ宿だばーか」=6月21日を予定
・第三週「乱歩はどこへきえたのか」=6月28日を予定
・第四週「へたれ責任者でてこんか」=7月5日を予定

以前にもお知らせしましたが、第四週はシンポジウムとなっております。ですから、ご出席いただくかたに、当日の予定をあけておいていただく必要があります。ですから、できるだけ早く、ご出席のお願いを申しあげなければなりません。ですから、公務ご多用のところ恐縮ですが、お早くお答えくださいな。

シンポジウムには、つぎのみなさんのご出席をお願いしたいと考えております。

名張まちなか再生委員会
・委員長
・副委員長
・前委員長
まちなか運営協議会
・会長
NPOなばり実行委員会(活動停止)
・理事長
名張地区既成市街地再生計画策定委員会(解散)
・委員長
名張市
・市長
・都市環境部長
名張市議会
・議長
名張商工会議所
・会頭

まちなか再生の拠点として誕生したといわれるやなせ宿を会場に、やなせ宿の整備に種々ご尽力いただいたみなさんのご参加をたまわり、名張まちなかの将来展望なんてものやなんかを熱く熱く語っていただく。素晴らしい。なんと素晴らしいことでしょう。じつに時宜を得た好企画。われながらうっとりしてしまうほどです。

もっとも、やなせ宿の開設にあたってこうしたシンポジウムを開くのは、あたりまえといえばあたりまえのことですから、名張市や名張まちなか再生委員会の手で、同様の企画が準備されているのかもしれません。その場合には、当方の企画はあっさりボツにして、名張まちなか再生委員会の発足以前から、名張まちなか再生プランの素案が発表された時点から、ことのなりゆきを生温かく見守りつづけてきた市民のひとりとして、ぜひそのシンポジウムに出席し、きちがいのようにしゃべりまくりたいものだと考えております。

ともあれ、じつにおめでたいことです。

やなせ宿、ばんざーい。

名張まちなか再生委員会、ばんざーい。

名張市、ばんざーい。

明治天皇、ばんざーい。

万機公論に決すべし、ばんざーい。

よろすくお願いいたすます。

2008/05/13

ほんと、漫画みたい。というか、完全に漫画である。ごく普通のこと、ごく当然のことが、ここ名張市では漫画になってしまうのである。当方が提案しているのは、ごく普通のことである。普通すぎるほど普通のことである。めでたく完成したやなせ宿で、やなせ宿関係者が一堂に会し、やなせ宿について、はたまた名張まちなかの再生について、それぞれの立場で自由に語り合う。どこに不都合があるというのか。ところが実際には、これが非常に不都合なことであるらしい。だから漫画になるのである。

なにしろ連中は、市民の眼からみれば異常としかいえないことを平気な顔でやってきたのである。奇怪なキメラのごとく癒着し、市民の存在を無視し、人のことばにいっさい耳をかすことなく、いっぽうは密室のなかで好き放題なことを重ね、いっぽうはそれを黙認してきた。そしてそれが、いまも確実につづいているのである。連中にとって、それが普通であり、当然のことだったのである。だからこちらから、市民の眼からみた普通や当然を示してやれば、そこにはおのずから差異が生じ、笑いが生じる。連中が市民の普通や当然から逃げを打ちつづければ打ちつづけるほど、いよいよ漫画になってしまう。

しかしそれにしても、いったいいつまで逃げを打ちつづけるつもりか。完黙してればやり過ごせるとでも思っているのか。だとしたらばかである。むろんばかなのであるけれど、もう救いがたいばかである。連中に黙秘権なんかないのである。あるのは説明責任である。げんに、説明を求めている市民があるのである。

「名張を本気で変える!!」田合たけしの活動日記:掲示板

レス番12に記されているのが、一般的な市民感覚というものなのではないか。一億円もつかって、いったい「なんなんですか」というのが、何も知らされていない市民の率直な声なのではないか。まさしく、なんなんですか、という話である。金もねーのになーに無駄なものつくってんだよ、ということである。

もっとも、やなせ宿の完成を素直に喜んでいる市民もある。そのことも記しておかなければならない。

北川ひろゆきの近況報告:見てきました「やなせ宿」

これもまた、一般的な市民感覚というものだろう。否定する気はまったくない。何も知らされていない市民が、一億円をかけて「素敵な拠点施設が完成をみました」とブログで紹介するのは、ある意味当然のことであろう。ただしこのかた、三重県議会議員の先生でいらっしゃるのだから、そうなるとあまりにナイーブに過ぎるのもなあ。しかしまあ、どうでもいいか。

とにかく、名張市にはなんの申し開きもできぬであろう。というか、いいわけや釈明弁解は必要ない。無意味である。何をいっても手遅れである。一億円かけた施設がすでにできあがってしまっているのである。糊塗隠蔽はもうたくさんである。いま必要なのは、幼稚園児なみの切り貼り遊びでうわっつらだけをごまかすことではない。これまでのプロセスをふり返り、どこに問題があったのかをチェックし、その反省を今後の指針として、二度とこんなばかなことはいたしません、と市民に約束することではないのか。そのうえで、やなせ宿をどうすればいいのか、どう活用すればいいのか、一から考え直すことではないのか。

とかいってみたって、連中は聞く耳などもたぬのであろうな。せめてやなせ宿でシンポジウムでも開き、反省と約束の場とすればいいものを、とてもそんなことはできぬのであろうな。それならそれでいいけれど、なあ、いつまでも逃げばかり打っていないで、やなせ宿をつかわせるのかつかわせないのか、それくらいのことはきりきり返答してきやがれ。
やなせ宿見学会の初日である。朝からあいにくの雨である。しとしとと降っている。天罰がくだったのじゃ、なんてことはいわない。天候の回復を心から天に祈りたい。

さて、なんかもう必死である。必死の泥縄である。死んでもラッパを、ではなくて、というか、こんなとこに日清戦争で戦死した木口小平のことをもちだしたって誰にもわかるわけねーだろーが、という話なのであるが、名張まちか再生委員会は死んでもやなせ宿を手から離しませんでした、なんて感じで修身の教科書にでも載りたいのか。とにかく必死の工作が泥縄式につづいているようである。

それはそうであろう。一億円をかけて整備したやなせ宿が、無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館でしかなかったのである。名張まちなか再生委員会の発足から三年ちかく、あーでもないこーでもないと意味もなく時間を費やしながら、なんの結論も得ることができなかったのである。さすがにそれではまずかろう。やなせ宿の存在意義を、存在理由を、無理やりにでもでっちあげなければならないであろう。

だからただいま、名張まちなか再生委員会は名張市の全面的な支援のもと、その泥縄工作に涙目で必死になっているらしい。何をしているのか。きのうも記した。幼稚園児みたいな切り貼り遊びである。何を切り貼りしているのかな。

きのうの産経新聞。

産経新聞:三重・名張に集客施設「やなせ宿」完成 6月7日オープン まちなか再生の拠点に

記事のなかから、切り貼り工作にかんする文章を引く。

「母屋には、地域のパンフレットや近くで生まれた江戸川乱歩の写真パネル、昭和の家具などを置き、展示や休憩場として利用」

切り貼りの素材はこうである。

・地域のパンフレット
・江戸川乱歩の写真パネル
・昭和の家具

単なる思いつきの寄せ集め、まさしく切り貼り遊びである。へたすると、桝田医院第二病棟跡の案内板よりひどいかもしれん。

つぎは、きのうのYOU。

伊賀タウン情報YOU:「やなせ宿」オープンまで1か月 初代館長語る

初代館長のコメント。

「市が公営でのスタートを認めてくれたことで、この1年間は助走期間ができた」

名張市と名張まちなか再生委員会とのずぶずぶどろどろの癒着ぶりが、行間からどす黒くどす黒くにじみ出ているではないか。そして双方、そのことを毛筋ほども自覚していないらしいのが恐ろしいところである。癒着が常態になっているのである。それはもちろん異常なことで、昨年提出された名張市考査委員会の「名張市事務事業評価報告書」でも、「指定管理者の導入は公募を前提とすべきであり、NPO法人への特命は望ましくない」と指摘されていた。つまり、名張まちなか再生委員会が発足させるNPOにやなせ宿の運営を特権的独占的にゆだねるのはおかしい、ということである。名張市はどうしてこれほどまでに、存在の根拠も位置づけもあいまいな名張まちなか再生委員会に、なりふりかまわず便益を供与しつづけなければならないのか。まことに不可解。理解できないことである。きんたまでも握られとるのか実際。

さらに引用。

「先月10日に行われた同委員会の役員会で、休日は施設内にある蔵を利用したコンサートや作家展、平日には市民が腕を振るう『ワンデイシェフ』などが決定。また、市立図書館所蔵する江戸川乱歩の遺品の一部を借り受け、母屋に展示する」

切り貼り遊びはこんなぐあい。

・コンサート
・作家展
・ワンデイシェフ
・江戸川乱歩の遺品の一部

そこらのありあわせ、眼についたものを、思いつくまま切り貼りしているだけの話である。しかも、二次元の案内板ではないから、イベントとやらの切り貼りも可能である。というか、それしかないのである。コミュニティイベントのレベルでしかまちなかの再生を、あるいはいわゆるまちづくりを語れない。それではそこらのまちづくりなんたら委員会とおなじではないか。ま、中の人がおなじなのだから、無理もないことではあるけれど。

さらに初代館長のコメント。

「いろんなジャンルの団体に声を掛け、市民の方に交流スペースとして認知してもらいたい」

必死である。ご苦労さまである。誰からも望まれることなく生まれてくる不幸な赤子、いやもう実際には誕生していて、しかしわけあって出生届が6月7日に提出されるというほんとに不幸な赤子であるやなせ宿を、なんとかまともな子として「認知してもらいたい」と懇願していらっしゃるのであるが、こうなると、観光交流施設という看板をうわべだけでも掲げることさえ難しいのではないか。観光というテーマはもはや見失われつつあるみたいだし、交流といったって要するに貸し館である。「いろんなジャンルの団体」が利用することがすなわち交流である、と詐欺みたいなことを主張しているだけの話である。つまりは粉飾。

やなせ宿は無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館である、という事実を粉飾するために打ち出されたのが、ワンデイシェフだのコミュニティレストランやなせだのといった食堂化路線である、といった事実を粉飾するために切り貼りされるのが、地域のパンフレットだの江戸川乱歩の写真パネルだの昭和の家具だのコンサートだの作家展だの、以下省略。とにかくそういったことなのである。最終的には、食でもてなす観光、食を通じた交流、なんて感じで強引に、だからやなせ宿は観光交流施設なのである、といいはることになるのかもしれん。なにしろもう、なんでもありなのである。

ことほどさように、やなせ宿は、名張まちなか再生プランは、名張まちなか再生委員会は、名張市は、もう無茶苦茶なのである。自分たちが何をやっているのかさえ、関係者には理解できておらぬのであろう。ただわあわあとごくごく少人数のスクラムを組んで、前と思われる方向へ突っ走っているだけなのであろう。ばかがばかとつるんで、もうたいへんな騒ぎなのさ。こんな名張に誰がした。え、誰がしやがった。

ところで、やなせ宿の利用申請はいつから受け付けてくれるのかな。きょうあすの見学会に行けばわかるのかな。そんな手間暇をかけなければならんのか。冷たい雨に打たれてまちをさまよったの、とかいった気分では全然ないのである。とっととメールで返答すればいいのである。いつまでほったらかしにしてやがる。どうするんだほんとに。
目くじらを立てるようなことではない。だいいち、目くじらを立ててみたってしかたがない。どうなとなれ、てなものである。しかし、世の中にはお約束ということがある。芸風というものがある。これをスルーしてしまったら芸人の名がすたる、というケースがたしかにある。だから、けっして本意ではないのだが、やっぱりあえてこう吠える。

何が見学会だばーか。

毎日新聞のきのうの記事。

毎日新聞:旧細川邸やなせ宿:10、11日に見学会--名張 /三重

引用。

   
名張市は、旧町再生の拠点施設として整備を進めている「旧細川邸やなせ宿」の見学会を10、11の両日、同市新町の現地で開く。6月7日のオープンに先立ち、市民が料理に腕を振るう「ワンデイシェフ」の登録方法や厨房(ちゅうぼう)設備について、市職員が説明する。

やなせ宿は名張川沿いにあり、▽母屋(木造2階建て)▽中蔵(土蔵造り平屋建て)▽川蔵(同2階建て)--などからなる。物産棟(木造平屋建て)は和風の「コミュニティレストランやなせ」として活用する。

名張まちなか再生委員会によるやなせ宿私物化計画は名張市の全面的支援を受けて着々と進行し、やなせ宿食堂化路線がいよいよ前面に押し出されてきた、といったところだろう。関係者のなかには、案の定、と納得している向きもあるかもしれない。

現在の時点でふり返るならば、細川邸整備事業とは結局のところ、名張市がそこらの小商売人に食堂をやらせるために一億円をかけてやなせ宿を整備した、ということであった。そういうことでしかなかった。名張まちなか再生プランなどとはじつは縁もゆかりもなく、名張市がごく一部の特定の市民に特権的独占的に便益を供与するためのものでしかなかった。信じられないことだが、というか、最近では名張市民以外の人から、名張市って漫画みたいなことばかりやってるんですね、とお誉めにあずかることも少なくないのだが、まさにその漫画みたいなことが現実に起きてしまっているのである。

むろん、そんな構図をあからさまに見透かされてはぐあいが悪い、といった程度のことは、名張市や名張まちなか再生委員会にもさすがに察しがつくだろうから、それ相応の粉飾は施されることであろう。とはいえ、名張まちなか再生委員会のやることである。桝田医院第二病棟跡地に建てられた案内板と同様、幼稚園児の切り貼り遊び程度の粉飾でお茶を濁すしかないのは眼にみえている。そして、あのおそまつな案内板をまったくノーチェックで、ご丁寧に「名張市・名張市教育委員会」というクレジットを入れて世に送り出した名張市である。考えるということをいっさいせず、どんな批判を受けても柳に風、馬耳東風、蛙のつらに小便、やなせ宿にかんする質問がメールで寄せられても答えようとはせずに、ただばかみたいにぼんやり受け流すしか手はあるまい。ばかみたいに、というか、ほんとにばかなのであるが。

だからもう、やなせ宿の見学会だろうが音楽会だろうが創価学会だろうが、好きにやってくれればいいのである。好きにしろ、というしかないのである。なにしろここ名張市はもはや無法地帯である。無政府状態である。アナーキーである。亜無亜危異である。ザ・スターリンではないけれど。とにかく行政に直接携わる人間が、平気な顔をしてジャスティスやフェアネスを踏みにじるのである。ジャスティスやフェアネスがどういうものか、それすら理解できていないようなのである。何を批判しても、どこが悪いの? と真顔で尋ねられそうな恐怖がある。さよう。これはもう恐怖である。恐怖と呼んでさしつかえあるまい。不合理や理不尽が公然とまかり通る恐怖。名張市は漫画みたいなことばかりしているのであるが、それはどうやらホラー漫画であるらしい。善良な市民は恐怖におののくばかりである。
万機公論に決すべし、なんてどこの話だこら、という話である。もう少し正確に、というか、わかりやすくするために、中学生の歴史の教科書から引いてみる。その手の教科書は扶桑社から出た『市販本 新しい歴史教科書』しか手もとにないので、当然そこから引くことになる。あくまでも興味本位で買ったものなのだから、こんな教科書をもっているからといって、やれ偏向だやれ右翼だやれ「靖国」上映賛成だ、などと大騒ぎはしないでいただきたい。

第四章「近代日本の建設」の第二節「明治維新」から引用。

   
1868年3月、明治天皇は、公家・大名を率いて、新しい国づくりの大方針を明らかにする五箇条の御誓文を発した。そこでは、会議を開き、世論にもとづいて政治を行うこと、言論活動を活発にすることなどがうたわれていた。これによって、日本が西洋の文明を取り入れ、近代的な立憲国家として発展していく道すじが切り開かれた。

何も中学生用の教科書をもちだすことはないではないか、という意見もあろうが、ちょっと案内板つくらせたら中学生の壁新聞にも劣るしろものを高い金かけてつくってしまうような連中が、この名張市にはごろごろしているのである。レベルの低さは尋常ではない。とても安心はできない。

で、引用中にある「会議を開き、世論にもとづいて政治を行うこと」というのが、五箇条の御誓文の第一条「広ク会議ヲ興(おこ)シ 万機(ばんき)公論(こうろん)ニ決スヘ(べ)シ」という条文の意味である。逐語訳も載せられているからついでに引いておくと、「会議を開いて、広くみんなの意見を出し合い、すべての政治は世論に従って決めるべきである」。

それでまあ、細川邸整備事業をみるかぎり、「広くみんなの意見を出し合い」なんてものではとてもなく、「世論に従って決め」られたわけでもまったくない。ここ名張市においては、比喩的にいえば、明治維新以前の政治がおこなわれているのである。具体的にいえば、名張まちなか再生委員会による単なる「私論」が、なぜか「公論」にすり替えられてしまっているのである。そこにはどんなトリックがあったのか。

名張市議会の場合を問題にしてみる。名張市議会はたしかに、細川邸の整備事業に同意したはずである。細川邸の整備を決定したはずである。名張市が細川邸の整備を提案しても、市議会が否決すれば、話は流れてしまう。整備はできない。しかし実際には、市議会が提案を可決して、それによって整備が決定されたのである。そして、いまや改修工事も無事終了し、来月7日には無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館として、名張市におけるまごうかたなき失政のシンボルとして、やなせ宿がめでたくオープンするのである。

ではいったい、名張市議会はこんな施設の整備になぜ承認を与えたのか。どんなプロセスがあったのか。くわしいことはよくわからないのだが、当方の知るかぎりでは、平成17・2005年2月18日、名張市議会の重要施策調査特別委員会が開かれ、「名張地区既成市街地再生計画『名張まちなか再生プラン』(案)について」が審議された。名張市が名張まちなか再生プランを説明し、プランをめぐる議員の協議がおこなわれて、これで実質的に、名張市議会は名張まちなか再生プランにゴーサインを出したということになる。そのはずである。

そのあと、どうなったのか。細川邸整備のための予算がおりおりに予算案に盛りこまれ、つまり解体や改修などのための予算なのであるが、それが市議会の定例会でおりおりに原案どおり可決されて、気がついたらやなせ宿ができあがっていたということなのだと思う。要するに、これまでにもたびたび指摘してきたことではあるが、細川邸を歴史資料館として整備するというプランに市議会がゴーサインを出したあと、プランを白紙に戻して初瀬街道からくり館にするだの初瀬ものがたり交流館にするだのと二転三転した決定は、すべて市議会とは無関係なところでなされていたのである。

むろん、名張市議会の眼が節穴だったという問題はある。おおいにある。自分たちのくだした判断、つまり、細川邸を歴史資料館として整備するという提案をよしとした判断が、なんの権限も担保されていない名張まちなか再生委員会によってくつがえされたのである。だというのに、市議会は平気な顔である。普通なら怒ってるところである。議会を無視するなと名張まちなか再生委員会に怒鳴りこんでいるところである。しかし実際には、知らん顔である。というか、問題に気づきさえしていないのではないか。つまり市議会にもおおいに問題がある。だが、本質的な問題は別のところにある。

本質的な問題。それは、名張市が名張まちなか再生委員会の専横を黙認し、放置していたことである。委員会がもっていないはずの権限をあると認め、委員会の決定がそのまま名張市の決定であると認めてきたことである。そんなものはむろん、まったくのインチキである。でたらめである。ペテンである。昨年10月に名張市考査委員会から提出された「名張市事務事業評価報告書」でも、きっちり指摘されていたところである。再掲しておく。

   
シートNO.
4022

事務事業名
中心市街地活性化事業

総合評価
継続(事務改善)

主な意見
・「まちなか再生委員会」の位置づけが不明確であり、責任主体の明確化が必要である。
・指定管理者の導入は公募を前提とすべきであり、NPO法人への特命は望ましくない。
・計画が楽観論過ぎるので、組織、権利関係を明確にするため、条例の担保が必要である。
・ワークショップとしての位置づけを明確にし、事業決定権は市長にあることを明らかにする必要がある。

どんな事実にもとづいているのかはわからないが、位置づけすらあいまいな名張まちなか再生委員会が好き放題なことをしていて、事業決定権をもっている名張市長はそれを黙認放置しているという指摘が、指摘というより批判なのだが、ここには記されている。そしてそれは、おおいにうなずかれるところである。

ないはずの権限があることにされた例は、たとえば「やなせ宿」という名称にもみることができる。

昨年6月6日付産経新聞から引用。

   
改修整備後の細川邸 名称「やなせ宿」に 年度内オープンを

明治時代の日本家屋のおもかげを残す「細川邸」(名張市新町)の再利用を検討しているNPO「なばり」(■■■■・理事長)は、改修整備後の施設名称を「やなせ宿」にすることを決めた。母屋を切り妻屋根と出格子の趣あるイメージに演出し、年度内のオープンを目指している。

細川邸は明治中ごろに建設された家屋で、平成17年春に所有者が敷地(約1000平方メートル)を市に無償提供し、建物は寄贈。建物の寄贈を受けて旧市街地の住民らでつくる同NPOが、再活用の方法などを検討してきた。

引用中、■で示した箇所には人名が入っているのだが、武士のなさけで伏せ字とした。

この記事によれば、やなせ宿という名称はNPOなばりによって決定された。しかし、NPOは最終的な決定機関ではないのである。にもかかわらず、NPOの決定がそのまま名張市の決定として認められている。ささいなことだが、これは重要なことである。かりにNPOが名張市から名称の検討を依頼されたとしても、それはあくまでも検討というレベルの話である。検討の結果が名張市に伝えられたあと、その結果を採用するのかどうか、それは名張市が主体的に判断するべきことである。だが、やなせ宿という名称の場合、そうした手続きが欠落している。NPOの判断イコール名張市の判断ということになってしまっている。これすなわち、トリックなのである。

このNPOは、そこらの駅弁大学の御用学者先生とこっそりつるみ、なんの必要もない研究を委託して、その対価を名張市に支払わせたNPOでもある。ここにもまた、NPOの決定がそのまま名張市の決定として認められた例がある。トリックがある。だから、名張市が三重大学に支払った149万9400円、そんなものはどう考えたって不当な支出なのだから、名張市長は名張市に全額をとっとと返還したらんか、という住民監査請求を起こしたのだが、監査結果は、協働だからいいんです、とのことであった。NPOの決定はそのまま名張市の決定であるというインチキが、つまりは名張市のトリックが、協働という言葉によって正当化されたのである。しかし、監査委員に扮したそこらのポチがいくらきゃんきゃん吠えたところで……

ここで、ふと思いついた。細川邸の整備にかんして、名張市議会は、というより市議会議員の先生がたは、いったいどのようにご認識なのであろうか。その点をお訊きしてみるのも一興であろう。

名張市公式サイト:名張市議会 議員名簿

このページには、議員先生のホームページアドレスも掲載され、リンクも設定されている。何かをお訊きするとしたら、こうしたサイトにメールで質問するのが手っ取り早いわけなのであるが、たとえば、議長先生のサイトがこれ。

名張市議会議員福田博行のホームページ:トップページ

リニューアル中とのことである。しかも、おととしの9月からずーっとリニューアル中であるという。えらいものである。どんなサイトに生まれ変わるのか、じつに楽しみである。名簿順につぎに進む。

森脇かずのり:トップページ

この先生は、名張まちなか再生プランが策定されたときには、まだ市議会議員ではいらっしゃらなかったはずである。当初からのくわしい経緯はご存じあるまい。名簿順につぎに進む。なんだか変なお姉さんの写真が出てくる。

名張市議会議員(中川敬三)三重県:トップページ

まったくわけがわからない。わけがわからないといえば、議員名簿のページでは、公明党所属の先生がたのホームページの欄がブランクになっている。ウェブサイト名張人外境の過去ログを調べてみたら、おととし7月の時点では、こんなサイトがあったのである。

20080508a.gif


この「名張市議会公明党議員団」のサイトが、いつのまにか消滅してしまったらしい。インターネットを利用して市民と連携することを断念したということか。なんとも意味が不明である。ちなみに「日本共産党名張市会議員団」のサイトは健在である。

日本共産党名張市会議員団:トップページ

健在と表現するのもおかしなことであるが、こうして名張市議会議員の先生がたのサイトをチェックしてみると、わずか二年前にあったサイトがそのまま存在しているというだけで、なんだかほっとするような感じである。で、名張市議会議員の先生がた二十人の公式サイトは、以上に尽きている。

ほかにただおひとかた、ブログを開設している先生がいらっしゃる。

「名張を本気で変える!!」田合たけしの活動日記:10回の訓練(4月24日)

これもまた意味不明である。「タウン情報紙YOUに謝罪文が載っています」といわれたって、誰が誰に謝罪しているのかさっぱりわからない。そこで、YOUを見てみる。

伊賀タウン情報YOU:議員の姿に驚き 入学式 祝電の順は?(4月25日)

こらあかん。さっぱりわやである。この先生には何をお訊きしても無駄であろう。そっとスルーしておくことにする。それにしても、大丈夫か名張市議会。

なんだか寄り道をしてしまったが、とにかくこの名張市では、公論にもとづかない決定が大きな顔をしてまかり通っているのである。もちろん名張市がまかり通らせているのである。そのためのトリックが、たとえば名張まちなか再生委員会の場合でいえば、委員会が有していない権限をあると認め、委員会の決定がそのまま名張市の決定であると認めることであった。すなわち、万機公論に決すべし、ではなくて、万機私論に決すべし、というのが名張市の実態なのである。大丈夫かほんとに。
連休が終わった。へろへろの連休がようやく終わった。名張市役所の業務も通常モードに復するはずである。間髪を入れることなく、メールを送信した。送信先は名張市都市環境部市街地整備室、アドレスはshigaichi@city.nabari.mie.jp、件名は「お答えまだでしょうか」。

文面はこんなあんばい。

   
おはようございます。4月22日と29日にメールをお送りし、やなせ宿について質問した善良な市民です。お答えはまだでしょうか。

質問はふたつあるのですが、先日もお願いしましたとおり、とりあえずひとつだけ、教えてください。

(1)やなせ宿の利用申請はどのように手続きすればいいのか。申請はいつから受け付けるのか。

きょうは5月7日。ということは、ちょうどあと一か月で、やなせ宿がオープンするわけです。利用の申し込みも、そろそろ受け付けてもらえるころではないでしょうか。

ちなみに、やなせ宿の利用予定は次のとおりです。

破邪の一刀、受けてみよ!──やなせ宿開設記念いやがらせ連続講座
・第一週「名張の歴史をしっとるか」=6月14日を予定
・第二週「なにがやなせ宿だばーか」=6月21日を予定
・第三週「乱歩はどこへきえたのか」=6月28日を予定
・第四週「へたれ責任者でてこんか」=7月5日を予定

もしも、利用申請手続きにかんして、こまかいことがまだ決まっていないというのでしたら、質問者にたいして、お問い合わせをいただきましたが、細則が決定しておりません、決まり次第お知らせいたしますので、もうしばらくお待ちください、とでもいった返信を送るのが、いわゆる普通のやりかた、一般的な作法というものではないでしょうか。

あるいは、おまえにやなせ宿を使用させる気はない、というのでしたら、その旨をお知らせください。はたまた、そもそも質問に答える気がない、というのであっても、やはりその旨をお知らせください。そうでないと、善良な市民はわけがわからずに困惑するばかりです。

市民というのは、いってみればみなさんの雇用主です。主人です。名張市の公務員のみなさんは、名張市民に雇われたサーバントです。パブリックサーバントです。全体の奉仕者です。みなさんの主人である市民が、市民の税金で整備されたやなせ宿にかんして、とても簡単なことを尋ねている。その質問に、名張市のパブリックサーバントはどうして答えようとしないのか。

というか、名張市のパブリックサーバントはどうして、特定の市民にしか顔をむけようとしないのか。ごくごく少数の特定の市民だけに奉仕するサーバントになってしまっているのか。全体の奉仕者ではなくなっているのか。その点が、善良な市民には疑問に思われてなりません。やなせ宿の整備にしても、まさしくごく少数の特定の市民によって、すべてが決められたようにしかみえません。

おそれおおくも明治天皇におかせられましては、明治元年宣布の「五箇条の御誓文」において、「万機公論ニ決スヘシ」との方針をお示しになられました。万機、公論に決すべし。だいじなことは、みんなで決めるように、といった意味です。ところがここ名張市では、少なくともやなせ宿にかんするあれこれをみるかぎり、「公論」などはどこを探してもみつかりません。ごく少数の特定の市民が……

いやいや、こんなことを申しあげてもしかたがありません。とにかく上記の質問に、一日も早くお答えください。よろしくお願いします。

2008/05/07

名張市職員のみなさんに何をいってもいたしかたあるまいが、公論なんてどこにもない。万機公論ニ決スヘシ、などというのは、遠い異国のならわしでしかないという気がする。いまや細川邸改めやなせ宿にかんしては、名張まちなか再生委員会のごくわずかな数の人間が、密室のなかですべてを仕切っているのではないかと推測される。わずかもわずか、三人ほどだという話さえ伝わってくる。どこに公論があるというのか。公論にもとづいた決定がどこにあるというのか。
連休である。へろへろである。連休初日の夜であったか、あるいはその前夜であったか、しかとは思い出せぬほどへろへろなのであるが、とにかく人が訪ねてきていいだけ飲んだのを皮切りに、人の家へ行ったりまちに出たりまた人が訪ねてきたり、毎晩痛飲してへろへろになった。きのうようやく小康を得たのだが、ちくま文庫に入った高田渡の『バーボン・ストリート・ブルース』を読んでいたら、それだけで酔っぱらったみたいになってきた。なんだかあすにでも死ぬのではないかという気がしてきた。澁澤龍彦が死んだ齢まであと四年、なんて悠長なことはいってられないのかもしれない。高田渡が死んだ齢まであと一年なのである。これを中島らもが死んだ年齢に比較するならば、驚くべきことに指折りかぞえてマイナス三年。がーん。ま、そんなこといいながら、きょうもきょうとて大阪で大宴会なのであるが。

さるにても、連休である。連休の後半である。昨年度、ということは今年の3月31日までに整備が終了していたのだから、いくら遅れるにしたってせめて連休前にはオープンさせろよな、観光交流施設が観光シーズンに開店休業でどうする、という市民の声すら聞こえてくることのない細川邸改めやなせ宿であるが、まだなのである。名張市役所の回答がまだなのである。やなせ宿を利用したいんですけど、という質問にたいする返事がまだなのである。はじめてメールで問い合わせたのは4月22日のこと、29日に催促のメールを出し、そのあと30日から5月2日までは連休ではなかったというのに、あんな簡単な質問になぜ答えられぬ。やなせ宿同様、名張市役所も開店休業しておるのか。

4月12日付のYOUでは、名張市都市環境部長が「市民の皆さんには、やなせ宿を積極的に活用していただきたい」とコメントしていらっしゃったではないか。だから市民が、それもただの市民ではない、伊賀地域を代表する知性と称されている市民が、やなせ宿を積極的に活用するべくその申請手続きについて質問しているのである。いつから申請を受け付けるのかと尋ねているのである。どうして答えない。答えようとしない。都市環境部長のコメントはうそであったのか。あれもうそならこれもうそ、名張市のいってることはみんなうそ、みたいなことなのか実際。名張市民のひとりとしては、ひたぶるにただなさけない。

なさけないというより、こんなことばかりつづけてると名張市はほんとに市民から見放されてしまうぞ、と案じられてくる。見放してる市民も少なからず存在しておるのではないか。しかし、名張を発見してくれる人もまたかならず存在しているのであって、これはなんというのか、やなせ宿がはじめて観光スポットとして脚光をあびたということになるのかもしれないが、名張をご紹介いただいたブログ記事。

永遠のJガール:名張の奥へとふみこむ

やなせ宿の写真まで掲載されている。ありがたいことである。名張まちなか再生委員会は、やなせ宿訪問客第一号として公認し、オープニングセレモニーで感謝状の一枚もお贈りするべきであろう。
連休である。かまうものか。さっき、名張市役所にメールを出した。4月22日にもメールで質問を送信したのだが、まだ回答がない。その催促のメールである。送信先は名張市都市環境部市街地整備室、アドレスはshigaichi@city.nabari.mie.jp、件名は「やなせ宿についておききします〜」。

文面はこうである。

   
こんにちは〜。このあいだ〜、やなせ宿のことで〜、質問のメールを〜、出したんですけど〜、とどいてませんか〜。念のために〜、もういちど〜、出しますね〜。

(1)やなせ宿の利用申請はどのように手続きすればいいのか。申請はいつから受け付けるのか。

(2)名張まちなか再生プランで歴史資料館として整備されることになっていた細川邸が観光交流施設のやなせ宿に変更された理由は何か。

ふたつめのはあとでもいいですから〜、とりあえずひとつめに〜、こたえてくれませんか〜。やなせ宿で〜、連続講座〜、やりたいんですよ〜。

やなせ宿開設記念いやがらせ連続講座
第一週「名張の歴史をしっとるか」=6月14日を予定
第二週「なにがやなせ宿だばーか」=6月21日を予定
第三週「乱歩はどこへきえたのか」=6月28日を予定
第四週「へたれ責任者でてこんか」=7月5日を予定

最後の「へたれ責任者でてこんか」は〜、シンポジウムなので〜、名張まちなか再生委員会のえらい人とか〜、名張市のえらい人とか〜、ご出席をおねがいしなければ〜、なりませんので〜、早くしたいとおもいますので〜、メールでお返事〜、おねがいしますね〜。

2008/04/29

二点目の質問には、即答は返ってこないかもしれない。即答どころか、いつまで待っても回答はないかもしれない。まともな説明などまるでできないことを、名張市はしでかしてしまったのである。

しつこいようだが、経緯を確認しておく。

平成17・2005年6月26日、名張まちなか再生委員会が発足した。

翌27日付中日新聞から引用。

   
名張地区活性化 官民一体で再生委スタート

商店街の空洞化や人口減が進む名張市の中心市街地・名張地区の活性化に官民一体で取り組む「名張まちなか再生委員会」の設立総会が二十六日、同市元町のリバーナホールで開かれた。

委員会は、住民による名張地区まちづくり推進協議会を中心に、市や市内各種団体の代表者四十一人で結成。今年三月に市が策定した活性化計画「まちなか再生プラン」を実践する。

プランには、旧家「細川邸」の改修による歴史資料館化や、地区を網の目のように走る簗瀬水路周辺の景観整備など、地域の固有資源を活用した事業が盛り込まれた。委員会は改修・整備内容や運営方針などを市からゲタを預けられた形で具体的に決めていく。

同年7月29日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第二回会合が開かれた。名張市にたいする公文書公開請求で入手した議事録によれば、この会合で「細川邸は、歴史資料館ではなく“(仮称)初瀬街道からくり館”を基本テーマとする」ことが決定された。

無茶苦茶である。名張まちなか再生プランには、細川邸を歴史資料館として整備すると記されていた。中日の記事でも、「旧家『細川邸』の改修による歴史資料館化」が筆頭にあげられている。それが、委員会発足後一か月で、あっさり変更されてしまったのである。議事録には、変更の理由はひとことも記されていない。名張まちなか再生委員会による、密室のなかのまったく恣意的な決定である。正当性などどこにもない。

名張まちなか再生委員会に、どんな権限が与えられているというのか。それは何によって担保されているというのか。そんなものは、虚構でしかない。名張まちなか再生プランが市議会のチェックや市民のパブリックコメントというハードルをクリアして決定されたものである以上、その決定をくつがえすにはおなじハードルをクリアする必要がある。そんなこともわからんのか。

わからんのである。名張まちなか再生委員会の当時の委員長に面会し、決定をひっくり返すのなら名張地区既成市街地再生計画策定委員会を再招集してプランの練り直しをさせろ、と要求したのだが、答えはNOであった。無茶苦茶である。

平成18・2006年7月23日、「広報なばり」7月4週号が発行され、「-検証- 名張のまちなか再生は進んでいるのか?」が掲載された。歴史拠点プロジェクトの関連事項を引用。

   
旧細川邸を改修して「(仮称)初瀬ものがたり交流館」を整備します。旧家の風情を生かした魅力的な交流拠点として、企画展示・イベントなどを催し、多くの人に来館いただけるような施設づくりを目指します。

ごらんのとおりである。なんの説明もない。きわめて不可解なことである。細川邸は歴史資料館になるはずであった。名張市は市民に、そのように約束したのである。だが、できあがったのは、やなせ宿という名の観光交流施設である。市民にはなんの説明もない。市民との約束を反故にした理由は、いっさい明らかにされない。やなせ宿ができました、ご利用ください、という告知しかなされない。インチキである。ペテンである。詐欺である。

市民の眼にみえないところで、いったい何がおこなわれていたのか。名張市と名張まちなか再生委員会との結託であり、癒着である。官学民がみつどもえでからみ合い、官から学に血税百五十万円が流れてしまう癒着まであった。

さらにいえば、名張市から名張まちなか再生委員会にたいする、一方的な便益の供与があった。細川邸を特権的独占的に占有させる無根拠な優遇があった。名張市は市民に何も知らせないまま、名張まちなか再生委員会の専横を容認しつづけ、委員会はその容認のうえにあぐらをかいて、しかし結局はこのざまなのである。何も考えられず、何も決められない。膠着状態の泥沼である。にもかかわらず、委員会の専横はとどまるところを知らない。

さあ、どうよ。細川邸整備事業にかんする、あるいは、名張まちなか再生委員会にかんする問題は、はっきりいって腐るほどある。そのうちのひとつについて、「名張まちなか再生プランで歴史資料館として整備されることになっていた細川邸が観光交流施設のやなせ宿に変更された理由は何か」と質問しているのである。いつまでも知らん顔のほっかむりはできるものでもないだろう。世にいう説明責任ってやつである。名張市は市民との約束を破ってしまったのである。破ったら破ったで、市民が納得できるだけの説明をする義務があるはずである。

とはいえ、この質問に明快な答えが返ってくるとは思えない。合理的な説明がなされるとは思われない。さあ、どうよ、といったって、やっぱり梨のつぶてかな。そのときにはいったい、どうすればいいのかな。
四回連続となった案内板デザイン講座、いよいよ最終講義である。鬼の気合できょうも行く。

ひとことでいえば、無茶苦茶なのである。細川邸整備事業がそうであったごとく、まちなか四か所の公共サイン設置事業もまた、といったって「江戸川乱歩生誕地碑広場」以外の案内板はまだみたことがないのだが、いずれおなじような程度であろうとたかをくくっておくことにして、ひとことでいえば無茶苦茶なのである。そもそも確たる目的がない。しいてあげれば、細川邸を整備するということ、公共サインを設置するということ、それじたいが目的なのである。事業を遂行し予算を執行することが自己目的化していて、ほかにはなんの考えもない。ひとことでいえば、ばかなのである。

だから幼稚園児の切り貼り遊びだといわれる。

中学生がつくった壁新聞にも劣るといわれる。

中学生がつくった壁新聞なら、記事を書くためのノウハウや、レイアウトにかんするABCといったものが、中学生なりの理解力で確実に紙面に反映されているはずである。しかしこの案内板には、そんなものはまったくない。ノウハウもABCもあらばこそ、そもそもデザインという概念が存在していない。スペースを切り貼りで埋めればそれでよろしい。予算が執行できれば問題はない。出来のよしあしなど関係はない。よしあしを判断する能力すらない。むろん、あとのことなんてまるで知らない。関知しない。ま、そういったことである。

もっとも、この案内板にだって、ちゃんと反映されているものはある。何か。名張市という自治体の無策無能無責任ぶりである。この案内板一枚に、あるいは、この案内板一枚にも、といったほうが的確かもしれないのだが、名張市の無策無能無責任はじつに色濃く反映されている。隠しようもなく示されている。表れている。にじみ出ている。結局のところこの案内板は、名張市の無策無能無責任を発信するために設置されたようなものなのである。むろん案内板なんかなくたって、乱歩生誕地碑広場そのものが名張市の無策無能無責任を雄弁に物語っているのではあるが。

乱歩と名張の唯一の接点であるといっていい土地を、乱歩にちなんで活用することを条件に所有者から寄贈され、ありがたく広場として整備させていただきました、なんてことで話をすませてしまったのが名張市である。無策といえばあまりにも無策、無能といえば救いがたく無能、無責任といえば絶望的なまでに無責任である。そしてこの無策無能無責任は、生誕地碑広場やその案内板のみにはとどまらない。いまさら指摘するまでもなく、細川邸整備事業にも明瞭にうかがえる。なんというのか、もうそこらじゅう、名張市ってとこは無策無能無責任の金太郎飴状態なのである。

案内板のデザインひとつまともにできない。幼稚園児の切り貼り遊びみたいなやっつけ仕事しかできない。デザインもへったくれもないのである。こんな名張市には、市全体のグランドデザインを提示するなんてことはとてもできない。たとえできたとしても、幼稚園児の切り貼り遊びにすぎない。つまり名張まちなかの再生など、はなから無理なことだったのである。まちなか再生の名のもとに、名張市はいったい何をやったのか。まちなかに残されていた可能性の芽を、重いコンダーラで試練の道をがちがちに固めてしまうようにして、きれいに踏みつぶしてしまうことであった。こんなことなら、案内板のデザイン講座なんかよりもっと早い段階で、地域社会のグランドデザイン講座を開いておくべきであったかと悔やまれる次第であるが、いまとなってはあとの祭りである。

ではここで、案内板デザイン講座の講師作品として、江戸川乱歩生誕地碑広場にふさわしいと思われる案内板のデザインを、あらためて披露しておく。

20080224a.gif

ほんと、こんなんでよかったんじゃね? つか、これしかねーんじゃね?

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