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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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 すまんすまん。
 
 また、間があいてしまった。
 
 いろいろあってな。
 
 まず、神戸市における横溝正史生誕地碑建立記念イベントの講演会について。
 
 先日もそんな雲行きだとお知らせしておいたのだが、あれが本決まりとなった。
 
 来年もひきつづいて講師をあいつとめることが、正式に決定したのである。
 
 つまり、来年もまた、名張市民のみなさんならびに名張市役所のみなさんに、ゆすりたかりを働くことになったということである。
 
 すまんな。
 
 すまんすまん。
 
 なにぶんのご高配を願いあげる次第である。
 
 先日の講演会をご紹介いただいたブログがあるので、ここでお知らせしておきたい。
 
永遠のJガール:火曜日なれど祝日なり(2010年11月23日)
 
雫石鉄也のとつぜんブログ:横溝正史生誕地碑建立6周年記念イベント(2010年11月23日)
 
KENPRODUCTION 私は眠らない。:乱歩と正史(2010年11月30日)
 
 二銭銅貨煎餅の写真を掲載していただいたエントリもあり、ゆすりたかりを働いた身としてはなにがなし面目をほどこしたような気にもなって、まことにありがたいことであると感謝している。
 
 さて、アドバイザーである。
 
 名張市乱歩関連事業アドバイザーである。
 
 アドバイザーってなに? とお思いの向きもあろう。
 
 いささかの説明を加えておく。
 
 もう一年以上まえのことになるけれど、おらおらおらおら、とおれはごねてやったわけね。
 
 テロかますぞテロ、おらおらおらおら、とごねてやった。
 
 テロかまされるのがいやだったら、乱歩のことをちゃんとやらんかこら、とごねてやった。
 
 しかし、相手は名張市役所のみなさんである。
 
 最初から知れていたことではあるのだが、ちゃんとやる、ということができない。
 
 このブログでいくたびもいくたびも、しつこくも指摘してきたそのとおり、ちゃんと考えて、ちゃんと決める、ということがまったくできない。
 
 ばかみたいに吠えまくってきたとおり、
 
 ──ほんとにもう、お役所あたりのうすらばかがめいっぱいおよろしくないおつむで適当なこと勝手に決めてんじゃねーぞこのすっとこどっこい、いっぺん泣かしたろかこら、と思われてなりません。
 
 というのが、おれの心の叫びだったわけね。
 
 たとえば、今年の6月21日にはこう記した。
 
 ──ほんとにもう、お役所あたりのうすらばかがめいっぱいおよろしくないおつむで適当なこと勝手に決めてんじゃねーぞこのすっとこどっこい、いっぺん泣かしたろかこら、と思われてなりません。
 
 ということなのであろう。それが名張市の厳しい現実なのである。厳しい。非常に厳しい。だから、そもそも、名張市役所のみなさんに、乱歩のことをちゃんと考えてくんない? とお願いしてみても、はかばかしいことには絶対にならない。そんなことは最初から知れておる。しかし、考えてもらわなくちゃしかたがない。それが名張市役所のみなさんのお仕事なのである。不作為とか、丸投げとか、そんなものはお仕事でもなんでもないんだぞ。主体的に考える。それが本来のお仕事である。だが、お役所のみなさんは、考えることが苦手である。なにも考えようとしないし、考えるために必要な知識を身につけようともしない。ただのばかとして一生を貫きます、みたいな感じなのであろうな。だから、おれだって、ただ考えてくれ、とゆうておるわけではない。おれは最初から、去年の秋から、お役所のみなさんが乱歩のことを考える場に、おれも立ち会わせてくれんかね、とゆうとるわけなのな。
 
 つまりおれは、一年以上もまえから、お役所のみなさんに乱歩のことを真剣に考えてくれとお願いし、しかしお役所のみなさんには考えるなんてことは無理無理無理無理、とても不可能なんだから、とりあえず考えるための機会を設定してその場におれを立ち会わせてくれんかね、とお願いしてきたわけなのな。
 
 その願いが天に通じ、名張市にも通じて、控えおろう、名張市乱歩関連事業アドバイザーである、ということにしていただけたのである。
 
 していただけたのではあるが、ほんとのことをいえば、名張市の乱歩関連事業なんて、おれにはまったく興味がない。
 
 そんなのもうやめとけば? とさえ思っているのだが、ほっとけないことがひとつだけある。
 
 乱歩にかんして、ちゃんと考えて、ちゃんと決めていただきたい、と念願してきたことがある。
 
 いうまでもなく、名張市立図書館にかんすることである。
 
 名張市立図書館における乱歩関連資料の収集と活用についてである。
 
 どういうことか。
 
 こういうことなわけ。
 
中 相作 さま
 
このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました。
 
名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針につきましては、現在のところございませんが、今後、図書館活動の一環として、江戸川乱歩に関連する図書や雑誌などの資料を、収集・保存に努めてまいりたいと考えています。
 
今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。
 
平成20年10月 9日
 
 名張市長 亀井利克
 
 おととし10月の文書だが、状況にはいまも変化がない。
 
 この文書に記されているとおり、活用の方針などなにもないまま、名張市立図書館は乱歩関連資料の収集をつづけている。
 
 しかし、活用するあてがないのなら、税金で乱歩関連資料を収集することなんてもうやめたら? と考えるのが、一般的な市民感覚というやつではないか。
 
 じつはおれもそう考えていて、いずれ名張市乱歩関連事業アドバイザーとして、やっぱもうやめたら? というアドバイスをしなければならんかも、と思わないでもない。
 
 とはいえ、それは最悪の結論というやつである。
 
 名張市立図書館にはもちろん、乱歩のことをちゃんとやっていってもらいたい。
 
 それがおれの願いである。
 
 したがって、名張市乱歩関連事業アドバイザーとしては、一般的な市民感覚をもった諸兄姉にも納得していただけるように、収集資料の活用方針を明確にする作業に着手する、ということになるのかというと、そんなことではまったくない。
 
 名張市立図書館はもっと重症である。
 
 どんな状態なのか。
 
 乱歩関連資料というのはそもそもどういうものか、ということが、ちっとも明確になっていないのである。
 
 活用がどうこういう以前に、乱歩関連資料ってなに? ということを、名張市立図書館はちっとも考えておらんのである。
 
 そんなことも考えてなかったの? と首をかしげる向きもおありであろう。
 
 考えてなかった。
 
 なにも考えてなかった。
 
 ふつうなら、ありえねー、という話である。
 
 乱歩関連資料を収集する、と決めたのであれば、まず最初に、乱歩関連資料とはなにか、なにを収集すればいいのか、ということが明確になっていなければならない。
 
 それがもう、ぜんっぜん、なわけなのな。
 
 名張市立図書館の開設は、指折り数えれば四十一年もまえ、昭和44・1969年のことであった。
 
 開設準備の段階から乱歩関連資料を収集しておったのだが、それはただ、古書店に足を運んで乱歩と名のつく商品をとりあえず購入しただけ、ということだったと思われる。
 
 それ以降も、乱歩関連資料とはなにか、なにを収集すればいいのか、ということがまじめに考えられることはなく、古書店の目録から乱歩と名のつく商品を選んで購入していただけ、というのが、名張市立図書館における乱歩関連資料の収集であったと思われる。
 
 どうしてそうだったのか、おれにはようわからん。
 
 名張市立図書館が開館した昭和44・1969年には、ちょうど講談社から歿後第一次乱歩全集が配本中だったわけなんだから、それをぼちぼち読み継いで、小説を、評論を、随筆を、自伝を、と読破していったならば、開館してまもない段階で、乱歩関連資料をどう定義し、どう収集し、どう活用するか、みたいなことの基本線はおのずから明確になっていたはずなのである。
 
 そんな簡単なことがなぜなされなかったのか、おれにはさっぱりわからんのだが、端的にいってしまえば、お役所の風土というやつのせいであると思われる。
 
 それはもう、お役所の風土や、お役人の体質などというものは、じつにひどいものであるからな。
 
 ただし、そうした風土や体質の話には、いまはこれ以上、踏み込まない。
 
 乱歩関連資料をどう定義するか、という眼前の問題について話を進める。
 
 はっきりいって四十年ほど遅くなったわけではあるが、それをきっちり定義することなしに、名張市立図書館は乱歩関連資料を収集することができない。
 
 だったら、いくら四十年遅れだとはいえ、やるべきことはやらなければならない。
 
 たとえば、つい先日、こんなアンソロジーが出た。
 
20101213a.jpg
 
 乱歩の「押絵と旅する男」が収録されている。
 
 これは、名張市立図書館が乱歩関連資料として収集すべき本なのか、そうではないのか。
 
 現時点では、いずれとも決しがたい。
 
 「押絵と旅する男」という作品そのものは、この本を購入しなくたって、名張市立図書館の蔵書でいくらでも読むことができる。
 
 ただし、「押絵と旅する男」がどういう文脈に位置づけられているのか、わかりやすくいえば、ほかの作家のどんな作品といっしょに一冊の本に収められているのか、それを知るためには、この本を購入する必要がある。
 
 ただしこの本、文庫本である。
 
 だから、文庫になる以前の本、いわゆる親本というやつが存在している。
 
 親本を所蔵しているのであれば、文庫本まで購入する必要はないのではないか、という考えもありということになるだろう。
 
 いったいどうすればいいのか、などといちいち思案しなければならんようでは困るから、はっきりした収集方針を決めなければならない。
 
 ただし、おれが決めるわけではない。
 
 おれはあくまでもアドバイザーである。
 
 有用適切なアドバイスをすることはいくらでも可能だが、当然のことながら、最終的な決定権はもっていない。
 
 ちゃんと考えて、ちゃんと決める、というのは、あくまでも名張市立図書館がやるべきことなのである。
 
 お役所の人たちがもっとも苦手とすることではあるが、主体的に考えて、主体的に決める、ということをやってもらわなければならない。
 
 どうなるのであろうな。
 
 アドバイザーとしては、とても不安である。
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とにかく乱歩が書いたものをよーく読んでみようねと
 ●小西昌幸様
 ご投稿ありがとうございます。
 神戸ではお目にかかれず、残念でした。講演会にはほぼ三十年ぶりの対面となった知人も顔を見せてくれまして、宝塚市立手塚治虫記念館で星新一展が開かれていることはその知人、雫石鉄也さんのブログではじめて知りました。来年2月までやってるとのことですから、気が向いたら足を運ぼうかと思っております。
 来年2月、そちらでは金城哲夫さんをテーマにした講演会が催されます由、池田憲章さんがお元気らしいのでなんだかほっとしております。チラシをお送りいただければ、またささやかながら宣伝に相勤めたいと思います。
 名張市立図書館における乱歩関連資料の収集は、乱歩の自己収集を継承する、といったことでいいのではないかと考えております。要するに、ご指摘いただいたとおりのことなのですが、日本のどこかにただひとつ、そういうことを地道につづける公共施設があるべきだと思われますし、それが名張市立図書館であってもなんら問題はありません。問題があるどころか、関係者から喜ばれたり重宝されたりリスペクトされたりするのではないかと思われます。
 そういえば昨日、昭和7年の文献のコピーを送ってきてくださった方があり、本日さっそくこのエントリに記載しました。

http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/202/

 こうした情報提供は、本来であれば私ではなくて名張市立図書館が受けるべきなのですが、そうなっていないところがなんとも情けない。
 名張市立図書館へのアドバイスということでいえば、収集資料を定義することが必要なのはいうまでもないことですが、実際にはそれ以前の段階、つまり、乱歩関連資料を収集しようと思ったら、乱歩を知ること、乱歩を読むこと、そういったことが必要なんだからね、とにかく乱歩が書いたものをよーく読んでみようね、といったところから始まっているのが現状で、これもなんとも情けない話です。
 ほかのセクションならばともかく、開館以来四十年にわたって乱歩関連資料を収集し、館内には乱歩コーナーまで開設している図書館に、乱歩作品をまともに読んだことのある人間がひとりもいない、なんてことでは困ってしまいます。というか、笑われてしまいます。というか、はっきりいって異常事態ではないかと思われます。
 十三と乱歩をテーマにした講演会の件、どうもありがとうございます。私はなにしろ今年の9月、アマゾンの電子書籍リーダー、キンドルに青空文庫からダウンロードする最初の作品として「火星兵団」を選んだほどの人間ですから、お申しつけをいただければ、ありがたくお引き受けして微力ながら責めをまっとうしたいと念じております。数年先をめざし、うまずたゆまず勉強しなければなりませんけれど。
 今後ともよろしくお願いいたします。
中 相作 URL 2010/12/20(Mon)09:27:18 編集
ごぶさたしております
■徳島の小西昌幸です。神戸の講演会に行けずに申し訳ありませんでした。宝塚市立手塚治虫記念館の星新一展も気がかりなのではしごしようと考えていたのですが、仕事がたて込んでしまいました。
■来年2月27日に池田憲章氏を再びお招きして【脚本家・金城哲夫~特撮とドラマを初めて融合させた人】という講演会を開催することになりました。チラシがもうじき出来るので、送らせていただきます。
■名張市立図書館の乱歩収集の基準は、東京のゲーテ記念館の収集方針を参考にすればよいのではないでしょうか。つまり雑誌や単行本に《ゲーテ》の文字があれば全て集めるという基本方針です。中さんがリファレンス・ブックで追及された基本姿勢を踏襲されたらよいのではないかなー、と思います。
■それからこれは別件ですが、数年後に【江戸川乱歩と海野十三】というようなテーマで中さんに講師をお願いするとしたらお引き受けいただくことは可能でしょうか。まだまだ先のことですので、ゆっくり前向きにご検討いただき、心の片隅で熟成発酵していただけましたら幸いに存じます。それでは、また!
小西昌幸(先鋭疾風社) URL 2010/12/20(Mon)00:57:12 編集
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