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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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 乱歩蔵びらきの会ってどうよ
 
 そんなこんなで、名張市がミステリ講演会を民間団体に事業委託する話がまとまった。
 
名張市公式サイト:地域経営室 > なぞがたりなばり > 第19回なぞがたりなばり
 
 お読みいただいたとおり、「事業を募集させていただきました結果、1件(乱歩蔵びらきの会)のお申込みがありました。選考の結果『乱歩蔵びらきの会』へ事業委託を決定しました」という寸法である。
 
 乱歩蔵びらきの会は、昨年度のミステリ講演会における共催団体であった。平成20・2008年11月22日、名張市総合福祉センターふれあいで催された第十八回講演会である。あのときは「まちなかミニツアー」なんておまけもあって、結局おれがツアーの案内役を務めたのだが、軽くおちょくってやったっけなあ。詳細はこのエントリで読まれたし。
 
 
 一部引用。
 
   
かりに名張市が、名張のまちを案内するというただそれだけのことさえできない自治体になってしまったのだとしても、名張市名物の官民協働はどうした。たとえば、名張まちなか再生委員会があるではないか。あの委員会には歩行者空間整備プロジェクトというのがあって、江戸川乱歩生誕地碑広場をはじめとして、まちなかの四か所に八百万円ほどかけて案内板を設置してくれたのである。ならば、そのプロジェクトのチーフあたりが、まちなかミニツアーの案内にお立ちになればいいのではないか。というか、立つべきである。そんなこともできなくて、なにが歩行者空間整備プロジェクトか、なにが名張まちなか再生委員会か、なにが協働か。
 
名張まちなか再生委員会は無理だとしても、名張市公式サイトのなぞがたりなばりのページには、「主催:名張市 共催:乱歩蔵びらきの会 協賛:社団法人日本推理作家協会」と書いてあるのだから、乱歩蔵びらきの会はどうした、という話になる。当然、そんな話になる。名張のまちを乱歩がらみで案内することもできない組織が、ごたいそうに乱歩の看板をかかげて活動しているのか、という話になる。というか、乱歩蔵びらきの会は、すでに活動を停止しているのではなかったのか。ことしはたぶん、総会も開催してないはずである。だから、こんなところに名前が出ているのを見て、ちょっとびっくりしたというのが正直なところである。
 
 おれはほんと、乱歩蔵びらきの会は解散したものだと思っていた。しかし、この手の団体の場合、活動停止にはなったとしても、正式に解散することはまずないであろうな。とっくの昔になくなったと思っていたのに、人呼んで無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館、あのやなせ宿のオープン一周年記念事業にからんでなぜか顔を出してきた名張金石文研究会、なんてのもあったしなあ。だからまあ、乱歩蔵びらきの会が解散していなかった、というのはふしぎでもなんでもない。ここで名張市名物の癒着結託について述べておくと、もしも名張市と乱歩蔵びらきの会が人知れず癒着結託したというのであれば、それはたぶん第十八回ミステリ講演会が近づいていたころのことであったのかな、とは思われる。むろん、邪推である。根拠などなにもない。
 
 とはいうものの、いーんちきッ、いーんちきッ、なばりしめーぶついーんちきッ、と歌の文句にも歌われているかどうかは知らんけど、ここ名張市ではもうそこらじゅう、いたるところに癒着結託構造を基盤とするインチキが転がっておるのであって、おれが見聞きした範囲でいうと、たとえば名張市と名張地区まちづくり推進協議会との癒着結託、まちなか再生事業をめぐるあのずぶずぶなあなあはほんとにひどかった。まったくひどいものであったよなあ名張市役所の諸君。あまりにもひどいものだから、あれこれいろいろといってやったのだが、論理や合理、ものの道理といったものがいっさい通用せんのである。あれはいっそみごとなものであった。名張市で通用するのはただひとつ、癒着結託関係だけなのかもしれんという気さえするのだが、名張市役所のみなさんはどうお思い?
 
 したがって、名張市がどんなところとどんなぐあいに癒着結託したところで、いまさらべつに驚きもせんわけなのであるが、とにかく昨年度、平成20・2008年11月の第十八回ミステリ講演会は名張市が主催、乱歩蔵びらきの会が共催ということになっていて、だというのに、乱歩蔵びらきの会には、名張のまちを乱歩がらみで案内することができんというのである。だったら、共催っていったいなによ、ていうか、そんなこともできない団体が乱歩の看板かかげてるわけ? ということに当然なってくる。じつに困ったものだが、名張市役所のみなさんはどうお思い?
 
 ちなみに、ミステリ講演会の事業委託団体募集にあたり、乱歩蔵びらきの会が名張市に提出した企画書がこれである。
 
名張市公式サイト:地域経営室 > なぞがたりなばり > 第19回なぞがたりなばり > なぞがたりなばり委託事業応募企画書(pdf)
 
 さて、名張市はミステリ講演会の民間委託を実現した。いってみれば民営化である。お役所がなぜ民営化を進めるのかというと、一にも二にもコストダウンが目的である。では、ミステリ講演会が民間委託されて、事業費のコストダウンは図られたのか。よくはわからないが、ほとんど変化がないのではないか。日本推理作家協会に支払う金額は不変だし、講師のあごあしまくら、つまり食事代や交通費や宿泊料、それからポスターとチラシの印刷代、会場使用料、などといったあたりも削りようがあるまい。コストダウンと呼べるほどのものはみられなかったのではないか、と思われる。
 
 もっとも、日本全国津々浦々、コストダウンのために民営化いたします、と正直にいってくれるお役所はあまりない。まったくない、といっていいかもしれない。お役所はかならず、きれいごとのお題目を並べる。一般的には、民営化によってサービスの向上を図ります、みたいなところであろう。では、ミステリ講演会の民間委託によって、なにが変わったのか、なにが向上したのか、さあどうよ、というと、とくにみあたらないのである。サービスが低下した、ということなら確実にあって、これは遠来のお客さんからも指摘されてしまった。どんな点か。入場券が往復はがきでしか予約できなかった、という点である。
 
名張市公式サイト:テキスト版広報なばり > 平成22年2月3週号 > 江戸川乱歩生誕地・名張 第19回なぞがたりなばり講演会を開催
 
 ごらんのとおり、名張市の広報紙には往復はがきによる予約方法しか書かれていなかった。それから、なぜか速攻で削除されていたこのページ、しかたないからキャッシュでごらんいただくが──
 
名張市公式サイト:来て見てだあこ! > 「なぞがたりなばり」に来てだあこ!
 
 このページにははっきりと、「※今回は、メールでの申し込みを受け付けておりません。ご了承ください」とのことわりが書かれていた。昨年度まではメールでOKだったのだが、今回は不可、ということである。ご了承ください、とことわりを入れなければならんようなことをしている、という自覚が名張市にもあった、ということである。遠方から講演会に来てくれた人のなかに、だから申し込みが面倒だった、という人があった。一週間前に申し込んでもまだ四人目だった、とのことでもあった。面倒だから今年は予約しなかった、という人もあった。予約しなくてもかならず席があると確信していた、とのことでもあった。名張市のミステリ講演会、入場者の少なさではすでに定評がある、といったところなのであるが、それはともかく、この件は民間委託したことによってサービスが低下した一例、といっていいように思う。
 
 どんな理由があったのかは知らんけど、情報伝達にインターネットを利用しないのはまずかろう。この事業委託には「江戸川乱歩生誕地名張市をPRする事業」も含まれているのだが、名張市をPRするのにインターネットも活用できないというのでは、はっきりいってろくなことはできまい。せめてブログのひとつも開設しないことには、とても無理だと思われる。かっこうさえつかない。だから名張市は、乱歩蔵びらきの会をちゃんと指導してやるべきなのである。講演会にかんするノウハウは行政サイドに蓄積されているわけなんだから、いくらなんでも往復はがきはねーだろーが、とか、同窓会の出欠とってんじゃねーんだからよ、とか、それくらいのアドバイスはきっちりしてやるべきなのである。それにそもそも、名張市のPRを委託するというのであれば、インターネットをどう活用するのか、みたいなことは選考の段階で確認しておくべきだったのではないか。
 
 もっとも、ここ名張市において官と民とが癒着結託する場合、おたがいを批判することは絶対にしない、という暗黙の了解が存在しているらしい。ムラ社会のルールである。だから、相当まずいことがあっても、名張市が乱歩蔵びらきの会に忠告を与える、なんてことはないのかもしれんな。そういえば、まだ解散はしていないが活動休止状態がつづいている名張まちなか再生委員会、あの第一回理事会では、これは以前に引用したこともあるのだが、行政は予算をもってるスポンサーなんだから、委員会が行政を批判してスポンサーのご機嫌を損じるようなことがあってはならない、とかなんとか、驚くべきことを平然と発言している理事がいて、理事というか名張地区まちづくり推進協議会の偉い人でもあったのだが、おれはおおいに腰を抜かしたものであった。しかしまあ、名張市における官と民との癒着結託は、だいたいにおいてそんなレベルのものなのであろうな。
 
 閑話休題。要するに、ミステリ講演会を民間委託したからといって、予約受付にかんするサービスの後退以外、とくに変わったところはなかった。ぶっちゃけていえば、官が二十年ちかくかかって敷いた既設のレールの上を、民がなにも考えることなくただ走っただけの話だったのである。なんのための民間委託であったのか、どうもようわからん。しかも、民営化していきなり入場者数の最低記録を樹立したのである、といいたいところなれど、最低だったかどうかは不明である。先日、名張市役所の地域経営室を訪れ、第一回講演会以来の入場者数が記録されているのかどうか確認したところ、記録は残っているとのことだったのだが、書類をひっくり返さなければ調べがつかないみたいだったから、そんな負担を強いることはやめておいた。
 
 ただし、3月21日のミステリ講演会、入場者が少なかったのは事実である。先日も記したとおり、入場者数が唯一絶対の評価基準になるわけではない。しかし、きわめて具体的な指標であることはたしかである。とくに民営化初年度とあれば、いってみれば踏んばりどころのはずではないか。官がやってたことを民がやったらほれこのとおり、とわかりやすい手柄になるのが入場者数のアップなのである。もちろん、入場者を集めるのは大変なことである。どうやってPRすればいいのか。名張市の広報紙に予告を載せ、あとは記者クラブにプレスリリースをもっていく、といった程度のことでは、とても追っつかない。しかし、官が追っつかないところを民がカバーするというのが、いちおうの建前でいえば、民営化や民間委託、あるいは官民による協働がねらいとするところではないのか。そのはずである。そして、そんなことを考えようともしないのが、ここ名張市における官と民との癒着結託の現場なのである。
 
 さてそれで、ミステリ講演会はいったいどうなるのか。どうすればいいのか。個人的には、ここらでやめてもいいコロナだとは思うのだが、それは名張市が判断し、名張市が決定すべきことである。むろん、名張市に判断力や決定力があればの話ではあるが、来年で、というか平成22・2010年度でちょうど二十回目を迎えるのだから、継続するにせよ廃止するにせよ、名張市がなんらかの結論を出すべき時期ではあるだろう。ぱっぱかぱっぱかばかみたいに丸投げばっかりしてないで、自分で考えなければならないことはちゃんとしっかりめいっぱい考えてみる習慣を身につけようね、ということである。くれぐれも気をつけなければならぬのは、ミステリ講演会の事業委託に応募する団体がひとつもなかった場合のことである。もしかしたら来年度、乱歩蔵びらきの会はもう手をあげないかもしれない、とおれには思われるのだが、そうした結果が出たときにどう対処するか、事前にとくと考えておかなければならんだろうな。ま、思案にあまったらいつでも相談においでなさい。わるいようにはしないから。
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