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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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 資料収集の方針を明確にすること
 
 本格的に考えてみる。名張市立図書館はなにをすればいいのか、ということを考えてみる。以前にも記したごとく、乱歩にも本にも図書館にも関心がないという諸兄姉には、面白くもなんともない内容となる。
 
 資料の収集、整理、提供ということでいうと、まず収集の面では、どうすればいいのか。名張市立図書館に行くと、乱歩が発表したすべての作品を読むことができます、みたいなことが望ましい。むろん、そこまでする必要があるのか、という疑問もありだろうが、そこまでやったほうが面白い、そこまでやらなきゃ意味がない、というのがおれの考えである。完璧に実現するのは至難であるとしかいいようがないが、方針としてはそのあたりを明示すべきであろう。
 
 つまり、方針なんかないのである。名張市立図書館は乱歩関連資料を収集しております、とはいうものの、どんな資料を収集するのか、明確な方針なんてなんにもないのである。市立図書館の嘱託を拝命したとき、教育長にその点をお訊きしたことがある。よーおとっつぁん、ちょっとおせーてほしーんだけどよー、とか口頭で質問したのではなく、ちゃんと文書を提出して、乱歩関連資料の収集方針について名張市教育委員会の考えをただしたわけなのであったが、方針なんてなんにもなかった。というか、教育長からはなんのお答えも頂戴できなかった。だから、やっぱりな、方針なんてなんにもないんだよな、と判断した。
 
 当時の教育長は、いささか変わった経歴のもちぬしでいらっしゃった。だいたいが日本全国津々浦々、どこの地方自治体においても事情はほぼ共通していて、教育長は退職した校長先生、教員委員長は土地の名士、といったあたりが通り相場である。ところが、当時の教育長はいってみればちょっと異色で、学校にはまったく縁がなく、名張市役所で長く勤務していらっしゃったかたであった。どうしてそんなことになったのかというと、当時の市長と学校関係者、というか、はっきりいってしまえば三重県教職員組合なのであるが、両者の関係がこじれにこじれていたからである。とてもとても、そこらの退職校長にえっさほいさっさと教育長をやってもらえる状態ではなかった。
 
 これもまた日本全国津々浦々、教職員組合なんてのはまったくとんでもない組織だよな、というのも当節の通り相場であって、直近の例をあげれば北海道教職員組合、略して北教組が民主党衆議院議員の選挙陣営に不正な資金提供をおこなったというニュースが耳目を集めているけれど、教職員組合なんてのはひと皮むけばみなおなじ、教鞭をもった選挙軍団、みたいなところが確実にあって、早い話がわれらが三重県教職員組合、略称は教育やくざ三教組というらしいのであるが、あそこだって少し前まで選挙ともなれば、学校の先生が勤務時間中に好きなように選挙活動に汗をお流しであったと伝えられる。なーにやってんだ腐れ先公、しまいにゃそこらじゅうの学校にモンスターペアレントたばにして送りこむぞこら、みたいな話ではあったのだが、そんなことはまあ、全然関係がない。
 
 なんの話か。おれが市立図書館の嘱託になったときには、当時の市長が結局は選挙がらみの問題で教鞭をもった選挙軍団たる教育やくざ三教組を怒らせてしまっていて、それで教育長には教育とまったく関係のない畑の人が着任せざるをえなかったということなのであるが、そういうかただったから市立図書館における乱歩資料収集方針について確乎たるところをお示しいただけなかった、ということではまったくない。教育長個々の問題ではなく、終始一貫、名張市教育委員会には、それからもちろん市立図書館にも、乱歩関連資料の収集にかんする明確な方針なんて存在していなかったのである。嘱託をやってたときにそこらの方針をきっちり固めておくべきだったかな、という反省はおれにもあるのだが、いまからなにをいってみたってしかたがない。
 
 しかし、いまから方針を明確にすることは、いくらだって可能である。というか、明確にしないのは明らかにまずい。なにしろこのご時世である。なんの方針も明示せず、市民の税金で乱歩関連資料を収集してまーす、とかなんとかいってみたって、市民の理解や共感を獲得できるものかどうか。むろん、名張市政の各般にわたり、市民の理解や共感をえられないようなことは多々存在しているのであろうけれども、せめて乱歩にかんしては、乱歩に興味なんてまるでないという名張市民のみなさんからも、名張市が税金つかってやってることに理解や共感を頂戴したいものだとおれは思う。そうでないとなんつーか、市民にも乱歩にもなんだか申しわけないような気がおれはする。
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