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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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 そろそろ本格的に考えてみような
 
 さーあ、どうする。八方ふさがりである。雪隠詰めである。さっぱりわやである。無茶苦茶でござりまするがなである。さーあ、どうするよ名張市、という話である。たぶんさまざまな局面でどうするよ状態なんだろうなとは思われるが、ひとまず乱歩限定の話である。で、どうするったって、もうどうしようもないのである、というところまで話は進んだ。ここ名張市においては、お役所のあれな人たちと地域社会のあれな人たちが手に手をとって、もう無茶苦茶でござりまするがな、というところまで記した。あれな人たちというのはまったく困ったもので、自分たちのために乱歩を利用することしか考えない。しかも、あったまだいじょーぶっすかあ〜? とこちらが心配になるくらい、きわめて低いレベルのことしか考えられない。地をはうほどの、いやいや、大地を深々とえぐってしまうほどのレベルの低さである。乱歩の名を聞いて、脊髄反射的に、乱歩記念館をつくろうかとか、ミステリー作家の講演会でもやっときゃいいんだろうとか、怪人二十面相にそこらのひやわいはっしゃりまわらしたったらどうですのどなとか、いやもうひどいものであるけれど、連中の本音は、
 
 「そもそも江戸川乱歩みたいなものどうでもええねん。20面相のキャラで又スフインクスのナンチャッテ写真で公益活動を実践しているのだから貴様につべこべ言われる筋合いとちがうねん!」
 
 という怪人19面相君の捨てぜりふに尽きている。それにしても、こんな程度の人間が、おそれ多くも名張市の公益活動とやらにからんでいたというのだからなあ。ここまでのうすらばかをのさばらせて、名張市はいったいなにがうれしいのか、と思わざるをえない。無茶苦茶でござりまするがな。しかし、ここでよくよく考えてみたら、怪人19面相君は公益活動とやらに関与していたのだから、もしかしたら、協働と名のつく場にも頻繁に出没していたのではないのかな。可能性は低くあるまい。となると、先日記したプロファイリングの件であるが、あそこにもうひとつ、怪人19面相君は名張まちなか再生委員会の委員であった可能性が高い、と追記しておくべきかもしれんなあ。とはいうものの、追記してみたところで、やっぱわからん。怪人19面相君の正体は、とんと見当がつかない。怪人19面相君、いまごろはどこでなにをしているのやら。お〜い、怪人19面相く〜ん、せいぜい人の足をひっぱらないようにしろよな〜。
 
 さて、乱歩である。名張市は乱歩にかんして、いったいなにをどうしてきたのか。これまで概観してきたとおりである。八方ふさがりであり、雪隠詰めであり、さっぱりわやであり、無茶苦茶でござりまするがな。しかし、どうするよ名張市、といってみたって、どうにもならない。お役所の人にまかせておいたら、
 
 ──ほんとにもう、お役所あたりのうすらばかがめいっぱいおよろしくないおつむで適当なこと勝手に決めてんじゃねーぞこのすっとこどっこい、いっぺん泣かしたろかこら、と思われてなりません。
 
 という話にしかならない。とはいえ、いくらあれこれいってやったって、
 
 ──現段階では乱歩にかんして外部の人間の話を聞く考えはない。
 
 という話にしかならない。なんかもう堂々めぐりだよな。名張市は乱歩をどうすればいいのかということを考えるエントリ「乱歩のことを考える」を記すために、手順としてまず過去と現在を俯瞰してみたわけであるけれど、四方八方にそそり立つばかの壁に行く手をはばまれ、堂々めぐりするしかなくなってしまうわけよ。だから、過去と現在のことはここまでとしておいて、とはいえ、21日のミステリ講演会が終わったら名張市の乱歩関連事業についていささかを記すことになるわけだが、それはそれとして、ここからはこれから先の話をする。未来の話である。むろん、実現性のある話ではない。おれが権限というやつをもっていたら、いくらだって可能なことなのであるが、残念ながら権限とか権力とか、あるいは権勢とか権威とか、そういうものとはいっさい無縁なんだからしかたがない。
 
 話の内容は、当然、名張市立図書館のことが中心になる。話のとっかかりとして、先日の朝日新聞に掲載されていた国立国会図書館長のインタビュー記事をとりあげる。当地では2月13日付統合版載っていたオピニオン面の「日本文化のデジタル化」である。まずリードを引用。
 
   
 デジタル時代、書物という知的遺産を守り伝える図書館の役割は。官僚OB以外で初の国立国会図書館長である長尾真さん(73)は、米国のグローバル企業グーグルが仕掛けた世界規模の書籍デジタル化事業に対抗して、日本語文化を守る独自の「デジタル図書館」を主張する。
(聞き手・池田洋一郎)
 
 ことしは「電子書籍元年」とかいわれていて、早い話、4月末に日本でも発売が開始されるアップルの「iPad」というデバイスには、おれもおおいに興味をそそられている。電子書籍とかデジタルコンテンツとか、そのあたりのものが今後どうなるのか、どう扱ってゆけばいいのか、図書館関係者にはとても気になるところだろうが、長尾さんのおっしゃるデジタル図書館のことは、名張市は乱歩をどうすればいいのかということを考えるうえで、いまはとりあえず関係がない。デジタル以前のレベルの話からはじめることにして、インタビュー最初のQ&A。
 
   
 ──グーグルが世界中の書籍をデジタル化する「電子図書館」事業に対し、各国の作家や出版社が「著作権侵害」と反発を強め、訴訟も起きています。
 「人類のあらゆる知識や情報を収集・整理して世界中の人に提供するんだというグーグルの理念自体は、評価していいんじゃないかと思います。その点は、図書館の精神と同じですから。しかし、資金力のある一企業が、世界中の知識を独占的に集めることには危険性を感じます。知的財産の公開という公共性の高い仕事を、ある国のある企業に任せていいのか。その辺が、みんな心配していることですよね」
 
 グーグルのことはさておき、というか、なにも長尾さんの言をいちいち引かなくてもほんとはいいんだけど、なにしろ国立国会図書館長でいらっしゃる。なにをいってやってもなんにも理解できないみなさんだって、肩書くらいは理解できるであろう。国立国会図書館の館長さんがこうおっしゃってるんだから、と話をもっていけば、理解はできなくたってへいこらへいこら、国のほうの偉いかたの言とあればありがたく拝聴するのがお役所の人たちの習性である。だから、おれの記すところもありがたく思って読んでくれ。
 
 「人類のあらゆる知識や情報を収集・整理して世界中の人に提供する」
 
 長尾さんはグーグルの構想をそう要約して、それは「図書館の精神と同じ」だと述べていらっしゃる。図書館がただの無料貸本屋だと信じて疑わぬ人たちには理解できないことかもしれぬが、国立国会図書館の館長さんがこのようにおっしゃっているのである。怪人19面相君がそこらの電子掲示板できゃんきゃん吠えてるのとはわけがちがう。それなりの重みをもったことばとして、しかと拝聴してくれよな。で、この長尾さんの言をかりるならば、名張市立図書館は、
 
 「乱歩にかんするあらゆる知識や情報を収集・整理して世界中の人に提供する」
 
 ということを考えるべきなのである。というか、どうしてそれができてねーんだ? ということになる。開館準備の段階から乱歩関連資料を収集してきましたと、市民のみなさんの税金で乱歩関連資料の充実に努めておりますと、市立図書館は乱歩にかんしてそういう建前で運営されているのである。だったらやれよ、というしかない。できてないの? とお尋ねになる向きもあろうが、できてねーからおれがここまで怒っんじゃねーかばーか。やらねばならぬことはなにもしようとせず、そのくせ、乱歩の名前をうわっつらだけ利用して、ちゃらちゃらちゃらかっこばっかりつけて喜ぶ、みたいな真似だけは一人前なんだからなあまったく。乱歩にかこつけたてめーらのおめかしやおままごとに出せるような税金は、この名張市には一円だってねーんだよすっとこどっこい、とかいちどでいいから啖呵を切ってみたいものだよなあ。
 
 もうひとつ、長尾さんの言で肝に銘じておくべきなのは、「知的財産の公開という公共性の高い仕事」ということばであろう。一国の首相が「新しい公共」などというあいまいなことばで公共性なるものをなし崩しにしようとしているご時世だからこそ、公立図書館の公共性について深く考えるべきなのであるけれど、えーっと、このあたりのことはまあいいか。とにかく名張市立図書館は、全国でただひとつ、四十年にわたって乱歩関連資料を収集してきた公立図書館として、知識や情報の収集、整理、提供を進めるべきなのである。ちなみに記しておくと、提供の対象は名張市民ではない。先日も記したとおり、乱歩を読むかどうか、乱歩に興味を抱くかどうか、乱歩が好きかどうか、そんなことは人それぞれ、あくまでも個人の問題で、名張市立図書館がなにを提供したところで、乱歩に関心がない市民にはスルーされてしまう。逆に、乱歩が好きだという人は、名張市民でなくたって、全国各地のどこに住んでいたって、いやいや、アメリカや中国に住む人間だって、まぎれもない提供の対象なのである。
 
 さて、国立国会図書館長のインタビュー記事、眼目はデジタルライブラリーである。おしまいのほうにあるQ&A。
 
   
 ──文化発信というのは、政治家や官僚には理解されにくい?
 「我々は現代の出版物だけじゃなく、過去数百年の書籍全体を知的財産としてデジタル化して、あまねく利用してもらう歴史的視野でも考えています。すでに配信中の『近代デジタルライブラリー』は、国内はもちろん海外の日本研究者から、すごくありがたい、と大好評です。この3月も、米国で開かれる日本研究者の学会に、国会図書館のデジタル化の状況を説明してくれと招かれています」
 
 近代デジタルライブラリーのリンクを掲げておく。「名張」で検索すれば十八件がヒットし、そのなかの「10. 花袋叢書 / 田山花袋著,博文館, 明43.6. - (名家小説文庫 ; 第6編)」をクリックすると花袋の「名張少女」を読むことができる。
 
国立国会図書館:近代デジタルライブラリー
 
 先述したとおり、デジタル図書館のことは、いまは関係がない。とはいえ、図書館による資料の収集、整理、提供といったことを考える場合、提供にあたってはインターネットを活用する、というのはいまやあたりまえのことである、くらいのことはわきまえておこうな。つまり、収集、整理、提供という作業を進めてゆけば、いずれデジタル図書館が視野に入ってこざるをえなくなる、ということである。さーあ、名張市は乱歩をどうすればいいのかということを、そろそろ本格的に考えてみることにしような。「政治家や官僚には理解されにくい?」みたいなことではあろうけれどもな。
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