三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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すまんすまん。
いろいろあってな。
ご報告申しあげるのがすっかり遅くなってしまったが、以下に順を追って記述する。
11月23日(火曜)のできごと
神戸市の東川崎地域福祉センターで、横溝正史生誕地碑建立六周年記念イベントの講演会が催された。
無事に終了した。
二銭銅貨煎餅と乱歩飴、それから名張市の観光PRパンフレットというおみやげ三点セットは、ご来場のかたにもれなくお受け取りいただいた。
しつこいようなれど、血税で二銭銅貨煎餅を購入していただいた名張市民のみなさんと、おみやげ関係でいろいろお手数をおかけした名張市役所のみなさんに、重ねてお礼を申しあげておきたい。
会場では、倉敷市文化産業局文化観光部観光課の職員のかたが三人、横溝正史関連グッズを販売しつつ倉敷市をPRしていらっしゃったので、おれとしては名張市のおみやげ三点セットでなんとか面目を保てたような次第であった。
ちなみに、倉敷市と横溝正史との関係は、まあこういったことである。
倉敷市公式サイト:金田一耕助の小径トップページ
12月20日までイベントが催されているとのことなので、興味がおありのかたはぜひお運びを。
なかでも「本陣殺人事件」の殺人トリックをオープンセットで再現するショーは迫力満点らしいのだが、今年はすでに予定終了。
来年も催されるのかどうかは、予算がつけば、というその一点にかかっているとのことであった。
販売されていたエコバッグ、ガイドブック、ラリーマップなどの横溝グッズも購入してきたのだが、なかのひとつがこれ。
下敷きである。
女の子の顔が猫の顔の下になっている。
下敷きだけにな。
つづいて、こちらが講演の証拠写真。
名張市のおみやげ三点セットを手に大喜びの入場者、みたいな写真も撮影してもらえばよかったのだが、そこまで気がつかなかった。
しかしあのおみやげ三点セット、どなたにも喜んでいただけたものと思う。
裏方のみなさんにもお渡ししたので、用意した五十セットはきれいにはけてしまったみたいであった。
ところで、まだ本決まりということではないと思うのだが、横溝正史生誕地碑建立記念イベントの講演会、来年もお座敷がかかりそうな雲行きである。
つまり、二年連続で講演会の講師を仰せつかることになりそうなのである。
なんでそんなことになるのかというと、ま、講演内容が面白かったからというわけなのであろうが、となると当然、来年の講演会でも、名張市名物おみやげ三点セットをご来場のかた全員にお受け取りいただきたく、ついては来年も今年同様のゆすりたかりを働かねばならぬのが浮世のさだめ。
厚かましい話で恐縮ではあるが、関係各位にはいまからご高配をお願いしておく次第である。
ちなみにこの日午後2時30分、おれが講演をはじめたのとほぼ同時刻に、北朝鮮が意味不明な砲撃を開始した。
恐るべし11月23日。
11月25日(木曜)のできごと
11月25日といえば、三島由紀夫の命日である。
憂国忌である。
四十年前、昭和45・1970年のこの日、三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹して自死した。
まさか四十年後のおなじ日、市川海老蔵丈が六本木でぼこぼこにされてしまうとはなあ。
恐るべし11月25日。
そんなことはともかく、よりにもよって憂国忌にこんな辞令を頂戴するなんて、ずいぶん粋な計らいをしていただいたものである。
つまり、11月25日から来年の11月24日までの一年間、おれは名張市乱歩関連事業アドバイザーなのである。
名張市長から委嘱していただいたのである。
ふーん、で、それってなに? とおっしゃるかたもおいでであろう。
おれにもよくわからんのだが、まずはこういったものである。
乱歩関連事業アドバイザーなんて、むろん名張市はじまって以来はじめてのポストである。
来年11月までなどと悠長なことはいわず、来年3月末まででどうであろうか、とか希望を述べてみたのだが、名張市においてこの手の委嘱は一年単位とするのが基本であるらしく、おれの希望はリジェクトとなった。
もう少しくわしいことは、日をあらためてお伝えする。
11月28日(日曜)のできごと
きのうである。
午後4時から丸之内の名張藤堂家邸跡で、「乱歩in藤堂家邸朗読会」が催された。
名張藤堂家の子孫にして文学座に所属する女優の藤堂陽子さんが、乱歩の「人間椅子」と「押絵と旅する男」の二作品を朗読されたのである。
陽子さんにお目にかかったことはないのだが、ここはぜひともご挨拶を申しあげねばなるまい。
なにしろ、乱歩関連事業アドバイザーであるのだからな。
となると、手ぶらというのもあれである。
なにしろ、乱歩関連事業アドバイザーであるのだからな。
二銭銅貨煎餅をおみやげとすべく、中町の山本松寿堂に足を運んだ。
お休みであった。
あーりゃりゃッ、とか驚き、大急ぎで丸之内の御菓子司さわ田駅前通店に赴いて、乱歩ぱいを購入。
二銭銅貨煎餅も乱歩ぱいも、どちらもおみやげにはうってつけなのだが、乱歩ぱいはパイだけに日持ちしない。
賞味期限は五日間とのことである。
だから、どうしても、乱歩ぱいよりは二銭銅貨煎餅を選択することが多くなるのだが、えこひいきをしているわけではない。
その点、誤解なきようお願いしたい。
なにしろ、乱歩関連事業アドバイザーであるのだからな。
八十五人が入場したとのことで、藤堂邸の座敷は満員の盛況。
陽子さんの朗読は過剰な演出のないごくオーソドックスなもので、耳に心地よい、という感覚を心ゆくまで実感した。
とくに「押絵と旅する男」における弟の語りは、ははあ、これがあの時代の江戸弁の口跡であろうな、とおおいに納得されるところがあり、眼福ならぬ耳福を得たような気がした。
公演後、ちょっとおはなしをうかがった。
やや立ち入ったこともお訊きした。
ご父君の高伸さんは昭和40・1965年10月15日、五十一歳でご逝去、ということは事前に調べてわかっていたのだが、ご母堂の合子さん、これは、合子、と書いて、あいこ、とお読みするのだが、合子さんはいつごろお亡くなりになったのでしょうか、とお訊きしたところ、合子さんはまだお亡くなりになっていない、と陽子さんからお教えいただいた。
まずい。
非常にまずい。
まずいことこのうえない。
なんということをお訊きしてしまったのか。
世が世なら、無礼者ッ、そこに直れッ、手討ちにいたすッ、という流れになっていたこと必定なのであるが、そんなことにならない世の中でほんとによかったと思う。
こんなアドバイザーで大丈夫かよ、とも思うけど。
それはともかく、きのうの朗読会は先述のごとく盛況で、なんとか恒例にならぬものかと思わしめる内容でもあった。
陽子さんにそのあたりのことをうかがってみると、藤堂家に伝わる雛人形を飾って、雛にまつわる小説を朗読してみたい、との腹案をおもちであった。
面白いと思う。
残念ながら、乱歩にはお雛さまの出てくる作品はないのだが、三島由紀夫の「雛の宿」とか、芥川龍之介の「雛」とか、あのあたりを藤堂邸の座敷で、それも雛人形の飾られた座敷で、藤堂家のお姫さまの朗読で聴いたらどんな感じがするのであろうか。
関係各位にはぜひご検討いただきたいものである、と記しておくこととする。
なにしろ、アドバイザーであるのだからな。
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