三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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小春ちゃんカワユス、とかそこそこ評判がいいみたいなので、ついつい調子に乗り、本日も小春ちゃん写真館。1月12日、名張市滝之原の赤岩尾神社で撮影した一枚である。キャストを中心に、いあわせたスペシャルサポーターがずらりと勢揃いした。なかに加えてもらったうちの犬は、山田スミ子さんにしっかりおさえていただいて、やはり相当かしこそうにみえる。この写真も、永遠のJガールあらため豪腕のJガールこと吉本興業の新矢由紀さんから送っていただいた。メディア取材用に整列した集合写真で、伊賀タウン情報YOUのウェブニュースにも、このときの写真が掲載されている。したがって、肖像権の問題はきれいにクリアしているものと、手前勝手に判断しておく。
山田スミ子さんに出演していただけるとは、じつは思っていなかった。ノンバーバル映画「鬼 The Oni」に女優がひとり出演するということは、企画書の段階から決まっていた。しかし、いったいだれが出てくれるのか、それは白紙の状態だった。当然、吉本興業の所属タレントから選ばれることにはなっていたのだが、Jガールのあねさんが山田スミ子さんと親しくしていらっしゃると聞きおよんでいたので、いまはもう吉本所属ではないけれど、山田スミ子さんにお願いできないか、とあねさんに話をもちかけてみた。山田スミ子さんのあの、いまふうにいえばキレ芸、あの迫力がぜひ欲しい、と思ったからである。
山田スミ子さんがまだ吉本興業の所属タレントだったころ、朝日放送制作の「あっちこっち丁稚」という番組があった。花登筺脚本の「番頭はんと丁稚どん」の流れを汲む、というか、完璧なパクリじゃね? という説もあるのだが、ともあれ正統的な上方コメディである。舞台は、とある老舗。その御寮はんを演じていたのが山田スミ子さんで、旦那はん役の前田五郎さんを毎回毎回、耳をつんざくような大音声で怒鳴りつけたあげく、本気で横っつらを張っ倒してしまうキレ芸、いやまあ、当時はキレ芸ということばはなかったのだが、怒髪天をつく勢いでくりひろげられるルーティンギャグに毎度大笑いしていた身としては、あの迫力がぜひ欲しい、と思わずにいられなかった。
というのも、「鬼 The Oni」は、女が本気で怒る映画なのである。耐えに耐え、しのびにしのんでいた女が、とうとうキレてしまい、男にむかって怒りを爆発させる映画なのである。だったらやっぱ、女優は山田スミ子さんじゃね? ということにならざるをえない。いま大阪でキレ芸といえば、第一人者は橋下徹大阪府知事ということになっているらしいのだが、そんなことはないそんなことはない。山田スミ子さんこそが、昔もいまも変わることのないキレ芸の第一人者でいらっしゃる。そのはずである。しかし、もう吉本とは関係のない女優さんである。いったいどうなることかしら、と首尾を案じてやきもきやきもきしていたところ、Jガールのあねさんから、山田スミ子さんが出演を快諾してくださいました、と連絡が入った。あ、そう、と涼しい顔して答えておいたのだが、内心では欣喜雀躍した。
撮影現場の山田スミ子さんには、スタッフの期待をうわまわる熱演を披露していただけたようである。当方、撮影の最前線に立ち会ったわけではないので、あとでJガールのあねさんから教えてもらったのだが、それはもう迫力満点の激怒ぶりで、相手役のたむらけんじさんのみならず、その場にいあわせたスタッフやスペシャルサポーターの男性全員、思わずこうべを垂れ、肩を落とし、二度と立ち直れないかと思うほどの絶望の淵に突き落とされてしまったという。最近テレビでおみかけすることがあまりなく、いささか寂しい思いをしていたのだが、山田スミ子さんの健在が名張市で実証されたことになるのだから、市民のひとりとして、また、ファンのひとりとして、思わず感が極まってしまう。
さらにうれしいことに、撮影を終えてお帰りになるとき、山田スミ子さんがわざわざ手を差し伸べてくださった。いわゆる握手である。シェイクハンドである。あわてて手袋をとり、てのひらをズボンでこすってから、押しいただくようにして、握手の栄に浴した。いずれそのうち、Jガールのあねさんもまじえて、大阪でお酒でも、みたいな話にもなった。天にものぼる気持ち、とはこのことであろう。びっくり仰天有頂天、うちのとうちゃん腸捻転、てなものである。聞けば、山田スミ子さんはたむらけんじさんとこの映画が初顔合わせとのことで、当日の取材でたむらけんじさんがおっしゃったことばをそのまま借用すれば、この「鬼 The Oni」という映画、期せずして、まことにうれしい「出会い系映画」になってくれたわけである。
それではここで、本日の小春ちゃん写真館、きのうにつづいておまけの三連投としゃれこむ。肖像権の問題は無視できぬところだが、天下の吉本興業の提供写真である、さがりおろう、ということにして、堂々と掲載する。こちらもメディアの取材用シーンで、このときの写真が掲載された日刊紙もあったのだが、それらの紙面では、うちの犬がじつにまぬけそうに写っていた。訓練を受けた犬ならば、役者のとなりに行儀よくおすわりし、それることのないカメラ目線、みたいなことは朝飯前なのであろうが、うちの犬の場合、少しもじっとしていなかったらしい。とにかく落ち着きなく動きまわる。ローブを上にひっぱって、前肢が宙に浮いた状態にしておくしかなかったようである。だからごらんのとおり、山田スミ子さんに大技ネックハンギングツリーを決めていただきながらの撮影とはなった。じっとしてさえいれば、そこそこかしこくみえるのだがなあ。
それにしても、と、この写真に写っている雪をみるにつけても思い返されるのだが、とにかく寒い日であった。寒い寒い一日であった。日本映画の歴史をふり返ってみても、国内ロケにかぎっていえば、あれほどの酷寒のなかでロケが敢行されたのは、森谷司郎監督の「八甲田山」以来のことではないのか。新田次郎原作のあの映画では、天は、天はわれわれを見放した、という北大路欣也さんの痛切きわまりない絶叫が印象的で、映画のテレビCMでも流され、ちょっとした流行語にもなって、当時の日本人はなにかというと天に見放されていたものであったが、おなじ酷寒のロケではあっても、今回の撮影ときたらもう神が最大限に味方してくれたようなものであり、赤岩尾の鬼神がご利益お恵み霊験奇蹟の椀飯振舞をしてくれたのだから、関係者一同、赤岩尾神社に足を向けては寝られないはずである。
そんなこんなで、ノンバーバル映画「鬼 The Oni」は神のおおいなる祝福のもとに撮影されたのであるが、われらが名張市はどうなのかというと、そろそろ天にも見放されるころであろうか。いやまあ天はともかく、皇學館大学には見放されたようである。
伊賀タウン情報YOU:名張キャンパスを2011年度から伊勢に統合 経済的補助も検討 皇學館大学会見(1月16日)
朝日新聞:皇学館大 名張から撤退(1月17日)
産経新聞:皇学館大、名張学舎廃止へ 三重(1月17日)
毎日新聞:皇学館大:社会福祉学部、名張から撤退 「地元に貢献」関係者驚き /三重(1月17日)
中日新聞:皇学館大が名張学舎撤退 市の経営改善案も実らず(1月17日)
皇學館大学に見放された、といってしまっては語弊もあろうが、市民感情に立脚すればそういうことになるのではないか。最近の名張市にはろくな話題がないものだから、たむらけんじと山田スミ子、滝之原で映画ロケ! みたいな明るいニュースを提供できてよかったな、と思っていたのだが、それもすぐにかき消されてしまった。ネガティブなニュースばかりが引きも切らない。それが名張市の現実である。
山田スミ子さんに出演していただけるとは、じつは思っていなかった。ノンバーバル映画「鬼 The Oni」に女優がひとり出演するということは、企画書の段階から決まっていた。しかし、いったいだれが出てくれるのか、それは白紙の状態だった。当然、吉本興業の所属タレントから選ばれることにはなっていたのだが、Jガールのあねさんが山田スミ子さんと親しくしていらっしゃると聞きおよんでいたので、いまはもう吉本所属ではないけれど、山田スミ子さんにお願いできないか、とあねさんに話をもちかけてみた。山田スミ子さんのあの、いまふうにいえばキレ芸、あの迫力がぜひ欲しい、と思ったからである。
山田スミ子さんがまだ吉本興業の所属タレントだったころ、朝日放送制作の「あっちこっち丁稚」という番組があった。花登筺脚本の「番頭はんと丁稚どん」の流れを汲む、というか、完璧なパクリじゃね? という説もあるのだが、ともあれ正統的な上方コメディである。舞台は、とある老舗。その御寮はんを演じていたのが山田スミ子さんで、旦那はん役の前田五郎さんを毎回毎回、耳をつんざくような大音声で怒鳴りつけたあげく、本気で横っつらを張っ倒してしまうキレ芸、いやまあ、当時はキレ芸ということばはなかったのだが、怒髪天をつく勢いでくりひろげられるルーティンギャグに毎度大笑いしていた身としては、あの迫力がぜひ欲しい、と思わずにいられなかった。
というのも、「鬼 The Oni」は、女が本気で怒る映画なのである。耐えに耐え、しのびにしのんでいた女が、とうとうキレてしまい、男にむかって怒りを爆発させる映画なのである。だったらやっぱ、女優は山田スミ子さんじゃね? ということにならざるをえない。いま大阪でキレ芸といえば、第一人者は橋下徹大阪府知事ということになっているらしいのだが、そんなことはないそんなことはない。山田スミ子さんこそが、昔もいまも変わることのないキレ芸の第一人者でいらっしゃる。そのはずである。しかし、もう吉本とは関係のない女優さんである。いったいどうなることかしら、と首尾を案じてやきもきやきもきしていたところ、Jガールのあねさんから、山田スミ子さんが出演を快諾してくださいました、と連絡が入った。あ、そう、と涼しい顔して答えておいたのだが、内心では欣喜雀躍した。
撮影現場の山田スミ子さんには、スタッフの期待をうわまわる熱演を披露していただけたようである。当方、撮影の最前線に立ち会ったわけではないので、あとでJガールのあねさんから教えてもらったのだが、それはもう迫力満点の激怒ぶりで、相手役のたむらけんじさんのみならず、その場にいあわせたスタッフやスペシャルサポーターの男性全員、思わずこうべを垂れ、肩を落とし、二度と立ち直れないかと思うほどの絶望の淵に突き落とされてしまったという。最近テレビでおみかけすることがあまりなく、いささか寂しい思いをしていたのだが、山田スミ子さんの健在が名張市で実証されたことになるのだから、市民のひとりとして、また、ファンのひとりとして、思わず感が極まってしまう。
さらにうれしいことに、撮影を終えてお帰りになるとき、山田スミ子さんがわざわざ手を差し伸べてくださった。いわゆる握手である。シェイクハンドである。あわてて手袋をとり、てのひらをズボンでこすってから、押しいただくようにして、握手の栄に浴した。いずれそのうち、Jガールのあねさんもまじえて、大阪でお酒でも、みたいな話にもなった。天にものぼる気持ち、とはこのことであろう。びっくり仰天有頂天、うちのとうちゃん腸捻転、てなものである。聞けば、山田スミ子さんはたむらけんじさんとこの映画が初顔合わせとのことで、当日の取材でたむらけんじさんがおっしゃったことばをそのまま借用すれば、この「鬼 The Oni」という映画、期せずして、まことにうれしい「出会い系映画」になってくれたわけである。
それではここで、本日の小春ちゃん写真館、きのうにつづいておまけの三連投としゃれこむ。肖像権の問題は無視できぬところだが、天下の吉本興業の提供写真である、さがりおろう、ということにして、堂々と掲載する。こちらもメディアの取材用シーンで、このときの写真が掲載された日刊紙もあったのだが、それらの紙面では、うちの犬がじつにまぬけそうに写っていた。訓練を受けた犬ならば、役者のとなりに行儀よくおすわりし、それることのないカメラ目線、みたいなことは朝飯前なのであろうが、うちの犬の場合、少しもじっとしていなかったらしい。とにかく落ち着きなく動きまわる。ローブを上にひっぱって、前肢が宙に浮いた状態にしておくしかなかったようである。だからごらんのとおり、山田スミ子さんに大技ネックハンギングツリーを決めていただきながらの撮影とはなった。じっとしてさえいれば、そこそこかしこくみえるのだがなあ。
それにしても、と、この写真に写っている雪をみるにつけても思い返されるのだが、とにかく寒い日であった。寒い寒い一日であった。日本映画の歴史をふり返ってみても、国内ロケにかぎっていえば、あれほどの酷寒のなかでロケが敢行されたのは、森谷司郎監督の「八甲田山」以来のことではないのか。新田次郎原作のあの映画では、天は、天はわれわれを見放した、という北大路欣也さんの痛切きわまりない絶叫が印象的で、映画のテレビCMでも流され、ちょっとした流行語にもなって、当時の日本人はなにかというと天に見放されていたものであったが、おなじ酷寒のロケではあっても、今回の撮影ときたらもう神が最大限に味方してくれたようなものであり、赤岩尾の鬼神がご利益お恵み霊験奇蹟の椀飯振舞をしてくれたのだから、関係者一同、赤岩尾神社に足を向けては寝られないはずである。
そんなこんなで、ノンバーバル映画「鬼 The Oni」は神のおおいなる祝福のもとに撮影されたのであるが、われらが名張市はどうなのかというと、そろそろ天にも見放されるころであろうか。いやまあ天はともかく、皇學館大学には見放されたようである。
伊賀タウン情報YOU:名張キャンパスを2011年度から伊勢に統合 経済的補助も検討 皇學館大学会見(1月16日)
朝日新聞:皇学館大 名張から撤退(1月17日)
産経新聞:皇学館大、名張学舎廃止へ 三重(1月17日)
毎日新聞:皇学館大:社会福祉学部、名張から撤退 「地元に貢献」関係者驚き /三重(1月17日)
中日新聞:皇学館大が名張学舎撤退 市の経営改善案も実らず(1月17日)
皇學館大学に見放された、といってしまっては語弊もあろうが、市民感情に立脚すればそういうことになるのではないか。最近の名張市にはろくな話題がないものだから、たむらけんじと山田スミ子、滝之原で映画ロケ! みたいな明るいニュースを提供できてよかったな、と思っていたのだが、それもすぐにかき消されてしまった。ネガティブなニュースばかりが引きも切らない。それが名張市の現実である。
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