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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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きのうのつづき。本日も、この話題である。

名張市公式サイト:第18回なぞがたりなばり開催

まちなかミニツアーのコースは、なぞがたりなばりの担当セクションである名張市生活環境部まちづくり推進室の手でまとめられていた。みてみると、名張市立図書館がコースに入っていない。いたしかたのないところであろう。名張のまちなかを散策する動線から、市立図書館はやや離れている。距離的に離れているだけでなく、高低差もある。だから、一日がかりの散策ならばともかく、二時間たらずのミニツアーからはずされるのはしかたあるまい。

念のために、名張ロータリークラブ謹製「少年少女乱歩手帳」の地図を引用して、位置関係を確認しておく。

20081015a.jpg

赤の丸囲み数字で示したのが、乱歩ゆかりのスポット。東のはずれにぽつんとあるのが、市立図書館。遠いから行かない、ということになるのは無理もないのだが、しかし、名張市民はともかくとして、わざわざ遠方から乱歩の生まれたまちを訪ねてくれた参加者には、やはり市立図書館の乱歩コーナーをご覧いただくべきなのである。というか、はずせるわけがないのである。

そこで、まちづくり推進室に特段の配慮をお願いして、市立図書館をまちなかミニツアーのコースに組み入れてもらった。移動時間の短縮を図るため、名張市のマイクロバスを利用することにしてもらった。集合場所の名張駅からマイクロバスで市立図書館におもむき、ついでだから宇流富志禰神社と名張藤堂家邸跡もバスの窓からながめて、そのあとが徒歩によるツアーとなる。たいそうといえばたいそうな話だが、乱歩の生まれ故郷を訪ねてくださったみなさんに、これくらいのサービスを提供するのは当然のことであろう。

こんなたいそうなことをしなければならぬのも、やなせ宿を整備するにあたって、乱歩と関連づけることを怠ってしまったからである。乱歩の生まれた新町にハコモノを整備するというのだから、これは絶好のチャンスであった。平尾山のてっぺんにある市立図書館まで足を運ばなくても、新町に行きさえすれば乱歩関連の展示品を見ることができるという、あたりまえといえばあたりまえの話を実現するチャンスであった。

いまさらこんな愚痴を並べても意味はないが、名張まちなか再生プランがもう少しまともであれば、ということは、名張のまちのことや乱歩のことを真剣に考えられるだけの知識と見識をもったメンバーによってプランがまとめられていたら、こんなことにはなっておらなんだのである。

いやいや、プランの素案が発表された段階で、こちらはそれに対するパブリックコメントを提出し、細川邸を乱歩と関連づけることを提案したのである。その時点で、当方の指摘を受けて名張市があたりまえのことに気がついておったなら、こんなことにはなっておらなんだのである。

いやいや、乱歩と関連づける、という話もないではなかったようなのだが、いつのまにか立ち消えになってしまった。忘れっぽい向きも多いかもしれぬから、今年2月6日付毎日新聞のウェブニュースから引用しておく。

   
やなせ宿:旧細川邸改修概要 観光情報発信や交流スペース設置--名張 /三重

名張市は、今年6月のオープンを目指し、改修工事を進めている旧細川邸「やなせ宿」(同市新町)の施設概要を明らかにした。観光情報の発信や交流スペースを設置するとしている。しかし一部施設の利用法は未定で、今後、市民らで作る委員会で協議を続ける。

〔略〕

一方、川蔵は同市出身のミステリー作家、江戸川乱歩に関連する施設にすることなどが検討されていたが、現在具体的な活用法は未定。再生委員会での協議が続いており、市は「遅くても3月には利用法を決めたい」と話している。【金森崇之】

その川蔵は、いつのまにか、FMなばりのスタジオということになってしまっている。なんでそんなことになったのか、経緯は毛筋ほども明らかにされていない。観光交流施設として整備されたやなせ宿に、どうしてFM局のスタジオが必要なのか、と首をかしげる市民もげんに存在しているのだが、やなせ宿が観光交流施設だと思い込んでいるかぎり、そうした不審は消えないはずである。

しかし、実際には、やなせ宿は無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館with小判鮫なのである。したがって、日銭を稼ぐためにFM局を相手に貸し館事業をおこなっているのだと考えれば、ある程度の得心は行くであろう。むろん、そう考えてみたところで、釈然としないものは残るのだが、まあもういまさら、そんなことはどうだっていいや、という気がする。

とにかくもう、どうだっていいや、という感じなので、11月22日のまちなかミニツアーは、やなせ宿には立ち寄らない。完全にスルーする。これは当方の意向ではなく、まちづくり推進室のプランがそうなっている。じつにおかしな話である。まちなか再生の拠点として整備された観光交流施設という名目のやなせ宿を、まちなかミニツアーは素通りしてしまうのである。そのかわり、わざわざマイクロバスに乗って、市立図書館まで足を運ぶのである。

まともな話ではない。要するに、名張市が名張市を否定している、ということである。名張市の手がけるまちなかミニツアーという事業が、名張市の手がけたやなせ宿の整備事業を、完全に否定している。やなせ宿の整備が明らかに失敗であったという事実が、ここに明々白々と示されているのである。名張市のやることには整合性などみじんもなく、そこらじゅうに矛盾撞着が露出している、というわけなのである。

しかし、ご心配なく。いくらなんでもやなせ宿を素通りしてしまっては、愛想というものがなさすぎる。だから、まちづくり推進室に特段の配慮をお願いして、ミニツアーではあの無駄に立派な公衆便所を見学し、使用したい人には心ゆくまで便所を使用していただく、ということにしてもらった。小でも大でも出し放題。心づくしの特別サービスである。どうぞお気軽にご参加を。
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