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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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(6)9月28日 → 10月9日

ということになった。きのうのエントリが功を奏したのか、きのうの午前中に、名張市長の回答が着信した。

質問はこれ。

   
ご回答ありがとうございました。やなせ宿にかんするお尋ねはひとまずここまでとし、新しい質問を提出いたします。つぎの一点です。

・名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針はあるか。

念のために申し添えますと、展示用資料のことをお尋ねしているわけではありません。市立図書館が開館準備の段階から収集してきた図書や雑誌などの資料のことです。この点につきましては、昨年の2月から3月にかけて、名張市教育委員会の当時の教育次長にお訊きしたのですが、お答えはいただけませんでした。その後、公文書公開請求によって確認したところでも、乱歩関連資料の活用にかんする公文書は存在していないとのことでしたので、具体的な方針はまとめられていないものと推測される次第ですが、念のためにお尋ねいたします。

ご多用中恐縮ですが、よろしくご回答たまわりますようお願いいたします。

2008/09/28

きのう頂戴した回答がこれ。

   
中 相作 さま

このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました。

名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針につきましては、現在のところございませんが、今後、図書館活動の一環として、江戸川乱歩に関連する図書や雑誌などの資料を、収集・保存に努めてまいりたいと考えています。

今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。

平成20年10月 9日

名張市長 亀井利克

論理の破綻、というか、ここへきて急に知られるようになった「対称性の破れ」ということばにならって、論理性の破れ、とでもいっておこうか。とにかく、この回答における論理性の破れには、ほとんど空恐ろしいものをおぼえる。

もとより、論理などと呼べるものは、この回答には存在していない。論理性は破れている。にもかかわらず、そんな回答が、まぎれもない名張市長の名義で、平然と送信されてくる恐ろしさ。そして、名張市政の多くの局面が、こうした論理性の破れに支配されているのではないかということに思いいたると、空恐ろしさはいやますばかりである。

悪態をつく気にもなれぬほどだが、せっかくいただいた回答である。論理性の破れを指摘しておく。引用は太字。

名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針につきましては、現在のところございませんが、

という前半と、

今後、図書館活動の一環として、江戸川乱歩に関連する図書や雑誌などの資料を、収集・保存に努めてまいりたいと考えています。

という後半によって、ひとつの文章が構成されている。だが、前半と後半には、論理的な脈絡は存在していない。まったく別のことが述べられている。すなわち、前半では資料の活用について、後半では資料の収集と保存について。

もちろん、いうまでもなく、資料の収集と活用とは密接に関係している。表裏一体のものである。ここに一冊の資料があるとするならば、それは収集されたものであると同時に、活用されるべきものでもある。図書館の資料収集は、あくまでも活用を前提として進められるべきものなのである。ところが、この回答においては、ひとつのセンテンスのなかで述べられてはいるものの、収集と活用という表裏一体であるべき行為は、きれいに分断されてしまっている。

回答には、なんと書かれてあるのか。活用のことはまったく考えておりませんが、収集と保存には努めたいと考えております。そんなことが書かれている。活用はしないが、収集はする。そう書いてある。この回答は、図書館の役割というものをまったく理解できていない人間が、その場しのぎのために書き散らしたものでしかない。多少なりとも、図書館や資料にかんする知識のある人間であれば、いやいや、とくに知識のない人間だって、いくらなんでもここまで愚かしい回答はできないであろう。

名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針につきましては、現在のところございませんが、

と素直にみずからの無能と怠慢とを認めたのであれば、そのあとにはたとえば、

「早急に具体的な方針をとりまとめたうえで」

とでもいったぐあいに、これまでの無能と怠慢とをどうカバーするのか、その点を明記したうえで、

今後、図書館活動の一環として、江戸川乱歩に関連する図書や雑誌などの資料を、収集・保存に努めてまいりたいと考えています。

とつづけるのがまともな回答というものである。市民から寄せられた指摘を受けて、現在ただいまの事態や状況をどう認識し、それにどう対処しようとしているのか、その点を明確に説明するのが、この場合の市長回答というもののはずである。しかるに、この回答が表明しているのは、思考の放棄でしかない。思考することを完全に放棄してしまい、ただただ現状を無批判に追認するだけの回答なのである。

これはもう、名張市はなにも考えません、考える能力がありません、と市長みずからが宣言しているにひとしい。それはたぶん、市立図書館の資料にかんしてのみならず、市政全般にわたる宣言ではないのか、と思いいたると、ほんとうに空恐ろしくなってくる。

しかしまあ、ここまではっきりと、名張市長みずからが、名張市立図書館が所蔵している江戸川乱歩関連資料の活用については、なにも考えておりません、と表明していらっしゃるのである。名張市立図書館の開館は、昭和44・1969年のことである。以来ほぼ四十年。四十年にわたって収集された乱歩関連資料を前にして、資料の活用のことなどなにも考えておりませんと、全国の図書館関係者が聞いたら卒倒してしまうような、いやいや、図書館関係者でなくたって、まともな人間ならとてもにわかには信じがたいようなことを、ここまで平然と表明していらっしゃるのである。

だからもう、名張市立図書館は乱歩の看板をおろしてしまうべきであろう。看板をあげていても、もはや意味はあるまい。だいたいが、乱歩のことで問い合わせがあっても、まともに答えることはできないのである。たとえば、8月6日付エントリに記したとおり、愛知県から名張市立図書館まで調査のために足を運んでくださる人があっても、いわゆる対応のお鉢は当方にまわってくるのである。

8月6日:愛知県からのお客さん

そのあとも、たとえば9月9日には、名張市立図書館もずいぶんお世話になった探偵小説評論家の中島河太郎先生のご遺族が、東京から京都まで来る用事があったからついでに名張にも、とわざわざお立寄りくださった。市立図書館でお相手したのは当方である。9月13日には、SRの会というミステリー愛好家の全国組織が、伊勢で全国大会を開くついでに名張にも、と有志によるオプショナルツアーでおいでくださった。市立図書館でお相手したのは当方である。

こういうことは、もういいかげんにしておいたほうがいいと思う。乱歩のことでなにかしら問い合わせてくださったり、はるばる訪ねてくださったりした人のお相手ができないというのであれば、乱歩の看板を掲げている資格はとてもない。はっきりいって詐欺である。

といったような次第であるから、たったったっ、とテンポよく話を進めるために、名張市公式サイト「市長への手紙」へさらに一通。送信IDは20081010081336404とのことであった。文面はつぎのとおり。

   
ご回答ありがとうございました。せっかくの仰せですから、おことばに甘えて、「貴重なご意見・ご提案」を具申したいと思います。つきましては、そのための面談の場を設けていただきたく、ご手配をお願いいたします。面談の場には、貴職のほか、教育長と前教育次長にもご臨席たまわりますよう、勝手ながら願いあげます。面談の日時と場所のご連絡をお待ちしております。ご多用中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

2008/10/10

文中にも記したとおり、

今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。

とわざわざ要請を頂戴したのだから、まことにおそれおおいことではあるけれど、勇を鼓して、意見提案をお寄せすることにした次第である。当方はもう、市民の鑑と呼ばれてもおかしくない人間なのかもしれん。ほんとは人間豹だけど。

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