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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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江戸川乱歩年譜集成

昭和13年●1938 昭和15年●1940

 

昭和十四年(一九三九)

 

年齢:四十四歳→四十五歳、数え年四十六歳

住居:東京市豊島区池袋三丁目一六二六

 

□探偵小説四十年:細目□

隠栖を決意す【昭和十三・四・五年度】

昭和十四年度の主な出来事

淋しい貼雑帳

新作大衆小説全集

ヴァン・ダインの死

松本泰

 

一月一日(日)

□雑誌□「講談倶楽部」新年号(第二十九巻第一号)の奥付発行日。「暗黒星」第一回が掲載された。連載は十二月まで。

□雑誌□「少年倶楽部」新年特大号(第二十六巻第一号)の奥付発行日。「大金塊」第一回が掲載された。連載は十二月まで。

□雑誌□「富士」新年特大号(第十二巻第一号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第一回が掲載された。連載は十二月まで。

 

一月十七日(火)

□書籍□江戸川乱歩選集第四巻『妖虫』の奥付発行日。「探偵小説十五年」第四回を書き下ろした。

 

二月一日(水)

□雑誌□「講談倶楽部」二月号(第二十九巻第三号)の奥付発行日。「暗黒星」第二回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」二月号(第二十六巻第三号)の奥付発行日。「大金塊」第二回が掲載された。

□雑誌□「富士」二月号(第十二巻第二号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第二回が掲載された。

 

二月二十二日(水)

□書籍□江戸川乱歩選集第五巻『人間豹』の奥付発行日。「探偵小説十五年」第五回を書き下ろした。

選集配本のなかばごろから戦時統制による検閲が厳しくなり、どの巻もむやみに書き替えを命じられた。[探偵小説四十年 新潮社の江戸川乱歩選集(←江戸川乱歩選集)/昭和30年9月]

 

二月二十七日(月)

□書籍□『妖怪博士』の奥付発行日。大日本雄弁会講談社から出版された。

 

三月一日(水)

□雑誌□「講談倶楽部」三月号(第二十九巻第四号)の奥付発行日。「暗黒星」第三回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」三月号(第二十六巻第四号)の奥付発行日。「大金塊」第三回が掲載された。

□雑誌□「富士」三月号(第十二巻第四号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第三回が掲載された。

 

三月二十一日(火)

□書籍□江戸川乱歩選集第六巻『黒蜥蜴』の奥付発行日。「探偵小説十五年」第六回を書き下ろした。

 

三月三十一日(金)

警視庁検閲課によって日本小説文庫『鏡地獄』の「悪夢」全篇削除を命じられた。[探偵小説四十年 隠栖を決意す(←隠栖の決意をなす)/昭和30年11月]

《【三月】「芋虫」全篇削除を命ぜらる。表向きの発売禁止はこの一篇なれども、事実上は十六年度に至り全作品の禁止も同然となる》

 

三月

《【三月】伜、隆太郎第一高等学校に入学す》

 

四月一日(土)

□雑誌□「講談倶楽部」四月号(第二十九巻第五号)の奥付発行日。「暗黒星」第四回が掲載され た。

□雑誌□「少年倶楽部」四月号(第二十六巻第五号)の奥付発行日。「大金塊」第四回が掲載された。

□雑誌□「日の出」四月号(第八巻第四号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第一回が掲載された。連載は翌年三月まで。

□雑誌□「富士」四月号(第十二巻第四号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第四回が掲載された。

 

四月十一日(火)

ヴァン・ダインが五十歳で死去した。

《【四月】ヴァン・ダイン死す》

 

四月十五日(土)

□書簡□長野県上諏訪町大手町二ノ三〇一六の横溝正史に封書。前年の揮毫の礼にと正史が購入した操り人形の写真から、所望の首を選択して伝えた。[横溝正史:乱歩書簡集/昭和41年11月]

 

四月十九日(水)

松本泰が五十二歳で死去した。

《【四月】松本泰氏死去》

 

四月二十七日(木)

新作大衆小説全集の新聞広告が掲載される。[探偵小説四十年 新作大衆小説全集/昭和30年10月]

《【四月】非凡閣「新作大衆小説全集」発表。私はその第五巻に加わる》

 

四月

《【四月】隠栖の決意をなす》

 

五月七日(日)

□書籍□江戸川乱歩選集第七巻『幽霊塔』の奥付発行日。「探偵小説十五年」第七回を書き下ろした。

 

六月一日(木)

□雑誌□「改造」六月号(第二十一巻第六号)の奥付発行日。「ヴァン・ダイン回顧」が掲載された。

□雑誌□「講談倶楽部」六月号(第二十九巻第八号)の奥付発行日。「暗黒星」第五回が掲載され た。

□雑誌□「少年倶楽部」六月号(第二十六巻第七号)の奥付発行日。「大金塊」第五回が掲載された。

□雑誌□「日の出」六月号(第八巻第六号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第二回が掲載された。

□雑誌□「富士」六月号(第十二巻第七号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第五回が掲載された。

 

六月二十八日(水)

□書籍□江戸川乱歩選集第八巻『蜘蛛男』の奥付発行日。「探偵小説十五年」第八回を書き下ろした。

 

六月

《【六月】岩田準一君とハガキ連句を試む》

 

七月一日(土)

□雑誌□「講談倶楽部」七月号(第二十九巻第九号)の奥付発行日。「暗黒星」第六回が掲載され た。

□雑誌□「少年倶楽部」七月号(第二十六巻第八号)の奥付発行日。「大金塊」第六回が掲載された。

□雑誌□「日の出」七月号(第八巻第七号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第三回が掲載された。

□雑誌□「富士」七月号(第十二巻第九号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第六回が掲載された。

 

八月一日(火)

□雑誌□「講談倶楽部」八月号(第二十九巻第十号)の奥付発行日。「暗黒星」第七回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」八月号(第二十六巻第九号)の奥付発行日。「大金塊」第七回が掲載された。

□雑誌□「日の出」八月号(第八巻第八号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第四回が掲載された。

□雑誌□「富士」八月号(第十二巻第十号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第七回が掲載された。

 

八月五日(土)

□書籍□江戸川乱歩選集第九巻『孤島の鬼』の奥付発行日。「探偵小説十五年」第九回を書き下ろし、完結。

 

九月一日(金)

□雑誌□「講談倶楽部」九月号(第二十九巻第十一号)の奥付発行日。「暗黒星」第八回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」九月号(第二十六巻第十一号)の奥付発行日。「大金塊」第八回が掲載された。

□雑誌□「日の出」九月読物特大号(第八巻第九号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第五回が掲載された。

□雑誌□「富士」九月号(第十二巻第十一号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第八回が掲載された。

ドイツ軍がポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まる。

《【九月】(欧州大戦勃発)》

 

九月二十五日(月)

□書籍□江戸川乱歩選集第十巻『石榴』の奥付発行日。

 

十月一日(日)

□雑誌□「講談倶楽部」十月号(第二十九巻第十三号)の奥付発行日。「暗黒星」第九回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」十月号(第二十六巻第十二号)の奥付発行日。「大金塊」第九回が掲載された。

□雑誌□「日の出」十月号(第八巻第十号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第六回が掲載された。

□雑誌□「富士」十月号(第十二巻第十二号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第九回が掲載された。

 

十一月一日(水)

□雑誌□「講談倶楽部」十一月号(第二十九巻第十四号)の奥付発行日。「暗黒星」第十回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」十一月号(第二十六巻第十三号)の奥付発行日。「大金塊」第十回が掲載された。

□雑誌□「日の出」十一月号(第八巻第十一号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第七回が掲載された。

□雑誌□「富士」十一月号(第十二巻第十四号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第十回が掲載された。

 

十二月一日(金)

□雑誌□「講談倶楽部」十二月号(第二十九巻第十五号)の奥付発行日。「暗黒星」第十一回が掲載され、完結。

□雑誌□「日の出」十二月号(第八巻第十二号)の奥付発行日。「幽鬼の塔」第八回が掲載された。

□雑誌□「富士」十二月号(第十二巻第十五号)の奥付発行日。「地獄の道化師」第十一回が掲載され、完結。

 

十二月十六日(土)

□書籍□新作大衆小説全集第五巻『地獄の道化師・暗黒星』の奥付発行日。非凡閣から出版された。

 

この年

「芋虫」の絶版を命じられたほか、「猟奇の果」「蜘蛛男」などの一部削除を命じられた。反時局的と判断される文庫本『陰獣』『虫』『盲獣』『赤い部屋』『人間椅子』をみずから進んで絶版にした。[探偵小説四十年 隠栖を決意す(←隠栖の決意をなす)/昭和30年11月]

 

[2013年1月22日]

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