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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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江戸川乱歩年譜集成

昭和10年●1935 昭和12年●1937

 

昭和十一年(一九三六)

 

年齢:四十一歳→四十二歳、数え年四十三歳

住居:東京市豊島区池袋三丁目一六二六

 

□探偵小説四十年:細目□

甲賀、木々論争【昭和十一・十二年度】

昭和十一年度の主な出来事

意気あがらず

夢野久作

そのころの批評

現代日本小説全集

初めての少年もの

この年の評論と随筆

 

一月一日(水)

□雑誌□「講談倶楽部」新年号(第二十六巻第一号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第一回が掲載された。連載は翌年二月まで。

□雑誌□「少年倶楽部」新年特大号(第二十三巻第一号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第一回が掲載された。連載は十二月まで。

 以前から依頼されていた少年ものを書き始めた。雑誌からの依頼が減っていたところへ、「少年倶楽部」から強く依頼されたことがきっかけとなった。[探偵小説四十年 初めての少年もの/昭和30年3月、4月]

 《今年度ヨリ当方ヨリ希望シテ少年物ヲ書ク》[貼雑年譜]

□雑誌□「ぷろふいる」一月号(第四巻第一号)の奥付発行日。「鬼の言葉」第五回が掲載された。「浜尾氏のこと」も掲載。

 

一月

前年十二月からの旅行で九州を一周した。博多、熊本、長崎、鹿児島、別府などを回った。[探偵小説四十年 意気あがらず/昭和30年2月]

《【一月】前年末より一月半ばまで九州一周旅行》

 

二月一日(土)

□雑誌□「講談倶楽部」二月号(第二十六巻第二号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第二回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」二月特大号(第二十三巻第二号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第二回が掲載された。

□雑誌□「ぷろふいる」二月号(第四巻第二号)の奥付発行日。「鬼の言葉」第六回が掲載された。

 

二月二十六日(水)

陸軍の皇道派青年将校によるクーデターが発生。翌日、東京市に戒厳令が敷かれ、二十九日に鎮圧された。

 自由主義、個人主義が没落し、唯美主義が消えてなくなる時代が始まったことを実感し、意気阻喪した。[探偵小説四十年 意気あがらず/昭和30年2月]

《【二月】(二・二六事件起る)》

 

三月一日(日)

□雑誌□「講談倶楽部」三月号(第二十六巻第三号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第三回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」三月号(第二十三巻第三号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第三回が掲載された。

 

三月十一日(水)

夢野久作が脳溢血で死去。四十七歳。

《【三月】十一日、夢野久作君死す。大下君と共に同君の全集出版のことに尽力す》

 

四月一日(水)

□雑誌□「講談倶楽部」四月号(第二十六巻第四号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第四回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」四月特大号(第二十三巻第四号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第四回が掲載された。

□雑誌□「文芸通信」四月号(第四巻第四号)の奥付発行日。「夢野久作を悼む」が掲載された。

 

四月二十八日(火)

午後六時から京橋区の明治ビル六階で開かれた夢野久作全集刊行記念祝賀会に出席。発起人に名を連ねた。[探偵小説四十年 意気あがらず/昭和30年2月]

《【四月】》夢野久作全集出版祝賀会を催す。

 

四月三十日(木)

□新聞□「都新聞」に「夢声氏の声──『黄金虫』を聴く」が掲載された。

 

五月一日(金)

□雑誌□「月刊探偵」五月号(第二巻第四号)の奥付発行日。「故人の二つの仕合せ」が掲載された。

□雑誌□「講談倶楽部」五月号(第二十六巻第五号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第五回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」五月号(第二十三巻第五号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第五回が掲載された。

□雑誌□「探偵文学」五月号(第二巻第五号)の奥付発行日。「夢野君余談」が掲載された。

□雑誌□「ぷろふいる」五月号(第四巻第五号)の奥付発行日。「鬼の言葉」第七回が掲載され、完結。

 

五月二十日(水)

□書籍□『鬼の言葉』の奥付発行日。春秋社から出版された。

《【五月】初めての評論集「鬼の言葉」を出版す》

 

五月

レストラン・エー・ワンで開かれた大阪圭吉の『死の快走船』出版記念会に出席。[探偵小説四十年 大阪圭吉/昭和32年4月]

 

六月一日(月)

□雑誌□「講談倶楽部」六月号(第二十六巻第七号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第六回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」六月号(第二十三巻第六号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第六回が掲載された。

 

六月三日(水)

午後六時から京橋区西銀座八丁目のエーワン亭で開かれた大阪圭吉『死の快走船』の刊行記念祝賀会に出席。発起人に名を連ねた。[探偵小説四十年 意気あがらず/昭和30年2月]

《【六月】大阪圭吉君出版記念会あり》

 

七月一日(水)

□雑誌□「講談倶楽部」七月号(第二十六巻第八号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」を休載。

□雑誌□「少年倶楽部」七月号(第二十三巻第七号)の奥付発行日。「怪人二十面相」を休載。

□雑誌□「ホーム・ライフ」七月号(第二巻第七号)の奥付発行日。「レンズ嗜好症」第七回が掲載された。

「月刊探偵」七月号(第二巻第六号)の奥付発行日。この号を最後に廃刊となった。

《【六月】「月刊探偵」七月号にて廃刊》

 

七月二十四日(金)

日比谷、三信ビルの東洋軒で海野十三『深夜の市長』出版記念会が開かれ、出席。

《【七月】二十四日、三宿ビルの東洋軒にて海野十三君の出版記念会あり。当時の探偵作家と海野君の専門の工学畑の人々顔を揃え、盛会であった》

 

八月一日(土)

□雑誌□「講談倶楽部」八月特大号(第二十六巻第九号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第七回が掲載された。「観客射殺事件」も掲載。

□雑誌□「少年倶楽部」八月特大号(第二十三巻第八号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第七回が掲載された。

 

八月十日(月)

□雑誌□「新評論」八月号の奥付発行日。「探偵小説の意欲」が掲載された。

 

八月十七日(月)

□書籍□『世界文芸大辞典第三巻』の奥付発行日。中央公論社から出版され、「クリスティー」「グリーン(アンナ・キャザリン)」「黒岩涙香」「クロフツ」を執筆した。

 

九月一日(火)

□雑誌□「講談倶楽部」九月号(第二十六巻第十号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第八回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」九月号(第二十三巻第十号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第八回が掲載された。

□雑誌□「新青年」九月号(第十七巻第十一号)の奥付発行日。「残虐への郷愁」が掲載された。

□雑誌□「文藝春秋」九月号(第十四巻第九号)の奥付発行日。「衆道もくず塚」が掲載された。

 

十月一日(木)

□雑誌□「現代」十月号(第十七巻第十号)の奥付発行日。附録「文壇大家花形の自叙伝」に「活字と僕と──年少の読者に贈る」が掲載された。

□雑誌□「講談倶楽部」十月号(第二十六巻第十二号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第九回が掲載された。「吉川君と決戦す」も掲載。

□雑誌□「少年倶楽部」十月号(第二十三巻第十一号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第九回が掲載された。

□雑誌□「探偵春秋」創刊号(第一巻第一号)の奥付発行日。「蔵の中から」第一回が掲載された。連載は翌年六月まで。

《【九月】「探偵春秋」十月号より創刊》

□雑誌□「探偵文学」十月号(第二巻第十号)の奥付発行日。「処女作の事」が掲載された。

 

十一月一日(日)

□雑誌□「講談倶楽部」十一月号(第二十六巻第十三号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第十回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」十一月号(第二十三巻第十二号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第十回が掲載された。

□雑誌□「探偵春秋」十一月号(第一巻第二号)の奥付発行日。「蔵の中から」第二回が掲載された。

□雑誌□「とっぷ」十一月号(第十号)の奥付発行日。「ビイ玉」が掲載された。

 

十二月一日(火)

□雑誌□「キング」十二月号(第十二巻第十四号)の奥付発行日。「大暗室」第一回が掲載された。連載は翌々年六月まで。「駄菓子」も掲載。

□雑誌□「講談倶楽部」十二月号(第二十六巻第十四号)の奥付発行日。「緑衣の鬼」第十一回が掲載された。

□雑誌□「少年倶楽部」十二月号(第二十三巻第十三号)の奥付発行日。「怪人二十面相」第十一回が掲載され、完結。

□雑誌□「探偵春秋」十二月号(第一巻第三号)の奥付発行日。「蔵の中から」第三回が掲載された。

□雑誌□「ぶろふいる」十二月号(第四巻第十二号)の奥付発行日。「彼」第一回が掲載された。連載は翌年四月まで。

 アンドレ・ジイドの「一粒の麦もし死なずば」を読み、自己研究を試みたいと思っているところへ、「ぶろふいる」から随筆の連載を依頼され、「彼」を書いたが、幼年期性欲に関するエピソードを書くことに恥ずかしさをおぼえ、雑誌の廃刊とともに中絶した。[探偵小説四十年 この年の随筆と評論/昭和30年2月]

「探偵文学」十二月号(第二巻第十二号)の奥付発行日。この号を最後に廃刊となり、巻号数を継承して翌年一月、「シュピオ」が創刊される。

《【十一月】「探偵文学」十二月号にて廃刊》

 

十二月五日(土)

□書籍□『世界文芸大辞典第四巻』の奥付発行日。中央公論社から出版され、「セイヤーズ」「探偵小説」を執筆した。附録「世界文芸」第六号に「サイモンズ、カーペンター、ジード」を執筆。

 

十二月二十九日(火)

□書籍□『怪人二十面相』の奥付発行日。大日本雄弁会講談社から出版された。

 

[2012年11月10日]

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