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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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やなせ宿連続講座やなせ塾第二回の報告である。主眼はいうまでもなく、講座のあとの懇親会であった。会場は、やなせ宿とおなじ新町にある北村酒造の酒蔵空間。名のとおり酒蔵の二階を利用したスペースで、卓球台が二台ならべられるほどの広さがあった。むろん卓球なんかやらない。酒を飲むのである。ひたすら飲むのである。渾身の懇親会である。

会費は三千円。受付で支払おうとしたら、そんなん講師の先生からはいただけませんわ、と受付のお嬢がいってくれたので、なんといいお嬢なんだろう、とか、ラッキー、とか思いながら、そそくさと通過する。講座の配りものとして用意した山本松寿堂謹製二銭銅貨煎餅は二千五百円だったのだが、懇親会の会費三千円がゼロということになったのだから、差し引きすれば五百円の儲けである。まさか、やなせ塾で儲けが出るとは思ってもいなかった。

会費はすべて、懇親会の飲食につかってしまうものと思っていたのだが、そうではなかった。一部はプールして、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの活動資金に充当するらしい。見苦しい話である。地域社会の害虫が延命をはかってどうする。三千円なら三千円、すべてぱーっときれいに飲みつくし、いさぎよくぶっ倒れるのが武士の散りぎわというものではないか。これだから、あきんどとは話が合わぬ。商人の考えることは、もののふにはもうひとつ理解が届かぬ。

しかしまあ、歴史拠点整備プロジェクトのリーダーがそういう方針でことを進めてしまったので、活動資金もいくらかはプールできたものと思われる。ならば、懇親会の収支を報告しておくべきであろう。プロジェクトメンバー以外の、一般市民の参加もあったのである。収入はこうで支出はこう、あまったこれこれは今後の活動に役立てます、みたいな報告はぜひとも必要であろう。このブログで公表しておけば、最低限の責めは果たせたことになると思う。だから、収支の報告を待ってるぜ、とここにこうして書いておけば、かんなくずの親分がなんとかしてくれるはずである。あの親分、2ちゃんねるの名張市政スレしかみていない、ということもないであろうし。

さて、懇親会の前には講座があった。やなせ塾である。第一回にひきつづき、じつに適当なものであった。しかし、基本ははずしていないつもりである。基本とは、いうまでもなく、歴史を学ぶというのは結局どういうことなのか、という一点の認識である。ひとことでいってしまえば、現在というやつをしっかり理解し、未来というやつをきっちり見さだめるために、人は歴史を学ぶのである。それを忘れ、ただ歴史的事実の断片を切り売りするだけ、みたいなうすっぺらな講座にしたつもりはない。なんとか学検定でいい点を取るためのお勉強、といったことではまったくない。

話は、第一回がそこで終わった中世のことからはじめた。黒田荘や悪党の話題である。中世の伊賀ではどんな世界がかたちづくられていたのか。いわゆる一揆の世界である。在地領主、国人、国衆、土豪、地侍、いろいろな呼びかたがあるけれど、土地の有力者というのが当然のことながら存在していて、血縁を軸としたひとつの集団を形成していた。そして、そうした有力者たちは、対等の立場で横につながってもいた。伊賀の地に、地縁にもとづいた連帯が生まれていた。それが一揆である。一揆とは、ひとつのまとまり、連合体のことである。

それはむろん、伊賀にかぎらず、中世日本の各地でみられた現象である。国家による支配に、つまり守護という装置を利用した上からの支配に抗するため、土地の小規模な領主たちはたがいに連絡して一揆を結んだ。そこにあったのは、あくまでも水平的な世界である。しかし、彼らはやがて守護と手を結び、地域は守護大名の手で一元的に支配されるようになる。垂直的な世界がかたちづくられる。そうした地域が増えてゆく。

ところが、この伊賀の地では、そうした垂直的な世界は最後まで実現されなかった。織田信長の伊賀攻めで壊滅的な打撃を受けるまで、伊賀は水平的な世界を維持していた。小領主たちが横に連携し、たがいに監視しあい、牽制しあいながら、水平的なバランスを保持することで、伊賀一国を成立させていた。それは一般に、伊賀の後進性とみられるものであった。みたいなこと、つまり中世の伊賀がどんなんであったか、みたいなことを知ることは、現在ただいまの伊賀を知るうえで、たぶん有効なことなのである。現在というやつが、しっかり理解できるようになるはずなのである。

ならば、未来はどうか。やなせ塾第二回においては、ちょっと飛躍しすぎかな、とも思いながら、中世の伊賀に実現されていた水平的世界と、それを破壊して織田信長がもたらした垂直的世界を対比し、その対立を世界観の問題に敷衍して、21世紀の世界をリードするのは、ヨーロッパを支配している垂直的世界観ではなく、アジアの自然が生みだした水平的世界観ではないのか、みたいなこともしゃべり、ここで南方熊楠の神社合祀反対運動の話題にスライドすれば話がよりわかりやすくなるのだがなあ、とも思いながら、時間の都合でそこまでは踏みこめなかった。とにかく、日本もまだまだ捨てたものではない、といったことは指摘しておいた。こう書くだけでは、なんのことやらさっぱりおわかりにならぬであろうが。

それでまあ、いろいろしゃべってあらためて感じたことのひとつは、こういうことはまず、子供たちに教えてやんなくちゃな、ということである。地域の歴史を知るというのは、子供たちが彼らの現在と未来を考えるうえでとても大切なことである。地域の未来をになう、とかいわれてるわりに地域のことをなんにも教えてもらっていない子供たちのために、そうした機会を設けることができぬものか。誰の役目かといえば、やはり名張市教育委員会の、ということは結局名張市が手がけるべきことであろう。しかし、そもそも、学校の教師が地域の歴史を知らぬのである。なんにも知らんぞ実際。

だからしかたがない。名張市または名張市教育委員会が子供たちに地域の歴史を学ぶ場を提供したいというのであれば、学校の先生にかわって講師くらいいくらだって務めてやる。とりあえず試験的に、名張市内でいちばん荒れている中学校のいちばん荒れているクラスに放りこんでいただく、というのでもかまわない。地域の歴史をみっちりと、そのクラスの中学生に教えてやる。とはいえ、ことと次第によっては、中学生といっしょになって荒れてしまうかもしれんな。いちばん荒れているクラスのいちばん荒れている生徒が、先生、もういいと思います、何もそこまでしなくてもいいと思います、先生、お願いですからもうやめてください、早くまともなおとなになってください、先生ッ、と涙ながらに止めに入ってくるほど荒れてしまうのかもしれんな。

しかし、名張市だの名張市教育委員会だの、そんなものはしょせんあてにはなるまい。だとしたら、出番だよなあ、かんなくずの親分。ちょうど7月である。もうじき夏休みである。無駄に立派な以下略のやなせ宿で、ひとつ子供たちのための塾を開いてやってはくれんか。やなせ宿はおじいちゃんおばあちゃんににこにこしてもらえる場にしたいのだが、子供たちにもにこにこしてもらいたい。両者がいっしょになってにこにこしてくれればいちばんうれしい。だからとりあえず、いかにも寄席にうってつけのやなせ宿は、じつは寺子屋にもうってつけなのであるから、寺子屋ふうな机を並べて、夏休みの子供たちのために塾を開いてやってはくれんか。塾はいいぞ塾は。緒方洪庵の適塾とか、吉田松陰の松下村塾とか、ああいうのは結構いいと思うぞ。松下政経塾はたいしたことないと思うけど。

さてこうなると、地域社会の害虫である名張まちなか再生委員会の歴史拠点整備プロジェクト、いちど会議を開かねばならんようだな。やなせ塾第一回と第二回の反省、第三回と第四回の準備、懇親会の収支報告、夏休みやなせ塾の企画、といったぐあいに、しなければならぬことがいろいろあるではないか。ちかいうちに集まったほうがいいと思うぞ。さあどうする、かんなくずの親分。
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お察しのとおり、きのうは二日酔いであった。おとといの夜、無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館を知の殿堂に生まれ変わらせるやなせ宿連続講座やなせ塾第二回終了後の懇親会で酒を飲み、そのあとは番じゃ屋敷にのたくり込み、すっかり酔っぱらっていたからよくおぼえてはいないのだが、いくたびもいくたびも、ほんとうにいくたびも、人の頭をわりばしで叩きつづけていたような記憶がある。しかもそれが、そこそこ偉いかたの頭であったような気がする。たぶん、ああいうことをしてはいけないのではないかと思う。

さて、地域社会の害虫である名張まちなか再生委員会の歴史拠点整備プロジェクトが罪ほろぼしの意味もこめて主催するやなせ塾、おかげさまで第一回と第二回を無事に終えることができた。わざわざお運びをいただいたみなさん、まったくの無償で塾を支えてくれたスタッフ各位、さらには、やなせ塾のことがなんとなく気になって、参加はしなかったけれど成功を祈っていた、とおっしゃるかたもあったのではないかと思われるのだが、それらすべてのみなさんに深甚なる謝意を表する次第である。

つづく第三回と第四回も必ず開催されるはずだが、日程は未定だという。そこでおととい、早くやれよな、と歴史拠点整備プロジェクトのかんなくずに釘を刺しておいた。かんなくずというのはプロジェクトのリーダーのあだ名である。まだ真新しいあだ名である。おとといのやなせ塾でついたばかりである。なにしろぺらぺらぺらぺら、火のついたかんなくずみたいにぺらぺらぺらぺらよくしゃべる男なので、講座のなかで命名してやった。かんなくずは結構、うれしげにみえた。気に入ってくれたのであろう。しかし、なにしろかんなくずである。いくら釘を刺してもいっこうに利かんのではないかという不安もあるのだが、当面は温かく見まもることとしたい。

二回の講座を終えて、やなせ宿活用の方向性のひとつがみえてきた。いつかもちらっと書いたとおり、やなせ宿に市長室をおく、というプランもある。これはほとんど緊急避難的な措置なのだが、とりあえず市長室を設置するのが面白いと思う。面白いというだけでなく、いまここに詳細は記さないけれど、いろいろな効果が見こめるのではないかと思う。しかし、無理である。で、新たな方向性として浮かんできたのが、やなせ宿を寄席にできぬものか、ということである。

やなせ宿寄席化計画。無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館に、食堂化路線とならぶもうひとつの可能性がみえてきたように思う。やなせ宿は観光交流施設であり、集客施設ということになっている。むろん遠方から観光客を集客することができればいいのだが、はなから無理な相談であろう。ワンデイシェフに北海道から人が来る、なんてことはとても考えられぬ。つまり集客となれば、その対象エリアはまず名張まちなかである。となれば、名張のまちのおじいちゃんおばあちゃんである。やなせ宿を、おじいちゃんおばあちゃんににこにこしてもらえる場にできぬものか。

むろん、常打ちの小屋とするのは無理であろう。だからせいぜいが週に一回、土曜なら土曜の夜に足を運べば、やなせ宿の座敷には高座が設けられていて、なんだかばかみたいな男がうれしそうに面白いことをしゃべっている。ざぶとんにすわってみると、たしかに面白いし楽しいし、名張のまちもまだまだ捨てたものではないな、という気にもなってくる。やなせ宿にそうした場をつくる試みがあってもいいのではないか。やなせ宿寄席化計画である。

おとといの講座では、ふと思いついたので、寄席の名前も発表しておいた。大阪ではおととしの9月に天満天神繁昌亭という寄席がオープンし、これがなかなかの人気であると伝えられるので、こちらもそれにあやかり、そのむこうを張って、名張まちなか不景気亭、と称したい。なにしろ不景気である。繁昌などということばにはいっさい縁がない。名張まちなかはものすごく不景気である。名張市公認といっていいほどの不景気である。だからこそ、たとえ週に一度でもいいから、おじいちゃんおばあちゃんをはじめとした名張まちなかの住民、さらには名張市民、あるいは名張市外から駆けつけてくれる人もまじえて、みんなでにこにこしたいものだと思う。

現在のもくろみでは、当方が前座を二十分ほど務め、そのあとは、どなたでも結構である。高座にあがっていただいて、まあ一時間前後、好きなことをしゃべっていただく。むろん落語、講談、歌舞音曲、そのあたりの本格的な芸でもいいのだが、べつに笑いをとっていただく必要もない。しゃべりたいことをしゃべっていただけば、それでいいと思う。笑いのほうは三重県伊賀地域を代表するスタンダップコメディアン、すなわち当方が一手に引き受ける。

したがって、この名張まちなか不景気亭の試みは、絶讃大好評展開中のワンデイシェフにあやかり、そのむこうを張っていうなれば、ワンナイトエンタテイナーの場なのである。なかなか面白いのではないか。ただし、このワンナイトエンタテイナーには、コーヒーはつかない。

以上、やなせ塾第二回についてとりいそぎ記した。ほかに記すべきこともあるのだが、きのうもまた、とくにこれといった理由もないのだが、なんなんだこの暑さは、とか思いながらべろんべろんに酔っぱらってしまい、けさもけさとて二日酔いなので、これだけにとどめておく。しかし、いいかげんにせんといかんかもしれん。ばかみたいに酔っぱらって人の頭をわりばしで叩きつづけるような日常は、そろそろいいかげんにせんといかんのかもしれん。まあ面白いからいいのだけれど。

やなせ塾第二回のレポートは、こちらのプログでお読みいただける。

永遠のJガール:やなせ宿連続講座やなせ塾

これはいくらなんでもほめ過ぎのもちあげ過ぎというものであるが、さっそくコメントも投稿されていて、やなせ宿における「地域寄席in名張」に期待を寄せてくださっているかたのあるのがありがたい。しっかりやれよ、かんなくず。
無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館が知の殿堂に生まれ変わるやなせ宿連続講座やなせ塾、本日は第二回となる。知の殿堂ではなくて笑いの殿堂ではないのか、という疑問の声も寄せられているのだが、知るかそんなこと。開演は午後6時30分である。

まず、やなせ宿公式サイトのイベントカレンダーについて。「7月度・主催イベント情報」にやなせ塾のことが記載されていなかったので、おととい、やなせ宿を運営するまちなか運営協議会に、「何かの手違いだとは思うのですが、やなせ塾のことが記されておりません。お手数をおかけして恐縮ですが、記載していただきますようお願いいたします」とメールでお願いしたところ、さっそく記載していただいた。

名張市旧細川邸やなせ宿:イベントカレンダー

迅速な対処に謝意を表する次第である。お礼のメールを送信しておいた。件名は「ありがとうございました」。

   
まちなか運営協議会御中

お世話さまです。やなせ宿公式サイトのイベントカレンダー、拝見いたしました。さっそくやなせ塾の日程を記載していただき、ありがとうございました。ご多用のところ、お手数をおかけして恐縮しております。今後ともよろしくお願いいたします。

2008/07/05

おそらくは、たんなるケアレスミスである。きちんと訂していただけたのだから、含むところは何もない。今回の件にかんするかぎり、まちなか運営協議会は、やればできる子。名張市も少し見ならってはどうか。まちなか運営協議会に栄光あれ。

きょうのやなせ塾では、ご来場各位に名張市中町、山本松寿堂謹製の二銭銅貨煎餅をご賞味いただく。前回はラムネをお召しあがりいただいたのだが、あれは名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトのメンバーに手配を頼んだものであった。そのメンバーからは、いまだにラムネ代の請求がない。しめしめ、知らん顔しとこ、と思っているのだが、第二回となればそうも行くまい。きのう、泣く泣く山本松寿堂を訪れ、二銭銅貨煎餅を購入したところ、ご主人が煎餅をおまけしたくれたうえ、値引きまでしてくださった。ありがたいことである。山本松寿堂に栄光あれ。

つづいて、名張ロータリークラブ謹製「少年少女乱歩手帳」の件である。

毎日新聞:江戸川乱歩:知ってるかな 名張ロータリーク、中学生らに「手帳」6000部 /三重(6月27日)
中日新聞:足跡たどる「乱歩手帳」 名張RCが市内の中学生に配布(6月27日)
産経新聞:「少年少女乱歩手帳」3400部、名張ロータリークラブが市教委へ寄贈 三重(6月28日)
伊勢新聞:江戸川乱歩知って 中学校へ手帳寄贈 名張ロータリークラブ(6月28日)

やなせ塾のチラシでは、こんな感じで告知しておいた。

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「完成が間に合わない場合もあります」とあるのは、いうまでもなく、「少年少女乱歩手帳」がまだ完成していないということである。名張ロータリークラブは7月から新年度となるため、昨年度の事業は6月30日までに新聞記事にしてもらったほうがいいだろう、ということで記者発表がおこなわれたらしいのだが、その時点では、手帳の現物はまだできていなかった。現在の状況はどうかというと、印刷は終了したのだが、まだ完成ではない。A3サイズの紙に一本、切り込みを入れる必要があり、その作業が外注となるため、もうしばらく時間がかかるらしい。しかし、名張ロータリークラブから本日のやなせ塾のため、特段のご高配をたまわることとなった。クラブメンバーが手作業で、つまり一枚一枚、定規とカッターナイフで切り込みを入れて完成させた「少年少女乱歩手帳」を、わざわざお届けいただけることになったのである。なんと崇高な奉仕精神、なんとすばらしいロータリアンシップ。名張ロータリークラブに栄光あれ。

さてそれで、本日のやなせ塾である。テーマは「江戸川乱歩を知る」となっているのだが、先週の第一回「名張の歴史を知る」が、先日も記したとおりなんとも中途半端な終わりかたであった。古代から中世までで終わってしまった。黒田荘とか、悪党とか、そういったあたりである。しかたないからきょうの講座では、中世のそのあたりから入って近世に突入し、さらに江戸川乱歩の話題に強引にハードランディングするという荒技に挑みたいと考えている。きのうたまたまブックスアルデ本店をのぞいてみたところ、小学館の全集「日本の歴史」第七巻、安田次郎さんの『走る悪党、蜂起する土民』が出ていた。まさしく悪党の時代をカバーする一巻である。これはあしたの講座の参考になるな、これぞ天佑、とか思って買って帰ったのだが、よく考えてみたら眼を通す時間がないではないか。まいったなあ。返品できんもんか。

そんなこんなで本日午後6時30分、名張市新町のやなせ宿で、無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館が笑いの殿堂に生まれ変わるやなせ宿連続講座やなせ塾、その第二回が開幕する。お誘い合わせてご来場いただければ幸甚である。よろしくどうぞ。
息つくまもなく、といった感じでやなせ宿連続講座やなせ塾、あさってが第二回である。第一回のデザインをつかいまわして、チラシも完成した。

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第二回の売りは、講座終了後の懇親会、ということになろうか。どなたにもご参加いただける。名張まちなか再生委員会はきわめて閉鎖的な組織なのであるが、少なくともやなせ塾はオープンな運営とする方針である。だから、懇親会もオープンである。名張市役所あるいは名張地区まちづくり推進協議会あたりからひそかに送りこまれた間者密偵隠密スパイのたぐいも、別け隔てなく温かく歓迎する所存である。ただし会費は払ってもらうぞ。金額は未定だが、料理は船場吉兆なみのつかいまわしで値段を安く抑えるとのことだから、アルコール込みで三千円といった見当か。

金銭の話題が出たから、ついでに記しておく。やなせ塾の使用料は、なぜか無料とのことであった。やなせ宿を利用するには、もちろん使用料が必要である。やなせ塾第一回の開催にあたっては、やなせ宿の和室三室、すなわち店の間六畳、中の間八畳、奥の間八畳、この三部屋をぶち抜きで使用したから、それぞれ一時間なんぼの使用料と照明料とが必要だったはずである。それが無料であったという。名張まちなか再生委員会はやなせ宿を無料で使用できるという。どうもようわからん話である。

そんな規定がどこかに明記されているのかな? とか考えて、やなせ宿の公式サイトにアクセスしてみた。すると、あーらふしぎ。

名張市旧細川邸やなせ宿:イベントカレンダー

「7月度・主催イベント情報」に、やなせ塾第二回のことが記されていないではないか。開催は7月5日である。おっかしいなあ、と思い、やなせ宿にさっそくメールを送った。件名は「イベントカレンダーについて」である。われながら、ようやる。

   
まちなか運営協議会御中

平素はやなせ宿の運営に種々ご尽力をいただき、敬意と謝意を表します。また、先週28日のやなせ宿連続講座やなせ塾第一回では何かとご高配をたまわり、あらためてお礼を申しあげます。

おかげさまでやなせ塾第一回は好評裡に終了し、受講いただいたかたからは、歴史の話なんかどうでもいいから行政批判フルスロットルで行けこのへたれ講師が、とのご要望もいただいたのですが、めっそうもないことだと思っております。

さて、やなせ塾第二回があさって5日に迫りましたが、やなせ宿公式サイトのイベントカレンダーを拝見しましたところ、何かの手違いだとは思うのですが、やなせ塾のことが記されておりません。お手数をおかけして恐縮ですが、記載していただきますようお願いいたします。

あるいは、やなせ塾はやなせ宿が主催する事業ではないから、やなせ宿公式サイトのイベントカレンダーでは紹介されない、といったことなのでしょうか。だとしたら、それは相当おかしな話です。名張市の税金で運営されている施設の公式サイトが、みずからの主催事業だけを紹介する、主催事業しか紹介しない、というのでは、公平性や公正性といった観点から考えて、大きな疑問が生じます。運営主体による施設の私物化、といったそしりをまぬかれない行為だと思われます。

そもそも、貴協議会のおっしゃる「主催」とは、いったいどういうことでしょうか。イベントカレンダーには、たとえば7月26日の名張川納涼花火大会があげられております。おかしいな、やなせ宿が花火大会を主催するのかな? と思ってよくよくながめてみましたところ、「駐車場スペースを中心に屋台がもりだくさん」とあります。なーんだ、花火大会の日に屋台をならべてちまちま小銭を稼いでみる、というのがやなせ宿の主催イベントか、いやー、ありがちありがち、と得心いたしました。

ほかにも、7月19日の「キッズスクエア 夏休みの寺子屋 in やなせ宿」は、「問い合わせ・申し込み先」として名張地区まちづくり推進協議会があげられていますから、これはやなせ宿ではなくて名張地区まちづくり推進協議会の主催事業ではないのかな? との疑問を感じないわけにはいかないのですが、あの協議会は関係方面といいだけ癒着結託してもはや自他の区別がつかない状態にあるようですから、やなせ宿あるいはまちなか運営協議会とわかちがたいほどべったりな関係であったとしても、いまさら驚く気にはなれません。

しかし、ここでひとこと申しあげておきますと、こちらも負けてはおりません。こちらと申しますのは、やなせ塾を主催する名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトのことです。こちらだって、ずぶずぶなあなあの癒着結託においては負けてはおりません。引けはとっておりません。なにしろこちらは、やなせ塾開催にあたってのやなせ宿使用料、いっさい無料としていただいております。本来は規定の料金をお支払いすべきところ、特段のご配慮をもって全額免除としていただいております。特別扱いしていただいております。これを癒着結託と呼ばずして、いったいなんと呼びましょうか。

口はばったいことを記すようですが、主体性というのがどんなものなんだかよくわきまえていないとおぼしいみなさんが、自主事業であるとかないとか、そんな別け隔てをするのはちゃんちゃらおかしいことだと思われます。かりに別け隔てをするとおっしゃるのであれば、つまり、イベントカレンダーにはやなせ塾の予定を記載しないとおっしゃるのであれば、やなせ塾開講にあたっての使用料も、別け隔てしてきっちりご請求いただきたいと思います。そうしていただかないと困ります。われわれ名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクト、みずからの立場を見失ってうろうろすることになってしまいます。

さて、いったい、どうなさいますか。どうなさるおつもりでしょうか。やなせ宿公式サイトのイベントカレンダーに、やなせ塾第二回の予定を記載していただけるのか、いただけないのか。いただけないのであれば、やなせ宿の使用料をご請求いただけるのか、そうではないのか。ぜひ、お答えをお聞かせいただきたいと思います。やなせ塾第二回の開催は、あさってに迫っております。ご多用中まことに恐縮ですが、ご見解を早急にメールでお知らせいただきたく存じます。よろしくお願い申しあげます。

2008/07/03

メールを送信した直後、あちゃーッ、と思った。文中に名張地区まちづくり推進協議会の名前を出してしまったけれど、これはまずかったかもしれんなあ。名張地区まちづくり推進協議会といえば、田中徳三監督作品名張まちなか上映会の主催者になっていただかねばならぬ団体ではないか。こんなところにうっかり名前を出したせいで、ご機嫌を損じてしまったらどうすればいいのか。いかんなあ。まずかったかもしれんなあ。上映会が開催できないなんてことになったら、田中監督の奥さんに合わせる顔がなくなるもんなあ。まずかったかもしれんなあ。猛省しなくちゃいかんなあ。
やなせ宿連続講座やなせ塾第一回の反省点は、いうまでもなく、なんといっても、うちあげの段取りがまったくなされていなかったということである。その反省をふまえつつ、急遽、番じゃ屋敷に足を運ぶことになったのだが、番じゃ屋敷が満員だとわかったときには、眼の前がまっくらになってしまった。事実、榊町の路上はまっくらであったわけだが、その路上では、味ふくへ行くか、という話も出た。

たいして意味はないのだが、6月28日付伊和新聞の「記者ノート」から引用。誤変換による誤記は訂正しておく。

   
○…議長は医療費助成削減議案を可決させるために“努力”したが、「この議案は上程させるべきでなかった」と複数の議員が進言したそうだ。「議長は職権で、議案の上程を断ることができる。混乱しそうな案件は時期尚早ということで断れる。上程を断らずに多数派工作をしたのは、議長は市長の番頭みたいで、議会の権威は地に落ちた」と怒っている議員もいる。

さしたる関連はないのだが、コラム「伊和天地」からも引用。

   
▼選挙で選んだ首長がいるのに、同じく選挙で選んだ議員がいるのは何のためか。言うまでもなく、行政をチェックするためである。行政を監視し議案を審議するために税金を使って議会を設置しているわけだ。その議会が、行政と癒着し、行政が提案した議案が通るよう議長が多数派工作をするというのは、市民からすればきわめて不適切なことだ▼議会は市民に代わって行政を監視する機関。そのための経費は民主主義のコストだと市民は思っている。ところが、その議会が行政と癒着し馴れ合いになっているとすれば、市民は議員の報酬や議会の経費を無駄金だと思う▼議会は、行政の議案をふるいにかけるフィルターである。OB議員いわく、「議長が議案可決で動くことは、フィルターの網の目を自ら広げるようなものである。行政に甘い名張市議会は、過去にも判断ミス、可決ミスを犯している。裁判所が、名張市に損害を与えたとして元市長に損害賠償を命じたが、契約を議決したのは市議会である」と名張市議会のチェック能力のなさを厳しく指摘した。

味ふくへのたくり込んでべろんべろんに酔っぱらい、6月定例会ご苦労さまでございましたーッ、とお礼を申しあげてみるかとも考えたのだが、名張まちなかで催しがあったときくらい、いくら微々たるものではあっても、やはり名張まちなかにお金を落としてゆきたいと考えるのが人情というものであろう。結局は、夏見の味ふくではなく、榊町の松房に落ち着いた。

講座の内容にかんする反省点としては、講師個人にはとくにこれといった反省もないのだが、主催者側から寄せられたのはやはり、藤堂家も初瀬街道もいっこも出てこんかったやないか、ということであった。ほかに、ホワイトボードを用意しろというからちゃんと準備しておいたのに、おまえはただの一度もつかわんかったではないか、とのお叱りもいただいた。すまん。ホワイトボードには藤堂家の家系図を書こうと考えていたのだが、藤堂家のとの字も出てこんかったのだから出番はなかった。次回には必ず使用するので、再度の準備をお願いしておきたい。すまん。すまんな。

さてそれで、松房と番じゃ屋敷の二連戦で、きのうはきっちり二日酔いであった。二日酔いだというのに、京都府相楽郡南山城村まで出かけた。目的地はやまなみホールだったのだが、じつはまるで知らない。ホールの公式サイトで地図を確認すると、名阪国道五月橋インターチェンジから北に進んですぐである。そのとおり道をたどったのだが、これがえらく遠回りなコースで、峠越えみたいなものさびしい道路を走って高山ダムの横を通過したりしているときには、空模様もあやしくなって山のなか全体が薄暗くなり、おおげさではなく生きた心地がしなかった。公演がはねてから、吉野からおいでになったという美人とホールの喫茶店でお茶を飲みながら話していたところ、そのかたも五月橋インターから月ヶ瀬、高山ダム経由でいらっしゃったそうで、やはり空恐ろしさをおぼえたとおっしゃっていた。

そのやまなみホールで何があったのかというと、河内家菊水丸師匠の「南山城村移住20周年記念平成20年度盆踊りツアー出陣式」。チラシがこれである。きょうもモノクロでお届けする。

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この出陣式、菊水丸師匠の河内音頭が披露されるのはもちろんだが、田中徳三監督の遺作となった、しかし菊水丸師匠の監督作品ということになっている、つまり河内家菊水丸作品と田中徳三作品とが入れ子構造をなしている映画「田中徳三監督 少年河内音頭取り物語」の本篇とNG集が上映されるというので、そのNG集、つまりメイキングにも期待しながらやなまなみホールにたどりついたときには、開演から十分あまりが経過していた。

以下、あすにつづく。
無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館が知の殿堂に生まれ変わった。きのうのことである。やなせ宿連続講座やなせ塾の第一回が開催された。ドタキャンはなかった。きのう夕刻、講座の会場であるやなせ宿で、講座の主催者代表、すなわち名張市が天下に誇るうすらばか集団、名張まちなか再生委員会の歴史拠点整備プロジェクトのリーダーにお会いして、やなせ塾の第三週と第四週をやる気はあるのかこら、とお訊きしたところ、やりますやります、とのことであったので、ならばドタキャンの要はない。無事開催の運びとなった。

で、やなせ塾の玄関はこんな感じになった。

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この写真を撮っているとき、何かの気の迷いででもあろうか、やなせ塾受講のためにやなせ宿に足を運んでくださるかたがあって、ちょっと中さん、あんたこのあいだ黒蜥蜴みにいってた? などと質問を受けた。たしかに6月19日の木曜、大阪の梅田芸術劇場で美輪明宏さんの「黒蜥蜴」を観劇した。そのかたのお嬢さんもおなじ日にいらっしゃったそうで、当方の姿を目撃なさったらしい。観客はほとんどが女性だったから、男というだけで目立ったのであろう。それにまあ、ビジュアル系でもあることだし。

写真右にみえるのは、ふだんはやなせ宿名物ワンデイシェフのメニューを掲出してあるイーゼルだが、やなせ塾のチラシを貼ってもらってこんな感じになった。

20080629b.jpg

ワンデイシェフではホットコーヒーならびにアイスコーヒーを三百五十円でご堪能いただける、みたいなことはどうでもいいのだが、このチラシに掲載されている犬の写真がとても可愛い、ということで、講座終了後、あのチラシいただけません? と尋ねてくださる女性があった。犬を可愛いといってもらえただけでもうれしいのに、それがまた若くて可愛いお嬢さんだったものだから、ほいほい喜んでチラシをお渡しした。それにしても、小春ちゃん、大人気。

ドタキャンのお詫び用に用意してあったラムネは、こんな感じで冷やしてあった。昭和の風情を表現するため、あえてモノクロの写真とする、というわけではないのだが、この一枚、カラーだと「ファイル送信容量が大きすぎます。(85162bytes超)」との表示が出て、なぜかアップロードできない。しかたなくモノクロとする。

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結局ドタキャンとはならなかったので、このラムネは不要となった。だからといって、アピタ名張店に返品するわけにもまいらぬ。おいでくださったみなさんにお飲みいただいた。

そんなこんなで、やなせ宿のやなせ塾、その第一回が開幕した。自分でいうのもあれなのだが、じつに適当なものであった。テーマは「名張の歴史を知る」、サブテーマは「藤堂家と初瀬街道」であったのだが、藤堂家も初瀬街道もどこにも出てこんかったぞ。こんなことでいいのか、と思いつつ、早くビールを飲みたいから、という理由で適当に切りあげた。それでも午後6時40分にはじまり、休憩を入れて、8時20分ごろまでしゃべっていたであろうか。おつきあいいただいたみなさんには、心からお礼を申しあげたい。

そして閉講後、驚くべき事実が判明した。うちあげの段取りをしてないというのである。そんなことだからうすらばかと呼ばれるのだこの名張まちなか再生委員会のうすらばか、なんとかしろ、酒を飲ませろ、と強硬に迫ったところ、つぎですねんつぎですねん、中さんつぎの第二週にはうちあげの準備をしてますねん、とのことであったから、眠たいことほざいてんじゃねーぞこら、講座がなくたって酒の席だけは準備するのが人の道というものであろうが、人に酒を飲ませぬとはいったいどういう料簡だ、とさらに強硬に迫った甲斐があって、番じゃ屋敷に行くことになった。

番じゃ屋敷に行ってみたら、ほぼ満席である。こんな死に絶えたようなまちのどこから湧いてくるのかと思われるくらい、若い衆でいっぱいであった。しかたがない。おなじ榊町にある松房に会場を変更し、いいだけ酔っぱらってから、ふたたび番じゃ屋敷の扉を開いた。カウンターに陣取ったのだが、たまたま隣りあわせになった女性の日本語がちょっと変だったので、中国人かよ、と尋ねたら、アメリカのかたであった。世の中わからないものであるが、酔っぱらいのこととて、失礼の段は大目にみていただけたようである。なにしろまあ、ビジュアル系でもあることだし。

それでまあ、そんなようなことであった。無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館を知の殿堂に生まれ変わらせるやなせ宿連続講座やなせ塾は、関係各位のおかげをもって無事にスタートした。ご尽力いただいたみなさんや、わけてもわざわざ足をお運びいただき、当方の未熟な芸におつきあいくださったみなさんには、あらためて心からの謝意を表しておきたい。とともに、第二回となる7月5日の講座にもお運びをいただくよう、お願いを申しあげておく。もうドタキャンネタはつかわないから、その点はご安心いただきたい。
やっとできた。ようやくしあがった。やなせ宿連続講座やなせ塾第一回のチラシがついに完成した。ドタキャンがなければきょうの午後6時30分に開演だというのに、いまごろできあがっててどうする。なんという能なしコンサルタントか、という気もするのだが、とりあえずごらんいただきたい。

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本来であれば、この講師役もコンサルタント業の一環としたいところであった。しかし残念ながら、講師料が出ないんだから業務にはならない。自腹切って講演するコンサルがどこにいるというのか。しかもラムネ代まで身銭だし。ほんっと、先が思いやられるよなあ。
こんな浮世離れした話題ばかりつづってていいのかしら、とは思う。というのも、名張市の6月定例会が25日に閉会したのだが、そこそこ無茶苦茶であったらしく、名張市が一歩、また一歩と泥沼に沈みつつあるらしいときに、ここまでまったり浮世離れしてていいのかしら、とわがことながら首をかしげてしまうのね。

ウェブニュースではこんな扱い。

毎日新聞:名張市の心身障害者医療費助成削減:市議会で可決、一方で付帯決議 /三重(6月26日)

「名張市が心身障害者医療費助成の縮小を計画している問題で、同市議会は25日、縮小案を含む関係条例改正案を賛成多数で可決、今年9月からの助成削減が決まった」というわけであって、一般市民の注目を集めそうな話題ではない。

2ちゃんねるではどうか。まず定例会最終日の午前7時10分11秒、助成削減案が可決されるらしい、との情報が寄せられた。

三重県名張市の市政について語りませんか?:223 :名無しさん@お腹いっぱい。

打てば響くようにレスがつく。

三重県名張市の市政について語りませんか?:224 :名無しさん@お腹いっぱい。

そして、第一報。

三重県名張市の市政について語りませんか?:226 :名無しさん@お腹いっぱい。

閉会から一夜あけると、裏情報が入ってくる。

三重県名張市の市政について語りませんか?:237 :名無しさん@お腹いっぱい。

「造反した議員を除名する」などとあって、いったいなんのこっちゃ、と思うまもなくレスがつづく。

三重県名張市の市政について語りませんか?:238 :名無しさん@お腹いっぱい。

人名の伏せ字とされているところを想像力で補ってみると、清風クラブの山下松一先生が、おなじく清風クラブの浦﨑陽介先生にたいし、医療費助成削減に反対したら「おまえは会派除名じゃ」とおっしゃった、お叫びになった、ということらしい。「じゃ」という助動詞がいかにも田舎議員らしくて笑えるのだが、しかし、笑いごとではないのかもしれん。なんというのか、2ちゃんねるのこのスレに一定の信をおくかぎり、名張市議会ってもう終わっとるみたいじゃ。

そんなこんなの名張市であるから、あまり浮世離れした話をつづるのもいかがなものかとは思うけれど、いよいよあすに迫ったやなせ宿連続講座やなせ塾の話題である。ドタキャンじゃ、となるのかどうか、現時点ではまだ確定していない。しかし、かりに、万一、ばんやむをえずドタキャンとなった場合のために、昨日夕刻、ラムネの手配はすませてきた。やなせ宿の玄関先に木製のたらいを置き、水を張り、氷を入れ、いかにも昭和な風情でラムネの瓶を冷やす。そんな絵をイメージしていたのだが、いろいろ事情というものがあって、冷蔵庫で冷やすことになりそうである。

で、どうなるのか。ドタキャンになるのか、ならぬのか。つまり、第三週と第四週が開催されるのか、されないのか。

・第一週 歴史講演会「名張の歴史を知る(藤堂家と初瀬街道)」
    6月28日午後6時30分
・第二週 文化講演会「江戸川乱歩を知る(乱歩の歩いた道)」
    7月5日午後6時30分
・第三週 体験講座「おもてなしの研究」
    日程未定
・第四週 討論会「まちなか再生とは何か」
    日程未定

以前にも記したとおり、連続講座のメインは第四週である。出席をお願いするのはつぎのみなさんである。

名張まちなか再生委員会・正副委員長
田畑純也様、川口佳秀様、福廣勝介様、木津義明様
まちなか運営協議会・会長
辻本武久様
名張地区既成市街地再生計画策定委員会・委員長
浦山益郎様
名張市長
亀井利克様
名張市環境部長
杉永光价様
名張市議会・議長
福田博行様
名張市教育委員会・委員長
松鹿昭二様
名張商工会議所・会頭
辰巳雄哉様

名張まちなか再生委員会といえば、地域社会の害虫である。ろくなものではない。とっとと解散するしかない組織である。その害虫が、たまにゃ世のため人のため、地域社会のためにひと肌ぬいで、まちなか再生の拠点としてオープンしたやなせ宿に関係各位をお招きし、まちなか再生についておおいに語っていただこうというのである。まちなか再生にかける志と情熱を、地域住民の前でお示しいただこうというのである。どこにも支障などないではないか。名張まちなか再生委員会にとっても、ご出席をお願いする各位にとっても、開催をためらう理由などどこにもあるまいと確信する。

とくにご出席をお願いしたいのは、いうまでもなく名張市長である。やなせ宿整備の最高責任者である。残念なことに、6月7日のやなせ宿オープンセレモニーは、同日付エントリにも記したとおり、公務のためにご欠席であった。

6月7日:やなせ宿オープンを祝福す

ぜひ市長のおはなしをお聞きしたかった、市長としてまちなか再生にかける志と情熱をお示しいただきたかった、というオープンセレモニー参加者もあったのではないか。ちなみに、世の中には意地の悪い人間がいるもので、こういった場合、そういう人間は、名張市公式サイトで市長の公務日程をチェックしてみたりする。まったくもって意地が悪い。

名張市公式サイト:市長の公務予定 平成20年6月上旬

で、あいてんじゃん、とか思う。やなせ宿がオープンした6月7日は、「13:00 名張市人権・同和教育推進協議会総会(産業振興センターアスピア)」「14:00 名張地区明るい社会づくりの会総会(大屋戸地区公民館)」という公務こそ入っているけれど、セレモニーが催された午前中はあいてんじゃん、空白じゃん、ブランクじゃん、とか思う。もっと意地の悪い人間になると、とんずらかよ、と勘ぐり、あざ笑い、軽蔑する。そういう意地の悪い人間って、ほんと最低だと思う。

そんな人間のことは、まあどうだってよろしい。とにかく、名張まちなか再生委員会の一員としてものをいうならば、連続講座の第四週は、本来、行政サイドがセットしてもおかしくない場なのである。6月17日付エントリに記したとおり、名張市は今年度当初予算に、まちづくり活動推進事業なる名目で四百五十万円を計上しているのだが、これは要するに、国土交通省に提出するまちづくり交付金関連の報告書みたいなものをコンサルタントにつくってもらうための予算であるらしい。

6月17日:やなせ塾は自腹となった

それはまあ、しかたあるまい。そういう決まりになっているのであれば、それなりの報告書は提出しなければならぬであろうし、職員にそうした報告書を作成する能力がないというのであれば、そこらのコンサルタントにアウトソーシングすることも必要であろうし、かりにそのコンサルタントからいくらぼったくられたとしても、どうせ税金であり、誰の腹も痛むわけではないのであり、ぼったくられても知ったことではないのである、といったようなことになるのかもしれず、それはそれでしかたないことであるのだとしても、四百五十万円かけて国に報告するのであれば、ちっとは市民にも報告したらんか、という話なのである。国のほうばっか向いてないで、ちっとは市民に顔を向けたらんか、という話なのである。

その機会を、市民に顔を向ける機会を、名張まちなか再生委員会がセッティングしてさしあげようというのである。本来であれば行政サイドがセットしなければならぬのかもしれぬ場を、委員会が自腹を切って設けてさしあげようというのである。委員会の意とするところ、まさかお酌みとりいただけぬということはあるまい。

とはいってみたものの、第三週と第四週が開催されるのかどうか、正直、いまの段階では不明である。したがって、本日のドタキャン予報は、ようわからん、といったところである。ただまあ、最悪ドタキャンとなった場合にも、冷えたラムネを用意してお待ちしているのだし、会場は借りてあるのだから、たそがれどきの名張まちなかの散策も楽しみながら、お誘い合わせておいでいただければ幸甚である。当方に文句がある、とおっしゃる向きも歓迎である。玉井金五郎みたいにお待ちしておる。
他紙よりやや遅れたが、朝日新聞にも川地写真館のニュースが掲載された。なにしろ明るい話題である。名張まちなかには珍しいめでたいニュースである。煩をいとわずひろっておく。

朝日新聞:川地写真館 国の登録有形文化財に(6月24日)

おなじ日、毎日新聞でも報じられたのだが、内容は21日付の毎日に掲載されていたのとおんなじである。意味不明。ご祝儀みたいなものであろうか。煩をいとわずひろっておく。

毎日新聞:文化審答申:名張の川地写真館、有形文化財に /三重(6月24日)

たいへん明るい話題であるが、やなせ宿関係者にはあまりうれしくないニュースであろう。虫籠窓がどうの袖卯建がこうのと文化財的な価値もそれとなく誇示しつつ、とはいえやっぱり無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館と揶揄されながら、それでも鳴りもの入りでやなせ宿をオープンしたそのおなじ月に、新町というおなじ町内、目と鼻の先にある川地写真館が国の登録有形文化財に指定されたのである。やなせ宿? そんなものは知らんが、川地写真館には価値がある、とおかみからお墨つきが与えられたのである。皮肉な話だよなあ。天罰がくだったのかもしれんぞ。関係者にとっては泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目といったところであろうが、関係者のなかにはそういった事情を理解できるほどセンシティブな人間はおらんのかもしれん。

とか思っていたらきのうの毎日新聞に、センシティブではないやなせ宿関係者でも大喜びできる明るいニュースが掲載された。

毎日新聞:ワンデーシェフ:申し込み相次ぐ 来月中旬まで予約ずみ--名張・やなせ宿 /三重

めでたい。やなせ宿食堂化路線、まずは順風満帆なようでめでたい。むろん、何がめでたい、とお考えの向きもあろう。当然である。やなせ宿は名張市における失政のシンボルである。あんなものには一顧だに与える必要がない、という考えかたもあって当然である。しかし、いくたびも述べてきたとおり、やなせ宿というのは誰からも望まれることなく生まれてきた赤子なのである。誕生にいたるまでのプロセスはもう無茶苦茶、ジャスティスもフェアネスもどこにもなく、よくもまあここまでひどいことができたものだなうすらばかども、とうっかり感心してしまうほどの経緯をたどって生まれてきた赤子である。しかし、この子には罪はない。それだけはいっておく。ワンデイシェフが盛況であるというのなら、そのことじたいは喜ばしいことである。それが当方の見解である。

だから結局のところ、罪があるとかないとかいう比喩でいうならば、罪があるのは赤子ではなくて親なのである、という話になるのだけれど、せっかく明るい話題をつづっているのである。赤子の無心な笑顔をながめているような気分になっているのである。親を責めるのは、また次の機会ということにしておこう。

で、この記事にはやなせ宿連続講座やなせ塾のことも記されている。

   
◇開館を記念、「塾」開講--28日から4回連続
やなせ宿の開館を記念し、官民で組織する「名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクト」は4回連続の「やなせ塾」を開講する。名張の歴史や文化について、識者が講演する。

第1回「名張の歴史を知る(藤堂家と初瀬街道)」は28日午後6時半から。編集業の中相作さんが近世のまちの変遷を語る。

第2回は7月5日午後6時半から、中さんが自身の研究テーマである推理作家、江戸川乱歩と出生地・名張との関係を語る。

会場はともに同宿で、定員約40人。第3、4回の日時、講師は未定。

申し込み、聴講料は不要。問い合わせは市市街地整備室(0595・63・7746)。

うーん。きのうの産経には「第3週は『おもてなしの研究』、第4週は『まちなか再生とは何か』がテーマ」とあったのだが、毎日は「第3、4回の日時、講師は未定」か。講座が四回連続だということは周知されたようなれど、第三週と第四週、ほんとに開催されるのかしら。どうもあやしいなあ。

さ、ドタキャン用のラムネでも仕入れてこようっと。
名張まちなか再生委員会から、6月23日付の文書が郵送されてきた。「平成20年度名張まちなか再生委員会議事概要及び総会資料の送付について」とある。タイピングが面倒なので、スキャン画像を掲載しておく。なんとか判読可能だと思う。

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名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの6月吉日付の文書も同封されていた。「歴史・文化連続講座『やなせ塾』開催のお知らせ」とある。「歴史拠点プロジェクト」となっているあたり、うろが来とるのか、と推測されぬでもない。やはりスキャン画像をごらんいただく。

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ごらんいただいたとおり、第一週と第二週のことしか記されていない。連続講座とあるものの、いったい何回の連続なのか、それがどこにも書かれていない。いうまでもなく四回である。四週連続でなくたって全然かまわない、秋の刈り入れが終わってからでもいいから、とにかく四回ワンセットでやってくれ、と伝えてある。にもかかわらず、週末には第一週が開かれるというこの期におよんでなお、第三週の体験講座「おもてなしの研究」と第四週の討論会「まちなか再生とは何か」の告知がなされぬのはどういうことか。

ちなみに、第四週の出席予定者は、敬称を略さずに列記するとこんなあんばいである。

名張まちなか再生委員会・正副委員長
田畑純也様、川口佳秀様、福廣勝介様、木津義明様
まちなか運営協議会・会長
辻本武久様
名張地区既成市街地再生計画策定委員会・委員長
浦山益郎様
名張市長
亀井利克様
名張市環境部長
杉永光价様
名張市議会・議長
福田博行様
名張市教育委員会・委員長
松鹿昭二様
名張商工会議所・会頭
辰巳雄哉様

連続講座の掉尾を飾るにふさわしい陣容である。この討論会あってこその連続講座である。誰かがごねてるとかふてくされてるとか涙目になってるとか逃げを打ちたがってるとか、なんらかの理由でこの討論会が開催できないというのであれば、当方は第一週と第二週をドタキャンしてしまう。それが当方の意向である。タクティクスである。それでもってどうやら、不本意ながらドタキャンしなければならぬらしいな。ドタキャンいよいよ決定、ということになったらしいな。

とか思っていたら、産経新聞のサイトにきょうの午前2時24分、こんなニュースが掲載されていたではないか。

産経新聞:「やなせ宿」開設記念 28日から名張で街づくり講座「やなせ塾」開講

この記事には、いつの開催となるかは記されていないものの、「第3週は『おもてなしの研究』、第4週は『まちなか再生とは何か』がテーマ」と明記されている。ならば、第三週と第四週もありなのか。ならば、どうして歴史拠点整備プロジェクトの「歴史・文化連続講座『やなせ塾』開催のお知らせ」にそれが書かれていないのか。

ようわからんなあまったく。もともと名張まちなか再生委員会のやることはようわからんのであるが、それにしてもわからんなあ。ドタキャンとなるのかならぬのか、まったくもってようわからんなあ。

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