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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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乗っ取り対象となる新町の細川邸。きのう通りかかったら、順調に改修工事が進んでいた。

20071110a.jpg

設計監理は尾形建築事務所、施工は丸栄建設。名張市建築界が誇る黄金タッグである。細川邸の改修には何千万円かの税金が投じられているはずだが、設計施工のほかにもいろいろと、あやしげなコンサルタントだの、駅弁大学の御用学者が主宰する研究室だの、そういうのがあっちこっちからいいように、市民の眼にふれないところで市民の税金をかすめ取っているのである。

大丈夫か名張市。ていうか、お願いだからしっかりしてくれ。

きのう、名張市役所に立ち寄って確認したところ、改修は来年2月末完工の予定だそうである。屋根をふき替えたり、外壁を新しくしたり、耐震構造にしたり、母屋の外に厨房をつくったり、とても立派な便所も新設されて、母屋と渡り廊下で結ばれるらしい。

蔵はふたつ残されている。名張川に近いほうは川蔵と呼ばれ、伊勢湾台風の被害に遭っていたこともあって、傷みはかなり激しかったらしい。それでも残して改修することにしたのは、名張川のほうから眺めた場合の景観を考慮してのことだそうである。誰がそんなことをいいだしたのかは知らないが、どうせ御用学者の先生あたりであろう。いずれにせよ、蔵を残して何につかうか、なんてことはまったく考えられておらんのである。

蔵どころか、細川邸を改修して何につかうのか、それさえ結論が出ておらんのである。にもかかわらず、とっとことっとこハコモノとしての整備が進んでいるのである。正気の沙汰ではないのである。無策無能のシンボルにでもするつもりか。

それでまあ、NPOをつくって細川邸を乗っ取ることにしましたので、と挨拶して、名張市役所四階の名張まちなか再生委員会事務局をあとにした。委員長との面談は、11月12日の月曜と決定した。
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「大丈夫か名張市」というカテゴリを新設した。その第一弾。

きのうにつづいて、江戸川乱歩関連の自己評価もみておく。

名張市公式サイト:市長の重点施策について マニフェストの進捗状況(報告)

「18 文化香るふるさとづくり」という項目である。

名張市公式サイト:2. 心豊かな人を創る「教育先進都市」を目指して(pdf)

引用。

   
18 文化香るふるさとづくり

マニフェストの内容
観阿弥創座の地として、名張独自の能文化の振興を進めるとともに、能楽ネットの構築や地域間交流を進め、能楽のふるさと名張を広く発信します。また、名張まちなか再生プロジェクトやまちなか観光と連携して、藤堂高吉公の顕彰に加えて乱歩館を整備するなど、江戸川乱歩の業績等を効果的に紹介できるようにします。

総合評価


主な事務事業           担当部  H18決算見込額
名張市観阿弥顕彰会運営活動補助金 教育委員会 00,124,000
観阿弥ふるさと公園等施設管理費  教育委員会 01,936,219
ふるさと能文化振興事業      教育委員会 03,984,187
おきつもの名張・文化顕彰交流事業 教育委員会 00,686,971
文化財保護費           教育委員会 02,536,540
文化財保存行事補助金       教育委員会 00,045,000
埋蔵文化財発掘調査事業      教育委員会 00,000,000
史跡等整備事業          教育委員会 31,317,861
なぞがたりなばり講演会事業    生活環境部 00,895,128
社会教育振興会補助金       教育委員会 47,622,000

以下、乱歩関連の事業のみ抜粋。

   
なぞがたりなばり講演会事業

主な施策指標


H18成果
「なぞがたりなばり」を開催し、江戸川乱歩生誕の地「名張」を市内外に発信しました。(参加者数:158人)

備考
平成20年度より、運営主体の見直しについて検討します。

乱歩にかんしていえば、自己評価以前に、マニフェストそのものがきわめておそまつである。「乱歩館」なるものを整備して、「江戸川乱歩の業績等を効果的に紹介」するなどと書いてある。その程度のことしか書けんのである。

大丈夫か名張市。
「名張ミステリーアーカイブ」では名称がややマニアックか、と思い直し、もう少しわかりやすく、「なばり乱歩ライブラリー」と改めることにした。細川邸乗っ取り計画の話である。面倒なことである。平成17・2005年3月にパブリックコメントで提案した、細川邸を名張市立図書館ミステリ分室にする、というプランを名張市が最初から真剣に検討しておればよかったものを、どこまで世話を焼かせれば気がすむのだ。ちっとは反省しろよな。

とか思っていたら、名張市の公式サイトで名張まちなか再生事業の自己評価が発表された。名張市長の掲げた重点施策について、施策の担当部局が進捗状況と自己評価を報告したうちの一部である。

名張市公式サイト:市長の重点施策について マニフェストの進捗状況(報告)

なかに「27 中心市街地の活性化」という項目がある。

名張市公式サイト:4. 活力あふれる「元気先進都市」を目指して(pdf)

中央西土地区画整理事業にかんするものは省いて、名張まちなか再生プランに関連するパートを引用。

   
27 中心市街地の活性化

マニフェストの内容

名張地区の活性化を図るため、平成21年度までに初瀬街道のまちなみや簗瀬水路の親水空間の整備、細川邸を活用した集客施設、乱歩館の整備など、名張の歴史・文化を活かしたまちづくりを推進します。また、まちなか研究室や学生サロン、夢づくり広場の整備など、住民の活発な交流や活動、まちなか観光の振興などに取り組み、まちの顔となる中心市街地の整備を進めます。

総合評価


主な事務事業     担当部   H18決算見込額
中心市街地活性化事業 都市環境部 10,124,745
旧細川邸維持管理費  都市環境部  00065,602

主な施策指標
中心市街地に魅力があると感じる市民の割合 ※再掲

H17実績
45.9%

H18成果
48.1%
「名張まちなか再生プラン」の実現に向けて、地域資源を活かした個性あるまちづくりを推進しました。
市民・行政・大学により、まちなか研究室や学生サロン、夢づくり広場を整備しました。

第2期実施計画への反映状況
平成21年度 目標:51.4%
名張地区既成市街地については、名張まちなか再生プランに基づき、市民・事業者など多様な主体との協働によりまちづくりを進めます。

備考
市民・行政・大学の三者が連携して、細川邸を改修し、まちなかの交流拠点として活用を図るとともに、江戸川乱歩生誕地碑のある元桝田医院第2病棟跡地利用に向けた取組みや、名張地区の名所を紹介する案内板の設置に取り組みます。

このブログは名張まちなかにかんするアーカイブなので、こういった報告も資料として記録しておくわけなのだが、はっきりいって、こんな自己評価にはなんの意味もない。報告されているのは、行政にとって都合のいいことばかりである。そもそも自己評価なんて、そんなものなのである。手前味噌なのである。業績を残しました実績をあげました手柄をたてました効果がありました。そんな報告、真に受ける市民はごく少数なのではないのか。

のみならず、報告には偽装がある。たとえば、平成18・2006年度の成果として、名張まちなか再生プランの実現がどうのこうので、地域資源を活かした個性あるまちづくりを推進しました、なんてことが書いてある。こんなものは偽装である。てめーら赤福か。御福餅か。へんば餅か。平治煎餅か。いろいろあってたいへんである。ていうか、ここまで来るともう真っ赤なうそだというしかない。

そもそも、いまはどういう時期なのか。先月17日に名張市考査委員会の「名張市事務事業評価報告書」が提出され、今月中旬には名張市公式サイトでその内容が発表されることになっている。そんな時期に、おなじ中心市街地の活性化事業を評価の対象として、名張市の自己評価と外部機関による評価とが天と地ほどの差をみせているというあきれた事実を、お役所が嬉しげにあるいは自慢げに、こんなん出ましたけどー、と示してどうする。市民をおちょくっとるのか。

考査委員会の報告書からの引用を再掲。

   
シートNO.
4022

事務事業名
中心市街地活性化事業

総合評価
継続(事務改善)

主な意見
・「まちなか再生委員会」の位置づけが不明確であり、責任主体の明確化が必要である。
・指定管理者の導入は公募を前提とすべきであり、NPO法人への特命は望ましくない。
・計画が楽観論過ぎるので、組織、権利関係を明確にするため、条例の担保が必要である。
・ワークショップとしての位置づけを明確にし、事業決定権は市長にあることを明らかにする必要がある。

多くの市民は、名張市の自己評価よりも、外部機関による事務事業評価報告書のほうに信を置くであろう。そして、名張まちなか再生事業はもう無茶苦茶なのだなと、名張まちなか再生委員会は位置づけすら不明確な組織なのだなと、ほかにもNPOとかいろんな組織があるらしいけど、主体性や自立性をあいまいにして誰も責任なんか持とうとしないのだなと、思い思いに好き勝手なことをやっているのだなと、事業決定権が市長にあるというあったりまえのことさえ忘れられているのだなと、だったらそんなものやめちまえと、そんなことに税金つかってんじゃねーやばかと、そんなふうに思いをいたすことであろう。それが正解なのである。名張市の自己評価には偽装があるのである。

名張まちなか再生プランの策定がスタートしたのは、平成16・2004年6月のことであった。以来三年あまりの月日を重ねてきたというのに、あろうことか、プランの目玉であった細川邸の活用策がまったく決まっておらんのである。こらばかいったいどうなっておるのだ。まったくひどい話である。あきれ返った話である。責任者出てこいといってみたところで、誰も出てこようとはしないのである。

しかしそれにしても、名張まちなか再生委員会の委員長から、まだ連絡がいただけないのはどうしてなのかな。
《乱歩と名張》が首尾よく《NPO乱歩と名張》になったとする。細川邸を乗っ取って何をするのか。

ひとつ、インターネット上に、江戸川乱歩にかんする総合的データベース「名張市乱歩文学館」を構築する。そのための作業や情報の受発信などの拠点として、細川邸を利用する。

もうひとつ、細川邸の一部を「名張ミステリーアーカイブ」として整備する。名張市立図書館に展示されている乱歩の著書や遺品、架蔵されている関連文献などのほか、慶應義塾大学推理小説同好会OB会から寄贈をうけながら死蔵されているミステリー図書、そういったものを収蔵するアーカイブをつくる。

名張市には細川邸にミステリー文庫を開設する構想があるらしいが、その淵源を尋ねれば名張市立図書館ミステリ分室構想である。2005年3月、名張まちなか再生プランの素案に対して提出したパブリックコメントに記した構想である。

名張人外境:僕のパブリックコメント

このミステリー文庫構想、いずれ乱歩作品やミステリーはおろか、そもそも本を読む習慣のない連中がプランニングするしかないのであろうから、ろくなものにはならない。もっとも、お役所にはコンサルタントと称するあやしげな連中が暗躍しており、お役所の人たちはいいだけつけ込まれて、財政難だなんだかんだといいながら、市民の眼にふれないところで何かと税金をふんだくられている。

すこし以前、名張市議会の田合豪市議のブログでその一例が報告されていたので、ウェブサイト名張人外境に引用しておいた。8月25日付伝言「あるブログの記事にもとづいてお役所の御法度を考える」にそれがみえる。

名張人外境:あるブログの記事にもとづいてお役所の御法度を考える

だからミステリー文庫にかんしても、あやしげなコンサルタントの出番になるのかもしれないが、それだってろくなものではない。乱歩やミステリー作品にかんしては、ひたすら無知な連中ばかりであろう。かりに完成したとしても、つくりました、おしまいです、という典型的なハコモノがいっちょあがりとなるだけであろう。

そんなことになったら眼もあてられんから、《乱歩と名張》が細川邸を乗っ取って、うわっつらだけのミステリー文庫とやらとは比較にならない名張ミステリーアーカイブをつくってやろうといっておるのだ。関係各位はありがたく思うように。

それでまあ、乗っ取りのためにはまず、名張まちなか再生委員会の委員長と話をすり合わせる必要がある。隠街道市二日目にばったりお会いしたので、近いうちに時間をとってくれとお願いし、快諾を得たことは先日このブログにも記した。しかし、おかしいなあ。いっこうに連絡がないではないか。
きのうの朝に記す予定だったが、けさにスライドしてしまった。隠街道市初日、11月3日夜の記録である。

この夜、中町のかみ六で会合を開き、《乱歩と名張》という組織を発足させた。いずれ《NPO乱歩と名張》に移行するはずなのだが、うまくことが運ぶかどうか、実際のところはよくわからない。

なんのための組織なのかというと、名称からも明らかなとおり、乱歩と名張のことをちゃんとする組織である。名張市という自治体がもう少ししっかりしてくれていたら、こんな組織をつくる必要はまったくないのである。しかし、全然しっかりしていない。だからしかたがない。多様な主体の協働ってやつである。江戸川乱歩のことにしろ、名張まちなかのことにしろ、行政がやるべきなのにやろうとしない、ていうか無策無能ゆえにできないことを、NPOつくって補完してやろうというのである。新しい時代の公なのである。

《NPO乱歩と名張》の目的のひとつは、細川邸を乗っ取ることである。だから来年の目標は「細川邸乗っ取り!」だっつってんだろーが。名張まちなか再生プランがもう少しまともなしろものであり、それなりの成果にたどりついてさえいたならば、こんなNPOをつくる必要はないのである。しかし実際には無茶苦茶なのである。なんのための施設なのか、この期におよんでまだ決定されていないにもかかわらず、来年春には整備を終えた細川邸あらためやなせ宿がオープンするのである。だから乗っ取ってやるのである。

細川邸あらためやなせ宿は、たぶんNPOなばりという団体が管理運営を手がけることになっている。ただし、名張市考査委員会から先月提出された「名張市事務事業評価報告書」には、中心市街地活性化事業にかんして、「指定管理者の導入は公募を前提とすべきであり、NPO法人への特命は望ましくない」との指摘が記されていた。もしも名張市にまともな感覚があるのなら、特定のNPOとのあからさまな癒着は避けるはずなのであるが、名張市にはまともな感覚なんてないような気がする。

だが、ここに新たなNPOが誕生し、細川邸乗っ取りに名乗りをあげたらどうなるのか。当然、競争原理が働くことになる。どちらのNPOを選ぶのか、名張市は判断を迫られる。どちらのNPOにも実績はない。ただし、細川邸あらためやなせ宿では、どうやらミステリー文庫なるものを開設することになるようである。あるいは、乱歩の遺品を展示することになるようである。これらはいずれも、名張市の方針として市議会で表明されたことである。これらの要素を勘案した場合、NPOなばりと新しいNPO、どちらに軍配があがるのか。あるいは、名張のまちの歴史をどの程度理解しているのか。その理解に立脚して名張のまちに深い愛着を抱いているのかどうか。そのあたりのことを考慮に入れても、すでにして答えは明らかである。

しかし、名張市をみくびってはいけない。NPOなばりをふくむ官民学の癒着にかんしてちょいと住民監査請求をかましてやったらば、なりふりかまわず子供みたいな理屈をならべ、いやいや、そこらのお子供衆を説得することさえできないような屁理屈をならべ、論理と呼べるものはどこにもなく、直視すべき事実からいっさい眼をそむけつづけ、ただ協働ということばによって癒着構造を正当化するだけでこと足れりとするような、ばかかこら低能、そんなところなんだぞ名張市は。したがって競争原理もくそもなく、既定の癒着構造はびくともしないのかもしれない。だから名張市をみくびってはいけないのであるが、かまうかすっとこどっこい。気がすむまでかましてやる。

そんなこんなで《乱歩と名張》は無事に発足。NPO結成をめざして組織を旗揚げするというステップが踏めたので、この日の目標はとどこおりなく達成できた。かみ六の座敷をあとにすることになったのだが、参加者のなかには、なぜか小学生がひとり。酒を飲まない小学生に割り勘を要求することもできない。かといって、こちらひとりですべて支払ってしまっても、参加者にかえって気をつかわせることになるだろう。昼間の講演会のギャラをみんな吐き出して、あとは参加者で適当に勘定をすませてもらった。

かみ六のあとは、二次会。榊町の番じゃ屋敷に足を運んだところ、隠街道市からの流れなのか、きれいに満席である。店の女の子から、こんど来たとき料金が5%オフになるというサービス券を手渡され、べつの店を探すことになった。《乱歩と名張》が誕生した夜なのだから、飲み食いのお金はすべて名張のまちに落としてゆきたいところなのだが、番じゃ屋敷のほかに適当な店が思い浮かばない。まちなかを離れ、夏見にむかった。

到着したのは、夏見の味ふく。味ふくのオーナーの方は名張市議会議員でもいらっしゃる。現在は市議会議長をおつとめである。すこし前までは監査委員の任についておられた。つまり、先日提出した住民監査請求を担当してくださった方なのである。いろいろお世話になったのだからと思い、注文をとりにきてくれた男性店員に、オーナーはいらっしゃるかと訊いてみた。これこれこういうものであるが、できればオーナーにお目にかかりたい、と申し出た。男性店員は、二度ほど座敷に出たり入ったりしていたが、結局、オーナーはあいにく外出しておりまして、とのことであった。

それはそうであろう。なにしろ酔っぱらいである。酔っぱらいが真っ赤な顔をして大きな声で、くらぁーッ、てめーこのさっさと出てこんかこらこのポチがくらぁーッ、くらぁくらぁくらぁーッ、と、いやさすがにそこまで口汚くはないけれど、とにかく酔っぱらいが手ぐすね引いて待ちかまえているのである。ふつうのポチなら顔は出せまい。

名張市議会議員といえば、《乱歩と名張》には市議会議員の先生にご参加いただいたほうがいいのではないかとも思われる。隠街道市に限定して考えても、11月3日の講演会をわざわざ聴講してくださった先生もいらっしゃったし、翌4日に中町かどこかですれ違ってご挨拶を申しあげた先生もいらっしゃって、ともに名張まちなかにゆかりの深い先生なのであるが、いささかのご協力をお願いできぬかと切り出すことは、こちらから一方的に負担を押しつけるような気がして、はたせずに終わった。なんだか困ったものである。

三次会。またまちなかに戻って、上本町のマルシンにのたくり込んだ。もうべろんべろんである。カウンターに添って店内をふらふら歩いていると、がらの悪そうな男が、おまえ中とちゃうんか、と声をかけてくる。よくみてみると、二十数年ぶりの対面ということになるのだが、名張中学の同級生である。となりの席にすわって飲んだのだが、夫婦で飲みにきていた。ふたりめの嫁はんや、という。話をしているあいだに何かがどこかでこじれてしまい、おまえ昔おれの嫁はんとなんかあったんか、と同級生から厳しい追及をうけるはめになったのは難儀なことであった。昔のことだからよくおぼえていないのだが、そんなことはなかったと思う。なかったはずである。ていうか、奥さんとは初対面だし。

11月3日、《乱歩と名張》結成の夜は、こうして更けていった。

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