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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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きのうの朝に記す予定だったが、けさにスライドしてしまった。隠街道市初日、11月3日夜の記録である。

この夜、中町のかみ六で会合を開き、《乱歩と名張》という組織を発足させた。いずれ《NPO乱歩と名張》に移行するはずなのだが、うまくことが運ぶかどうか、実際のところはよくわからない。

なんのための組織なのかというと、名称からも明らかなとおり、乱歩と名張のことをちゃんとする組織である。名張市という自治体がもう少ししっかりしてくれていたら、こんな組織をつくる必要はまったくないのである。しかし、全然しっかりしていない。だからしかたがない。多様な主体の協働ってやつである。江戸川乱歩のことにしろ、名張まちなかのことにしろ、行政がやるべきなのにやろうとしない、ていうか無策無能ゆえにできないことを、NPOつくって補完してやろうというのである。新しい時代の公なのである。

《NPO乱歩と名張》の目的のひとつは、細川邸を乗っ取ることである。だから来年の目標は「細川邸乗っ取り!」だっつってんだろーが。名張まちなか再生プランがもう少しまともなしろものであり、それなりの成果にたどりついてさえいたならば、こんなNPOをつくる必要はないのである。しかし実際には無茶苦茶なのである。なんのための施設なのか、この期におよんでまだ決定されていないにもかかわらず、来年春には整備を終えた細川邸あらためやなせ宿がオープンするのである。だから乗っ取ってやるのである。

細川邸あらためやなせ宿は、たぶんNPOなばりという団体が管理運営を手がけることになっている。ただし、名張市考査委員会から先月提出された「名張市事務事業評価報告書」には、中心市街地活性化事業にかんして、「指定管理者の導入は公募を前提とすべきであり、NPO法人への特命は望ましくない」との指摘が記されていた。もしも名張市にまともな感覚があるのなら、特定のNPOとのあからさまな癒着は避けるはずなのであるが、名張市にはまともな感覚なんてないような気がする。

だが、ここに新たなNPOが誕生し、細川邸乗っ取りに名乗りをあげたらどうなるのか。当然、競争原理が働くことになる。どちらのNPOを選ぶのか、名張市は判断を迫られる。どちらのNPOにも実績はない。ただし、細川邸あらためやなせ宿では、どうやらミステリー文庫なるものを開設することになるようである。あるいは、乱歩の遺品を展示することになるようである。これらはいずれも、名張市の方針として市議会で表明されたことである。これらの要素を勘案した場合、NPOなばりと新しいNPO、どちらに軍配があがるのか。あるいは、名張のまちの歴史をどの程度理解しているのか。その理解に立脚して名張のまちに深い愛着を抱いているのかどうか。そのあたりのことを考慮に入れても、すでにして答えは明らかである。

しかし、名張市をみくびってはいけない。NPOなばりをふくむ官民学の癒着にかんしてちょいと住民監査請求をかましてやったらば、なりふりかまわず子供みたいな理屈をならべ、いやいや、そこらのお子供衆を説得することさえできないような屁理屈をならべ、論理と呼べるものはどこにもなく、直視すべき事実からいっさい眼をそむけつづけ、ただ協働ということばによって癒着構造を正当化するだけでこと足れりとするような、ばかかこら低能、そんなところなんだぞ名張市は。したがって競争原理もくそもなく、既定の癒着構造はびくともしないのかもしれない。だから名張市をみくびってはいけないのであるが、かまうかすっとこどっこい。気がすむまでかましてやる。

そんなこんなで《乱歩と名張》は無事に発足。NPO結成をめざして組織を旗揚げするというステップが踏めたので、この日の目標はとどこおりなく達成できた。かみ六の座敷をあとにすることになったのだが、参加者のなかには、なぜか小学生がひとり。酒を飲まない小学生に割り勘を要求することもできない。かといって、こちらひとりですべて支払ってしまっても、参加者にかえって気をつかわせることになるだろう。昼間の講演会のギャラをみんな吐き出して、あとは参加者で適当に勘定をすませてもらった。

かみ六のあとは、二次会。榊町の番じゃ屋敷に足を運んだところ、隠街道市からの流れなのか、きれいに満席である。店の女の子から、こんど来たとき料金が5%オフになるというサービス券を手渡され、べつの店を探すことになった。《乱歩と名張》が誕生した夜なのだから、飲み食いのお金はすべて名張のまちに落としてゆきたいところなのだが、番じゃ屋敷のほかに適当な店が思い浮かばない。まちなかを離れ、夏見にむかった。

到着したのは、夏見の味ふく。味ふくのオーナーの方は名張市議会議員でもいらっしゃる。現在は市議会議長をおつとめである。すこし前までは監査委員の任についておられた。つまり、先日提出した住民監査請求を担当してくださった方なのである。いろいろお世話になったのだからと思い、注文をとりにきてくれた男性店員に、オーナーはいらっしゃるかと訊いてみた。これこれこういうものであるが、できればオーナーにお目にかかりたい、と申し出た。男性店員は、二度ほど座敷に出たり入ったりしていたが、結局、オーナーはあいにく外出しておりまして、とのことであった。

それはそうであろう。なにしろ酔っぱらいである。酔っぱらいが真っ赤な顔をして大きな声で、くらぁーッ、てめーこのさっさと出てこんかこらこのポチがくらぁーッ、くらぁくらぁくらぁーッ、と、いやさすがにそこまで口汚くはないけれど、とにかく酔っぱらいが手ぐすね引いて待ちかまえているのである。ふつうのポチなら顔は出せまい。

名張市議会議員といえば、《乱歩と名張》には市議会議員の先生にご参加いただいたほうがいいのではないかとも思われる。隠街道市に限定して考えても、11月3日の講演会をわざわざ聴講してくださった先生もいらっしゃったし、翌4日に中町かどこかですれ違ってご挨拶を申しあげた先生もいらっしゃって、ともに名張まちなかにゆかりの深い先生なのであるが、いささかのご協力をお願いできぬかと切り出すことは、こちらから一方的に負担を押しつけるような気がして、はたせずに終わった。なんだか困ったものである。

三次会。またまちなかに戻って、上本町のマルシンにのたくり込んだ。もうべろんべろんである。カウンターに添って店内をふらふら歩いていると、がらの悪そうな男が、おまえ中とちゃうんか、と声をかけてくる。よくみてみると、二十数年ぶりの対面ということになるのだが、名張中学の同級生である。となりの席にすわって飲んだのだが、夫婦で飲みにきていた。ふたりめの嫁はんや、という。話をしているあいだに何かがどこかでこじれてしまい、おまえ昔おれの嫁はんとなんかあったんか、と同級生から厳しい追及をうけるはめになったのは難儀なことであった。昔のことだからよくおぼえていないのだが、そんなことはなかったと思う。なかったはずである。ていうか、奥さんとは初対面だし。

11月3日、《乱歩と名張》結成の夜は、こうして更けていった。
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