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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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 おとといの説明会、報告の追加である。この件について。
 
10月13日:横浜東京甲府旅日記(三) > 記事が手許にありませんので副委員長の文書をどうぞ
 
 名張まちなか再生委員会の副委員長から名張市長に提出された「亀井市長に『名張まちなか再生委員会』関する質問と提案。そして少々の感想。」の件である。提出の日付は10月8日で、文書による回答を「出来るだけ早急(5日間程度)に」求める内容であったが、説明会の時点では、回答はいまだ用意されていなかった。しかし、市長から副委員長に、回答する、との確約がなされた。
 
 とはいうものの、実際のところ、ことばはすでに無力である。げんに、おとといの説明会、口頭による説明とやらがおこなわれたのだが、説明を受けるほうが納得し、得心できたかというと、そんなことはまるでない。なにが説明されているんだか、それすらよくわからない。名張市は名張まちなか再生委員会から退会する、あるいは、名張まちなか再生委員会は名張市にとって協働のパートナーではない、といった通告が、合理的な根拠や明確な理由をいっさい示すことなく、きわめて一方的に押しつけられただけである。したがって、文書による回答を求めてみたところで、まともな回答はとても期待できない。ここ名張市において、言論はもう、死んでいるからである。
 
 ただし、ごく単純なものであれば、言論はまだ生きている。幼児にも理解できることばなら、名張市においても通用する。たとえば、申しわけありませんが二銭銅貨煎餅を買ってくれませんか、みたいな単純なことば、わかりやすい要請、イエスかノーかで答えられる問いかけであれば、名張市にだって通用する。おれが先日、名張市公式サイト「市長への手紙」を利用したゆすりたかりで実証してみせたとおりである。名張市からは、打てば響くようなレスポンスのよさで、買います買います、買いますからいじめないでください、みたいな回答があった。だから、余談ながら、名張市ってめちゃめちゃテロに弱そう、とおれは思った。それから、ネット上で公開されたゆすりたかりならまだいいけれど、市民の眼がまったく届かない場で、不逞のやからが名張市にゆすりたかりを働いている、みたいなことがあるのではないか、とも感じた。そして、ゆすりたかりに遭った名張市は、唯々諾々とそれに屈してしまっているのではないか、とも考えてしまった。しっかりしような名張市。
 
 それにしても、困ったものだな、と思う。過ぎたことではない。大失敗に終わったまちなか再生事業のことを、いまさら困った困ったと嘆いてみたってしかたがない。困ったものだな、というのは、これからのことである。名張市には学習能力がかけらもないということなのか、協働とかいうお題目への反省がまるでみられないのである。名張まちなか再生委員会に功績と呼べるものがあるとしたら、協働などというきれいごとのもとにうすらばかがうすらばかを集めてみても、そんなものはしょせん破綻するしかねーんだよばーか、ということを市民にひろく知らしめた点に求められよう。だというのに、かんじんの名張市は、蛙のつらに小便とでもいうのか、協働とやらの有効性を検証してみることなど、まったく考えておらんようなのである。げんに説明会では、三重県が手がける「美し国おこし・三重」の尻馬に乗っかった官民協働事業のことが発表された。
 
三重県公式サイト:美し国おこし・三重
 
 三重県知事は、懲りていらっしゃらないのであろうか。じつに無残な失敗に終わった三重県の官民協働事業「生誕360年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」で懲りたはずじゃねーのかよ、とおれは思う。おれがあれほど諄々と道を説き、ばかなことはおやめなさいと訓戒を垂れてさしあげたというのに、「文化力」だの「地域の多様な主体」だのと寝言みたいなお題目のもと、またしてもおなじ愚をくり返すとおっしゃるのか。もっとも、平成16・2004年に実施された「生誕360年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」は前知事の時代にレールが敷かれたもので、現知事は右も左もわからぬままそのレールをお進みになっただけの話であった。そんなことはおれにも重々わかっていたのであるが、それにしてもこの事業に携わっている官民双方のうすらばかはいったいなんなんだ、とは思われたので、われを忘れるほど激怒してしまい、知事にもついつい、てめーはばかなのかこの腐れきんたま、みたいな礼を失したメールをお出ししたこともあったっけ。反省しなきゃな。
 
 それで名張市は、おとといの説明会における市長の説明によれば、この「美し国おこし・三重」の一環として、官民の協働による事業を手がけることになったという。しかも、それがなんと、乱歩関連事業なのだという。どんな事業が展開されるのかは知らないが、よほどしっかりしなければ、名張市は笑われてしまうぞ。なにしろこのあいだ、ちょっと上京しただけで、
 
 「乱歩の生家を復元する話はどうなったんですか」
 
 「乱歩の生誕地碑には屋根くらいつけなきゃ」
 
 「ミステリー文庫はどうしたあッ」
 
 「乱歩に関係のある都市が集まってなにかやる、という話はどうなったんですか」
 
 「乱歩生誕地の広場は、みる価値ありますか」
 
 などといったお叱りやお尋ねが、乱歩ファンのみなさんから雨あられと飛んできたほどなのである。しかも、つい先日のエントリにも記したとおり、ここ名張市においては、「なにしろまあ、ろくに乱歩作品を読もうともせず、乱歩のことを知ろうともせず、ただ乱歩というビッグネームを自己顕示の素材として利用し、ご町内でうわっつらだけ乱歩乱歩とかっこつけてりゃ機嫌がいい、みたいな連中ばっかりなのである。官民双方、そんな手合いばっかりが、名張市というごくごく狭い小さな世界で、みずからの快だけを求めて乱歩乱歩と幅を利かせておるのである」ということが、すっかりばれてしまっておるのである。
 
 そんなところへもってきて、官民協働の乱歩関連事業を手がけるというのだから、おれとしては、おまいらいきなり地雷踏んでどうするよ、と心配せざるをえないのだが、よし、わかった、ちょうどいい。こんな協働事業、どうせ失敗するに決まってんだから、名張市における協働とかいうやつがどれほどインチキなものなのか、この「美し国おこし・三重」の乱歩関連事業を手がかりとして満天下に知らしめてやろうかな。それとも、そんなことは、やっぱやめとこうかな。やろうかな。やめとこうかな。どっちらっにしようかなっ。いやー、なんかもう、乙女のごとく心が揺れ動いてしまうよなあ。これはまあ、
 
 「さ、そろそろテロにすっか」
 
 みたいなことなのであって、やるかやらないか、まだ確定はしてないんだから、関係各位はいまから涙目にならなくたっていいんだぞ。
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どんな乱歩関連事業なのか心待ちにしたいと思います
 ●小西昌幸様
 ご投稿ありがとうございます。
 「ケルト音楽の夕べ」、なんのお力にもなれませんでしたが、ご盛況だったようでなによりです。一円の予算もなしの暴走企画、今後の暴走ぶりに期待しておりますが、全国から寄せられる期待や信頼をけっして裏切らない暴走ですから、いつも頭のさがる思いがしております。名張市にはとても真似ができないことだと思います。
 その名張市の恒例企画、ミステリー講演会「なぞがたりなばり」にはそこそこ予算がついているのですが、なにしろ日本推理作家協会の全面的な協力を頂戴して実施しているものですから、たまには協会に無縁な小林信彦さんとか、荒俣宏さんとか、あるいは紀田順一郎さんとか、そういったみなさんによる乱歩のおはなしを拝聴したいものだとも思います。今年の講師は今野敏さんにお願いすることになったようで、今野さんファンは大喜びしてくれることでしょうが、はたして乱歩ファンが興味を示してくれるかどうか、いまからいささか不安です。と申しますか、臼田惣介さんあたりからお叱りを頂戴してしまうのではないかと、かなりびくびくしております。
 いっぽう、三重県のこととなりますと、私にはさっぱりなにもわからないのですが、じつに無残な失敗に終わった三重県の官民協働事業「生誕360年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」に照らして考えますならば、伊勢神宮の式年遷宮の尻馬に乗っかって進められる「美し国おこし・三重」もまた、官民双方のうすらばかが大騒ぎして惨憺たる終幕を迎えるのではないかと案じられる次第です。とはいえ、どんな乱歩関連事業が展開されることになるのか、とりあえず心待ちにしたいと思います。
 今後ともよろしくお願いいたします。
中 相作 URL 2009/10/21(Wed)09:41:42 編集
私の妄想をお伝えします
■徳島の小西昌幸です。10月16日に開催した【ケルト音楽の夕べ】は、県内外から約2百人が集まり、大好評の内に無事終了しました。中さんにおかれましては、ご支援いただき、本当にありがとうございました。続いては11月に遠藤ミチロウさんのライヴ、12月に江戸落語の催し、来年1月に【笑福亭たま・旭堂南湖二人会4】など毎月予算なし(入場料収入で全てを賄う暴走企画)の催しが怒涛のように押し寄せてきますが、ヘナヘナとなんとか乗り切ってゆきたいと思います。
■以下、本日のブログを拝読しての独り言の妄想です。
◎三重県で(中部地域で)乱歩関連の事業について言うのなら中さんを邪険にしてうまく行くわけがない。絶対に。
◎三重県は、県庁内の人材の中から、最低、光文社文庫版『江戸川乱歩全集』と名張市の乱歩資料全種その他を所有して愛読しているような真面目で常識を持った職員を探し出して、事務局員にすえる。その事務局員は、さらに古書店で講談社版全集を2種類程度所有していると、なお良い。
◎そして、中さんにその事務局員を接触させて、三顧の礼をもって「助言者になっていただきたい」と申し入れをする。このとき、1時間以上乱歩作品の魅力について語ることが出来て、「丸尾さんのマンガだって読んでますよ、フフフ」、これくらい言えることが肝要である。
◎そして、次のように中さんに語りかける。「中さん、人生の置き土産に、究極の最後の乱歩資料集をお作りになりませんか。予算は、ホレ400万円ぐらいありますぜ。本は腐りませんからきちんと価格をつけてしっかり販売さえ出来れば、元は取れる算段です。これをやって『幕末軍艦咸臨(かんりん)丸』の文倉平次郎のように、あるいは『広文庫』の物集高見(もずめたかみ)のように、あるいは『大漢和辞典』の諸橋轍次(もろはしてつじ)のように、後世『三重の名張市に究極版乱歩資料集を手がけた中相作がいた』と50年後にも評価される仕事を、私とやっていただけませんか」
■これくらいの度量と仕掛けがない限り、うまく行かないような気がします。でも、たぶん、きっと、おそらく、到底ありえないでしょう。
■中さん、私には、数年先の未来が見えるようです。県の実行委員会(仮称)から委員が大挙して脱退し、その結果、ある日の会議が大紛糾する。会の冒頭、県側事務局が「県は、この実行委員会から手を引きます」といい、委員から「ちょっと待て、それは知事の意向なのか」と詰問され、事務局は何となく言葉に詰まりつつ「『三重県』の意向ということです」と煮え切らない腰が引けた返答をし、こんなしょーもなーいやり取りが続いて、まともな委員全員があきれ果ててボーゼンとする。―――こんな未来です。まるで、私には予知能力があるような気がしてきました。
■ともあれ日本酒のみ過ぎないようにしてください。乱文乱筆失礼しました。
小西昌幸(先鋭疾風社) URL 2009/10/20(Tue)18:58:58 編集
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