忍者ブログ
三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
[268] [267] [266] [265] [264] [263] [262] [261] [260] [259] [258]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

きのうのつづき。「やなせ宿」の件。

毎日新聞:やなせ宿:旧細川邸改修概要 観光情報発信や交流スペース設置--名張 /三重

引用。

   
旧市街地(名張地区)の活性化を図る「まちなか再生事業」の一環で、主な施設は▽母屋(木造2階建て)▽中蔵(土蔵造り平屋建て)▽川蔵(同2階建て) ▽物産棟(木造平屋建て)--など。母屋の和室や中蔵は休憩・交流スペースとして利用でき、物産棟では市民らが料理を振る舞う「ワンデイシェフ」などを計画している。

1時間ごとの使用料は、市内在住者の場合、▽和室が150~200円▽物産棟が300円--で、市外在住者は2倍、営利目的の場合は3倍などとなっている。運営は、市民らで作る「名張まちなか再生委員会」(田畑純也委員長)が設置した「まちなか運営協議会」が行う。

委員会だの協議会だの、かなりややこしい。整理しておく。

名張まちなか再生委員会の発足は平成17・2005年6月。

一年後、平成18・2006年6月の総会で、委員会はNPOなばりを発足させた。といってしまうのは正確ではないか。NPOなばり実行委員会が設立された。こういったほうがいいのかな。なんだかややこしくて困ったものだが、いずれにせよ委員会はNPO設置のための動きに出た。細川邸の活用策について検討し、整備後の運営を担当するNPOである。住民監査請求の準備段階で関係資料を精査した結果、このNPOが細川邸にかんするすべての権限を手中にできるよう、この年の総会で規約の改正がおこなわれていたことがわかった。

すなわち、ひとにぎりの人間が細川邸を私物化するために、それなりに知恵をはたらかせて規約改正をおこなったということなのであろうけれど、いくら知恵をしぼっても意味はなかった。細川邸を私物化してどのように私利私欲を追求するか、その知恵が出なかったのである。あまつさえ、よせばいいのに駅弁大学の御用学者とこっそり組んで、まったく必要のない委託研究まで進めていたのである。そしてその研究の費用は名張市が支払っていたのである。なんとおまぬけなことであるのか。

その点にかんして住民監査請求をかましてみたところ、つまり、そこらのNPOが勝手に決めたことにどうして名張市民の血税がつかわれねばならんのか、そんな契約に税金つかって名張市に損害を与えたのだから、名張市長はさっさと全額返還しなさい、という請求であったのだが、名張市の監査委員の先生おふたかたは、NPOだろうがなんだろうが名張市との協働でやったことなんですから問題はありません、と腰が抜けるような判断をお示しになった。忠犬ポチ公、よくぞほざいた。しかしさすがにえらいもので、名張市に対するこの忠心が愛でられたのか、ポチのうちおひとかたはいまや名張市議会の議長先生でいらっしゃる。あっぱれポチの出世物語、めでたしめでたしなのである。さ、まーた夏見の味ふく行ったときポチ呼びつけて遊んでやろうっと。

そんなことはどうでもよろしい。さらに一年後、平成19・2007年6月の総会で設置されたのが、まちなか運営協議会である。NPOなばりが細川邸の活用にかんするプランを提示しようとしないため、細川邸の運営を協議する目的で新たに協議会を発足させたということらしい。ただしこの協議会も、NPOなばりから細川邸活用にかんする具申があるのを待っていただけ、実際には何もしてこなかった、というのが実情であったのではないか。

何もしてこなかった、ということでいえば、まちなか運営協議会というよりも名張まちなか再生委員会そのものが、長く仮死状態をつづけている印象である。能動的に動きだそうとしない。かといって解散もしない。まるで冬眠中の動物のようである。名張市がここへ来て細川邸にかんする発表をおこない、それが新聞記事としてとりあげられたのも、やなせ宿の使用にかんする条例がまとまり、それが3月議会で正式に決定される運びになったからではないかと推測される。ほんとのところをいえば、名張まちなか再生委員会はいまだ冬眠中ではないのか。あるいは、途方に暮れたあまり狸寝入りをつづけるしか手がなくなっているのではないのか。

そんなこともまあどうでもよろしい。とにかくさらに一年後、つまりことしの6月から、細川邸を整備したやなせ宿はまちなか運営協議会によって運営されることになる。「休憩・交流スペース」として利用できたり、「ワンデイシェフ」の計画があったりもするそうだが、実質的にはいわゆる貸し館にすぎない。時間いくらでご利用いただけます、というやつである。名張地区第二公民館と揶揄されるゆえんである。

結局のところ、細川邸がどういった目的で整備されたのか、それはいまもってあいまいである。不明である。しかしとりあえず、やなせ宿の使用料は明確にさだめられた。それが現状である。めでたしめでたし。いやいや、めでたくないめでたくない。

あすにつづく。

ふと気になってしまうのだが、粘着さんはいまいずこ。どこにどうしておいでやら。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
名張市にお訊きいただいたほうがよろしいかと
 ●新名張市民様
 ご投稿ありがとうございます。
 名張まちなか再生委員会は名張市が天下に誇る官民協働の組織となっておりまして、事務局は名張市役所の四階におかれ、事務局スタッフは市職員が務めております。それで事務局と申しますのは、役員会があれば議事録をまとめたり、ほかにも対外的な交渉や折衝にあたったり、いわば外部に開かれた窓という役目も担っているのですから、部外者である私への連絡を事務局が担当することには問題はないと思います。委員会の窓がいくつもあるようでは、それぞれの窓から出てゆく情報に差異やずれが生じてしまい、いろいろ支障が出てくるかもしれません。委員長と私が知り合いだからどうこうというのは、なあなあずぶずぶの癒着構造に生きる人の発言であると思います。
 「名張市は組織として疑問が否めないところに税金使用の施設をまかせるのですか」とのお尋ねは、私ではなく名張市に対して発していただかないと困ります。以前にもご紹介申しあげましたが、名張市の公式サイトにあります「市長への手紙」(https://www.city.nabari.mie.jp/tegami.html)をご利用になられてはいかがでしょうか。ただまあ、「組織としての疑問が否めない」のは、名張まちなか再生委員会にかぎったことではなく、名張市だって同様です。納税者の目から見てどうにも信をおくことのできない自治体が、みずからに都合のいい連中だけを集めて発足させたのが名張まちなか再生委員会です。その結果がこのていたらくです。両者の無能はすでに明らかです。
 「役員責任の不透明な会社に再度経営を任せていいのですか」というご質問も、やはり私ではなく名張市にむかってお願いしたいのですけれど、いっそもう、「責任の不透明な自治体には行政運営を任せられません」と秋の厳しい霜のようにも夏の烈しい日のようにも容赦仮借のない批判を展開されるべきではないかと愚考いたします。
 今後ともよろしくお願いいたします。
中 相作 URL 2008/02/20(Wed)10:12:04 編集
無題
お昼休みに開けて見るとご返答がありました。ありがとう御座います。ところでまちなか委員会事務局は役所の職員みたいですが、役員は市民で会長か委員長は以前の中さんのお話からでは知り合いとの事ですね。なぜその方からは正式な返事がないのですか、役人も役人なら丸投げの役員にも問題ありです。組織としてなりたってないみたいです。名張市は組織として疑問が否めないところに税金使用の施設をまかせるのですか、納税者として納得できかねます。役員責任の不透明な会社に再度経営を任せていいのですか
新名張市民 2008/02/19(Tue)12:42:27 編集
どうもまあほったらかしにしておりまして
 ●新名張市民様
 ご投稿ありがとうございました。
 わざわざご投稿いただきましたのに、ずっとスルーの状態をつづけておりました。ご返事が遅くなりましたこと、お詫び申しあげます。
 さてそれで、細川邸改めやなせ宿のことなのですが、このところのエントリに記しておりますとおり、先日、名張まちなか再生委員会の役員会が開かれ、その席で私の申し出を検討していただきました。しかし、その場でどんな結論が出たのか、いまだに連絡がありません。もちろんこれは、委員会事務局からの正式な連絡ということです。実際には、複数の方向から、役員会における検討内容が非公式に洩れ伝わってきております。
 洩れ伝わってきた情報によれば、いつもご指摘の「事業費は自分たちでまかなってもらわなければ、ならないし、全市民が納得し、喜んでもらえる事業運営で、運営費も稼げる組織にまかせるべきです」との点につきましては、開設初年度は既定方針どおり、と申しますか、当初の方針ではNPOなばりが運営を担当することになっていたのですが、これはもうだめぽ、あのNPOは結局あぼーんしてしまったそうですので、再生委員会の内部組織であるまちなか運営協議会が、少なくとも開設初年度は、細川邸改めやなせ宿の運営にあたることになっているそうです。
 それから、これもまた未確認の情報で、事務局から連絡があったら尋ねてみようかと考えているのですが、名張市からやなせ宿に対して、やはり少なくとも開設初年度は、いくばくかの予算がつけられるそうです。いわゆる運営費なのでしょうか。くわしいことはよくはわかりませんが、細川邸は「公設民営」の施設として整備する、という名張まちなか再生プランのもくろみは、開設の時点ですでに破綻してしまっているといえるのではないかと思われます。
 ただしまあ、あんなところにどんな施設を整備してみたところで、「運営費も稼げる」というのは至難のことでしょう。もちろん、まったく無理だというわけではなく、ファッションマッサージやなせですとか、女子大生キャバクラおきつもですとか、細川邸をそういった方向で活用すれば、自主独立の道も見えてくるはずだとは思われるのですが。
 今後ともよろしくお願いいたします。
中 相作 URL 2008/02/19(Tue)11:22:54 編集
無題
中さんがおしゃるように名張地区のみの第二公民館ではこまります。全市民の血税で設立したわけですから。ただ一部の人間の特定のセクションに固執した方や方法であっても、なおこまります。事業費は自分たちでまかなってもらわなければ、ならないし、全市民が納得し、喜んでもらえる事業運営で、
運営費も稼げる組織にまかせるべきです。それと、中さんがおしゃるように、みんなの意見も聞かず、なあなあ体質で、旧市内の方々ばかりでの役員にも問題ありです。旧市内地域のまちづくりではないはずです。
新名張市民 2008/02/08(Fri)18:12:40 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012