忍者ブログ
三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
[266] [265] [264] [263] [262] [261] [260] [259] [258] [257] [256]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

そろそろ新聞沙汰である。新聞沙汰といってしまっては聞こえが悪かろうが、とにかくきのうの毎日新聞、伊賀版に「やなせ宿」の記事が掲載された。

毎日新聞:やなせ宿:旧細川邸改修概要 観光情報発信や交流スペース設置--名張 /三重

引用。

   
名張市は、今年6月のオープンを目指し、改修工事を進めている旧細川邸「やなせ宿」(同市新町)の施設概要を明らかにした。観光情報の発信や交流スペースを設置するとしている。しかし一部施設の利用法は未定で、今後、市民らで作る委員会で協議を続ける。

やなせ宿のオープンは6月である。改修工事は今月末に竣工する。にもかかわらず、この期におよんでなお、「一部施設の利用法は未定」という異常事態が市民のまえでくりひろげられているのである。しかも始末の悪いことに、たぶん「一部」ではないはずである。名張市による発表の仔細は不明だが、「一部施設の」というのはいわゆる言葉のあやであろう。「一部」などという限定は不要のはずである。やなせ宿という施設をいったいどのように利用するのか、具体的なことは一部どころか何も決まっていないというのが事実に即した表現であろう。

かかる異常事態が意味しているものは何か。細川邸の整備などまったく必要なかったという一事である。

名張まちなか再生プランの策定が開始されたのは、平成16・2004年6月のことである。市議会のチェックや市民のパブリックコメントというハードルをクリアして、プランが正式に決定されたのは平成17・2005年3月。プランを具体化するために名張まちなか再生委員会が結成されたのは同年6月のことである。その委員会が、細川邸を歴史資料館として整備するという構想を、いともあっさりとくつがえしてしまった。

昨年、住民監査請求のための資料として入手した名張まちなか再生委員会の議事録には、平成17・2005年7月29日に開かれた委員会歴史拠点整備プロジェクトの第二回会合で、「細川邸は、歴史資料館ではなく“(仮称)初瀬街道からくり館”を基本テーマとする」と決定されたという記録が残されている。もとより、市議会の承認や市民の合意とはいっさい無縁な決定である。ごくひとにぎりの人間による、密室の内部における勝手な決定である。決定の目的は何か。ひとことでいってしまえば、細川邸の私物化である。

フェアネスやジャスティスがどこにある。税金の具体的なつかいみちを決めるプロセスがこんないいかげんなことでいいのか。いいわけがない。だから名張まちなか再生委員会の事務局に足を運び、しつこく提言を重ねたはずである。委員会にプランをくつがえす権限があるのかどうか。もしもくつがえすというのであれば、プランを策定した名張地区既成市街地再生計画策定委員会を再招集し、プランの練り直しをさせるのが筋ではないか。いくら提言しても意味はなかった。

いやまあ、そんなことはもうどうだってかまわない。昔のことを掘り返してみたところで、もはや取り返しはつかない。ひとつだけ指摘しておくならば、名張市が行政の主体性を発揮し、これまでのプロセスにおいて、要所要所で適切的確な判断と決定を重ねていれば、ここまでの異常事態は回避できたはずである。もちろん名張市に対して、そろそろ行政の主体性を発揮してはどうかとの要請もおこなったのだが、甲斐はなかった。

ともあれ、平成17・2005年6月に発足した名張まちなか再生委員会は、二年半あまりにわたって細川邸の整備にかんする協議検討をつづけてきた。その結果がこれである。細川邸の私物化をもくろんだ連中は、どこにもうまみがないとでも判断したのか、さっさと身を引いてしまった。連中の片棒をかついでいた御用学者も同様である。あとに残されたのは、やなせ宿の活用策を考えることができず途方に暮れている名張まちなか再生委員会の主要メンバーと、あいもかわらぬ主体性放棄を決め込んでいる名張市という自治体である。

ばかかこら低能。一億もかけて無駄に立派な公衆便所つき第二公民館なんかつくってんじゃねーぞこのすっとこどっこい。

あすにつづく。

それにしても、粘着さんはどうなさったのであろうか。2月4日にひと声、春を待ちわびる鶯のようにさえずってくださったあと、ふたたび沈黙を守っていらっしゃるのであるけれど。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012