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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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江戸川乱歩年譜集成

大正13年●1924 大正14年●1925(下半期)

 

大正十四年(一九二五)上半期

 

年齢:三十歳、数え年三十二歳

住居:大阪府北河内郡守口町外島六九四番地

 

一月七日(水)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

一月十日(土)

□雑誌□「新青年」新春増刊号(第六巻第二号)の奥付発行日。発売は前年十二月二十日。「D坂の殺人事件」が掲載された。

 

一月中旬

大阪から上京の途次、名古屋で小酒井小酒井不木を訪問。五、六時間ほど話し、夜の汽車で東京に向かう。[探偵小説四十年 名古屋と東京への旅/昭和25年4月][小酒井不木:江戸川氏と私/昭和2年6月]

 

一月中旬

東京に到着し、関東大震災のあと小石川の社長邸に移っていた博文館を訪問。森下雨村に初めて会い、雨村邸で夕食をふるまわれる。翌晩か翌々晩、江戸川アパートの川向こうにあった鰻料理屋で乱歩の歓迎会が催された。[探偵小説四十年 名古屋と東京への旅/昭和25年4月]

 

一月十六日(金)

森下雨村が「新青年」の寄稿家を集め、江戸川の鰻料理屋「はし本」で乱歩の歓迎会を開いた。ほかの参加者は、田中早苗、延原謙、春田能為、長谷川海太郎、松野一夫、神部正次。[新青年:編輯局より(雨村生)/大正14年3月]

春田能為(甲賀三郎)は日本工人倶楽部の委員の一人で、倶楽部の書記長を勤めていた当時、面識があった。[探偵小説四十年 甲賀三郎/昭和25年4月]

 

一月中旬

本郷の菊富士ホテルに宇野浩二を訪問。玄関払いも覚悟していたが、部屋に通された。[探偵小説四十年 宇野浩二/昭和25年5月、6月]

乱歩は宇野に「心理試験」が掲載された「新青年」二月号を手渡し、帰阪してからも自作の載った「新青年」を郵送した。[宇野浩二:日本のポオ──江戸川乱歩君万歳/大正15年1月]

 

一月十九日(月)

□書簡□牧逸馬が乱歩に手紙、乱歩作品の翻訳に着手したことを伝えた。「D坂の殺人事件」の執筆直後に上京し、探偵作家の会合で森下雨村が「D坂の殺人事件」の英訳を提案、逸馬が訳すことになった。[探偵小説四十年 牧逸馬(林不忘)/昭和25年4月、5月]

*牧逸馬は「D坂の殺人事件」ではなく「心理試験」を英訳していた。[新青年:編輯局より(雨村生)/大正14年3月]

 

一月二十四日(土)

東京から帰阪。

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

一月二十六日(月)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

□書簡□宇野浩二が乱歩に封書、「心理試験」を面白く読んだと述べ、「報知新聞」に乱歩のことを書くと伝えた。[探偵小説四十年 宇野浩二/昭和25年5月、6月][貼雑年譜]

 

このころ

□新聞□宇野浩二が「報知新聞」文芸欄に随筆「江戸川乱歩」を二回にわたって発表。[探偵小説四十年 宇野浩二/昭和25年5月、6月]

 

二月一日(日)

□雑誌□「新青年」二月号(第六巻第三号)の奥付発行日。「心理試験」が掲載された。「連続短篇探偵小説(一)」とされ、挿画は水島爾保布。

 

二月五日(木)

□書簡□牧逸馬が乱歩に手紙、雑誌連載に追われ、英訳が遅れていると報告。結局、訳稿は完成しなかった。[探偵小説四十年 牧逸馬(林不忘)/昭和25年4月、5月]

 

二月十二日(木)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

二月十四日(土)

□書簡□小酒井小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

二月二十四日(火)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

三月一日(日)

□雑誌□「新青年」三月号(第六巻第四号)の奥付発行日。「黒手組」が掲載された。「連続短篇探偵小説(二)」とされ、作品の末尾に「次号予告 赤い部屋……江戸川乱歩」。「新潮」三月号(第四十二巻第三号)の発行日。前田河広一郎「白眼録」が掲載され、「探偵物究明」の項で乱歩に言及。

□雑誌□「新潮」三月号(第四十二巻第三号)の発行日。前田河広一郎「白眼録」が掲載され、「探偵物究明」の項で乱歩に言及。

 

三月二日(月)

□書簡□小酒井不木が乱歩に手紙。[子不語の夢]

 

三月五日(木)

□雑誌□「写真報知」第三巻第七号の発行日。「恋二題」第一回が掲載された。

 

三月六日(金)

「前田河広一郎氏に」を脱稿。[初出末尾]

 

三月十二日(木)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

三月十四日(土)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

三月十五日(日)

□雑誌□「写真報知」第三巻第八号の発行日。「恋二題」第二回が掲載され、完結。

 

三月十七日(火)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

三月二十日(金)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

三月二十三日(月)

□書簡□小酒井不木が乱歩に手紙。[子不語の夢]

 

三月末

繁男が療養先から帰宅。容態が悪化し、養生の甲斐はなかった。[子不語の夢:乱歩書簡 四月九日]

 

四月一日(水)

□雑誌□「新青年」四月号(第六巻第五号)の発行日。「赤い部屋」が掲載された。「連続短篇探偵小説 三」とされ、三色刷口絵に一木諄の「赤い部屋」挿画。

 

このころ

繁男が療養のため三重県鈴鹿郡関町の山奥に籠もった。[子不語の夢:乱歩書簡 四月九日]

山中の渓谷の入口に宗教家が堂を建て、藁葺き屋根の小屋数軒を宿舎として、不治の病の信者を受け入れていた。繁男はきくにつきそわれ、一軒の小屋で二人きりの暮らしを始めた。[探偵小説四十年 父の死/昭和26年4月]

 

四月九日(木)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

四月ごろ

春日野緑(星野龍猪)から手紙で誘われ、大阪毎日新聞社を訪ねて面会。探偵趣味の会を結成する相談がまとまった。[探偵小説四十年 探偵趣味の会/昭和25年6月、7月]

*春日野緑によれば、乱歩のほうから会いたいという手紙が届き、大正十四年の冬ごろ、春日野の家で初対面を果たした。[春日野緑:乱歩君の印象/昭和2年6月]

 

四月ごろ

森下雨村に手紙を出し、探偵趣味の会のことを伝えた。京阪神に住む探偵小説同好者の名前と住所を問い合わせ、京都の山下利三郎、神戸の西田政治と横溝正史を教えられた。神戸で西田と横溝に会い、探偵趣味の会に入会することの承諾を得た。[探偵小説四十年 探偵趣味の会/昭和25年6月、7月]

 

四月九日(木)

□書簡□川口松太郎が乱歩に封書、「苦楽」への小説執筆を依頼した。[探偵小説四十年 「苦楽」と川口松太郎/昭和26年3月][貼雑年譜]

 

四月十一日(土)

大阪毎日新聞社の探偵小説同好者が同社の一室で会合を開き、探偵趣味の会が発足した。西田政治、横溝正史、井上次郎と兄、春日野緑、大野木繁太郎、伊藤泰男、井上勝喜と乱歩の九人が参加。[探偵趣味の会を始める言葉/大正14年6月]

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

四月十二日(日)

□書簡□横溝正史が乱歩に葉書、前日の礼を述べた。[山前譲:横溝正史と江戸川乱歩、その歴史的な出会い(『横溝正史に捧ぐ新世紀からの手紙』角川書店)/2002年5月]

*乱歩はこの葉書が正史と西田政治に初めて会った日の翌日に書かれたものと誤認し、『探偵小説四十年』に「私が神戸の両君を訪ねたのは大正十四年四月十一日であった」と記した。

 

四月十三日(月)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

四月十四日(火)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

このころ

関町の繁男を訪ね、数日滞在した。[子不語の夢:乱歩書簡 四月二十四日]

 

四月二十四日(金)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

四月二十六日(日)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

五月一日(金)

□雑誌□「新青年」五月号(第六巻第六号)の発行日。「幽霊」が掲載された。「連続短篇 四」とされ、作品の末尾に「次号予告 虎(創作)……江戸川乱歩」。ほかに「前田河広一郎氏に」も掲載。

 

五月十日(日)

□新聞□「読売新聞」文芸欄の「一日一傑 大衆作家列伝」第八回で紹介された。

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

五月十一日(月)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

五月十四日(木)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

五月十五日(金)

□雑誌□「写真報知」第三巻第十四号の奥付発行日。「盗難」が掲載された。

 

五月十七日(日)

大阪毎日新聞社で開かれた探偵趣味の会の第二回会合に出席。映画「歎きのピエロ」を見物したあと、松竹座の地下室食堂で話した。参加は十一人。[子不語の夢:乱歩書簡 五月十八日]

横溝正史によれば、探偵趣味の会の第二回会合で乱歩が氷による殺人のトリックを話し、正史は海外作品に同じトリックがあると教えた。[横溝正史:探偵小説講座──序にかえて/昭和7年1月]

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

五月十八日(月)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

五月十九日(火)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

五月二十四日(日)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

五月二十九日(金)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

六月一日(月)

□雑誌□「新青年」六月号(第六巻第七号)の奥付発行日。「『探偵趣味の会』」が掲載された。前田河広一郎「探偵物の思想系統──江戸川乱歩君に答う」も掲載。

 

六月四日(木)

□書簡□繁男が乱歩に手紙、背もたれの角度が調節できる坐椅子の入手を依頼した。[貼雑年譜]

 

六月六日(土)

大阪毎日新聞社で開かれた探偵趣味の会の第三回会合に出席。[子不語の夢:乱歩書簡 六月十五日]

 

このころ

関町の繁男を訪ねた。三分の二ほど書けていた「屋根裏の散歩者」の原稿を持参し、繁男の病室の隣の部屋で畳に腹這いになって最後まで執筆、山の下の町から郵送した。[探偵小説四十年 父の死/昭和26年4月]

 

六月十二日(金)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

六月十三日(土)

繁男、きくと三人で守口町に帰った。作品集を校了し、春陽堂に返送した。[子不語の夢:乱歩書簡 六月十五日]

繁男が帰ってからは、繁男の家と同じ棟の隣にある空き家の二階だけを借り、そこで小説を書いた。[貼雑年譜]

 

六月十五日(月)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

六月十七日(水)

□書簡□小酒井不木が乱歩に封書。[子不語の夢]

 

六月十八日(木)

□書簡□小酒井不木が乱歩に葉書。[子不語の夢]

 

六月十九日(金)

□書簡□小酒井不木に封書。[子不語の夢]

 

[2012年7月1日]

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