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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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《NPO乱歩と名張》をつくろうかなと考えた理由は、江戸川乱歩という作家のことも、名張のまちのことも、これ以上、名張市にまかせておけないからである。それが実感されたからである。もうひとつ、個人の力には限界があるということもまた、さまざまな局面で実感させられた。もとより、NPOが無力ではないという保証はどこにもない。NPOの力だって、たかの知れたものでしかないだろう。だが、あとはNPOをつくってみるくらいしか、なすべきことを思いつかない。それが正直なところである。

とりあえず、11月3日に発足した《乱歩と名張》の設立趣意をお読みいただきたい。

   
《乱歩と名張》設立趣意

■経緯
江戸川乱歩は1894年、当時の名張町新町に生まれた。生後まもなく一家で転居したため、生涯のほとんどを名張と無縁に過ごしたが、晩年になって名張を訪れ、生家跡にも案内された。それが契機となり、市民の浄財によって生誕地碑が建立されたのは、名張市発足の翌年にあたる1955年のことである。乱歩は夫人とともに除幕式に臨み、その十年後に死去した。死去の四年後、1969年に講談社版江戸川乱歩全集の刊行が始まったのを機として、名張市に乱歩記念館の建設を目指す動きが起こった。市民有志が「乱歩記念館建設の会」を組織し、活動が進められたが、建設は実現しなかった。同年に開館された名張市立図書館が乱歩関連資料の収集を進めることで、記念館建設への望みがつながれることとなった。
名張市ではその後も、乱歩にちなんだ公的施設の構想が一再ならず浮上したが、そのたびに潰え去った。そのときどきの状況はどうあれ、単なる生地であるという稀薄な関係性のみを根拠として乱歩の記念館ないしは文学館を整備するのは、現在ではむしろ無謀な試みであると判断される。かりに乱歩の名を冠した施設整備を行うのであれば、規模においても運営においても、“大乱歩”の名にふさわしいものを目指すことが要請される。そうでなければ、名張市が乱歩を矮小化したという謗りは免れないであろう。また、旧乱歩邸の土地や家屋、乱歩の蔵書などは2002年、遺族から立教大学に一括して譲渡されており、乱歩にちなんだ本格的な記念館や文学館の建設は、いまや実質的に不可能であるとさえいえる。
■現況
私は1995年、名張市立図書館から請われて嘱託となったが、つねに主眼を置いてきたのは収集資料の活用であった。市立図書館が開設準備の段階から収集してきた乱歩関連資料は、全国の図書館にも類を見ない貴重な蔵書であり、その活用の道を探るのが図書館本来の責務であることは論をまたない。収集資料を体系化し、未収集の資料を調査して、1997年に『乱歩文献データブック』、1998年に『江戸川乱歩執筆年譜』、2003年に『江戸川乱歩著書目録』という三冊の目録を、名張市立図書館の「江戸川乱歩リファレンスブック」として発行した。
インターネットが普及した現在、これらの目録の内容は市立図書館のウェブサイトで閲覧できるようになっているのが当然であり、乱歩の著書、作品、関連文献などに関しても、市立図書館のサイトで検索が可能になっているのが本来であると考えられる。が、それは実現していない。私はこれまでに二度、そのための予算要求を行ったが、いずれも果たされなかった。一般の蔵書の検索が可能な公立図書館のサイトで、その図書館が独自に収集した資料の検索ができず、発行した目録のデータが閲覧できないのは、異常と呼んで差し支えない事態である。
乱歩が生まれた名張のまちに目を転じると、2004年度に策定された「名張まちなか再生プラン」の具体化が進められつつあるが、中心的課題と目されていた細川邸の活用については、具体的な決定を見ないまま来春の開館を迎えようとしている。これもまた異常な事態というしかない。私は2005年、プランの素案に対して提出したパブリックコメントで、名張市立図書館に展示されている乱歩の著書や遺品、図書館が寄贈を受けたミステリー関連図書を細川邸に集め、ミステリー専門図書館として整備するよう提案した。受け入れられることはなかったが、この提案自体はいまも有効であると判断する。
■展望
《NPO乱歩と名張》の目的のひとつは、名張市立図書館の収集資料やリファレンスブックにもとづきながら、乱歩作品と関連文献の資料調査をさらに重ね、乱歩に関する総合的データベース「名張市乱歩文学館」をインターネット上に構築することである。それは、長い期間にわたって乱歩関連資料を収集してきた名張市の責務であると同時に、乱歩の生誕地碑建立や記念館建設運動に尽力した先人の志を受け継ぎ、新たな形で再生させることでもある。が、名張市には遺憾ながらそうした認識は存在せず、収集資料の活用についても白紙の状態である。
また、名張のまちの再生を考える場合、江戸川乱歩という作家やミステリーという文芸ジャンルが、有効に活用されるべき素材であることは疑いを入れない。げんに、名張市には細川邸に「ミステリー文庫」を開設し、市立図書館に展示されている乱歩の遺品や著書を移管して公開する構想があると伝えられるが、それらの管理運営が専門知識を有さない組織に委ねられた場合、「ミステリー文庫」の整備が取り返しのつかない禍根を残すことにもなりかねない。《NPO乱歩と名張》は、細川邸に「なばり乱歩ライブラリー」を開設することを提案し、その管理運営を手がけることも目的のひとつとしている。
このほか《NPO乱歩と名張》は、書籍の出版、催事の開催などを通じ、乱歩が生まれた名張のまちの魅力を広く発信する活動も視野に入れている。《NPO乱歩と名張》が名張市や市立図書館などと連携し、「名張市乱歩文学館」と「なばり乱歩ライブラリー」とを基本にしたさまざまな事業を進めることは、名張市が掲げる“市民主体のまちづくり”の実践にほかならない。NPO結成を目指す組織として、乱歩生誕地碑の建立記念日にあたる11月3日、ここに《乱歩と名張》を設立する。

2007年11月3日

日付のあとには、《乱歩と名張》の代表である当方の名前が入る。

補足説明が必要かと思われる。あす以降、つづることにする。
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一日お休みして、またこれである。

名張市公式サイト:平成19年度外部評価結果
名張市公式サイト:考査委員会事務事業評価報告書(pdf)
名張市公式サイト:市民意見一覧(pdf)

本日のお題は、なぞがたりなばり講演会。

考査委員会による評価。

   
シートNO.
1007

事務事業名
なぞがたりなばり講演会事業

総合評価
継続(拡大)

主な意見
・全面的に市で実施することが望ましい。現在の経費の範囲内で、全国PR等も必要。
・乱歩を起爆剤として観光集客の基盤を作るべき。

市民による評価。

   
シートNO.
1007

事務事業名
なぞがたりなばり講演会事業

仕分け区分
継続(現行)

仕分け理由又は意見記入
「市民公益活動実践事業」として、民間実施を継続するべき

どちらの評価も「継続」という点では一致しているが、考査委員会は「拡大」、市民は「現行」。さらに、前者は従来どおり名張市が実施することを求めているのに対し、後者が民間団体による市民公益活動実践事業として実施することを提言している点にも、ちがいがみられる。

考査委員会の評価には「全国PR等も必要」とあるが、PRをしていないわけではないだろう。今年度のなぞがたりなばり講演会は11月24日、北森鴻さんを講師に開催されたが、終了後、会場から名張駅までのシャトルバスに乗って、聞くともなしに聞いていると、うしろの座席にすわっていた二人組の男性は、かなり熱烈な北森さんのファンらしく、わざわざ東京から足を運んでくれたようであった。名張市がどういったPRをおこなっているのかはよく知らないが、PRのささやかな成果であるといっていいだろう。

乱歩を起爆剤として観光集客の基盤をつくれという指摘は、あきらかにおかどちがいである。お役所の縦割り構造のなかでは、なぞがたりなばりの担当セクションに観光関係の話をもっていっても、なんの意味もない。ただしこの評価からは、生活環境部まちづくり推進室であれ、産業部商工観光室であれ、それらを水平に横切る部局横断的な体制をととのえて、江戸川乱歩という作家を名張市のために活用しろという含意を読みとるべきかもしれない。委員会による「拡大」や、「全面的に市で実施することが望ましい」ということばに、講演会のみにとどまらず、もっとトータルな乱歩関連事業を展開するべきであるというサジェスチョンをみることも可能だろう。

話が横道にそれるが、乱歩と観光集客ということでは、名張市観光協会の依頼をうけて、名張市議会議員が大阪でPR活動を展開したことがあった。おととしの夏のことである。

ウェブサイト名張人外境に引用した平成17・2005年7月16日付読売新聞の記事を、さらに引用。

   
大阪ミナミに集団二十面相、乱歩故郷・名張から出現

大阪・ミナミの道頓堀に15日、「怪人二十面相」20人が現れ、生みの親のミステリー作家、江戸川乱歩の故郷、三重県名張市への来訪を呼びかけた。

その実体は、女性5人を含む同市の市議全員。赤目四十八滝や武家屋敷で知られる市だが、近年は観光客数の落ち込みが目立つことから、客の呼び込み策として、変装作戦を考案した。

このPR活動は、残念ながら起爆剤にはならなかった。どれだけの効果があったのかも不明だが、そもそも一度で終わってしまったのでは、効果と呼べるほどのものはとても見込めまい。もっと積極的なチャレンジが望まれるのではないか。なにしろ名張市には、もとより市民の税金であつらえたのであろうけれど、怪人二十面相の衣装が最低でも二十着は存在しているのである。おおいに活用すればよろしい。市議会議員の先生方には、たとえば政務調査の視察先で二十面相に扮して名張市をPRするくらいのチャレンジ精神が望まれるのではないか。

そういえば、考査委員会も市民も、政務調査費にはかなり厳しい眼をむけているようである。

まず考査委員会。

   
シートNO.
3001

事務事業名
政務調査費補助金

総合評価
継続(事務改善)

主な意見
・支出が不明確等として市民の疑惑や誤解を生み、全国的にも訴訟が多数起こされている案件であることから、領収書、支出基準、目的外支出等防止のためのガイドラインを作成する必要がある。

市民はもっと厳しい。

   
シートNO.
3001

事務事業名
政策調査費補助金

仕分け区分
継続(事務改善)

仕分け理由又は意見記入
いわゆる議員の「政務調査費」は、全国地方自治体でも、不正な使途、何故か遠くへ視察研修旅行をする。旅費が大半を占めているが、その明細は公表されない(私的な飲食がされているかどうかも不明)、また、その報告書の内容レベルも極めて低く、高校生レベルと言ってもいいほどで、政策に反映されている内容はほとんどない。公私の区別のつかない「携帯電話料金」「ガソリン代」まで支払いがされている。
H16年度支出実績額:8,867,370円 内調査旅費:5,304,335円(59.8%)
H17年度支出実績額:8,814,316円 内調査旅費:4,073,341円(46.2%)
H18年度支出実績額:8,877,448円 内調査旅費:3,286,246円(37.0%)
議員は、やっと、視察研修旅行の無駄遣いに気配りし始めたようです。それでも、全ての支出項目の領収書の公表がされた事はないので、使途不明もあると憶測されます。議会事務局は、チェック機能を強化するべきであると思います。

マントだのシルクハットだの、怪人二十面相の衣装を携行するのがたいへんだというのであれば、視察先のホテルに事前に送っておけばいいのである。政務調査費の明細をきちんと報告しさえすれば、衣装を送った宅配便の費用など、市民は笑って認めてくれるだろう。

横道にそれすぎた。とにかく乱歩関連事業では、名張市にはあまり期待できない。というか、まったく期待できない、それはたしかなことである。だったらどうすればいいのか。NPOをつくるしかないか、と思って、NPOを発足させる準備のために市民組織《乱歩と名張》を結成したのが、ちょうど一か月前の11月3日であった。

この《乱歩と名張》については、またあすにでも、あらためてつづることにしたい。
12月も2日の日曜。快晴。名張まちなか再生委員会からはまだ、みたいなことを毎日つづっているのもばかみたいだから、日曜くらい話題を変えよう。

11月28日付朝日新聞の「展望 三重の文芸」で、藤田明さんに名張高校の「名張まちなかナビ2.0 まちなかの暮らしともてなし」をとりあげていただいた。

朝日新聞:表現磨く上野高生 警句新人賞

引用。

   
名張高校発行のリーフレット「まちなかの暮らしともてなし」は3年マスコミ論受講生10人の制作。指導は中相作、今年の材料は戸塚文子「名張は秋の漂う町」で、古い写真が貴重だし、街歩きガイドにも便利。鮮度が何よりである。

「鮮度」という言葉には、いくつかの含みが考えられる。名張の「秋」をテーマにしたエッセイを素材にしたリーフレットだから、秋という季節を選んで発行した。それも鮮度にかかわりのあることだし、四十年以上前に書かれたエッセイや名張のまちの古い写真を、いまの高校生の視点で料理したことも鮮度を高めているはずである。古いまちと鮮度とは、けっして相反する要素ではないのである。

名張高校あてに、礼状も頂戴した。うちの一通、大阪府の長瀬信行さんからいただいたおたよりを、長瀬さんのご了解をいただいて、以下に全文掲載する。

   
前略
此度は「名張まちなかナビ2.0」リーフレットを御恵送頂きありがとうございました。
昨年の乱歩編リーフレットでの今も名張に残る“ひやわい”の風情を撮した表紙も良かったのですが、今回の表紙にはより深い思いが込められていて見入ってしまいました。
100年や200年前という単位ではなく、これからの時代を担う世代の父母や祖父母が過ごした今日につながる時代の空間が活写されていて見事でした。我が街の過ぎし日を知ることは、時代を共有する年代の離れた住人達が新しい街の在り様を論じるためにも大いに重要なことです。今回のリーフレットはその意味でも名張という街にとって価値のあるものだと思います。
内容的にも、戸塚文子の随筆を題材に名張と昭和を浮かび上らせた着想が興味深く、芸者さん勢揃いの写真など驚きもあり楽しめました。昨年のリーフレットは紙面的に情報量の多さのせいかやや窮屈な感じを受けましたが、今回はその点も改善されていたように思いました。
個人的なことですが、表紙の写真の遠くの山のかわりに海が見える紀州の街で生れ、写真のような通りで遊んで育った思い出と、今もまだその趣きは少しは残っているのだろうかという懐しさがよみがえってきました。箱ずしとチマキの記事を読んで、故郷では秋祭りの時季につくる市販のものとは全く違う自家製の鯖の“なれずし”の味を思い出しました。久し振りに帰省してみようかなと思ったり……。
常に物事の本質とは、その辿ってきた過去と在るべき未来(或いは予測される未来)の認識の上に立って現在を思考することにあるのだそうです。その点からも今回のリーフレット作成に至る営為は高く評価されるべきでしょう。
名張の街と居住する皆様のために良き街を作り上げられますように、そして良き人生をおくられますように、これからも勉学に励んでください。
御一同様の益々の御健闘、御活躍をお祈り致します。

草々 

□□2007年11月4日

まことにありがたいおたよりである。ところが、悲しむべきことに、名張まちなか再生委員会とか、あるいは名張市とか、そういったあたりには、ここに記されていることの意味が理解できないらしいのである。それはもう、名張まちなか再生プランのてんまつをふり返るだけで、一目瞭然なのである。

「時代を共有する年代の離れた住人達が新しい街の在り様を論じる」なんてことは一度もなかった。「辿ってきた過去と在るべき未来(或いは予測される未来)の認識の上に立って現在を思考する」なんてことも一度もなかった。プラン策定を目的とした名張地区既成市街地再生計画策定委員会の人選にはじまり、誰のためにどんな目的で進められているのかがさっぱりわからない、狂気の沙汰と呼ぶしかない細川邸改修工事にいたるまで、まちなか再生にほんとうに必要な議論も思考も、そんなものは何もなかった。

それでまあ、何もわけのわかっておらん連中が癒着したり反目したりしているあいだに、無策無能が大手をふってまかり通っているあいだに、地域社会は日に日に疲弊の度を増しているのである。壊滅的に衰退していっているのである。いったいどうよ。
師走を迎えた。名張まちなか再生委員会からは、いまだにうんともすんともいってこない。だからきょうもこれである。

名張市公式サイト:平成19年度外部評価結果
名張市公式サイト:考査委員会事務事業評価報告書(pdf)
名張市公式サイト:市民意見一覧(pdf)

きのうは区長会運営経費の評価を確認した。区長会のついでにみておくべきなのは、やはり地域づくり委員会であろう。こちらは、名張市考査委員会の評価でもスルーされていない。

まず、考査委員会による評価。

   
シートNO.
3009

事務事業名
ゆめづくり地域交付金事業

総合評価
継続(事務改善)

主な意見
・交付金使途の検証について、実績報告だけでなく、客観性のため公開すべきである。
・検証により、会費制、受益者負担等の改善策を問いかけ、住民誘導することも必要である。
・地域づくり委員会については設置根拠の条例化と法人化が必要である。
・区長委託料との統合が必要である。
・地域づくり委員会の将来を考えると、常設型事務局が必要であり、交付金には事務局経費が含まれていることを啓発、指導していく必要がある。コミュニティビジネスの主体となり、交付金だけを当てにせず、自主的財源を拡大し、事務局が安定的に設置できるよう誘導していく必要がある。

市民の評価は、さらに具体的でシビアである。

   
シートNO.
3009

事務事業名
ゆめづくり地域交付金事業(交付金含む)

仕分け区分
継続(事務改善)

仕分け理由又は意見記入
毎年度、年間5,000万円の交付金が、14地区で「ゆめづくり」の目的事業に使用されているか、「まちの推進室」は、厳格にチェックされているでしょうか?
「交付金の交付対象は住民の合意により実施するまちづくり事業であれば良い」となっていますが、「ゆめづくり広場」を具体化する地域福祉活動よりも、一過性のイベント・飲食に使用することも、住民の合意で許されるとすれば、各地区の「自治会活動の資金」のための安易な「交付金ばらまき」となっているケースも少なくないのではないかと憶測されます。

考査委員会による評価で、地域づくり委員会の「設置根拠の条例化と法人化が必要である」とされ、地域交付金は「区長委託料との統合が必要である」とされていることからも知れるとおり、区長会と地域づくり委員会とのちがいが、どうもあいまいである。しかし両方とも、あちらこちらでよくみかける名前ではある。

たとえば、名張まちなか再生プランを策定した名張地区既成市街地再生計画策定委員会。

名張市公式サイト:名張まちなか再生プラン

上のページに名簿が掲載されている。GIF画像である。そのまま無断転載する。

20071201a.gif

きのう掲載した市民情報交流センター整備計画策定検討委員会の名簿と照合してみると、名張市区長会長がどちらの委員にも食いこむ健闘ぶりである。前者は平成17・2005年1月21日、後者は同年1月20日の時点の名簿である。区長会長におかれては、名張まちなか再生プランの策定が終わるやいなや、こんどは市民情報交流センター整備計画の策定にご尽力いただいたわけである。いやはや、お忙しいことである。

ちなみに指摘しておくならば、名張地区既成市街地再生計画策定委員会と市民情報交流センター整備計画策定検討委員会の双方に委員を送り込んでいる団体は、名張市区長会のほか、名張商工会議所、名張青年会議所、といったところである。さらにちなみに記しておけば、前者の計画、すなわち名張まちなか再生プランはみるも無残な失敗に終わり、後者もまた、きのう掲載した市民の評価によれば、ほぼ似たような結果にいたったようである。この三者がからむと、ろくなことはないということなのかな。

きのうの毎日新聞に、地域づくり委員会の記事が出ていた。

毎日新聞:よってだーこ:福祉と憩いの場 空き店舗利用、カフェや野菜販売--名張 /三重

引用。

   
よってだーこは、「名張地区まちづくり推進協議会」(多田昭太郎会長)などが03年、世代間交流と地域の活性化を目的に同市松崎町に1号店をオープンさせた。その後も、空き店舗や集会所の無償提供を受けて、東町や豊後町などに整備。それぞれボランティアが運営しており、月数回開設し、コミュニティーカフェや障害者との交流など特色ある活動を続けている。

7号店「結」では、▽市内の料理サークルメンバーによる料理販売「ワンデー・シェフ」(月1回)▽野菜の直売(毎週木曜)▽パソコン教室(不定期)--など、コミュニティービジネスを実践。8、9号店では囲碁や映画会などの交流、文化・伝統の発信をテーマにしたコンサートなどが開かれる予定だ。

ちゃんとやっておるようではないか。こういうことでいいと思う。この「よってだーこ」の試みがこの先どうなるのか、それはわからない。しかし方向性としては、こういうことでいいのではないか。以前からばかみたいに主張してきたことであるが、名張まちなかの再生とは、名張のまちを生活の場として再生することでなければならない。そうした意味の再生を、名張地区まちづくり推進協議会が地道に進めつつあるように、少なくともこの記事からは判断される。

こんなぐあいに、身のたけや身のほどに合ったことを、まじめにこつこつやっていけばいいのである。地に足をつければいいのである。なにしろ、ご町内感覚だけでやっていけることである。というか、ご町内感覚をめいっぱい発揮すべきシーンである。しっかりやってくれ、名張地区まちづくり推進協議会。ただし、無理なことには手を出さないのが賢明であろう。

それでまあ、名張まちなか再生委員会は、いまごろ何をしているのかな。
きょうもこれ。

名張市公式サイト:平成19年度外部評価結果
名張市公式サイト:考査委員会事務事業評価報告書(pdf)
名張市公式サイト:市民意見一覧(pdf)

名張市考査委員会の評価ではスルーされているが、公募に応じた市民の評価でこっぴどく槍玉にあげられている事業もある。

一例。市民による評価を引用。機種依存文字は同義の文字で代用。

   
シートNO.
4023

事務事業名
(仮称)市民情報交流センター整備事業

仕分け区分
休止

仕分け理由又は意見記入
広報「なばり」平成16年12月5日付(12-1号)によれば、市民に公表された「(仮称)市民情報交流センター」整備事業の目的・機能は、
(1)街を形成する上でのシンボルとしての役割 (名張の顔づくり)
(2)名張駅東口周辺の賑わいを演出する役割
(3)ITを生かした市民交流施設といった役割を持たせ複合コミュニティ施設 でした。
そして、市民にアイデア募集までしながら、「整備計画策定検討委員会」は、第1回~5回の会議で結論をまとめることが出来ず、「委員会」は分裂状況、コンサル料900万円もの血税を使って、結果は委員長の面子と事務局案を優先して、250平方メートルの狭い床面積には市民活動の多目的ホールもない、「市民情報交流」とは名ばかりで、事務局は個人情報保護が優先されるべき「二つの行政機関」を狭い床に共有し、市民の利便性を強調する。(2)名張駅東口周辺の賑わいを演出する役割を商業施設に依存し、市民活動団体には期待はずれの「市民活動の拠点」となってしまっている。市民を騙して、形だけつくって「市民情報交流センター」という行政の思考を、市民が新聞記事で改めて知った「市民情報交流センター」って何?相談業務を主務・機能とする行政機関が、何故駅前に「拠点」を必要とするのか?250平方メートルの狭い床面積の利用のあり方を市民活動団体が主になって、再検討するべきであると思います。

これはもう、たんなる市民の評価というよりは、市民情報交流センター整備計画策定委員会とやらの内情によく通じた、というか、実際になんらかのかたちで委員会にかかわった市民が、断腸の思いでつづったある種の内部告発とみるべきであろう。もとよりその市民の主観に立った評価だから、鵜呑みにすることはできない。かといって、事実無根なでたらめが記されているとも思えない。

だとすれば、よく似た話があったものである。名張まちなか再生委員会とおんなじじゃねーか。とにかく委員会たらいうものがつくられるわけである。ところがこの委員会、結論を出すことができない。あげく、分裂してしまう。ばかなのである。ばかならばかでしかたないのであるが、ばかが意地になってしゃっちょこばってるあいだに、コンサルタントと称するあやしげな業者が市民の目のとどかないところで税金をふんだくってゆく。

じつによく似た話があったものである。近鉄大阪線をはさんで、名張駅の西口側と東口側の双方で、名張市はまるで鏡に写しでもしたように、おなじような失敗を重ねていたわけである。こんなことはもう、いいかげんにしておけ。協働だかなんだか知らんが、そこらの各種団体からうすらばか集めて委員会と称するものをつくり、結局はかげでこそこそコンサルタントに依存する。もうそんな陳腐愚劣な真似はやめておけというのだ。

ここで試みに、名張市公式サイトで市民情報交流センター整備計画策定検討委員会の会議録をみてみる。

名張市公式サイト:会議録

全五回の会議録が掲載されている。

名張市公式サイト:第5回(仮称)名張市市民情報交流センター整備計画策定検討委員会会議録
名張市公式サイト:第4回(仮称)名張市市民情報交流センター整備計画策定検討委員会会議録
名張市公式サイト:第3回(仮称)名張市市民情報交流センター整備計画策定検討委員会会議録
名張市公式サイト:第2回(仮称)名張市市民情報交流センター整備計画策定検討委員会会議録
名張市公式サイト:第1回(仮称)名張市市民情報交流センター整備計画策定検討委員会会議録

第1回会議録から関係各位のご芳名を転載。敬称略。

   
◆策定検討委員会委員
□□今井 正次  三重大学工学部建築学教室教授
□□沖中 義孝  中央西土地区画整理審議会委員
□□亀井喜久雄  名張商工会議所副会頭
□□菊山 賢二  名張青年会議所まちづくり委員
□□津田 達   皇學館大学社会福祉学部非常勤講師
□□中  孝   市民代表
□□森岡 國郎  中央西土地区画整理審議会委員
□□八木美由起  市民代表
□□山崎 雅章  名張市区長会長
□□堀永 猛   名張市都市環境部長
◆策定ワーキングチーム
□□橋本 裕徳  生活環境部市民活動支援室長
□□前川 肇   建設部建築営繕室長
◆設計業者
□□株式会社久米設計名古屋支社
◆事務局
□□木津 義明  都市環境部区画整理担当参事
□□向井 一雄  都市環境部中央西まちづくり推進室長
□□山下 光彦  都市環境部中央西まちづくり推進室

あちゃー、委員長はまたしても三重大学の先生だったのかよ。また工学部かよ。名張市はどうしてここまで、あの駅弁大学が好きなのであろうか。

ああそういえば、と思いついて、考査委員会の評価ではスルーされてるけど市民の評価でぼこぼこにされてる事業シリーズ、区長会の巻。

   
シートNO.
1006

事務事業名
区長会運営経費

仕分け区分
区分なし

仕分け理由又は意見記入
事業指標に「隣近所や地域の人との交流があると感じている市民の割合」とありますが、これもこの事業の指標としては不釣合いです。自分達でそのように努力している人も多いからです。区長会の運営経費ですので、「区長がその行政上の役割を果たしているのか」を第一義の指標とすべきです。

まだある。

   
シートNO.
1006

事務事業名
区長会運営経費

仕分け区分
区分なし

仕分け理由又は意見記入
地域と行政の運営は、これまでの区長制度を廃止し、名張市14地区にある地域づくり委員会の中に、その役割等すべてを包含させて、簡素合理化した機構とする。旧態のものを新しくしていき、住民と行政が出来るだけ近く一本化していく方がいいのではないか。
この事務事業評価結果を住民から意見を聞こうとする場合他のやり方はないものか、まずそのことから考えることが大切だ。住民がいくら意見を云おうにも、これではどうにもできないという感である。

まだある。

   
シートNO.
1006

事務事業名
区長会運営経費

仕分け区分
廃止

仕分け理由又は意見記入
区長会の運営費に5000万~6000万円を計上しているのは、業務の名目はどうであれ驚きです。使途不明の実質的な報酬ではないか?H19年度から廃止すべきです。また、これほどの運営経費を支払って業務の実態・実績も不透明で、運営経費の使途も市民に明らかにされていない。市長が金をばらまいて区長会を支持母体化して市政を進めているともいわれている悪しき慣習的な区長会が行政上で必要であるのか?各地区の区長(自治会長兼務)は、ボランティア的存在として活動し、自治会費からの必要な報酬のみで充分であり、必要なら自主的な各地区自治会の連絡協議会組織に変更するべきです。

区長制度なんて廃止してしまえ、という強硬な意見もある。賛意を表しておく。

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012