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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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やっとのことで、いわゆる前向きな話になってきたではないか。名張市という自治体、ただのおさなごなのである。しかし、当然のことながら、それでは困る。市民としては、とても困る。困るのではあるが、なにしろおさなごである。なにをいってやっても、理解できず、判断できず、実行できない。そこで一案。市民の立場からおさなごに理解や判断や実行をうながす場を設けてはいかがなものか。シンポジウムである。ミーティングといってもいいし、コンファレンスでもかまわない。名張市長をはじめとした行政サイドはもとより、関係機関や関連団体、それからもちろん一般市民の参加も呼びかけて、名張市は乱歩をどうするのか、どうすればいいのか、それを自由に話し合ってみてはどうか。なかなか前向きな話ではないか。

こういった場合、テーマは明確に限定されているべきである。そのほうが話を進めやすい。ただ漠然と、名張市は乱歩をどうするの? みたいなテーマを掲げるだけでは、たぶん収拾がつかなくなる。だから、まず一点、名張市立図書館は四十年にわたって乱歩資料を収集してきたけれど、資料をちゃんと活用する気はないみたいだし、立教大学が乱歩の遺産を引き継いでくれたことでもあるのだし、だったら名張市における乱歩資料の収集はもうおしまいにしてもいいんじゃね? という一事をテーマとする。むろん、問題は乱歩と名張市をめぐるさまざまな局面に波及してゆかざるをえないであろうが、とりあえずは資料収集という一点を端緒とするのがいいであろう。

かりにこうした集まりを、名張市が設定している在来の手段に準じて催すとなると、「市長のまちかどトーク」あたりといったことになるであろうか、と考えて、試みに名張市公式サイトで「市長のまちかどトーク」のページを閲覧してみた。平成20・2008年度の開催は、わずか三回。6月29日に錦生地区区長会、7月7日にすずらん台町づくり協議会、11月9日に新田地区内、以上の三回である。ざーっと眼を通してみたのだが、7月7日、すずらん台市民センターで開かれたトークの報告を読んでびっくりした。

名張市公式サイト: 7月7日 すずらん台町づくり協議会

引用。

   
【ご意見】○旧町の活性化に対する考え方について
【市長のコメント】〇市長就任当時、これから中央西などの新しいまちができたら旧町は取り残されてしまうことになるとの思いから、旧いまちを生かした活性化事業として総合計画に盛り込みました。まちなか再生ややなせ宿、乱歩事業なども進めていきます。旧町は、坂が少なく駅にも歩いていけるなど住みやすいコンパクトシティ。川地写真館は県内で一番古い写真館であり、中村医院などの古い建物もある。旧町を散策してみたいと思えるような再整備をしていきたい。
やなせ宿は、1年間は市が運営をし、その後は地域におまかせしようと考えています。訪れた人が食事やお茶を飲むことができる店舗などとして利用するなど地域の人といっしょにやっていきたい。蔵は、寄付を受けたものなど図書館の地下書庫で保管しているミステリー関係の本3,000冊を「ミステリー文庫」として活用し、一室をファンなどに読書室として利用してもらってもよいと考えています。

ありがたいことである。すずらん台町づくり協議会が要請したトークの場で、名張旧町地区のことがとりあげられている。この日は桔梗が丘八番町住民も参加したようだから、もしかしたら名張旧町地区住民も出席していたのかもしれないが、その可能性はきわめて低いのではないかと推測される。だからこそよけいに、よその地区の住民が名張まちなかのことを気にかけてくれるのは、じつにうれしくありがたいことである。とはいえ、これはべつに珍しいことではない。自分は関西圏から桔梗が丘地区に転入した人間であるが、三十年も住んでいると、名張旧町地区も自分にとって大切なまちだということになってくる、みたいなことを表明してくれる人は少なからずある。心強いことである。

そうした市民の真摯な問いかけにたいして、おさなごの答えはどうであったのかというと、えーっとまあ、はいはいそうですか、といっておくしかないようである。なにしろまあ、ようわからん。トークの実施は昨年7月7日、やなせ宿のオープンは6月7日のことであったが、そのやなせ宿、「1年間は市が運営をし」というのはどういうことであろうか。やなせ宿はオープン当初から、ということは昨年7月7日の時点においても、まちなか運営協議会の手で運営されていたのである。市が運営をし、ではなくて、市が運営を委託し、というのが正確なところなのであるが、いったいどうなっておるのであろうか。

どうなっておるのであろうかといえば、それこそ、「ミステリー文庫」とやらはどうなっておるのか。「蔵は」といってみたところで、あんなものはオープン当初から、経緯いかにも不透明、みたいな感じでアドバンスコープのFMスタジオになっておったではないか。「寄付を受けたものなど図書館の地下書庫で保管しているミステリー関係の本3,000冊を『ミステリー文庫』として活用し、一室をファンなどに読書室として利用してもらってもよいと考えています」ということなのであるけれど、えーっとまあ、はいはいそうですか、といっておくしかないではないか。考えています、と明言したのであれば、早く実行に移せばよさそうなものだと思われるのであるけれど、いつまでたっても実行には移されない。本気でとりあうのがばからしくなってくる。さすが、おさなごである。

さらに引用。

   
 ○子ども狂言など文化を創造、育成することへの援助、文化づくりをしてほしい。
【市長のコメント】
○まちづくりの会でもいろんな活動を市民公益活動実践事業で取り組んでほしい。近々行なわれる茂山一門の狂言も、小波田の子ども狂言を茂山七五三さんに教わっているのも、お豆腐狂言といって、文化を庶民のものにというお考えがあるから。
乱歩蔵開きの会でも乱歩生家の復元の構想もありますし、春を呼ぶ会の一ノ井松明調進の取り組みもあります。文化力というのは、政治力や行政力と同じように重要なもの。地域力とともに何かを興して継続・定着させていくためにも公益活動を活用してほしい。

大丈夫か。ほんっと、大丈夫か。乱歩蔵びらきの会に乱歩生家復元の構想があるからといって、それがいったいなんだというのか。名張市はどう考えているのか、どうするつもりなのか。それが問題なのである。それにだいたいがあれではないか。桝田医院第二病棟の跡地に乱歩の生家を復元するというアイデアは、名張まちなか再生プランにたいして提出したパブリックコメントのなかで中先生が懇切丁寧に示してやったものではないか。それを完全に無視したのが名張市ではないか。桝田医院第二病棟跡地はただの広場にいたします、とまったく勝手に決めてしまったのが名張市ではないか。それがいまごろなんのつもりか。いまごろといったって去年7月のことではあるが、一円の金もない乱歩蔵びらきの会の名前をもちだして、あそこには乱歩生家復元の構想があるんです、などと口走ることになんの意味があるというのか。だから名張市はどうするの? という話ではないか。名張市はどう判断し、なにを実行するのか、あるいはしないのか。そういったことにはいっさい顧慮せず、なにからなにまで他人に丸投げしていればきっとしあわせになれますからね、などと大日如来のお告げでもあったというのか。どーしよーもねーなーまったくよー、と怒ってみてもしかたはあるまい。おさなごだもの。

さらに引用。

   
【ご意見】○歴史的文化的遺産保全活用アドバイザーをしています。先日亀山市で開かれた文化財フォーラムにおいて、文化庁の登録文化財主任調査官で四日市市出身の熊本さんから、三重県は登録文化財が多い県であったが、その数が増えていないので増やしてほしいという話がありました。登録文化財は登録によるしばりがあまりなく、まちおこしに生かして、いろんな文化財を点と線でつないでいけば活性化につながると思います。細川邸、川地写真館、大和屋、喜多藤旅館などの登録を積極的に進めてほしい。、市教育委員会は亀山のフォーラムにも出席しておらず、対応も消極的で縦割り行政。文化財に興味を持って取り組んでほしい。まちづくりの会に対して、登録文化財の登録申請の補助をしてほしい。
【市長のコメント】○教育委員会の縦割り的な対応は申し訳ありません。企画 の政策室に言ってほしい。企画が教育委員会との調整をして答えを出します。旧町は、大和屋のようかん、まちかど博物館「はなびし庵」の安本亀八人形、一の鳥居、参宮街道、藤堂家邸、寿栄神社、亀八の能面がある宇流冨志禰神社、梁瀬水路など、もっときっちり発信したら散策できるところとしておもしろい。

ここまで引用して、さすがにおかしいな、と気がついた。すずらん台町づくり協議会が要請したトークの場に、どうしてこれほど名張旧町地区の話題が顔を出すのか。そこで、名張市公式サイトを確認してみた。びっくりした。茫然とした。眼がくらみ、腰が抜け、膝がくだけた。怒るというよりも笑っちゃうぐらい、ただただあきれてしょうがない。なんと、平成19・2007年度の1月25日、産業振興センターアスピア開催分と、平成20・2008年度の7月7日、すずらん台市民センター開催分、ふたつのトークの報告がまったくの同文なのである。

論より証拠。ごらんあれ。

名張市公式サイト:1月25日 名張まちづくりの会
名張市公式サイト:7月7日 すずらん台町づくり協議会

意地の悪い話ではあるが、証拠画像を記録しておく。

20090215a.jpg

20090215b.jpg

名張市の公式サイトは、ついひと月ほどまえ、たしか二千三百万円もかけてリニューアルされたとのことであったが、このざまはいったいなんなんだ。ほんとにもう、眼がくらみ、腰が抜け、膝がくだけてしまった。怒るというよりも笑っちゃうぐらい、ただただあきれてしょうがないから、悪態をつく気も失せてしまった。本日はここまでとする。
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