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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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きのう、ひさしぶりで名張市役所に行ってきた。なんといっても、名張市の施策にかんしてYOUからコメントを求められるほどの市民である。さしずめ、伊賀タウン情報YOU公認のクレーマー、といったところか。たまにゃクレームのネタ探しに市役所をのぞくことも必要か、といったことではまったくなかったのだが、四階の市街地整備室、というか、名張まちなか再生委員会の事務局を訪ねた。もぬけの殻であった。となりのデスクの男性職員にお訊きしたところ、どこかへ電話を入れてくれて、結局、すいませーん、全員やなせ宿へ悪だくみに行ってまーす、とのことであった。いや、うそうそ。悪だくみなんかでは全然ない。とにかく、事務局スタッフはやなせ宿へおでかけとのことであった。

そうか、やなせ宿か、と思い、市役所を出て名張まちなかに車を向けた。悪だくみの現場を押さえるためである。いや、うそうそ。悪だくみなんかおこなわれてはいないというのに。だからやなせ宿には行かなかったのだが、ふと思いつて、桝田医院第二病棟の跡地に行ってみた。先月の31日、目隠しされた案内板をうちながめて以来のことである。案内板の目隠しは、むろんはずされていた。そして公開された案内板には、ある衝撃の事実が、といった話題はまたあす以降のことにして、とりあえずおとといのつづき。

伊賀タウン情報YOU:総工費1億円 名張の観光交流施設「やなせ宿」どうなる?何する?

しつこいようながら、コメント再掲。

「民営化を目指すとしても、市は行政としてのまちづくりのビジョンを明らかにして住民らに提示すべき。全てを(民間に)丸投げしていることが遅れの出る理由」

自分でいうのも妙なものだが、これは的はずれな指摘ではないと思う。細川邸の整備にかんして、口にこそ出さね、こんなふうに考えている市民はすくなからず存在しているはずである。いやまあ、細川邸の整備に関心をもっている市民、なんてのはほとんどいないだろうと推測されるのだが、多少なりとも事情を知っている市民なら、程度の差こそあれこんなふうに感じているのではあるまいか。早い話、名張まちなか再生委員会のメンバーのなかにも、あるいは名張市役所の内部にだって、そういった人間が皆無というわけではないのではないか。

ともあれ、丸投げの結果は凶と出た。凶も凶、大凶であった。丸投げした相手に、それを受けるだけの能力がなかったのである。丸投げかましてほぼ三年、実のある結果は得られなかった。失われた三年、などとかっこつけてる場合ではない。

そもそも名張市と名張まちなか再生委員会とは、かたちのうえでは協力関係にあるけれど、実際には一枚岩ではないだろう。双方を本音でしゃべらせたら、たちまち責任のなすりつけあいがはじまってしまうのではないか。かりにそういった状態なのだとしたら、YOUの記事にあるような「今後1年間で利用を通じて、再生委員会で一緒に具体的なことを考えていきたい」なんてことは、とてもじゃないけどできるわけがない。

このままで行けば、一億円かけて無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館をつくってしまいましたという、まさしく笑い話というしかない事態が招き寄せられるしかないのである。というか、もう招かれて寄ってきている。うそだとお思いなら、名張のまちなかを歩いてごらんになるがよかろう。やなせ宿のオープンを心待ちにしています、とか、まちなか再生の起爆剤として期待しています、とか、そんな声はついぞ聞かれないはずである。期待どころか、おおいなる無関心である。名張地区住民のあいだでは、やなせ宿なんて無用の長物にすぎないと、オープン以前に結論が出てしまっている観さえある。

さあどうする。どうにもできない。現場の人間にはもはやどうしようもない。きのうやなせ宿でおこなわれたという会合は、どうやら開設記念行事の打ち合わせであったらしいのだが、現場はそれでいっぱいいっぱいだろう。細川邸整備事業の本質的な問題には眼を向けることなく、目先の雑務を消化するのに汲々としているだけであろう。

現場の人間にはとても無理だが、活路を開くことのできる人間がいないわけではない。たったひとりいる。いらっしゃる。いうまでもなく、名張市長である。停滞し混乱しすっかり膠着してしまった現状を打破し、少しでも望ましい方向へ導くことができる人間となれば、広い世界にただひとり、名張市長がいらっしゃるのみである。

うちみたところ、さまたげはない。住民の合意といったようなハードルはいっさいない。市長の裁量の範囲内で、すべてかたをつけることができるはずである。腕のふるいどころだと思う。名張市のリーダーとして指導力を発揮し、判断力決断力をフル稼働させて、細川邸改めやなせ宿の未来に明確な方向性をさだめることがおできになるはずである。

これまでのプロセスは、あえて問うまい。はっきりいえば、第一歩目から大きなあやまちを犯し、それ以降も不手際や失態を重ねつづけてきた事業である。だが、それをいまさら蒸し返してみても意味はない。現在ただいまの状況を直視し、打開策に腕をふるうのが市長としての役目であろう。責務であろう。それをはたすのが、真のリーダーというものであろう。

方向性ということでいえば、昨年6月の定例会ですでに示されている。

3月16日:市議会の乱歩 2007

このときの答弁にみられるごとく、「ミステリー文庫であったり、あるいはまた乱歩ゆかりの品も一緒に、その近くといいましょうか、街道沿いといいましょうか、そういう部分に展示する場所が必要である」というのが市長のお考えである。要するに、細川邸は乱歩に関連づけて整備すべきだということであろう。であれば、名張まちなか再生委員会にはどんな方向性もさだめることができないという事実が明白になった以上、市長ご自身のお考えを前面にお出しになるべきであろう。みずからのビジョンを提示し、その実現に努められるべきであろう。それをしないとおっしゃるのであれば、いったいなんのために市長におなりになったのか、ということになってしまう。

さあ、どうよ。

そっちこそどうよ、と尋ねられたとしたら、こちとら本気よ、と答えるしかない。まことにはばかりさまである。
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