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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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きのうの午後、東海テレビで「黒と白」という単発のドキュメンタリーが放映された。サブタイトルは「自白・名張毒ぶどう酒事件の闇」。

東海テレビ公式サイトの「新着情報」から引用。ページはすでに消えているので、Googleのキャッシュから引く。

   
新着情報
更新日:2008.02.19 13.52

【黒と白~自白・名張毒ぶどう酒事件の闇~】
23(土)14:00~

47年前、三重県名張市葛尾で集団毒殺事件があった。そして、犯人として逮捕されたのは、奥西勝当時35歳。動機は、妻と愛人との三角関係の清算で、公民館で開かれた地域の懇親会の折、ぶどう酒に農薬を混入させたと自白した。しかし、この自白には、不審な闇がある。奥西の自白後に、村人の証言がつぎつぎと変わる。そこには、捜査機関の誘導がある。また、判決は、一審では、自白の信用性が低く、物的証拠が乏しいと無罪が言い渡され、二審以降、死刑という戦後の裁判では、白から黒への変更は、この一件だけである。7回にわたる再審請求が繰り返されてきたが、弁護団は、自白が強要されたことを立証すべく、科学的な立証を試みてきた。そして、ぶどう酒の金属製のふたの歯形鑑定の不当性、そして、凶器となった農薬の分析で、いずれも、物証として証明力が乏しいことを提起してきた。しかし、裁判所の再審の扉は開かない。番組では、裁判官にとって「自白」とはなにか。捜査機関にとっては、なにかを解き明かしていく。そして、自白偏重の裁判所の現状について考察していく。去年は、鹿児島志布志事件、富山氷見事件と自白強要の冤罪事件が続発した。今も続く日本の司法の問題を考えたい。

録画して見てみた。意外だったのは、事件当時の映像として、静止画ではなく動画が多く使用されていたことである。事件が起きた山村に傍若無人な取材陣が殺到したことは聞きおよんでいたが、新聞社のみならずテレビ局のカメラマンもどっと押し寄せていたことがよくわかった。

うえの引用に「奥西の自白後に、村人の証言がつぎつぎと変わる」とあるあたりでは、当時の住民の証言映像が紹介されていて、なんだか恐ろしい。ムラ社会や農村構造といったものの本質が見え隠れしているようで、なんともいえぬ不気味さが底冷えのように伝わってくる。いわゆる田舎というところには、真実より大切なものなんていくらでもごろごろしていたのである。いたのであるというか、いるのであるというか。

映像では、警察医として事件現場に立った桝田敏明先生の姿も確認できた。四十七年前の映像であるが、桝田先生にお詫びを申しあげたいような気分になった。

この事件については、名古屋高裁のうすらばかがあろうことか再審決定を取り消してしまいやがったとき、ウェブサイトにいささかを記した。リンクを設定しておく。興味がおありのかたは12月27日付の伝言からお読みいただきたい。

名張人外境:人外境主人伝言 2006年12月下旬

12月29日付伝言には、「桝田病院第二病棟にはどうやらこんな碑を建てるしかないようで──」として、こんな画像を掲載してあった。

20080224a.gif

桝田医院第二病棟跡に設置されるモニュメントとして、おそらくこれ以上のものはないであろう。笑えるうえに、ちゃんと真実が記されている。しかしまあ、真実よりも大切なものなんて、お役所にだってごろごろしているだろうからなあ。
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