忍者ブログ
三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
[73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

名張まちなか再生委員会の役員会はたしかにきのう開かれたそうで、出席者のおひとりから電話で概略の報告をいただいた。委員会の事務局から公式な連絡ももたらされることになっているらしいが、そちらはまだである。待っているところである。
PR
たしかきょうのことであったと思うが、名張まちなか再生委員会の役員会が開催されると伝え聞いた。ことしに入って、たぶん二回目の役員会である。月一回のペースである。となると3月にも一回か。

毎日新聞の2月6日付記事によれば、江戸川乱歩関連施設として検討されていた川蔵の利用法は、遅くとも3月に決められるとのことであった。だとすれば、残された時間はあとごくわずか。これまでさんざん時間をかけても何も決められなかったのだから、いまさら何がどう決まるというものでもないであろうとは想像されるが、それにしてもどうなってしまうのか。川蔵のみならず、誰からも望まれることなく生まれてくる赤子のごとき「やなせ宿」そのものは、これからどのような宿命を生きてゆかねばならぬのか。

まあこちらとしては、きょうの役員会の結果待ち、といったところである。
きのうのエントリ「田中徳三監督とのお別れ会」のつづき、というかフォロー。「湯布院映画祭公式ブログ」に、2月2日の会の報告が掲載されている。

湯布院映画祭公式ブログ:田中徳三監督とのお別れ会 その1
湯布院映画祭公式ブログ:田中徳三監督とのお別れ会 その2

三回連載とのことだが、まだ完結していない。
きのうが新聞休刊日だったため、きょうは記事がない。ただし、朝日新聞のサイトには掲載されていた。といっても新しいものではなく、9日の積雪のニュースである。

三重県
朝日新聞:北中勢、軒並み積雪

ところで、粘着さんはどうなさったのであろうか。2月1日からこちらの粘着さんの足跡は、1日2日3日がお休みで4日にご登場、5日6日7日がお休みで8日にご登場、すなわち三休一勤のペースであった。だから9日10日11日と休んできょう12日にはコメントをお寄せいただけるかとかすかに期待していたのであるが、どうやら期待はずれに終わったらしい。粘着さん粘着さん。粘着さんよいまいずこ。
朝日新聞2月9日付文化面の、といってもこれは統合版が配達されている名張市での話であって、朝夕刊がセットで販売されているところならたぶん前日8日の夕刊に出た記事だと思われるが、「惜別」というコーナーに田中徳三さんがとりあげられた。長谷川千尋記者の署名入り記事である。

引用。

   
映画監督 田中徳三さん

黄金期駆け抜けた「職人」

「老いて華やぐ」が晩年の口癖だった。06年春、3週間にわたって大阪で開かれた田中徳三作品特集の上映会場でも、穏やかな口調でそう語った。期間中、 三重県名張市の自宅から大阪に何度も出向いて、観客と一緒に自作を見た後、ファンの求めに応じてサインをしていた姿が忘れられない。

添えられた写真は、「悪名」のポスターを背にして語る田中さん。平成15・2003年8月27日、名張市の自宅で撮影されたとある。

記事では、昨年11月に公開された最後の監督作品「田中徳三監督 少年河内音頭取り物語」が紹介され、つづく段落。

   
この遺作は、監督の出身校、関西学院大学で行われた「お別れ会」でも上映された。参列者からは、日本映画の黄金期を駆け抜けた職人監督の華やいだ晩年に拍手がわいた。

2月2日の土曜日、関西学院大学の関西学院会館というホールで、「田中徳三監督とのお別れ会」が開かれた。顔を出してきたのだが、田中さんの人柄がそのまま反映されたような、おだやかでゆったりとした心地のよい会だった。

ちなみに、名張市内では2月16日の土曜日、名張産業振興センターアスピアで「田中徳三監督を名張で送る会」が催される。
そんなこんなの状況なのである。ひとことでいってしまえば、とても不謹慎なことをいうようであるけれど、細川邸を整備して開設される「やなせ宿」なる施設は、誰からも望まれることなく生まれてくる赤子のようなものなのである。改修工事がまだ終わってもいない段階で、名張まちなか再生委員会も名張市も、やなせ宿という子供をもてあまして困惑している、というのが正直なところであろうと推測される。

毎日新聞の2月6日付記事にあったごとく、名張市はやなせ宿に「観光情報の発信や交流スペースを設置するとしている」としているらしい。なさけないことに、この期におよんでまだこんなことしかいえないのである。もともとが、観光交流施設を整備する名目で国土交通省のまちづくり交付金をぶんどってくるという話である。観光情報の発信だの交流スペースの設置だの、それくらいのことは誰にだっていえるだろう。しかし具体的なことは、おそらく何ひとつ決まっていないのではないか。

それに観光情報の発信ということでいえば、たとえば名張市観光協会がすでに手がけているではないか。似たようなことをあと追いしてもたいして意味はあるまい。むろん、これまでになかった視点や発想や手法にもとづいて、斬新で有効な情報発信とやらを進めることは可能だろう。だが、名張まちなか再生委員会に、あるいはまちなか運営協議会でもいいけれど、あの委員会や協議会にそんな気のきいたことができるのかどうか。これまでの経過をみるかぎり、外部からもたらされた意見や提言をいっさい受信しようとせず、細川邸にかんして自分たちが有している情報を外部にいっさい発信しようとしなかったのが、あの名張まちなか再生委員会なのである。情報がどうの受発信がこうのといえる立場か。ちゃんちゃらおかしい。ちゃらいこと口走ってんじゃねーぞ唐変木。

ともあれ、不幸な星のもとに生を享けた赤ん坊に無慈悲なことをいうようではあるけれど、やなせ宿は名張地区の再生になんの効果も見込めない施設である。少なくとも現時点では、そのように判断せざるをえない。そして名張地区の疲弊衰退は、いよいよ深刻の度を深めている。かつての中心市街地が見る影もなくなっているのは全国に共通した傾向で、これといった特効薬などどこにもなく、いたしかたのないところだというしかないのかもしれないけれど、それでもなんとかならんものかという気はする。

昨年12月10日の月曜日、地域の名門、三重県立名張高等学校の教え子をひきつれて名張市役所を訪れ、校外学習をおこなった。名張まちなか再生プラン関係セクションのスタッフに事前にお願いし、市議会開会中だったというのに無理を聞いていただいて、名張まちなかの現状と展望、みたいなことを生徒たちに説明していただいたのである。そのときはじめて知ったのだが、名張市内十四地区のうち、名張地区すなわち名張まちなかは、高齢化率でいえば堂々第二位にランクインしているという。

衰微したとはいえ名張まちなかである。旧名張町である。名張町役場もあれば名張市役所もあった土地である。八日戎ともなれば近郷近在から善男善女がつめかけてきたまちである。それが高齢化率第二位なのである。ちなみに第一位は国津地区で、名張市南部の山間に位置する旧国津村の高齢化率が高いのはうなずける話だが、国津以外の旧村部をおさえ、名張まちなかの高齢化がそこまで進行しているとは気づかなかった。聞いていささかのショックを受けた。

いささかのショックを受けたそのあとで、そんなところにハコモノひとつおっ建てるだけで、そんなことで名張まちなかの再生とやらが進むと本気で考えていたのかと、いまさらながらあきれたり驚いたりされた次第であった。特効薬などどこにもないかつての中心市街地の再生を、それでも真剣に考えて何かしらの手を打つのは必要なことだろう。重要なことだろう。だがその再生は、これまでにもしつこく主張してきたことなれど、あくまでも生活の場として再生させるということであるべきで、観光だの交流だのといった文脈だけで語ることには無理があるのではないか。あるのではないか、というよりも、無理がありまくりなのである。

名張市役所の校外学習を終えて、名張高校にむかう帰り道でのことである。生徒たちの会話を聞くともなしに聞いていると、談たまたま細川邸のことにおよんだ。市役所では細川邸の整備についても説明を受けたのだが、あんなとこに何かつくっても、人が集まるわけないやん、とか、あんなん絶対、税金の無駄づかいやで、とか、そういったあたりが高校生の生の声、忌憚のない意見であった。むろんこちらから水をむけた話題ではなく、ましてふだんの授業中に名張まちなか再生事業批判を吹きこんでいるというわけでもない。細川邸の整備事業は結局のところ、高校生に一瞥で本質を見抜かれてしまうような、そんな程度のものでしかなかったということなのである。

だからまあ、名張地区既成市街地再生計画策定委員会とか、あるいは名張まちなか再生委員会とか、そういう組織を結成するにあたっては、いろいろと役職をおもちのみなさんだけを集めてこと足れりとするのではなく、ごくふつうの高校生にも加わってもらっておればよかったのではないかと愚考される次第である。関係当局には、ぜひとも今後の参考としていただきたいものである。

とはいえ、いままで述べたのはあくまでも現時点での話である。現時点では望まれることなく生まれてくる子というしかないやなせ宿であるが、毎日新聞の記事に記されていたとおり、「今後、市民らで作る委員会で協議を続ける」ことになっているのである。この子の未来は名張まちなか再生委員会の双肩にかかっているのである。関係各位には、いっそうの奮励努力を期待したいものである。無理か。無理かよ。無理であろうな。

粘着さんはきょうもお休みらしい。

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012