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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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人間豹刺止鉤爪、というカテゴリを新設した。にんげんひょうとどめのかぎづめ、とお読みいただきたい。そろそろとどめに入ろうか、といったところである。

ブログ開設一周年を迎え、来し方を回顧し行く末を展望する「開設一周年を迎えて」の続篇をつづるつもりでいたのだが、昨日、名張市公式サイト「市長への手紙」に寄せた質問への回答を頂戴した。それを話題とする。

質問はこんなんであった。

   
ご回答ありがとうございました。当方の質問がやや具体性を欠いておりましたので、不備を補ったうえであらためてお尋ねいたします。関連して、別の質問も提出いたします。次の二点となります。よろしくお願いいたします。

・名張まちなか再生プランには、旧細川邸を歴史資料館として整備し、「江戸時代の名張城下絵図や江戸川乱歩など名張地区に関係の深い資料を常設展示する」と明記されている。歴史資料館を主たる用途として整備されたというやなせ宿では、現在、名張城下絵図の複写版は展示されているとの由であるが、江戸川乱歩の関連資料は展示されていない。名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料を展示しない理由は何か。

・現在、やなせ宿の運営はまちなか運営協議会に委託されているが、その運営内容は、当方の直接の知見においても、新聞報道においても、やなせ宿公式サイトから知られるところにおいても、歴史資料館を主用途とした施設にはおよそふさわしくないものといわざるをえない。適切な運営のためには行政による指導が必要であると判断されるが、指導する考えはあるか。また、やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託している根拠は何か。

ご多用中恐縮ですが、よろしくご回答たまわりますようお願いいたします。

2008/09/08

頂戴した回答はこんなんである。

   
中 相作 さま

このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました

名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料を展示しない理由は何かとの質問にお答えします。
再生プランでも計画されていたように、乱歩関連資料を展示するため、市立図書館内の乱歩コーナーより展示可能な資料の借用や複製品の作成に努めてきました。また、プレオープン時には、市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示をいたしました。
しかしその後、展示の方法等に係るご意見を頂いたことから、今後は関係者の方々のご支援、ご協力を得ながら、合意が図れるまでは一端片付け、一日も早く展示ができるよう努めてまいりたいと考えております。
2点目のまちなか運営協議会の適切な運営のため、行政による指導の考えがあるのかどうかとの質問や、やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託した根拠についてのお尋ねですが、まちなか運営協議会は、当面は、やなせ宿の管理運営をしつつ、ゆくゆくは既成市街地のまちづくりを担っていこうとして名張まちなか再生委員会から生まれた組織です。
そうした経緯により、現在やなせ宿の管理運営をまちなか運営協議会に荷っていただいております。また、まちなか運営協議会への指導ということですが、まちなか運営協議会が現在行っている管理運営は施設整備の当初の目的から勘案しても不適切であるとは考えておりません。
プランでも、歴史資料館(現存していた建物中の保存状態の良いものをできるだけ当時の状態を保つよう改修した建物そのものが歴史資料館になりうる)として整備し、多様な市民ニーズに応えるため物販や飲食も含む複合的な利用も可能なものとすることも述べています。また施設の紹介でも、ほとんどの部屋で、展示もおこなえるとしていることからも、呼び方や表現の違いがあっても、やなせ宿の施設をできるだけ多くの人に利用していただき、まちなかの再生の拠点施設にしていくために、努力していただいておりますことをご理解頂きますと共に、出来上がった本施設のよりよい利用に建設的なご協力を頂きますようお願い申し上げます。

今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。
平成20年 9月18日
名張市長 亀井利克

経緯を確認しておくと、8月27日付の質問に、やなせ宿に乱歩関連資料が展示されていないのはなぜか、と記した。

8月27日:人間豹秋の陣

9月2日付の回答で、一部関係者の合意が得られないから展示していない、との説明があった。

9月3日:いよいよいけない秋の陣

一部関係者のことなど尋ねていない。名張市が所有している、または貸与を受けている資料をなぜ展示しないのか。9月8日付の質問のひとつめで、その点をただした。

9月8日:予測がつかない秋の陣

だというのに、またこれである。昨日付の回答に、なにが書かれてあるのか。再度引用。読みやすさに配慮して、文章単位で改行する。

・再生プランでも計画されていたように、乱歩関連資料を展示するため、市立図書館内の乱歩コーナーより展示可能な資料の借用や複製品の作成に努めてきました。
・また、プレオープン時には、市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示をいたしました。

結構なことである。努めていただいたり、展示していただいたり、ご苦労なことである。ところが、つぎの段落で、馬脚があらわれる。

・しかしその後、展示の方法等に係るご意見を頂いたことから、今後は関係者の方々のご支援、ご協力を得ながら、合意が図れるまでは一端片付け、一日も早く展示ができるよう努めてまいりたいと考えております。

やっぱり、人のせいなのである。結局は、「関係者の方々」のせいなのである。前回とおなじことしか書かれておらんのである。関係者というのは、乱歩関連資料の所有者ということであろう。しかし、関係者など、まったく関係がない。その関係者がどんな「意見」を述べたとしても、それはその関係者の所蔵資料にかんするものでしかないであろう。

名張市が管理している資料の展示について、その関係者がどんなくちばしをはさめるというのか。かりに、関係者から提供された資料は「展示の方法等」に問題があって展示を中止することになったとしても、それにあわせてそれ以外の資料もすべて、「合意が図れるまでは一端片付け」てしまうなどというばかな話がどこにある。名張市が管理している資料を展示するのに、どうしていちいち関係者の合意が必要なのか。

そもそも、これはほんとうのことなのか。やなせ宿プレオープン時における乱歩関連資料の展示について、回答に記されているところを列記する。

・市立図書館乱歩コーナーにある資料の借用
・市立図書館乱歩コーナーにある資料の複製品の作成
・市が所有している資料のうち可能なものの展示
・市が貸与を受けている資料のうち可能なものの展示

以上のことが試みられたという。しかし、それはほんとうのことなのか。うそではないのか。乱歩関連資料を展示のために提供した市民のかたから、9月3日に「一部関係者」名義のコメントを頂戴した。それをみるかぎり、回答にあるような展示が実際におこなわれたとは、とても思えないのである。

9月3日:いよいよいけない秋の陣 > はなしつけに行ってきます。

以前にも引用したが、再度お読みいただこう。

・6月のプレオープンに手紙のコピーを展示したいという申し出があった際には、心よく了承いたしました。
・乱歩先生が生まれた新町から乱歩情報が発信され、乱歩生誕地を訪れる人たちにもしっかり見てもらえる場所が出来るんだと楽しみにしておりました。
・ところが当日、愕然としました。
・乱歩関連資料というのは、祖父に宛てた乱歩先生の手紙のコピー1点のみだったのです。
・乱歩と名張の関係をほとんど示されることもなく手紙だけがぽつんとおかれていたのです。
・これではダメだと思いましたので、家族と相談の上、乱歩の扱いについて行政としてちゃんとした方針が出来るまで私どもが所有する品の展示を控えていただくようお願いした次第です。
 

どうもおかしい。やなせ宿のプレオープン時、展示されていた乱歩関連資料は、一部関係者の提供による乱歩書簡のコピーだけであったという。しかし、名張市長の回答には、すでにお読みいただいたとおりの資料が、いったんは展示されたと記されている。それが、一部関係者の意見を容れて、すべて片づけられるにいたったという。常識的に考えれば、一部関係者か、名張市長か、どちらかがうそつきだということになる。

しかも、9月3日付コメントによれば、一部関係者は名張市に対し、「乱歩の扱いについて行政としてちゃんとした方針」を示すことを求めたという。しかし、9月18日付回答によれば、一部関係者から名張市に寄せられたのは、「展示の方法等に係るご意見」であったという。両者の主張には、明らかなくいちがいがある。これも常識的に考えれば、一部関係者から乱歩にかんする方針の明示を求められたにもかかわらず、名張市長はこれを展示方法の問題だとしか認識していない、ということになるであろう。

方針なら、あったはずである。昨年6月定例会での市長答弁である。名張市公式サイトに掲載された記事録からの引用。

   
P.133 ◎ 市長(亀井利克)

それから、まちなかの中で乱歩の関係のお尋ねがあったわけでございます。当方のこれについての考え方は今議会で申し上げたとおりでございまして、桝田病院第2病棟の部分というのは、地域の方々にとりましては生活の場でもあるわけでございます。そんな中で、さまざまなご意見もいただいてまいりました。よって、この場所は生誕の地であることを表現できる公園の整備をいたしていくのがいいのではないかというふうに思っております。
ただでございますけれども、ミステリー文庫であったり、あるいはまた乱歩ゆかりの品も一緒に、その近くといいましょうか、街道沿いといいましょうか、そういう部分に展示する場所が必要であるということは、これもさきに申し上げたとおりでございますので、このことにつきましてこれから関係者とお出会いをさせていただくと、その日程も決めていただいてるところでございます。

この方針は、いったいどうなったのか。名張市長なりの方針はあったものの、やなせ宿の運営方針は名張まちなか再生委員会とかまちなか運営協議会とか、そのあたりが決めたのだから市長方針が反映されるにはいたらなかった、といったことででもあるのか。いやまさか、いくらなんでもそんなことはあるまいけれど、なんとも困ったものである、と嘆きつつ、諸羽流正眼崩し胡蝶の舞、あすにつづく。
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資料の展示における詐欺師の手口についてひとこと
 ●一部関係者様
 ご投稿ありがとうございます。
 やなせ宿プレオープン時に展示されていた乱歩関連資料というのは、結局こんな感じだったということでしょうか。

 ・乱歩年譜パネル 一点
 ・乱歩の顔写真 二点
 ・手紙のコピー 二点

 名張市長から頂戴した回答では、これがこうなるというわけです。

 ・市立図書館乱歩コーナーにある資料の借用
 ・市立図書館乱歩コーナーにある資料の複製品の作成
 ・市が所有している資料のうち可能なものの展示
 ・市が貸与を受けている資料のうち可能なものの展示

 たしかに、詐欺師の手口といわれてもしかたがないと思います。もっとも、名張市長から頂戴した8月19日付回答によれば、歴史資料館を主用途として整備されたやなせ宿においては、つぎのような歴史資料が展示されているとのことです。

 ・「名張城下絵図」の複写版
 ・新町区百年史部会編纂による初瀬街道・新町今昔町屋分布(明治〜大正〜昭和初期)
 ・新町の歴史と文化と伝統の複写版
 ・生人形師亀本安八を紹介した新聞記事や資料
 ・昭和初期の古地図や古写真

 歴史資料とも呼べぬようなしろものを気持ちだけ展示して、さあこれが歴史資料館だ、としらじらしく強弁するのが名張市というところなのですから、ありあわせのパネルや写真やコピーをちまちま並べて、さあこれが乱歩関連資料だ、みたいなことがあってもいまさら驚きもしませんが、とにかく名張市のやってることは、ひとことでいえば無茶苦茶です。気はたしかか、というしかありません。
 市長回答の文言についてやや細かいツッコミを入れておきますと、「再生プランでも計画されていたように」とあるのは、名張まちなか再生プランとやなせ宿の関係性を強調するためだけの修辞で、深い意味はまったくないでしょう。それに、名張まちなか再生プランをまとめた名張地区既成市街地再生計画策定委員会はただの一度も名張市立図書館に、つまり館内の郷土資料室や乱歩コーナーに足を運んだことがなかったのですから、「再生プランでも計画されていたように」というのはいよいよ空虚な文言だということになります。
 それから、回答にある「市が所有もしくは貸与を受けている資料」という文言は、私の質問にあった「名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料」ということばをほぼそのままコピー&ペーストしただけのもので、「市が所有もしくは貸与を受けている資料」というのが実際にどんなものであるのか、それを確認することすらなく記されたものだと判断されます。というのも、私が記した「名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料」というのは、名張市立図書館が所有、または貸与を受けている資料のことです。にもかかわらず、回答にはこんなふうに書かれてあったわけです。

 ・市立図書館乱歩コーナーにある資料の借用
 ・市立図書館乱歩コーナーにある資料の複製品の作成
 ・市が所有している資料のうち可能なものの展示
 ・市が貸与を受けている資料のうち可能なものの展示

 市立図書館が所蔵している乱歩の著書などの資料、それから、ご遺族から貸与を受けている乱歩の遺品、そういったものが「名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料」であるというのはあたりまえのことなのですが、こんなぐあいにわざわざ分類して列挙してあるところをみると、市立図書館にどんな資料があるのか、あるいは、「市が所有している資料」や「市が貸与を受けている資料」がどんなものなのか、そういったことをいっさい確認することなく、ただ適当にその場しのぎを書き連ねただけの回答であるということがよくわかります。正直さや誠実さなどかけらもない、ただ表面をとりつくろうためだけの回答です。相手にするさえあほらしい、というしかありません。
 名張市役所二階にある市長室へのカチコミの件ですが、かりにカチコミをかけてみたとしても、以前にも申しましたとおり、理解や判断、あるいは事態の好転といったものは、まったく望めないであろうと思われます。とはいえ、気が済むとか済まないとか、あるいは、とどめを刺すとか、落とし前をつけるとか、そういったことはきっちりしておいたほうがいいだろうなとも思われますので、やはり一度は市長にお会いになるべきであろうと愚考いたします。
 今後ともよろしくお願いいたします。
人間豹 URL 2008/09/21(Sun)12:39:02 編集
カチコミかけるしかなくなった件
たびたび失礼いたします。
市長の手紙によると
「再生プランでも計画されていたように、乱歩関連資料を展示するため、市立図書館内の乱歩コーナーより展示可能な資料の借用や複製品の作成に努めてきました。また、プレオープン時には、市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示をいたしました。」
となっています、先ずアドバンスコープ、旬の映像の中に当日の展示の様子が映っていますのでご覧下さい。
http://www.nava21.co.jp/cgi-bin/cms/movie_list.cgi?select_year=2008&select_month=9
 5月12日更新
  「名張市旧細川邸「やなせ宿」来月オープンを前に内覧会
  名張市新町に整備された『名張市旧細川邸「やなせ宿」』で来月のオープンに先がけた内覧会が 
  10日と11日の2日間行われた。」

ご覧のように映像に映っているのは乱歩年譜パネル1点、乱歩の顔写真2点、そしてガラスケースの中に手紙のコピー2通。以上です。

以前私は「乱歩関連資料というのは、祖父に宛てた乱歩先生の手紙のコピー1点のみだった」と申し上げましたが、パネルと写真も乱歩資料と言うことであれば、私が間違っていたと言うしかありません。
まあ、いずれにしてもあまりにお粗末な展示でありましたので、そんなところに祖父にいただいた乱歩先生のお手紙をおいておくのは家族として心ぐるしく、展示をご遠慮させてほしいと思ったのでした。

そして市長の手紙に書かれた「再生プランでも計画されていたように」という前置きは何年にも渡り検討してきたような印象を与えますが、実際私どもに手紙の展示について了解を求めてきたのは内覧会わずか2日前のことでした。
「資料の借用や複製品の作成に努めてきました」というのは手紙を借りてきて複写しただけの一つの作業ですし、「市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示」とは「ちょっと貸して」と言えばすぐに貸してくれるものを展示した。と言うことでしょう。
全く詐欺師の手口と言うほかありません。

これはどうしても市長に会わなければなりません。
まだ秘書室から連絡は無いのですが、もう一度催促してみます。
一部関係者 2008/09/20(Sat)21:01:03 編集
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