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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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まさに蟻地獄である。逃れようはない。もがけばもがくほど、すり鉢状になった穴の底へ底へと沈みこんでゆく。名張市公式サイト「市長への手紙」にきのう送信した質問の回答がいつ送られてくるのかはわからぬが、どんな回答であろうとも、なさけ容赦もあらばこそ、さらに急所をつくだけである。ただし、とどめは刺さない。やなせ宿の問題に片がついたら、そのあとはいよいよ、江戸川乱歩にかんして落とし前をつけていただかねばならない。とどめというなら、そのときのこととなろう。

中断していた話題に復帰する。名張まちなか再生委員会の規約改正案を俎上に載せる。8月7日付エントリのつづきである。

8月7日:規約改正案すかたん批判

現在の規約はこうなっている。

名張市公式サイト:名張まちなか再生委員会規約

わずか十一条の規約である。いっぽう、名張まちなか再生委員会の役員会で示された規約改正案は、第一章から第九章まで全四十条。とはいえ、先日も記したとおり、つかいものにはまったくならない。名張まちなか再生委員会がなんのための組織なのか、その点が依然としてあいまいだからである。

委員会の目的とするところは何か。現在の規約ではこうなっている。

   
(目的及び設置)
第1条 名張まちなか再生プランの基本目標である名張の原風景と人情が息づく魅力あるまちをテーマに、名張地区既成市街地の再生を多様な主体の協働により推進していくことを目的として名張まちなか再生委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

改正案では、第一条がこんなあんばい。

   
(名称)
第1条 この委員会は、名張地区既成市街地の再生・創造を多様な主体の協働によって実現するために、行政及び関係団体の合意のもと平成17年6月26日に設置した組織であり、その名称を「名張まちなか再生委員会(以下「委員会」という。)という。

目的は第三条に規定されている。

   
(目的)
第3条 名張市は、名張市総合計画に位置づけられた「まちの顔づくりプラン」の実現に向け、平成17年3月に市民・事業者・行政の共通共有の計画として、「名張まちなか再生プラン」を策定した。
この委員会は、今後10年間、この「名張まちなか再生プラン」を指針として、市民・事業者・行政などの多様な主体の協働によって取り組む各事業を継続的かつ円滑に運営するための総合的執行管理に対し、意見具申又は答申を行うことを目的とする。

なんの反省もない。なんの学習もない。大丈夫かこら。「『名張まちなか再生プラン』を指針として」とはいったいどういうことだ。あんなインチキプラン、指針になんかなるものではない。そのことは名張まちなか再生委員会がもっともよく知るところであろう。指針にならぬからこそ、プランにあった歴史資料館がやなせ宿になってしまったのではないか。そうしてしまったのは名張まちなか再生委員会ではないか。だというのにまあこのとんちきが、いったいどのつらさげてプランを指針になどとほざけるというのだ。つら洗って出直してこいこら。

それにこら、「市民・事業者・行政などの多様な主体の協働」などと気のふれたようなことをまだ口走るつもりか。終わっておるのだそんなもん。名張まちなか再生委員会発足以来の三年あまりで、名張市がぶちあげた協働なる理念の貧しい実態は残りなく明らかになっている。それを何よりも雄弁に物語るのが、ほかならぬ名張まちなか再生委員会の現状ではないか。規約の第一条に記されていた「多様な主体の協働」はいまどうなっているのか。その協働とやらで進められたはずの細川邸整備事業はどんな結末を迎えたのか。そういった現実を直視しようとはいっさいせず、ばかがこら歯の浮くようなきれいごとばっか並べて何が規約の改正だ。何が組織の見直しだ。豆腐のかどに頭ぶつけていっぺん死んでこいこら。豆腐なら名張市中町、吉野家豆腐店の豆腐がいいと思うけど。

さらにこら、「各事業を継続的かつ円滑に運営するための総合的執行管理」とはどういうことだ、といいたいところだが、ここまで来ると何をいってるのか意味不明である。ツッコミもできぬ。要するに、例によって例のごとく、主体性がきわめてあいまいなのである。一寸刻み五分試し、ちょいといじって進ぜよう。

「市民・事業者・行政などの多様な主体の協働によって取り組む各事業を継続的かつ円滑に運営するための総合的執行管理に対し、意見具申又は答申を行うことを目的とする」

この文章にある「各事業」というのは、いったいどこが進めるものなのか。主体はだれなのか。いうまでもなく、「市民・事業者・行政など」である。ここにはそのように書いてある。そうした事業を「継続的かつ円滑に運営する」のはどこなのか。やはり「市民・事業者・行政など」なのであろう。その運営のための「総合的執行管理」はどこがやるのか。これもおそらくは「市民・事業者・行政など」のはずである。そしてその「総合的執行管理」にたいして「意見具申又は答申」をおこなうことが、名張まちなか再生委員会の目的なのであるという。第三条にはそのように定められている。

ややこしい話だよなあ。じつにややこしい。名張まちなか再生委員会が「意見具申又は答申」をおこなう対象はどこなのかっつーと、たぶん「各事業」をおこなう「市民・事業者・行政など」のはずである。でもって、その「市民・事業者・行政など多様な主体の協働」のために組織されたのがなんなのかっつーと、とりもなおさず名張まちなか再生委員会なのである。ややこしい話だよなあまったく。

まったくもってややこしい。名張まちなか再生委員会は「名張地区既成市街地の再生・創造」を実現する組織なのである。これは改正案第一条にうたわれている。そして名張まちなか再生委員会は、名張まちなか再生委員会にたいして「意見具申又は答申を行うこと」を目的としている。これは改正案第三条にうたわれている。なんなんだこのわけのわからん話は。こら名張まちなか再生委員会。なんなんだこの頭の悪い規約改正案は。もう少しまじめにやれこら。しまいにゃ叱り飛ばすぞ。ほんとに殺気立ってくるよなあ毎日毎日。

何みても殺気立ってくる残暑かな。あすにつづく。
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