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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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まだである。きのうも届かなかった。名張市からの回答がまだ届かない。いったいどうしたのかな。週明けにまた催促してみようっと。

だからきょうは、やなせ宿の話題からは離れて、それでもやっぱり、大丈夫か名張市、という話題となる。ネタならいくらだって転がっている。たとえば、きのうの毎日新聞の記事。

毎日新聞:ふるさと納税:受け皿に応援基金 6テーマから選び寄付--名張市が実施要項 /三重

引用。

   
◇来月下旬から実施

名張市は15日、今年度から始まる「ふるさと納税」の実施要項を明らかにした。「市ふるさと応援基金」を新設し、「市民主権のまちづくり」など6テーマから使途を選び、寄付してもらう。関係条例案を6月定例市議会に提出し、同下旬から実施する。市議会総務企画委員会で、黒岩良信・企画財政部長が明らかにした。【金森崇之】

ふるさと納税は個人住民税の1割(1口5000円)を限度に、住民票がある自治体以外にも寄付金として納付することが認められる制度。

寄付を募集するのは、市民主権のまちづくりのほか、水と緑のまちづくり▽子どもが輝くまちづくり▽歴史・文化と地域資源を活(い)かしたまちづくり▽生涯現役のまちづくり▽ふるさと名張の未来に寄与する事業。具体的には、小中学校校舎の耐震化や能楽振興などへの活用を想定している。

ふるさと納税制度については、2月24日付エントリにいささかを記した。

2月24日:やなせ宿川蔵暗中模索模様

結論は「恩義もわきまえぬ自治体に、誰が寄付などしてくれようか」ということであった。名張市には金がなく、知恵もなく、そのうえ始末の悪いことに、ものの道理や人の道といったものもわきまえていない。人からこうむった恩義に報いることを知らぬ自治体に、誰がふるさと納税なんかしてくれるかばーか、ということである。なんの知恵もないくせにうわっつらだけのまちなか再生に手を出して、金もないのに無駄なハコモノつくってるような自治体に誰が寄付なんかしてくれるかばーか、ということなのであるが、きょうはやなせ宿のことにはふれない。

それにしても、名張市に金がないのはたしかであろう。おとといの毎日新聞の記事。

毎日新聞:図書購入費:小中学校措置率、名張市は県内ワースト3 他に転用、購入39% /三重

引用。

   
◇伊賀市は下から8番目--文科省調査

国が昨年度、小中学校の図書購入費として名張市に支出した地方交付税約1372万円のうち、実際に図書が購入されたのは約540万円(39・4%)にとどまっていたことが、文部科学省の調査で分かった。財政難で他の目的に使われたのが原因で、県内29市町で御浜町(36%)、朝日町(37・8%)に次ぐ3番目に低い水準。伊賀市は836万円(48・6%)で下から8番目だった。【金森崇之】

国は、小中学校の目標蔵書数を定めた「学校図書館図書標準」の達成を促すため、昨年度から図書購入費を大幅に増額。しかし、購入費は地方交付税で、使途を各自治体が決められるため、全国でも予算措置率は78%、県は65・9%にとどまっている。

名張市では、小学校に交付された約737万円のうち約310万円(42%)、中学校で約635万円のうち約230万円(36・3%)のみが実際の購入に使われた。

子供に本くらい買ってやれよばーか、とは思う。一般家庭のたとえでいうならば、子供に本を買ってやるために用意してあったお金をついつい生活費にまわしてしまいました、申しわけない気持ちでいっぱいです、といったところであろうか。名張市の所帯はそれほど苦しいのか、ともあらためて思われる次第なのであるが、しかしそれにしたって、子供に本くらい買ってやれよばーか。

読書が特権的な行為であるといい募るつもりはないし、それどころか、そもそもきわめて月並みなことをいうわけなのであるが、本を読むというのはやはり大切なことである。何かしらの情報を身につけるといったいわば功利的な読書ももちろんだけれど、おつむが柔軟な子供のうちに本を読むことで、ものを考えることとか想像することとか、そういったおつむの訓練ができるのである。それが大切なことなのである。そういった訓練ができていないと、大人になってもものごとを深く考えることができず、はたまた想像力がないものだから、他人からこうむった恩義にもあきれるくらい鈍感になってしまう。要するにまあ、官民双方のやなせ宿関係者は、子供のころからいまにいたるまでろくに本なんか読んでこなかったということなのであろうが、きょうはやなせ宿のことにはふれない。

ただし、いわゆる教養主義的な読書を押しつけてしまっては、子供にはかえって拒否反応が出てしまうかもしれない。まず本を読むことそのものの面白さに気がつく、ということが子供の読書において重要なことであろう。そういった場合、いたって重宝なのがミステリというジャンルである。この場合においても、乱歩はやはり最強のカードなのである。乱歩の少年ものに限定しなくたって、読書という行為への水先案内人、本を読むことの面白さを端的に教えてくれるナビゲーターは、やはりミステリ小説なのであろうなと、自身の経験からいっても断言できるように思う。

こんなことは以前にも書いたぞ、と思われたので、ウェブサイト名張人外境の過去ログを検索してみた。やっぱりおなじことばかりいってるぞ、ということが確認された。下記リンク先のページをすべて、一から十までお読みいただきたい。

名張人外境:人外境主人伝言 2007年1月上旬

ほんとにおなじことばかりいっておる。われながら恥ずかしくなってくるけれど、いいようにいえば、考えにブレがないということであろう。考えがブレまくりつづけている名張市よりも、一介の市民のいってることのほうがよほどまともでまっとうである、ということであろう。

とまれかくまれ、子供と読書の関係について、山口雅也さんの『ステーションの奥の奥』からの引用を再掲しておく。

   
「じゃ、時間がないから叔父さんはもう行くが──。」
「ちょっと待って。」陽太はすがるように言った。「もう、叔父さんとは逢えないの?」
「ああ、たぶんな。」そこで夜之介は陽太の目を真剣な眼差しで見据えて、「屋根裏部屋の本やなにかは一切お前にやるよ。」と、言った。
「え? そんなの貰っても困るよ。いらないよ。無駄だよ。叔父さんがいなくなったら、誰が面白い本を教えてくれるっていうの?」
夜之介叔父は優しく微笑みながら、
「俺がいなくても、お前はもう自分で面白い本を見つけられる力を充分持っている。それに留美花ちゃんという、いい読書友だちも出来たじゃないか。」
「でも……。」陽太は今、どんなものにも代えがたいものを一つ失ってしまうような気がしていた。
「──叔父さんが一つだけ言い残しておきたいことは、ともかく、嫌というほどたくさん本を読めということだ。本を読んで知識を増し、思考力を鍛えるんだ。お前は身体が小さいから、腕力や体力で勝負するよりも、知力で勝負しろ。他人に言われるままじゃなくて、自分自身の頭で考えられるようになれ。お前にはそれができる。知性は人間にとって、吸血鬼の超能力にも劣らない最高の武器だということを忘れるな。だから、本を読んでおけよな。」
それだけ性急に言うと、夜之介叔父は踵を返した。その広い背中に向かって陽太が最後の声を掛ける。
「叔父さん、ほんとに、ほんとに、もう逢えないの?」

まったくなあ、「本を読んで知識を増し、思考力を鍛える」なんてことを全然してこなかった人間が、この名張市のあちこちを仕切っているのだからなあ。困ったものだよなあ。お役所なんてそんなものさという声もあろうけれども、そんなこともないみたいだぞということが、4月22日付毎日新聞の記事を読めばわかる。

毎日新聞:読書活動推進計画:子どもの活字離れ防止へ、5項目に数値目標--伊賀市教委 /三重

伊賀市の肩をもつ気はないけれど、この事業だけをみてものをいうならば、伊賀市というのはまともでまっとうな大人である。ならば名張市はどうよというならば、やっば幼児だというしかないよなあ。

あすにつづく。序のあとは破である。
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何が何やらさっぱりわからないのですが
 ●市民様
 ご投稿ありがとうございます。
 いっそもういわゆるコテハンをご使用いただいたほうがいいような気もするのですが、まあお好きになさってください。
 名張市の夢づくり広場とかいうものについて、私にはなんら知るところがありませんので、ちょっと検索してみましたところ、この広場が本来の意味の広場、いわゆるスクエアではなくて、小規模複合施設であるということがわかりました。名張市公式サイトの「名張市地域福祉計画」(http://www.city.nabari.mie.jp/contents/bumon/chiikifukushi-keikaku/index-s.html)に、つぎのように記されています。

………………………………………………………………
(2)小規模複合施設「夢づくり広場」の整備
○歩いていける身近な地域で、住民が相互に協力し、支え合いながら福祉のまちづくりに取り組めるよう、自治会やNPO、福祉法人などが主体となって設置、運営する複合的な機能を備えた近隣住区における健康福祉の拠点「夢づくり広場」の整備を促進します。
○身近な住民の居場所として、近隣住民が気軽に集い、交流するとともに、住民ぐるみの健康づくりや支え合い活動の拠点として活用できる施設整備を支援します。また、地域の実情に応じて、支援が必要な高齢者、障害者などが身近な地域で暮らし続けながら、さまざまな福祉サービスが利用できる小規模で複合的な機能を備えた施設の整備など、住民やNPO、事業者などの創意を生かした事業展開や施設整備を積極的に支援します。
………………………………………………………………

 この計画にさだめられた目標によれば、夢づくり広場は2009年度に百箇所が運用されるということなのですが、この施設の必要性というやつが、私にはもうひとつよく理解できません。例によって例のごとく、なんのための施設か、だれのための施設か、そういったことがきわめてあいまいだという印象です。
 名張地区まちづくり推進協議会のことも、同様によくわかりません。同協議会が名張地区に夢づくり広場を整備し、当初の予算は百万円であったのに、整備が終わってみたら三百六十万弱の事業になっていたということにかんしても、それはあくまでも同協議会の内部の問題でしかないでしょうから、へーえ、と思うしかありません。ただまあ、名張まちなか再生委員会との関連からいえば、名張地区まちづくり推進協議会などというのはたぶんろくな組織ではないでしょうから、運営にはいろいろ問題があるのではないかと想像される次第ですが、むろん単なる想像に過ぎず、実際のところはよくわからないと申しあげるしかありません。
 桝田医院第二病棟跡に整備される乱歩生誕地碑広場とやらは、これは文字どおりの公園、パブリックスクエアになるはずですから、夢づくり広場とはなんの関係もないのではないでしょうか。
 今後ともよろしくお願いいたします。
中 相作 URL 2008/05/18(Sun)09:34:17 編集
無題
中さんのおっしゃることよくわかります。まちづくり、ふるさと意識の根幹形成は教育にあると思います。このまちはなぜか、文化の形成より、悪いとは言えませんが体育会的です。予算をけづっているとの事ですが、名張地区街づくり推進協議会の夢づくり広場整備事業で予算額百万円に対して決算額三百六十万弱です。お金はあるとこにはあるようです。夢づくり広場ってなんなのでしょう。乱歩の公園広場と関係あるのかな。
市民 2008/05/17(Sat)10:43:38 編集
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