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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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名張まちなか再生委員会からうんともすんともいってこないので、暇つぶしに名張市の外部評価をつっついてみる。

名張市公式サイト:平成19年度外部評価結果

外部評価の詳細は上のリンク先でお読みいただきたい。暇つぶしの素材となるのは下のリンク先。

名張市公式サイト:考査委員会事務事業評価報告書(pdf)
名張市公式サイト:市民意見一覧(pdf)

目についたところから俎上に載せるとして、トップバッターはこれである。

   
シートNO.
1003

事務事業名
市史編さん事業

総合評価
継続(事務改善)

主な意見
・安易な期間延長はすべきではない。
・財源確保のため、協賛金等の工夫が必要である。
・販売収入を得るためのマーケティング戦略が必要である。

以上が考査委員会による評価。つづいては市民の評価。

   
シートNO.
1003

事務事業名
市史編さん事業

仕分け区分
継続(事務改善)

仕分け理由又は意見記入
伊賀市は、既に各種のすばらしい市史を発行完了している。名張市の編纂はあまりにもスピード感がなく、何がどのように進行しているか市民には実態が不明です。
苦しまぎれに、無駄な「名張市史だより」を年1回(咋年より、現在2号まで)発行し配布しているが、市HPでも公開している。年1回程度なら、広報「なばり」連載・紹介すれば済む内容である。ともかく、編纂のスピードアップして編纂事業を終了すべきで、進行状況不明のまま、H18年度:638万円、H19年度予算:376万6000円の使途を明確に公表すべきです。

名張市史の編纂が、というよりは、刊行がのびのびになっている、そのことへの批判である。ふたしかな記憶だけに頼って記すと、編纂はある程度進んでいて、原稿も集まっているにもかかわらず、出版のための予算がつかない、というのが現状かと思われる。

名張市の現状を象徴するような話である。名張市という自治体は、歴史に重きをおかない。歴史というものの意味を理解しようとしない。現在という一点に立って、未来を展望するためには、過去の歴史をよく知ることが不可欠であるというあたりまえの理屈が、名張市にはどうもよくわかっていないようである。

それを端的に物語るのが、名張まちなか再生プランである。プランを策定するにあたって、歴史認識にも歴史意識にもまるで無縁な名張市は何をやったか。おなじように歴史意識や歴史意識のかけらもない連中を集めて委員会をつくり、なにしろ歴史を知らない連中なんだから驚いたもので、細川邸を歴史資料館にしましょうなどとインチキなプランを平気で決めてしまう。まったく困ったものである。

細川邸の件は横におくとして、名張市史の話である。考査委員会の評価にはおかしな点があって、財源確保のために協賛金を集めろなどというのはけったいな指摘である。花火大会をやっているわけではない。名張市がちゃんと予算をつければそれですむことである。市民の意見によれば、この事業で昨年度638万円、今年度376万6000円の税金がつかわれたことになっていて、使途は想像もつかないが、とにかくどこかで無駄な出費を削れば、市史を編纂刊行する費用くらい捻出できるのではないか。要は、名張市が歴史に重きをおくかどうか、その一点の問題である。

それから、販売収入を得るためのマーケティング戦略などというのも、的をはずした指摘であろう。市史などというものは、そもそも売れない。売れないけれど必要だから、市民の税金で発行する、といったたぐいの出版物である。市民向けの簡略でわかりやすい歴史書なら売れもしようが、本格的な市史が飛ぶように売れるということはありえない。売るための努力はむろん必要だが、マーケティング戦略によって販売数がアップすることなど、あまり望めないものと推測される。

市民の意見にあるスピード感のなさ、進行状況の見えにくさは、じつは市史編纂にかぎった話ではない。名張まちなか再生プランがそうである。市民の目のとどかないところで、牛よりも遅いあゆみがほそぼそとつづけられているのである。しかもへたをすると、そのあゆみは前ではなく後方にむかっているような観もある。まったくやっておれんのである。
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名張市公式サイトで公表された「平成19年度外部評価結果」については、11月24日付エントリ「まちなか再生市民評価」で、中心市街地活性化事業にかんする評価をお知らせした。ほかの事業の評価にも目を通してみたところ、すこぶる面白い。
 
名張市公式サイト:考査委員会事務事業評価報告書(pdf)
名張市公式サイト:市民意見一覧(pdf)

面白いというか、まさに、大丈夫か名張市、という感じである。あすあたりから、ちょっとつっついてみることにしたい。
『名張市史』下巻( 昭和36・1961年)の「第四編 産業」から、『三重県下商工人名録』(明治26・1893年)に記された名張町の「商工人」のうち、本町のデータを引用。

   
営業種目 屋号 経営者
玉滝薬・売薬・小間物 木津善 木津善支舗
呉服太物・はかり 矢の五 藤野支店
呉服太物 かせ屋 竹原吉六
呉服太物 丁字屋 山村彦三
古着太物 八幡屋 奥田藤八
綿・木綿・糸 矢の根屋 藤野新蔵
錦糸・木綿・酒造 若狭屋 辻森多吉
洋綿・糸・木綿 苧喜 前川喜兵衛
小間物・書籍 大和屋 岡村常三郎
時計・寒暖計   今堀支店
畳表・紙・砂糖・荒物 大和屋 岡村甚三郎
国産紙・木綿 栗田屋 栗田定助
国産紙・砂糖・畳表・荒物 矢の根屋 藤野栄助
酒造 木屋正 大西政之助
酒造・荒物 くず徳 松田徳兵衛
醤油・酢製造 矢の根屋 藤野平右衛門
酢製造・陶器 長田屋 長田奈良次郎
煙草製造 天然堂 東瀬済
米・水車業   山村与三兵衞
前挽・金物 近江屋 木村嘉十郎
乾物・青物・砂糖 田中屋 田中逸之助
魚類・肥料 魚重 福喜多重兵衞
魚類 古山屋 古山伝次
菓子飴製造 山城屋 竹田五左衞門
古道具 酔古堂 福喜多重次郎
新古道具 古手屋 古矢弥太郎
旅館・料理 環翠楼 新伝太郎

記載された名張町の商工人は、五十七人。うち二十七人を、本町が占める。江戸時代以来、商業の中心地としてにぎわいをみてきた町で、明治時代なかばにもまだメインストリートでありつづけた。現在もなお、この町にみることのできる屋号は、丁字屋、大和屋、木屋正、田中屋、といったところか。
11月24日、名張市武道交流館いきいきで、第17回なぞがたりなばり講演会が催された。講師は北森鴻さん。テーマは「旅とミステリー」。小説の取材である地方を訪れ、ふと思いついて足を踏み入れた山中で、風化しやすい砂岩質の崖に陰刻された五百羅漢を見つけたときの驚き、といった体験談が面白く、業界ネタでは、ある合作長篇の舞台裏の話がもっとも笑えた。ご本人は話がへただと謙遜しておられたが、というか、たしかにお上手ではなかったが、話術の巧拙はべつにして、楽しめた。

入場者は、やや少なめ。六十人あまり、といったところか。名張市民の顔もみえ、中さん、うちの娘、来年名張高校に入るねん、よろしく、と報告してくれた人もあったりしたのだが、わざわざ市外から訪れてくれた人が、半数ほどはいたのではないか。講演が終わり、サイン会が終わると、みんなそそくさと帰ってゆく。シャトルバスに乗って名張駅東口で降り、そのまま近鉄の切符を買って、名張をあとにする。もったいない話である。せっかく名張に、つまりは江戸川乱歩の生誕地に来ていただいたのである。せめて、名張に一泊してもらうことを、考えねばならんのではないか。

関西方面からの常連も、ことしは数が少なく、それでも大阪府から二人、愛媛県から一人。聞けば全員、乱歩生誕地碑や清風亭あたりを散策してきたとのことである。単発で講演会を催すだけでなく、名張のまちの散策やもてなしも楽しめる機会を、遠来の客人のために提供すればいいのではないかと愚考する次第であるが、どんなものであろうか。名張まちなか再生委員会のみなさんは、どのようにお考えなのであろうか。ああ。何も考えておらぬのか。そうであろうな。なにしろご町内感覚なのだものな。
名張市
毎日新聞:火災:民家全焼、4人軽傷--名張 /三重

伊賀市
毎日新聞:忍者:対決、第2回は伊賀惜敗 “罰”は甲賀のPR1年間 /三重

伊賀広域
朝日新聞:「殺されていたとは」 内縁の夫逮捕
毎日新聞:殺人:10年前に内縁の妻絞殺した男逮捕 三重(事件・事故・裁判)
毎日新聞:名張のスナック経営者殺害:内縁の夫逮捕、10年目の発覚に驚きの声 /三重
読売新聞:スナック経営者 殺害容疑の男逮捕 三重県警(中部発)
中日新聞:9年前の女性殺害で男逮捕 三重の山林に切断遺骨(社会)
中日新聞:「別の男性めぐり口論」 三重・名張の女性殺害(社会)
伊勢新聞:名張の女性を絞殺 交際相手の男逮捕 亀山の山中から頭骨
伊勢新聞:「名張の養豚場跡地で切断」亀山に車で運ぶ
伊勢新聞:「娘が出て行った」当時、永田さんの母親
日経ネット関西版:
9年前の殺人で男を逮捕同居女性を切断、三重の山中に埋めた疑い
サンケイスポーツ:9年前の殺人で交際相手を逮捕…母親の一言をきっかけに(社会)

三重県
朝日新聞:活躍 ご当地ヒーロー
毎日新聞:県中学駅伝:男子、伊勢・宮川中がV 女子は津・一志中 /三重
中日新聞:8020運動で瀬良さんら表彰 県歯科保健大会
名張市公式サイトに、「平成19年度外部評価結果」が掲載された。

名張市公式サイト:平成19年度外部評価結果

10月17日に提出された名張市考査委員会の事務事業評価報告書に加え、市民による評価も公表されている。市民の意見は8月13日から9月7日までの期間で募集され、六人が意見を提出した。

名張市公式サイト:考査委員会事務事業評価報告書(pdf)
名張市公式サイト:市民意見一覧(pdf)

名張まちなか再生プランについて、みてみる。

考査委員会による評価は、すでにお知らせしたところであるが、再掲しておく。

   
シートNO.
4022

事務事業名
中心市街地活性化事業

総合評価
継続(事務改善)

主な意見
・「まちなか再生委員会」の位置づけが不明確であり、責任主体の明確化が必要である。
・指定管理者の導入は公募を前提とすべきであり、NPO法人への特命は望ましくない。
・計画が楽観論過ぎるので、組織、権利関係を明確にするため、条例の担保が必要である。
・ワークショップとしての位置づけを明確にし、事業決定権は市長にあることを明らかにする必要がある。

つづいては、市民の評価。

   
シートNO.
4022

事務事業名
中心市街地活性化事業

仕分け区分
休止

仕分け理由又は意見記入
大学教授や市民ボランティアの委員会が策定された「名張市まちなか再生プラン」のアクションプランの実施は、一般市民には何もみえない状況です。
ただ「細川邸一部解体工事」と推測される「蔵」が無残な姿で現れ、周辺が解体されているのだけが、目に入るのみです。目玉の一つとされた「江戸川乱歩記念館」の建設も中止されたとのこと。市長が地元の期待に応えて、「不退転の決意で実現させる」と公言され、庁内には専任のプロジェクトチーム7~8名も配置していると聞き及んでいますが、活動の様子も市民には伝わらない。
また、地区の【まちづくり推進委員会】には地元選出の市会議員2名が委員になっているとのことですが、一般市民には、全く状況の分からない「中心市街地活性化事業」になっているのが実情と思われます。

市民には何もみえず、何も伝えられず、まったく状況がわからない。それが名張まちなか再生プランの現状であると、市民による評価が突きつけられている。考査委員会の評価は「継続(事務改善)」だが、市民のそれは「休止」。つまり、もう、やめてしまえということであろう。妥当な評価だと判断される。

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012