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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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おとといのぶん。

名張市
毎日新聞:文化交流会:民族衣装で素朴な舞 西高に留学、タイの高校生10人--名張 /三重
毎日新聞:植樹:赤目小児童、イチョウ苗木を 「保勝会」かるた寄贈のお礼に招く /三重
毎日新聞:わんぱくリーグ全員集合:チーム紹介/2 名張少年野球団A・B /三重

伊賀市
毎日新聞:展覧会:布のステンドグラスとあかりオブジェ 清涼感あふれる120点  /三重
中日新聞:ウワミズザクラ“猫じゃらし”みたい 伊賀・柘植町で満開
中日新聞:大輪のボタン見ごろ 伊賀・上野農人町の「安楽院」
伊勢新聞:パンからまた針 伊賀署が捜査 同一犯か、16点に
伊勢新聞:「ボタン寺」鮮やかに 伊賀の安楽院
建設業界ニュース中部版:伊賀市統合幼稚園建設、5月中旬に設計発注

伊賀広域
毎日新聞:針混入:パンへ、新たに1本 伊賀、名張で計16本に /三重

三重県
毎日新聞:暫定税率:復活 行政は道路事業再開へ安堵 名張、減収で事業縮小も /三重
毎日新聞:針混入:これで17本--伊賀、名張、四日市市 /三重
毎日新聞:スタンプラリー:始まる 郷土の魅力、見つけて--伊賀・亀山・滋賀県甲賀 /三重
伊勢新聞:伊賀、亀山で28度超 夏近づく、一番の暑さ
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おとといのぶん。

名張市
毎日新聞:シャガ:優雅な姿 名張・赤目渓谷で満開 /三重
中日新聞:こいのぼりが観光客を歓迎 名張の赤目四十八滝渓谷
スポーツ報知:C大阪17歳 2人トップ昇格

伊賀市
毎日新聞:春季山野草展:丹精の鉢植え350点 伊賀・中央公民館で /三重
毎日新聞:日系ブラジル人ミスコン:候補の山口さん、伊賀市長を表敬 /三重
中日新聞:ベニバナで地域おこし 伊賀の市民グループが取り組む
日刊工業新聞:森精機、三重・伊賀事業所を拡張−主軸・ボールネジ工場増設
日経ネット中部版:INAX、マンション用タイル減産

伊賀広域
毎日新聞:名張のスナック経営者殺害:内縁の夫に懲役9年 「残虐で悪質」津地裁判決 /三重
毎日新聞:針混入:パンなどに 伊賀、名張で相次ぐ 売り場巡回し警戒強化 /三重
伊勢新聞:縫い針など新たに9点 伊賀、名張のスーパー4店 同一犯か
伊勢新聞:「怖い」「けしからん」消費者 不安と怒り広がる
伊勢新聞:商品回収、探知検査、注意… 店側、対応追われる
伊勢新聞:名張のスナック女性殺害事件 内縁の夫に懲役9年判決 津地裁

三重県
毎日新聞:春の叙勲:県内から52人 /三重
毎日新聞:観光スタンプラリー:もらおう「カッシーくん」 きょうから3市で /三重
毎日新聞:春の叙勲:52人が受章 /三重
毎日新聞:伊勢茶:鈴鹿で初市…生育上々 出荷量、昨年の10倍 /三重
読売新聞:春の叙勲に52人
連休である。かまうものか。さっき、名張市役所にメールを出した。4月22日にもメールで質問を送信したのだが、まだ回答がない。その催促のメールである。送信先は名張市都市環境部市街地整備室、アドレスはshigaichi@city.nabari.mie.jp、件名は「やなせ宿についておききします〜」。

文面はこうである。

   
こんにちは〜。このあいだ〜、やなせ宿のことで〜、質問のメールを〜、出したんですけど〜、とどいてませんか〜。念のために〜、もういちど〜、出しますね〜。

(1)やなせ宿の利用申請はどのように手続きすればいいのか。申請はいつから受け付けるのか。

(2)名張まちなか再生プランで歴史資料館として整備されることになっていた細川邸が観光交流施設のやなせ宿に変更された理由は何か。

ふたつめのはあとでもいいですから〜、とりあえずひとつめに〜、こたえてくれませんか〜。やなせ宿で〜、連続講座〜、やりたいんですよ〜。

やなせ宿開設記念いやがらせ連続講座
第一週「名張の歴史をしっとるか」=6月14日を予定
第二週「なにがやなせ宿だばーか」=6月21日を予定
第三週「乱歩はどこへきえたのか」=6月28日を予定
第四週「へたれ責任者でてこんか」=7月5日を予定

最後の「へたれ責任者でてこんか」は〜、シンポジウムなので〜、名張まちなか再生委員会のえらい人とか〜、名張市のえらい人とか〜、ご出席をおねがいしなければ〜、なりませんので〜、早くしたいとおもいますので〜、メールでお返事〜、おねがいしますね〜。

2008/04/29

二点目の質問には、即答は返ってこないかもしれない。即答どころか、いつまで待っても回答はないかもしれない。まともな説明などまるでできないことを、名張市はしでかしてしまったのである。

しつこいようだが、経緯を確認しておく。

平成17・2005年6月26日、名張まちなか再生委員会が発足した。

翌27日付中日新聞から引用。

   
名張地区活性化 官民一体で再生委スタート

商店街の空洞化や人口減が進む名張市の中心市街地・名張地区の活性化に官民一体で取り組む「名張まちなか再生委員会」の設立総会が二十六日、同市元町のリバーナホールで開かれた。

委員会は、住民による名張地区まちづくり推進協議会を中心に、市や市内各種団体の代表者四十一人で結成。今年三月に市が策定した活性化計画「まちなか再生プラン」を実践する。

プランには、旧家「細川邸」の改修による歴史資料館化や、地区を網の目のように走る簗瀬水路周辺の景観整備など、地域の固有資源を活用した事業が盛り込まれた。委員会は改修・整備内容や運営方針などを市からゲタを預けられた形で具体的に決めていく。

同年7月29日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第二回会合が開かれた。名張市にたいする公文書公開請求で入手した議事録によれば、この会合で「細川邸は、歴史資料館ではなく“(仮称)初瀬街道からくり館”を基本テーマとする」ことが決定された。

無茶苦茶である。名張まちなか再生プランには、細川邸を歴史資料館として整備すると記されていた。中日の記事でも、「旧家『細川邸』の改修による歴史資料館化」が筆頭にあげられている。それが、委員会発足後一か月で、あっさり変更されてしまったのである。議事録には、変更の理由はひとことも記されていない。名張まちなか再生委員会による、密室のなかのまったく恣意的な決定である。正当性などどこにもない。

名張まちなか再生委員会に、どんな権限が与えられているというのか。それは何によって担保されているというのか。そんなものは、虚構でしかない。名張まちなか再生プランが市議会のチェックや市民のパブリックコメントというハードルをクリアして決定されたものである以上、その決定をくつがえすにはおなじハードルをクリアする必要がある。そんなこともわからんのか。

わからんのである。名張まちなか再生委員会の当時の委員長に面会し、決定をひっくり返すのなら名張地区既成市街地再生計画策定委員会を再招集してプランの練り直しをさせろ、と要求したのだが、答えはNOであった。無茶苦茶である。

平成18・2006年7月23日、「広報なばり」7月4週号が発行され、「-検証- 名張のまちなか再生は進んでいるのか?」が掲載された。歴史拠点プロジェクトの関連事項を引用。

   
旧細川邸を改修して「(仮称)初瀬ものがたり交流館」を整備します。旧家の風情を生かした魅力的な交流拠点として、企画展示・イベントなどを催し、多くの人に来館いただけるような施設づくりを目指します。

ごらんのとおりである。なんの説明もない。きわめて不可解なことである。細川邸は歴史資料館になるはずであった。名張市は市民に、そのように約束したのである。だが、できあがったのは、やなせ宿という名の観光交流施設である。市民にはなんの説明もない。市民との約束を反故にした理由は、いっさい明らかにされない。やなせ宿ができました、ご利用ください、という告知しかなされない。インチキである。ペテンである。詐欺である。

市民の眼にみえないところで、いったい何がおこなわれていたのか。名張市と名張まちなか再生委員会との結託であり、癒着である。官学民がみつどもえでからみ合い、官から学に血税百五十万円が流れてしまう癒着まであった。

さらにいえば、名張市から名張まちなか再生委員会にたいする、一方的な便益の供与があった。細川邸を特権的独占的に占有させる無根拠な優遇があった。名張市は市民に何も知らせないまま、名張まちなか再生委員会の専横を容認しつづけ、委員会はその容認のうえにあぐらをかいて、しかし結局はこのざまなのである。何も考えられず、何も決められない。膠着状態の泥沼である。にもかかわらず、委員会の専横はとどまるところを知らない。

さあ、どうよ。細川邸整備事業にかんする、あるいは、名張まちなか再生委員会にかんする問題は、はっきりいって腐るほどある。そのうちのひとつについて、「名張まちなか再生プランで歴史資料館として整備されることになっていた細川邸が観光交流施設のやなせ宿に変更された理由は何か」と質問しているのである。いつまでも知らん顔のほっかむりはできるものでもないだろう。世にいう説明責任ってやつである。名張市は市民との約束を破ってしまったのである。破ったら破ったで、市民が納得できるだけの説明をする義務があるはずである。

とはいえ、この質問に明快な答えが返ってくるとは思えない。合理的な説明がなされるとは思われない。さあ、どうよ、といったって、やっぱり梨のつぶてかな。そのときにはいったい、どうすればいいのかな。
きのうのぶん。

伊賀市
朝日新聞:針入りパンの交換パンからも針 三重・伊賀市(社会)
毎日新聞:針混入:菓子パンに縫い針 伊賀のスーパー店内で--名張署捜査 /三重
毎日新聞:メーデー:1000人が参加--伊賀地区 /三重
毎日新聞:伊賀鉄道:博覧会開催 車掌体験やクイズ列車、親子連れら1000人楽しむ /三重
読売新聞:菓子パンに針 伊賀の店で購入(中部発)
伊勢新聞:
菓子パンに縫い針 けが人なし 伊賀のスーパー
日刊スポーツ:
スーパー4店のパンなどから針や針金
マイコミジャーナル:小田急百貨店、5月は「東山魁夷版画展」など3つの展覧会を開催

伊賀広域
朝日新聞:「最低や」に怒り内妻バラバラ殺人、被告に懲役9年(社会)
産経新聞:遺体切断「残虐な犯行」、女性殺害の男に懲役9年(事件)
毎日新聞:スナック経営者殺害:内縁の夫に懲役9年の判決 津地裁(事件・事故・裁判)
日刊スポーツ:98年三重で女性殺害の男に懲役9年

三重県
朝日新聞:山商逆転負け 春季高校野球
朝日新聞:春の褒章 県内は9人
毎日新聞:春の褒章:県内から9人 /三重
毎日新聞:県高校弓道春季大会:26、27日 /三重
毎日新聞:高校野球:春季東海地区県大会 決勝は上野VS菰野 山商は逆転負け /三重
毎日新聞:春の褒章:県内から9人 /三重
読売新聞:春の褒章に9人
中日新聞:上野、初の東海大会へ 春季高校野球県大会・準決勝
中日新聞:鉄道ファン470人集結 伊賀で博覧会
伊勢新聞:上野、山商に競り勝つ 高校野球県大会 あす菰野と決勝
伊勢新聞:春の褒章、県内から9人
名張市
産経新聞:香落渓の見どころ57点、地図上に特定 名張市と市民が半年かけ調査
毎日新聞:人権作品集:名張市教委が発行 作文など28点収める /三重

伊賀市
朝日新聞:伊賀市議会に忍者議員参上
朝日新聞:伊賀市もレジ袋有料化
産経新聞:忍者姿で「もの申す!」 三重・伊賀市議会で「忍者議会」
産経新聞:天神さんの春祭り 小学生ら約320人が行列 三重・伊賀
毎日新聞:事件・事故24時:伊賀の女性木炭自殺で、ほう助容疑で内縁の夫逮捕 /三重
毎日新聞:レジ袋有料化:初の検討会 7月から1枚5円程度で 4社9店舗で始める /三重
毎日新聞:事件・事故:伊賀の女性木炭自殺で、ほう助容疑で内縁の夫逮捕 /三重
中日新聞:華やかに稚児行列 菅原神社春祭り
中日新聞:観光PR“市命”でござる 伊賀市の忍者議会
中日新聞:不燃物処理場が候補地に 2014年度開校予定の上野北部小
中日新聞:愛知、岐阜で警察署に防毒マスク 硫化水素の二次被害防止(社会)
伊勢新聞:自殺ほう助容疑、男逮捕 心中図り木炭に点火 伊賀署
伊勢新聞:忍者議会すっかり定着「もう違和感ない」伊賀市議会臨時会
伊勢新聞:29日から3市スタンプラリー 亀山と伊賀、甲賀を巡る
四回連続となった案内板デザイン講座、いよいよ最終講義である。鬼の気合できょうも行く。

ひとことでいえば、無茶苦茶なのである。細川邸整備事業がそうであったごとく、まちなか四か所の公共サイン設置事業もまた、といったって「江戸川乱歩生誕地碑広場」以外の案内板はまだみたことがないのだが、いずれおなじような程度であろうとたかをくくっておくことにして、ひとことでいえば無茶苦茶なのである。そもそも確たる目的がない。しいてあげれば、細川邸を整備するということ、公共サインを設置するということ、それじたいが目的なのである。事業を遂行し予算を執行することが自己目的化していて、ほかにはなんの考えもない。ひとことでいえば、ばかなのである。

だから幼稚園児の切り貼り遊びだといわれる。

中学生がつくった壁新聞にも劣るといわれる。

中学生がつくった壁新聞なら、記事を書くためのノウハウや、レイアウトにかんするABCといったものが、中学生なりの理解力で確実に紙面に反映されているはずである。しかしこの案内板には、そんなものはまったくない。ノウハウもABCもあらばこそ、そもそもデザインという概念が存在していない。スペースを切り貼りで埋めればそれでよろしい。予算が執行できれば問題はない。出来のよしあしなど関係はない。よしあしを判断する能力すらない。むろん、あとのことなんてまるで知らない。関知しない。ま、そういったことである。

もっとも、この案内板にだって、ちゃんと反映されているものはある。何か。名張市という自治体の無策無能無責任ぶりである。この案内板一枚に、あるいは、この案内板一枚にも、といったほうが的確かもしれないのだが、名張市の無策無能無責任はじつに色濃く反映されている。隠しようもなく示されている。表れている。にじみ出ている。結局のところこの案内板は、名張市の無策無能無責任を発信するために設置されたようなものなのである。むろん案内板なんかなくたって、乱歩生誕地碑広場そのものが名張市の無策無能無責任を雄弁に物語っているのではあるが。

乱歩と名張の唯一の接点であるといっていい土地を、乱歩にちなんで活用することを条件に所有者から寄贈され、ありがたく広場として整備させていただきました、なんてことで話をすませてしまったのが名張市である。無策といえばあまりにも無策、無能といえば救いがたく無能、無責任といえば絶望的なまでに無責任である。そしてこの無策無能無責任は、生誕地碑広場やその案内板のみにはとどまらない。いまさら指摘するまでもなく、細川邸整備事業にも明瞭にうかがえる。なんというのか、もうそこらじゅう、名張市ってとこは無策無能無責任の金太郎飴状態なのである。

案内板のデザインひとつまともにできない。幼稚園児の切り貼り遊びみたいなやっつけ仕事しかできない。デザインもへったくれもないのである。こんな名張市には、市全体のグランドデザインを提示するなんてことはとてもできない。たとえできたとしても、幼稚園児の切り貼り遊びにすぎない。つまり名張まちなかの再生など、はなから無理なことだったのである。まちなか再生の名のもとに、名張市はいったい何をやったのか。まちなかに残されていた可能性の芽を、重いコンダーラで試練の道をがちがちに固めてしまうようにして、きれいに踏みつぶしてしまうことであった。こんなことなら、案内板のデザイン講座なんかよりもっと早い段階で、地域社会のグランドデザイン講座を開いておくべきであったかと悔やまれる次第であるが、いまとなってはあとの祭りである。

ではここで、案内板デザイン講座の講師作品として、江戸川乱歩生誕地碑広場にふさわしいと思われる案内板のデザインを、あらためて披露しておく。

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ほんと、こんなんでよかったんじゃね? つか、これしかねーんじゃね?
名張市
毎日新聞:水彩画会・展覧会:個性豊かな作品38点 「独特の表現を感じて」--名張 /三重
毎日新聞:事件・事故:名張・男性が硫化水素自殺か /三重
毎日新聞:観光名所:「亀の瀬」など5カ所命名 青蓮寺「香落渓」の調査完了--名張 /三重
毎日新聞:市職員が硫化水素自殺 名張 近隣の3世帯避難
読売新聞:高知・硫化水素自殺、階下で巻き添え被害拡大(関西発)

伊賀市
毎日新聞:ミュージカル:「フランダースの犬」挑戦しませんか 小中高生募集--伊賀 /三重
毎日新聞:伊賀市上野図書館:図書貸し出し過去最高 20万1464冊、6年連続増 /三重
毎日新聞:ガイドブック:外国人支援、5カ国語で行政サービス 伊賀市が作製、配布 /三重
中日新聞:複合ビル計画、本格始動 上野市駅前再開発
建設業界ニュース中部版:国交省木津川上流、08年度事業概要発表

伊賀広域
毎日新聞:名張のスナック経営者殺害:被告に懲役12年を求刑--論告 /三重
読売新聞:伊賀のスナック経営者殺害、懲役12年求刑
伊勢新聞:名張のママ殺害 同居男に懲役12年求刑

三重県
毎日新聞:川上ダム:必要性を知事強調 淀川流域委の意見書「大阪の視点、極めて残念」 /三重
毎日新聞:川上ダム:知事「必要」 不適切論を批判 /三重
毎日新聞:県企業庁:3業務契約が難航 今年度にずれ込む /三重
伊勢新聞:「ダム議論は大阪の視点」知事、流域委を批判
伊勢新聞:水力発電の民間譲渡 中電と合意に至らず
再々掲。

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この案内板に素材としてもちいられている「ふるさと発見記」は、乱歩が生まれ故郷に置いていってくれた貴重な遺産である。名張市民の共有財産だといっても過言ではない。だから、涙が出るほどありがたいことだと乱歩に感謝を捧げつつ、案内板であろうがなんであろうが、活用できる場があれぱ活用すればいいのである。活用させていただけばいいのである。だがそれにしても、もうちょっとうまく活用させていただけぬものか実際。

「ふるさと発見記」から名張のまちの描写を抜粋してきて、それをぺたぺた貼りつける。その横に、乱歩が言及したスポットの写真を六点、やはりぺたぺた貼りつける。それでいったいどうしたの? というしかないではないか。そもそも、こんな写真が必要なのか。「ふるさと発見記」が記された当時のものであるならばともかく、現在ただいまの写真である。案内板からとことこ歩いてゆけば、いくらでも現物に遭遇できるのである。とはいえ、その現場がいったいどこなのか、案内板には明示されていない。どうやって行けばいいんだかわからない。それでは案内にならぬではないか。ほんとにいったいどうしたの?

だから幼稚園児の切り貼り遊びだといわれる。

中学生がつくった壁新聞にも劣るといわれる。

中学生がつくった壁新聞なら、読者というものをちゃんと想定できているはずである。だれに読んでもらうための新聞かということが、しっかり認識できているはずである。この案内板にはそれがない。なんのためのものか、だれのためのものか、そうした視点が欠如している。ここにみられるのは野放図なまでの幼児性であり、頑迷なまでの自己中心性なのである。念のため、辞書へのリンク。

大辞泉:自己中心性

文章の抜粋だって同様である。幼稚園児が眼についたものをすべて抱えこみ、自慢げに運んでくるみたいな真似をする必要はない。案内板に「ふるさと発見記」の抜粋を入れたいというのであれば、「名張の町そのものも美しい。四方を遠山にかこまれ、大火にあっていないと見えて、昔ながらの城下町の風情を残している」というあたりだけで充分である。ポイントを絞りこむというテクニック、素材をあえて捨てるという手法をおぼえておくべきであろう。捨てるのはもったいない、という倹約好きな主婦のような意見もあるかもしれないが、別の場で活かせばいいだけの話である。すなわち、やなせ宿の出番である。

やなせ宿である。この案内板とまったく同様、なんのためのものか、だれのためのものか、そういったことを毛筋ほど考えることもなくたったかたったか整備だけが進み、いまや無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館として市民のまえにその威容を現した、あの細川邸改めやなせ宿の出番である。やなせ宿に案内パンフレット置いてまーす、でおなじみのやなせ宿の出番なのである。

つまり、なんでもかんでも案内板につめこんでしまうのではなくて、「ふるさと発見記」をモチーフにしたパンフレットをつくればいいのである。それをやなせ宿に置いておけばいいのである。情報には、それにふさわしい器というものがある。逆にいえば、器にはそれにふさわしい情報というものがある。案内板には案内板に、パンフレットにはパンフレットに盛るべき情報というものがある。だから、やなせ宿に案内パンフレット置いてまーす、でおなじみのやなせ宿の出番なのである。案内板ひとつつくるにしてもだな、たとえばパンフレットとの相乗効果を考えるといったような、多少なりともトータルな視点に立つことができんものかこら。

たとえばあの六枚の写真だって、案内板ではなくパンフレットなら生きてくる。それがどこに存在するのかを示しておけば、パンフレット片手に乱歩の言及スポットをめぐる散策が楽しめるであろうし、なにより、まちなかの散歩者が名張の地を去り、それぞれの地域、それぞれの家庭に戻ったあとには、パンフレットの写真は名張のまちを懐かしく思い出してもらうためのよすがともなるであろう。

パンフレットではなくてリーフレットだが、おそらく参考になるであろう見本を示しておく。現物のスキャン画像が手許にないため、印刷原稿のpdfをgif画像にする。

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高校生のつくったリーフレットなんか参考にしてられるかばーか、とかほざいてんじゃねーぞ低能。しかしまあ、やなせ宿においては、「地域の案内パンフレットや散策地図を置き、旧市街地を訪れた人が情報集めや休憩ができる場にする」(朝日新聞)そうなのであるから、いずれ自前のパンフレットも登場することであろう。「ふるさと発見記」を素材としたものであろうとなかろうと、あまりにも出来が悪いものであればまた、このブログにおいてパンフレットデザイン講座低級篇を開講することになるかもしれない。心して励むように。

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012