忍者ブログ
三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
[329] [328] [327] [326] [325] [324] [323] [322] [321] [320] [319]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

きのうのつづき。もう完全に惰性でやってるわけである。

きのう概観した平成12・2000年は、豊島区が乱歩記念館の建設構想を明らかにした年であった。そのせいで名張市議会でも乱歩にかんする質問が多く発されたのだが、質問に答えるのは教育委員会だったのだからろくなものではない。何も知らず、知ろうともしないあんな委員会、ただ無駄飯をくらってるだけなのである。

当時もっとも迅速正確な情報を伝えていたのは、地域雑誌「四季どんぶらこ」に連載していた「乱歩文献打明け話」であった。きのうリンクを設定した「中島河太郎先生追悼」には、豊島区の構想にかんする平成11・1999年7月の時点での最新情報を記してあり、もちろんそれはお役所のヒエラルキーのなかで名張市の上層部にも逐一連絡していたのだが、名張市にはなんの動きもなかった。

平成12・2000年の名張市3月定例会に言及した漫才もあった。同年6月発表のものである。

名張人外境:乱歩文献打明け話 第十三回 十七歳はバスに乗って

同年9月発表のものにも続報を記した。

名張人外境:乱歩文献打明け話 第十四回 名張市は戦う

明けて平成13・2001年1月、豊島区が乱歩記念館の建設断念を発表した。

同年3月発表のもの。

名張人外境:乱歩文献打明け話 第十六回 月光仮面は誰でしょう

で、その年の名張市議会。

名張市公式サイト:名張市議会会議録

まず平成13・2001年の第294回(3月)定例会。

   
P.112 ◆ 議員(柳生大輔君)

さらに、さきの質問に関連します具体的事項についてご所見をお聞かせいただきたいと存じます。商業の活性化におけるまちづくりが到底期待できないものであるならば、新たな方向性を軸としたものに転換していかなければならないと考えます。ご案内のとおり、平成10年に政府の緊急経済対策事業として、旧運輸省、現国土交通省の委託事業で、日本観光協会が作成した観光地づくり推進プログラムの全国5カ所のうちのその一つにこの名張のまち歩き観光が提案されております。まず、その中の城下町観光の推進として、城下町や初瀬街道沿いに残る町並みや、町中に流れる城下川等の資源を生かして、城下町観光を名張の新たな観光の魅力に育てていく必要がある、このように書かれております。その一つは、まち歩きの道の整備であり、どんなものがあるかということでありますが、城下川水辺の道を初め、水路を生かした道の整備、それからひやわいの道の整備、また歴史的町並みの保存と修景、そして散策ルートの整備が上げられております。そこでは、核となる地区の整備、それから次に商業施設の魅力づけ、そして江戸川乱歩記念館の整備、また名張伝統産業館の整備とまちかど博物館の整備がこれまた上げられております。
………………
次に、歴史文化が創造したものとしては、商家の軒先の名残であったり、寺町としてのたたずまいであったり、それから今も息づく産業として酒蔵、指物屋、お菓子屋、料理屋、豆腐屋などがあります。それからもう一つ、観光のポイントとなり得るものとしては、江戸川乱歩、亀山房代、藤堂家邸と太鼓門、城下川の花いかだ、酒蔵見学、川沿いの憩い、さらに新町川原の名張花火大会と愛宕の火祭りなどもあります。

   
P.216 ◆ 議員(田郷誠之助君)

もう一つ、江戸川乱歩記念館の件についてであります。
東京の豊島区が乱歩の遺族との間で記念館を計画しているということは、以前名張はそれに対してどのように対応するかということでお尋ねをしたことがあります。最近漏れ聞くところによりますと、東京の豊島区が、これは資金難、財政難によるものなのか、はたまたほかの事情かはわかりませんが、記念館構想がさたやみになったということを耳にしておりますが、実は教育委員会の方にこの点について情報を、並びに対応をお聞きしたいと。よろしくお願いをします。

   
P.217 ◎ 教育次長(岡山佳男君)

◎教育次長(岡山佳男君) それでは、私の方から江戸川乱歩記念館のことにつきましてお尋ねがございましたので、お答えをさせていただきたいと思います。
ご承知いただいておりますように、この乱歩さんの記念館については、平成11年6月だったんですけども東京の豊島区が、乱歩さんが住みなれ生活された住宅ともどもに、そこで資料が残されているわけでございますが、それを活用いたしまして江戸川乱歩記念館を開設すべく準備をするということで発表なさいまして、以後予算措置もされまして調査をされておったわけでございますが、去る13年2月21日の夕刊に載っておったわけでございますが、この豊島区がその準備をされておったわけでございますが、財政難のために断念をしたということで報道されているわけでございます。

とくにこれといった関係もないのだが、昨年10月4日付エントリ「眼もくらまんばかりの」から引用。

   
平成10・1998年のことである。名張市立図書館にお客さんがあった。だいじなお客さんなので、名張市教育委員会の教育次長が挨拶した。ちょうど『江戸川乱歩執筆年譜』が出たばかりだったから、お客さん全員に一冊ずつ手渡し、ご覧いただいていた。

テーブルには、『乱歩文献データブック』も置いてあった。と、横から、『江戸川乱歩執筆年譜』と『乱歩文献データブック』を手にした教育次長が、こんなことを訊いてくる。

「これ二冊ありますけどさなあ、こっちとこっち、表紙は違いますわてなあ。せやけど、中身はほれ、どっちも字ィ書いてあって、二色刷で、ふたつともおんなじですねさ。これ、こっちとこっち、どこが違いますの」

ばかなのである。もう野放図なまでの、眼もくらまんばかりのばかなのである。そもそも本というものは、たんに字を印刷してあるだけのものなのである。その字を読まなければ、中身の違いはわからぬのである。

名張市の職員がすべて、全員が全員、どうしようもないばかであるというつもりはない。だいたい、職員個々のことなどよく知らない。だが、総体としてみれば、アベレージを求めるならば、これはもうばかだとしかいいようがないだろう。そして、なかには相当なばかがいて、ただ市職員として甲羅を経ているというそれだけの理由で、その手ひどいばかが教育次長を務めていたのである。

年が明けて、平成14・2002年第298回(3月)定例会。

   
P.89 ◆ 議員(田郷誠之助君)

教育関係の質問で、最後に1つお尋ねします。江戸川乱歩の記念館に関しては、これまでにもお尋ねしてきております。名張の図書館には乱歩コーナーも設けられ、来館する市民にも乱歩に関する認識を深める上で大きな役割を果たしています。また、乱歩関連の文献のデータブックを刊行され、関係者からも高く評価されてきておりますが、聞くところによれば、乱歩邸に保存されている資料を含めて、乱歩邸を東京都豊島区が買い上げる話が立ち消えになって、新たに立教大学にすべて移管、管理されることになったと聞き及びますが、そのあたりのことを既にご承知のことと思います。お聞きしたいのは、東京の乱歩邸の身の振り方によって、名張の乱歩コーナーのこれまでの乱歩邸との関係はどうなるのか。借りている資料などがある場合、一元管理という理由で返還の必要が出てこないかなど、今後の乱歩コーナーへのあり方への影響などについて説明していただきたい。

   
P.98 ◎ 教育長(手島新蔵君)

5点目、江戸川乱歩につきまして今後どうしていくのかということでございます。乱歩生誕の地名張としまして、今日まで多くの市民の支援者のご協力とご遺族のご理解を得て、遺品展を名張市立図書館に設けていることはご案内のとおりでございます。平成14年度には乱歩ふるさと発見50年記念事業としてゆかりの地をめぐるウォーキングやとか探偵講談、トークショー、レファレンスブック第3の刊行などを考えています。このときには乱歩先生のご子息であります平井隆太郎先生、またそのご子息もともに名張へおいでいただいて、この50年の式典にはトークもしていただくということで、こちら側としましては、先般そのことをお伺いをして、快くお引き受けをいただきました。
東京の平井邸の蔵書につきましては、先ほどご所見でございましたように、当初豊島区が記念館を建設するということでございましたが、今回立教大学に譲渡されるということを聞いております。今後とも立教大学と連携を深めまして、また協力を得まして、生誕の地名張と立教大学とのそれぞれの立場から乱歩顕彰に努め、支援体制を図れるよう努力をしてまいりますし、これまでのご支援につきましては平井隆太郎先生も快く名張の乱歩生誕の地として、高くこれまでの取り組みにつきまして評価もいただいておりますし、快く資料の提供なり貸与をしていただくということも承っておりますので、今後ともそのことを取り組んでまいりたいと考えております。

   
P.100 ◆ 議員(田郷誠之助君)

あと能舞台、それから江戸川乱歩につきましては、ご答弁一応承っておきます。これ以上のことは今ここでは申し上げないでおきます。では、私の今の2度目の質問に対してご答弁をお願いいたします。

えーっとまあ、やはりなんといっても、名張市教育委員会というのはじつにいいかげんなところなのである。たとえばこのときの答弁、「今後とも立教大学と連携を深めまして、また協力を得まして、生誕の地名張と立教大学とのそれぞれの立場から乱歩顕彰に努め、支援体制を図れるよう努力をしてまいります」とあるのだけれど、そんな「努力」なんてこれっぽっちもしておらぬのである。無駄飯食いがこら。「乱歩顕彰に努め」などと口走ってみたところで、実際には何ひとつできておらぬではないか。適当なこと並べてその場しのぎに明け暮れるしか能がないのかてめーらは。えーっとまあ、要するにあほなのである。

さらに年が明けて、平成15・2003年第306回(6月)定例会。

   
P.244 ◆ 総務企画委員長(中川敬三)

それに関連して委員からは、名張市としてどのような事業展開が図られるのかとの質疑に対しては、今要望している分として、平井堅1万人コンサートや乱歩企画としてのミステリートーク、観阿弥企画として能楽講座などを要望しているとの答弁でありました。
………………
その他、委員からは、名張市にとってこの事業は価値があるのか、もっと乱歩をPRしていくべきだ、さらには文化の発信が上野に比べておくれているなどの意見がありましたが、特にこの議案に反対する意見はなく、採決を行いましたところ、本案については全員異議なく原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

これは質問ではなく、総務企画委員会に付託された伊賀地区広域市町村圏事務組合関連の協議にかんする報告である。なかに「今進めている生誕360年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき事業について質疑があり、執行部から、この事業は当初から県が中心になり伊賀地区市町村が協力して進めているもので、平成15年度で約9,000 万円、平成16年度は3億円程度の事業を計画しており、そのうち、県が3分の2、伊賀地区市町村で残りの3分の1を負担することになるとの答弁でありました」との発言もみられる。そうなのである。三重県が天下に誇る官民合同事業「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」の悪夢は、この翌年に迫っていたのである。

名張人外境:伊賀の蔵びらき記念特別大漫才

そんなことはともかく、おなじく平成15・2003年の第309回(12月)定例会。

   
P.19 ◎ 収入役(松本豊明)

254ページの9款教育費は21億3,685万8,000円、予算執行率は85.1%でありますが、(仮称)名張ふれあいスポーツプラザ整備事業で3億1,719万2,000円を繰り越しております。主な内容は、小中学校費では、教育用コンピューターの整備と各学校の教材備品の購入費、耐震診断事業委託、遠距離通学費補助金などであり、幼稚園費では、私立幼稚園就園奨励補助金などであります。また、268 ページからの社会教育費は、美旗古墳群公有地化事業や名張市社会教育振興会への補助、公民館の改修や高齢者対策整備事業などのほか、市立図書館の図書購入費と乱歩記念事業や青少年団体育成事業費などでありまして、278ページの保健体育費では、市民テニスコートとプール改修のほか、(仮称)名張ふれあいスポーツプラザ整備に向けての費用も支出しております。

この平成15・2003年は江戸川乱歩リファレンスブック3『江戸川乱歩著書目録』が出た年で、これははじめからゲスナー賞ねらいでつくった本だったのだが、強力なライバルがあって金賞も銀賞も射止めることができず、「目録・索引」部門の入選にとどまった。とはいえそれでも、名張市民には充分誇りに思っていただいていい成績なのであるが。

雄松堂書店:第4回ゲスナー賞受賞作品

そして、いよいよ、平成16・2004年がはじまる。『江戸川乱歩著書目録』の刊行を輝かしいピークとして、名張市における乱歩なるものがこの年から急速に劣化してゆくのである。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

Copyright NAKA Shosaku 2007-2012