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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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昨20日午後、名張市役所の監査委員事務局に足を運び、監査委員おふたりから、7月30日に提出した住民監査請求の監査結果をうけとった。

結果はもちろん、請求を棄却するというものである。A4サイズの用紙5ページにわたって記されている。

ひとことでいえば、きわめて杜撰な内容である。問題の本質から完全に眼をそむけ、事実関係を精査しようとせず、意図的な事実誤認まであえて犯し、行政サイドにとって不都合な事実はすべて無視してしまい、名張まちなかの現状や関係する委員会および NPO の実態にはいっさいふれず、ただ名張市がならべたてる寝言のようなきれいごとをそのまま踏襲しただけの監査である。

とりいそぎ、全文を掲載する。

   
名監第91号 
平成19年9月20日 

請求人
中 相作様

名張市監査委員 辻岡紘一 
同    福田博行 

名張市長に対する措置請求の監査結果について(通知)

平成19年7月30日付けをもって地方自治法第242条第1項の規定により提出されました標記の件について、同条第4項の規定により監査した結果を次のとおり通知します。

第1 本件請求の要旨
措置請求書に記載されている事項を勘案し、請求の要旨を次のように捉えた。

名張市は、「名張まちなか再生委員会」に対し、細川邸整備の検討を委ねたが、その後「NPOなばり実行委員会」に付託された。この案件に関し、当該委員会から「NPOなばり実行委員会」へ付託することの不当性及び「NPOなばり実行委員会」による決定の自立性などによる公金の不当支出が明白であることから、次の措置を請求するものである。

〈1〉委託研究「歴史的建造物改修に係る基本設計業務ならびに当該建造物を活用した管理運営モデルの開発、運営効果の測定に関する研究及び実践」(以下「研究及び実践」という。)の契約については、名張市の意向が反映されていない「NPOなばり実行委員会」が独自の判断で「国立大学法人三重大学」(以下「三重大学」という。)浦山研究室へ研究委託を行ったようである。よって、名張市にその対価の支払い義務が生じることはなく、当該契約における名張市の責任者である名張市長亀井利克に損害賠償を求めるものである。

〈2〉当該契約における報告書に基づいて行われた細川邸整備の実施設計は無効であると判断されるため、細川邸整備における当該実施設計を無効化するための措置を求めるものである。

以上が、請求の要旨である。

第2 本件請求に係る経過
1.請求の受理
本請求は平成19年7月30日に提出され、措置請求について所要の法定要件を具備しているものと認め、同日付これを受理した。

2.監査の実施
(1)請求人に対する証拠の提出及び陳述の機会の付与
請求人に対し、地方自治法第242条第6項の規定に基づき、平成19年8月9日を指定し、証拠の提出及び陳述の機会を与えたが、平成19年8月7日、請求人より新たな証拠書類の提出及び陳述する意思がない旨通知があった。
(2)監査対象部局
名張市都市環境部 市街地整備推進室
地方自治法第242条第7項の規定に基づき、平成19年8月9日、都市環境部まちなか再生担当監、都市環境政策室長、市街地整備推進室長の出席を求め事情聴取を行った。

第3 事実関係
1.事情聴取の結果、以下の事実が認められる。
細川邸整備にかかる研究委託等の経緯
都市を取り巻く社会経済情勢の変化を背景に、地方都市における既成市街地の求心性や活力低下が大きな問題となっており、こうしたなか名張市では新しい総合計画においても名張地区に残された歴史・文化・自然などの地域資源を活用し、市民、事業者、行政などの多様な主体の協働により、文化の薫りをいかした集客交流、商業振興や福祉の充実など、誰もが暮らしやすいまちづくりに取り組む方針を「まちの顔づくりプラン」として位置付けている。
この「まちの顔づくりプラン」の実現に向けて、つまり名張地区においてその既成市街地の再生を図るべく、平成16年6月に市民、事業者、行政など多様な主体の協働による「名張地区既成市街地再生計画策定委員会」を発足させ、同月23日に第1回の委員会が開催され、その後アンケート調査やワークショップなどを開催した。
こうした取り組みを推進しながら、「まちの顔づくりプラン」をさらに具体化するために平成17年3月、今後のまちづくりの方向性を示すべく名張地区既成市街地再生計画「名張まちなか再生プラン」を策定した。
平成17年6月26日には、その再生を多様な主体の協働により推進していくことを目的とした「名張まちなか再生委員会」の設立総会が開催され、規約の承認、事業計画の説明などが行われた。この中で再生整備プロジェクトと位置付け、次の5項目のプロジェクトとした。
(1)歴史拠点整備プロジェクト
(2)水辺整備プロジェクト
(3)交流拠点整備プロジェクト
(4)生活拠点整備プロジェクト
(5)歩行者空間整備プロジェクト
歴史的建造物(細川邸)の改修に関しては、(1)歴史拠点整備プロジェクト並びに(3)交流拠点整備プロジェクトとして位置付けられている。
この中で(1)歴史拠点整備プロジェクトの柱として検討した「細川邸」の整備を起点として名張地区のまちなか全体の活性化を踏まえた事業を早期に実現するため、平成18年6月18日の平成18年度名張まちなか再生委員会総会において、実践的な組織として「(仮称)NPOなばり実行委員会」を設立するに至った。
さらに取り組みを進める中で、専門部会として「NPOなばり世話人会」、「NPOなばりマネジメント委員会」を立ち上げた。これは「細川邸」改修後は、公設民営方式を採用するという「名張まちなか再生プラン」での意向を継承することから、行政だけでなく地元組織や商工団体からも多数の参画を求め、整備後の管理運営に向け、円滑な移行を意図したものである。
このような経緯を踏まえ、名張市は歴史的建造物の改修に係る基本設計業務だけでなく、改修後の管理運営を見据え、まちづくり組織(NPO等)の管理モデルの開発、運営効果の測定などの専門的・技術的な支援を求めるため、平成18年9月13日付けで、「三重大学」へ受託研究の申し込みを行った。
その後、事務手続きを経て平成18年9月26日付け、名張市と「三重大学」との間でかかる受託研究契約が締結され、平成19年3月31日付、「研究及び実践」の報告書が「三重大学」から名張市へ提出された。

以上のことが関係職員の事情聴取及び提出資料を確認した結果明らかとなった。

第4 監査委員の判断
1.監査の結果
本件請求〈1〉並びに〈2〉を棄却する。

2.監査の結果理由
まず、〈1〉の請求については、名張市の意向が反映されていないとする研究委託について、市がその対価1,499,400円を支払ったことは、市が損害を被ったこととなり、NPOが独自に研究委託を行った場合、市に支払い義務が生じることはないことから、当該契約における市の責任者である名張市長に対し、損害額全額の補填を求めるという主張である。
(1)この主張に関し名張市と「三重大学」の受託研究に至る経過及び背景を検証するにあたり、まず平成16年5月28日の名張市告示第82号「名張地区既成市街地再生計画策定委員会設置要綱」に遡及することとする。同要綱第1条(設置)において、『名張市総合計画に重点的に取り組むべき事項として位置付けられている「まちの顔づくりプラン」及び名張地区における将来都市像の実現に向け、的確に地域需要を見極め、効果的な整備成果を得るため、市民、事業者、行政など多様な主体の協働により名張地区既成市街地の再生を図るべく名張地区既成市街地再生計画策定委員会を設置する』としている。意図するところは、行政だけにとどまらず、市民、事業者などの参画協働によって既成市街地の再生を図ろうとする趣旨である。
平成17年3月には、名張地区既成市街地再生計画策定委員会が「名張まちなか再生プラン」をとりまとめている。このプランでは、従来の市主導の一方的な計画推進手法ではなく、市民と行政が共に尊重し、共に育む計画、つまり協働事業として取り組むこととした。そのリーダーシップをとる組織として発足したのが「名張まちなか再生委員会」であり、この委員会を構成する多様な人材と行政が、共に携え検討を加えてきたことから、請求人の主張する市の意向がまったく反映されていないという主張には理由がないものと解するほかない。

(2)多様な主体の協働による「まちづくり」という視点は、国レベルであり、国土交通省の「まちづくり交付金交付要綱」においては、対象事業として「まちづくり活動推進事業」があり、その要件は「啓発・研修活動、専門家の派遣、情報収集・提供活動、社会実験等のまちづくり活動の推進に関する事業等に要する費用」とある。
請求者の主張する名張市と「三重大学」の受託研究契約については、この「まちづくり交付金」の対象事業として国の採択を受け、実施しているものであり、財源として国の交付金を充当するなど、名張市単独で事業を推進しているのではなく、国のサポートを得ながら、地域の多様な主体の協働によってまちづくり活動の推進を図るという点において、方向性やプロセスに問題があるとは認められない。

(3)名張市が「三重大学」に受託研究を申し込む際、次のとおり研究目的及び内容を示している。
「本研究は、ワークショップ(NPOなばりマネジメント委員会など)の開催支援及び歴史的建造物(細川邸)改修にかかる基本設計業務とともに、当該建造物の管理主体となる「まちづくり組織(NPO等)」の運営モデルの開発、運営効果の測定など専門的・技術的な支援を目的とする。」
また当該大学の研究室に蓄積されたノウハウを享受し、指導を受けながら研究及び実践を推進していこうとする意向が「受託研究業務の概要」の中で示されている。
つまり「名張まちなか再生プラン」を実践するため、当該研究行為を契約事務に移行する目的で、事業を統括し、日常的に契約行為を行っている名張市が、主体的に発注行為に至ったことは、合理的且つ適正な判断といえる。
さらに、当該研究を名張市が「三重大学」との間で契約を締結しようとする理由において、当該大学の研究室に「名張地区既成市街地再生計画策定委員会委員長」及び「名張まちなか再生委員会副委員長」を歴任した教授が在籍し、名張地区既成市街地の近年の経緯、実状について熟知しており、地域課題についても掌握している研究機関であり、あわせて学術的・専門的な知識を有していることから、随意契約理由としている根拠も、妥当なものと判断できる。

(4)当該受託研究に関しての予算措置は、平成18年6月補正予算において、「まちづくり活動推進事業」として1,500千円計上され、同6月定例会において議決を得た事業であり、当該契約の予算執行に係る事務処理については、名張市契約規則及び名張市会計規則等に基づき適正に処理されており、支出科目も使途に合致しており、正規の手続きを経た予算の支出行為である。したがって、何ら不当性や不当な支出の事実は認められない。

上記(1)〜(4)と述べてきたように請求人の主張については、これを決定づける明白な理由が見当たらないものと判断する。したがって本件請求〈1〉名張市と「三重大学」との間で締結された係る受託研究契約は、請求人の主張するNPOが独自で判断し研究室へ委託を行ったとする付託の不当性は存在せず、名張市の意向が反映されたものであり、正当な財務関連手続きを経て執行されていることから、名張市に損害を与えた事実は認められない。

以上のことから、当該契約における名張市の責任者である名張市長によって損害全額の補填を求めるとする本件請求〈1〉は、棄却することが相当と判断する。

次に、本件請求〈2〉について、請求の内容から判断すると当該実施設計は、名張市が平成18年度に発注した「細川邸改修他工事実施設計業務委託」と特定できる。
本件請求〈1〉の報告書に係る契約の締結、履行が前述のとおり違法又は不当な公金の支出にあたらず、有効なものであることから、その報告書を基本とし、また適法に財務関連手続きを経た当該実施設計業務についても何ら違法性や不当な公金の支出に相当する事実は認められない。
したがって、本件請求〈2〉についても実施設計を無効とする請求人の主張には理由がなく、本件請求〈1〉と同様に棄却することが相当と判断する。

あす以降、この杜撰な監査結果に対して徹底的な反論ないし批判をくわえるつもりだが、それにしても、名張市民のひとりとして、こう思わざるをえない。

大丈夫か名張市。
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