三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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やなせ宿公式サイトにメールで送信しておいた質問に、ようやく回答を頂戴できた。じつは10月1日に着信していたのだが、諸事情あってばたばたし、開いてみたのが2日のこと。ところが、回答の記された添付ファイルを開くことができず、テキストファイルで再送信してもらう仕儀となった。その着信がきのう3日のことであった。
まず、メールによる当方の申し出を、すべて掲げておく。
9月5日。
9月21日。
10月2日。
で、10月1日付の回答がこれである。
せっかく回答していただいたのに、こんなこというのははなはだあれではあるのだが、残念なことに、てんで回答になっていない。こんなもので人を納得させることなど、とてもできない。しかしまあ、これがいっぱいいっぱいであろう。この程度のいいわけ、いいのがれ、いいつくろいを並べたてるのが、まちなか運営協議会の関の山というやつであろう。
その関の山、厳しく踏みつぶしてやることにする。以下、引用は太字。
人それぞれの受け止め方はあると思われますが、「やなせ宿」に対して、名張地区区長会、名張地区まちづくり推進協議会が運営に関して、全面的にバックアップしていくとの話し合いがオープン前からあり、その厚意を受け入れさせていただいた経緯があります。
いきなりこれである。ここにある「受け止め方」という文言は、「批判」の意味であろうと理解される。やなせ宿という施設について受けとめかたはいろいろあるし、その受けとめかたにもとづいて、やなせ宿を批判する人もいろいろあるようであるが、そんなものは受けとめる側の問題であって、寄せられる批判にいちいち耳を傾ける気は毛頭ない、という宣言である。いきなりこれかよまったく。
あるいは、名張地区区長会や名張地区まちづくり推進協議会との関係をずぶずぶであるとか癒着であるとか、そういうふうに批判する人間もあるけれど、しかしわれわれはちゃんと話しあって、全面的な協力体制を確立しているのだから、だれがなにをいってきたって耳をかす気はさらさらない、という宣言である。表紙変われど中味は変わらず、外部の人間の意見を聞く考えはまったくない、ということである。
ただし当方、まちなか運営協議会と関連諸団体との協力関係について、あれこれ批判しているわけではまったくない。よってだ~こ各号店手作り合同作品展とかいう催しの主催団体に、まちなか運営協議会が名を連ねていないにもかかわらず、やなせ宿公式サイトに主催イベントとして案内されてるのはおかしいんじゃね? というただそれだけの質問である。
回答によけいなことを書いたりしたら、はっはーん、やっぱり関連諸団体とずぶずぶなあなあでやなせ宿を運営してることに、多少はうしろめたさを感じてるんだな、と勘ぐってしまう市民も出てくるかもしれんのだから、気をつけたほうがいいんじゃねーか。
とか思いつつ、やなせ宿の公式サイトを確認してみる。
名張市旧細川邸やなせ宿:イベントカレンダー
「10月度予定は、管理人不在のため、更新が10/5以降になります。あらかじめご了承ください」とある。それなら、10月1日と3日に回答をメール送信してくれたのはいったいどなたなのであろう、みたいなことはどうでもいいのだが、この公式サイト、終わったイベントの案内はすべて、まるで証拠湮滅を図るみたいに、あっさり削除することになっているらしい。
ならば、とグーグルのキャッシュを確認してみる。
ごらんのとおり、 2008年9月12日02:46:24GMTに捕捉されたキャッシュである。だからまだ、よってだ〜こなんたら作品展の案内が掲載されている。
あーりゃりゃッ。ここにはなんと、なんたら作品展の共催団体として「名張市旧細川邸・やなせ宿」の名が記載されているではないか。はっはーん、9月5日に質問を受けたものだから、12日までにあわてて公式サイトの記事に変更を加えたのか。ということは、こちらの指摘が正当なものだと認めたわけだな。それでまあ、はっはーん、あたふたと、はっはーん。
また、ご指摘の事業については、平成20年度の年間事業計画(案)を平成20年4月10日の名張まちなか再生委員会役員会に提案・承認された経緯もあります。
どうしてこんなよけいなことを記すのか。書けば書くほどぼろが出てくる。そんなこともわからんのか。どんなぼろが出てくるのか、ちょいと説明してみると、そもそも名張まちなか再生委員会と名張地区まちづくり推進協議会との癒着については、6月1日の名張まちなか再生委員会総会でも批判がなされたところである。総会資料の「平成19年度事業報告について」に、その癒着が示されている。生活拠点整備プロジェクトの事業報告である。
引用。
総会で提出された批判は、ふたつあった。ひとつは、年間にわずか一回しか会議を開いていない生活拠点整備プロジェクトが、実際にこれだけの事業を実施できたとは考えられない、ということであった。できるはずがないから、たぶんインチキ、でたらめ、うそっぱちが報告されたのであろう。役員会側からは、明瞭な説明はなされなかったと記憶する。
もうひとつが、よってだ〜この運営主体は名張地区まちづくり推進協議会であるにもかかわらず、どうして名張まちなか再生委員会の事業として報告されているのか、というものであった。この点にかんしては、役員会側から、名張地区まちづくり推進協議会に協力したのであるという説明がなされたように記憶する。
とにかくまあ、いつもいつもおなじことばっかいっててばかみたいなのであるが、組織の主体性や自立性というやつが、ここらの田舎者にはまったく理解できていないのである。ここ名張市においては、なあなあずぶずぶの馴れあいもたれ合いが大手を振ってまかり通っているのである。
そういえば、9月27日付伊和新聞に、こんな記事が出ていた。
やなせ宿も開設二年度目から指定管理者制度を導入すると聞きおよぶが、後ろ指をさされることのない制度運営が望まれる、みたいなことはまあどうだってよろしい。
頂戴した回答に戻ることとして、よってだ〜このなんたら作品展は4月10日の名張まちなか再生委員会役員会に提案され、承認された事業であるという。それがどうした。4月の役員会のあと、6月1日の総会で、よってだ〜この運営が名張まちなか再生委員会の事業として総会で報告されるのはおかしい、という批判が提出されているのである。受けとめかたにはいろいろあろうが、いまごろになって役員会がどうのこうのといいわけを並べたてているところをみると、総会での批判なんて、関係者にはまったくの馬耳東風であったということのようである。
そんなことよりも、さらにおかしいのは、まちなか運営協議会の手がける事業が、どうして名張まちなか再生委員会の役員会に提案され、承認を受けているのか、ということである。なんでいちいち、そんなところにおうかがいを立てねばならぬのか。まちなか運営協議会は、名張まちなか再生委員会が発足させたものではあっても、両者は別の組織として運営されている。早い話、6月1日の総会では、まちなか運営協議会にかんする審議はいっさいおこなわれなかった。参考資料として、こんな書類が配られただけである。
かりに役員会の承認を受けた事業であるというのであれば、それは総会に報告され、総会の承認を受けるのが本来ではないのか。役員会の専決事項であったとしても、それならそれでやはり総会で報告がなされるべきであろう。しかし、そんなことはまったくなかった。だから回答に役員会のことをもちだしてみたって、墓穴を掘ることにしかならない。そんなことすらわからんのか。
「よってだ~こ各号店」の手作り作品を「やなせ宿」で名張地区まちづくり協議会と共催し、合同展示したものです。
だから、こちらは、その作品展とやらの主催団体にまちなか運営協議会の名前がなかったのはどうしてなの? と尋ねているわけである。こんなよけいなことばかり書いてないで、まちなか運営協議会は当初から作品展の共催団体でしたが、やなせ宿公式サイトの記事にそれを明記しておりませんでしたので、ご指摘を受けて追記いたしました、と回答すればいいだけの話ではないか。どうして必要もないのにいいわけがましいことばかり、かくもたらたらと書きならべたがるのか。
いずれにしましても、私たちは、市内で初めての施設であり、運営を行政から委託され、素人の集団が前向きに必死に取り組んでいるところでありますので、当分の間、温かい目で見守っていただきたく考えておりますので、ご理解ください。
はばかりながらこちとら、名張まちなか再生プランの素案が発表された時点から、プランのことを温かい目で見守り、適切な助言をつづけてきた身である。その助言にいっさい耳をかそうとせず、あげくのはてにとんでもない泥沼に踏みこんでしまったのが、名張市であり、名張まちなか再生委員会であり、要するにやなせ宿なのである。いまさらなにを理解しろというのか。素人だの、前向きだの、必死だのと、そんなあたりまえのことをことごとしくいいたてたところで、なんの弁明にもならん。江戸川乱歩生誕地碑広場案内板にかんして以前にも記したとおり、一生懸命やってます、なんてのはあたりまえのことである。そんなことがなにかのエクスキューズになるとでも思っておるのか。
質問の二点目に移る。
名張まちなか再生委員会が組織され、歴史拠点整備プロジェクトチーム内で歴史資料館を主眼に検討・協議してまいりましたが、資料館だけで、どれだけの入館者数を見込まれるのか疑問点も浮上し、討議の結果、食の文化・物産の文化とも兼ね備えた交流施設にし、2つの目的をもった施設運営を行っていくことにしています。
「2つの目的」というのは、「食の文化」と「物産の文化」のふたつなのか、それとも、「食の文化・物産の文化」と歴史資料館のことなのか。あるいは、「食の文化・物産の文化」と「交流」でふたつということなのか。どうもよくわからない。もう少し正確な回答というやつを心がけてもらいたいものである。意味不明では困るではないか。
このことが、旧市街地の活性化にも寄与できると確信しています。
こんなことを質問しておるわけではない。
なお、参考までに本年6月7日オープンから9月末で、入館者数が5千人を数える盛況ぶりです。
こんなことも尋ねておらん。
ご質問の件ですが、私の立場で市長の主張に対し、虚偽であるかどうかについてのコメントを申し述べる立場にないと考えています。
かんじんの質問にはノーコメントかよ。なんともぶざまな逃げである。しかし、逃げたことにはならんぞ。質問は、やなせ宿は歴史資料館を主用途として整備されたらしいんだけど、それってほんとかよ、というものである。ほんとだったら、はいさようでございます、と胸を張って答えられるはずではないか。したがって、ノーコメントということは、実質的には市長発言は虚偽であると認めていることにほかならない。
結局のところ、じつにのらくらした回答ではあるけれど、(1)にかんしては、公式サイトの記事にこそこそと変更を加えた事実、(2)にかんしては、コメント不能という事実、これらふたつの事実が、当方の指摘が正当なものであることを雄弁に物語っている。そして、正当な指摘を受けながら、それを素直に認めようとせず、見当ちがいな弁明や立場をわきまえぬ黙秘に走るしかないという事実が、まちなか運営協議会という組織の本質を如実に示している。市民の税金で公共施設の運営を委託されている組織としては、いかにも不適格であるというしかあるまい。
まず、メールによる当方の申し出を、すべて掲げておく。
9月5日。
辻本武久様
どうもお世話さまです。やなせ宿の運営に日々ご尽力をいただき、名張まちなか再生委員会の一員として、さらに名張市民のひとりとして、お礼を申しあげます。また、6月と7月に二度にわたって催されたやなせ宿連続講座やなせ塾では、夜遅くまで何かとお世話にあずかり、あらためて謝意を表する次第です。 さて、やなせ宿の運営について、いささか疑問に思われることがありますので、勝手なお願いを申しあげて恐縮ではありますが、お考えをお教えいただければ幸甚です。以下の二点です。 (1)やなせ宿公式サイト「9月度・主催イベント情報」に、9月15日の「よってだ~こ各号店手作り合同作品展」の案内が掲載され、主催団体として名張地区まちづくり推進協議会などの名があげられている。まちなか運営協議会の主催事業ではないイベントが、やなせ宿公式サイトで「主催イベント」として告知されるのは、明らかに不当なことと判断されるが、これを正当なものと認めるかどうか。 (2)やなせ宿公式サイト「やなせ宿とは」に、やなせ宿は「観光交流センターとして位置づけされた」と明記されているが、名張市公式サイト「市長への手紙」で確認したところによれば、やなせ宿は歴史資料館を主たる用途として整備された、というのが名張市長の主張である。やなせ宿整備の経緯に照らして判断すれば、この市長の言は虚偽であるというしかないが、これを虚偽と認めるかどうか。 以上です。ご多用中恐縮ですが、よろしくご回答たまわりますようお願いを申しあげます。 なお、お答えは当方のブログで公開させていただきたく、あらかじめご承諾を願いあげる次第ですが、公開に支障がある場合、その旨をお伝えいただければ非公開といたします。よろしくお願いいたします。 2008/09/05 |
9月21日。
辻本武久様
お世話さまです。9月5日にメールをお送りし、つぎの二点についてお訊きしました。 (1)やなせ宿公式サイト「9月度・主催イベント情報」に、9月15日の「よってだ~こ各号店手作り合同作品展」の案内が掲載され、主催団体として名張地区まちづくり推進協議会などの名があげられている。まちなか運営協議会の主催事業ではないイベントが、やなせ宿公式サイトで「主催イベント」として告知されるのは、明らかに不当なことと判断されるが、これを正当なものと認めるかどうか。 (2)やなせ宿公式サイト「やなせ宿とは」に、やなせ宿は「観光交流センターとして位置づけされた」と明記されているが、名張市公式サイト「市長への手紙」で確認したところによれば、やなせ宿は歴史資料館を主たる用途として整備された、というのが名張市長の主張である。やなせ宿整備の経緯に照らして判断すれば、この市長の言は虚偽であるというしかないが、これを虚偽と認めるかどうか。 お答えはいただけないものと判断してよろしいでしょうか。とりいそぎその点を確認いたしたく思います。 (a)回答する (b)回答しない (a)か(b)かのいずれかでお答えをたまわりたく、ご多用中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。 2008/09/21 |
10月2日。
担当者様
ご回答ありがとうございました。お手数をおかけしました。雑用に追われていて、お礼が遅くなってしまいました。 それで、お送りいただいた添付ファイルですが、どうも当方のパソコンでは開くことができないようです。恐れ入りますが、テキストデータかPDFファイルか、そのあたりで再送信していただければと思います。よろしくお願いいたします。 2008/10/02 |
で、10月1日付の回答がこれである。
中 相作 様
平成20年10月1日 まちなか運営協議会 会長 辻本 武久 □たくさんのボランティアの方々に支えられ、日々「やなせ宿」の企画、運営に没頭している毎日です。そのような状況の中で、ご返事が遅くなり、大変申し訳なく思っています。以下のことを回答しますので、宜しくお願い申し上げます。 (1)の質問について 人それぞれの受け止め方はあると思われますが、「やなせ宿」に対して、名張地区区長会、名張地区まちづくり推進協議会が運営に関して、全面的にバックアップしていくとの話し合いがオープン前からあり、その厚意を受け入れさせていただいた経緯があります。 また、ご指摘の事業については、平成20年度の年間事業計画(案)を平成20年4月10日の名張まちなか再生委員会役員会に提案・承認された経緯もあります。「よってだ~こ各号店」の手作り作品を「やなせ宿」で名張地区まちづくり協議会と共催し、合同展示したものです。 いずれにしましても、私たちは、市内で初めての施設であり、運営を行政から委託され、素人の集団が前向きに必死に取り組んでいるところでありますので、当分の間、温かい目で見守っていただきたく考えておりますので、ご理解ください。 (2)の質問について 名張まちなか再生委員会が組織され、歴史拠点整備プロジェクトチーム内で歴史資料館を主眼に検討・協議してまいりましたが、資料館だけで、どれだけの入館者数を見込まれるのか疑問点も浮上し、討議の結果、食の文化・物産の文化とも兼ね備えた交流施設にし、2つの目的をもった施設運営を行っていくことにしています。このことが、旧市街地の活性化にも寄与できると確信しています。なお、参考までに本年6月7日オープンから9月末で、入館者数が5千人を数える盛況ぶりです。 ご質問の件ですが、私の立場で市長の主張に対し、虚偽であるかどうかについてのコメントを申し述べる立場にないと考えています。 以上 |
せっかく回答していただいたのに、こんなこというのははなはだあれではあるのだが、残念なことに、てんで回答になっていない。こんなもので人を納得させることなど、とてもできない。しかしまあ、これがいっぱいいっぱいであろう。この程度のいいわけ、いいのがれ、いいつくろいを並べたてるのが、まちなか運営協議会の関の山というやつであろう。
その関の山、厳しく踏みつぶしてやることにする。以下、引用は太字。
人それぞれの受け止め方はあると思われますが、「やなせ宿」に対して、名張地区区長会、名張地区まちづくり推進協議会が運営に関して、全面的にバックアップしていくとの話し合いがオープン前からあり、その厚意を受け入れさせていただいた経緯があります。
いきなりこれである。ここにある「受け止め方」という文言は、「批判」の意味であろうと理解される。やなせ宿という施設について受けとめかたはいろいろあるし、その受けとめかたにもとづいて、やなせ宿を批判する人もいろいろあるようであるが、そんなものは受けとめる側の問題であって、寄せられる批判にいちいち耳を傾ける気は毛頭ない、という宣言である。いきなりこれかよまったく。
あるいは、名張地区区長会や名張地区まちづくり推進協議会との関係をずぶずぶであるとか癒着であるとか、そういうふうに批判する人間もあるけれど、しかしわれわれはちゃんと話しあって、全面的な協力体制を確立しているのだから、だれがなにをいってきたって耳をかす気はさらさらない、という宣言である。表紙変われど中味は変わらず、外部の人間の意見を聞く考えはまったくない、ということである。
ただし当方、まちなか運営協議会と関連諸団体との協力関係について、あれこれ批判しているわけではまったくない。よってだ~こ各号店手作り合同作品展とかいう催しの主催団体に、まちなか運営協議会が名を連ねていないにもかかわらず、やなせ宿公式サイトに主催イベントとして案内されてるのはおかしいんじゃね? というただそれだけの質問である。
回答によけいなことを書いたりしたら、はっはーん、やっぱり関連諸団体とずぶずぶなあなあでやなせ宿を運営してることに、多少はうしろめたさを感じてるんだな、と勘ぐってしまう市民も出てくるかもしれんのだから、気をつけたほうがいいんじゃねーか。
とか思いつつ、やなせ宿の公式サイトを確認してみる。
名張市旧細川邸やなせ宿:イベントカレンダー
「10月度予定は、管理人不在のため、更新が10/5以降になります。あらかじめご了承ください」とある。それなら、10月1日と3日に回答をメール送信してくれたのはいったいどなたなのであろう、みたいなことはどうでもいいのだが、この公式サイト、終わったイベントの案内はすべて、まるで証拠湮滅を図るみたいに、あっさり削除することになっているらしい。
ならば、とグーグルのキャッシュを確認してみる。
ごらんのとおり、 2008年9月12日02:46:24GMTに捕捉されたキャッシュである。だからまだ、よってだ〜こなんたら作品展の案内が掲載されている。
あーりゃりゃッ。ここにはなんと、なんたら作品展の共催団体として「名張市旧細川邸・やなせ宿」の名が記載されているではないか。はっはーん、9月5日に質問を受けたものだから、12日までにあわてて公式サイトの記事に変更を加えたのか。ということは、こちらの指摘が正当なものだと認めたわけだな。それでまあ、はっはーん、あたふたと、はっはーん。
また、ご指摘の事業については、平成20年度の年間事業計画(案)を平成20年4月10日の名張まちなか再生委員会役員会に提案・承認された経緯もあります。
どうしてこんなよけいなことを記すのか。書けば書くほどぼろが出てくる。そんなこともわからんのか。どんなぼろが出てくるのか、ちょいと説明してみると、そもそも名張まちなか再生委員会と名張地区まちづくり推進協議会との癒着については、6月1日の名張まちなか再生委員会総会でも批判がなされたところである。総会資料の「平成19年度事業報告について」に、その癒着が示されている。生活拠点整備プロジェクトの事業報告である。
引用。
生活拠点推進事業(会議開催:1回)
・まちなか研究室の新規継続(榊町集会所の活用) ・学生サロン(よってだ〜こ4号店)の再活動化の促進 ・よってだ〜こ7号店・8号店・9号店づくり □地元・大学・社会福祉協議会・行政と連携・推進 ・団塊世代を中心とする有償ボランティア活動の推進 |
総会で提出された批判は、ふたつあった。ひとつは、年間にわずか一回しか会議を開いていない生活拠点整備プロジェクトが、実際にこれだけの事業を実施できたとは考えられない、ということであった。できるはずがないから、たぶんインチキ、でたらめ、うそっぱちが報告されたのであろう。役員会側からは、明瞭な説明はなされなかったと記憶する。
もうひとつが、よってだ〜この運営主体は名張地区まちづくり推進協議会であるにもかかわらず、どうして名張まちなか再生委員会の事業として報告されているのか、というものであった。この点にかんしては、役員会側から、名張地区まちづくり推進協議会に協力したのであるという説明がなされたように記憶する。
とにかくまあ、いつもいつもおなじことばっかいっててばかみたいなのであるが、組織の主体性や自立性というやつが、ここらの田舎者にはまったく理解できていないのである。ここ名張市においては、なあなあずぶずぶの馴れあいもたれ合いが大手を振ってまかり通っているのである。
そういえば、9月27日付伊和新聞に、こんな記事が出ていた。
名張市総合体育館
2重管理問題浮上 指定管理者と市職員 補助金100万、900万の剰余金 □名張市議会9月の一般質問で浦崎陽介議員(無会派)は、「名張市総合体育館は指定管理者制度を導入しているが、体育館には市の職員も常駐しており、管理者は2重になっているのではないか」という発言を行い注目を浴びた。体育館の指定管理料は年間約4千万円、体育館使用料が約2千万円で約6千万円の予算で運営している同施設を取り上げ「18年度に比べ、19年度は減収であるにもかかわらず、給料を増額している」と指摘した。これに対し、田畑教育次長は「当初の計画では、市内各地にスポーツクラブをつくる計画で予算を作成した。来年3月に契約期限が来る。その時点で、再契約を希望するのであれば、見直したい」と答え、2重管理、財務問題は、浦崎議員の指摘を裏付ける形になった。また、指定管理者制度について、“内部告発”と称する投書が6日、本紙に寄せられており、同問題は今後、波紋を呼びそうだ。(辻本記者) |
やなせ宿も開設二年度目から指定管理者制度を導入すると聞きおよぶが、後ろ指をさされることのない制度運営が望まれる、みたいなことはまあどうだってよろしい。
頂戴した回答に戻ることとして、よってだ〜このなんたら作品展は4月10日の名張まちなか再生委員会役員会に提案され、承認された事業であるという。それがどうした。4月の役員会のあと、6月1日の総会で、よってだ〜この運営が名張まちなか再生委員会の事業として総会で報告されるのはおかしい、という批判が提出されているのである。受けとめかたにはいろいろあろうが、いまごろになって役員会がどうのこうのといいわけを並べたてているところをみると、総会での批判なんて、関係者にはまったくの馬耳東風であったということのようである。
そんなことよりも、さらにおかしいのは、まちなか運営協議会の手がける事業が、どうして名張まちなか再生委員会の役員会に提案され、承認を受けているのか、ということである。なんでいちいち、そんなところにおうかがいを立てねばならぬのか。まちなか運営協議会は、名張まちなか再生委員会が発足させたものではあっても、両者は別の組織として運営されている。早い話、6月1日の総会では、まちなか運営協議会にかんする審議はいっさいおこなわれなかった。参考資料として、こんな書類が配られただけである。
かりに役員会の承認を受けた事業であるというのであれば、それは総会に報告され、総会の承認を受けるのが本来ではないのか。役員会の専決事項であったとしても、それならそれでやはり総会で報告がなされるべきであろう。しかし、そんなことはまったくなかった。だから回答に役員会のことをもちだしてみたって、墓穴を掘ることにしかならない。そんなことすらわからんのか。
「よってだ~こ各号店」の手作り作品を「やなせ宿」で名張地区まちづくり協議会と共催し、合同展示したものです。
だから、こちらは、その作品展とやらの主催団体にまちなか運営協議会の名前がなかったのはどうしてなの? と尋ねているわけである。こんなよけいなことばかり書いてないで、まちなか運営協議会は当初から作品展の共催団体でしたが、やなせ宿公式サイトの記事にそれを明記しておりませんでしたので、ご指摘を受けて追記いたしました、と回答すればいいだけの話ではないか。どうして必要もないのにいいわけがましいことばかり、かくもたらたらと書きならべたがるのか。
いずれにしましても、私たちは、市内で初めての施設であり、運営を行政から委託され、素人の集団が前向きに必死に取り組んでいるところでありますので、当分の間、温かい目で見守っていただきたく考えておりますので、ご理解ください。
はばかりながらこちとら、名張まちなか再生プランの素案が発表された時点から、プランのことを温かい目で見守り、適切な助言をつづけてきた身である。その助言にいっさい耳をかそうとせず、あげくのはてにとんでもない泥沼に踏みこんでしまったのが、名張市であり、名張まちなか再生委員会であり、要するにやなせ宿なのである。いまさらなにを理解しろというのか。素人だの、前向きだの、必死だのと、そんなあたりまえのことをことごとしくいいたてたところで、なんの弁明にもならん。江戸川乱歩生誕地碑広場案内板にかんして以前にも記したとおり、一生懸命やってます、なんてのはあたりまえのことである。そんなことがなにかのエクスキューズになるとでも思っておるのか。
質問の二点目に移る。
名張まちなか再生委員会が組織され、歴史拠点整備プロジェクトチーム内で歴史資料館を主眼に検討・協議してまいりましたが、資料館だけで、どれだけの入館者数を見込まれるのか疑問点も浮上し、討議の結果、食の文化・物産の文化とも兼ね備えた交流施設にし、2つの目的をもった施設運営を行っていくことにしています。
「2つの目的」というのは、「食の文化」と「物産の文化」のふたつなのか、それとも、「食の文化・物産の文化」と歴史資料館のことなのか。あるいは、「食の文化・物産の文化」と「交流」でふたつということなのか。どうもよくわからない。もう少し正確な回答というやつを心がけてもらいたいものである。意味不明では困るではないか。
このことが、旧市街地の活性化にも寄与できると確信しています。
こんなことを質問しておるわけではない。
なお、参考までに本年6月7日オープンから9月末で、入館者数が5千人を数える盛況ぶりです。
こんなことも尋ねておらん。
ご質問の件ですが、私の立場で市長の主張に対し、虚偽であるかどうかについてのコメントを申し述べる立場にないと考えています。
かんじんの質問にはノーコメントかよ。なんともぶざまな逃げである。しかし、逃げたことにはならんぞ。質問は、やなせ宿は歴史資料館を主用途として整備されたらしいんだけど、それってほんとかよ、というものである。ほんとだったら、はいさようでございます、と胸を張って答えられるはずではないか。したがって、ノーコメントということは、実質的には市長発言は虚偽であると認めていることにほかならない。
結局のところ、じつにのらくらした回答ではあるけれど、(1)にかんしては、公式サイトの記事にこそこそと変更を加えた事実、(2)にかんしては、コメント不能という事実、これらふたつの事実が、当方の指摘が正当なものであることを雄弁に物語っている。そして、正当な指摘を受けながら、それを素直に認めようとせず、見当ちがいな弁明や立場をわきまえぬ黙秘に走るしかないという事実が、まちなか運営協議会という組織の本質を如実に示している。市民の税金で公共施設の運営を委託されている組織としては、いかにも不適格であるというしかあるまい。
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膝のぐあいが悪い。急に寒くなったこともあって、よけいにからだが縮こまったような感覚がある。もともと繊細な人間であるせいか、肉体に少しでも変調があると、たちまち精神に影響する。士気が阻喪し、意気が銷沈する。名張市公式サイト「市長への手紙」を利用して名張市長から頂戴した回答に、さらに重ねて質問を、とは思うのだが、どうでもいいやという気になってくる。
しかしこれは、いたしかたのないことかもしれない。なにしろあの回答である。
9月19日:突然ですが胡蝶の舞 前篇
9月20日:突然ですが胡蝶の舞 後篇
最初から、蟻地獄であることは知れていた。のがれようはない。だれがみたってそうであろう。だというのに、名張市長の回答には、あいもかわらず、恥知らずなほどにしらじらしいいいわけ、いいのがれ、いいつくろいしかみあたらない。まことに見苦しい。やなせ宿は歴史資料館を主用途として整備された、という発言が虚偽であったと認めないかぎり、見苦しさは度を増すばかりであろう。あほらしくてやってられん、という気になる。
ちんたらちんたらしてるのがいやになった、ということもある。だからもう、やなせ宿にかんする質問はいったん打ち止めとして、新しい質問を送信した。新しいというよりは、名張市は乱歩をどうする気? という本命の質問である。送信IDは20080928095334439とのことであった。内容はつぎのとおり。
軽く釘を刺しておいたけれど、展示のための資料を問題にしているのではない。眺めるものではなく、あくまでも読む資料である。どうも名張市役所あたりでは、本を読むという習慣のない人間が多いせいか、資料は展示するものと相場が決まっているようである。だから乱歩関連資料の活用というと、ハコモノを整備してなにかを展示するという話になる。そういう話にしかならない。
しかし、そんな話をしているのではない。新しい施設を整備する、などという話ではまったくない。すでにある資料、市立図書館が収集し所蔵している乱歩関連資料をどう活用するのか、という問題である。望むべくもないことであろうが、誠意ある回答というやつを期待したい。
しかしこれは、いたしかたのないことかもしれない。なにしろあの回答である。
9月19日:突然ですが胡蝶の舞 前篇
9月20日:突然ですが胡蝶の舞 後篇
最初から、蟻地獄であることは知れていた。のがれようはない。だれがみたってそうであろう。だというのに、名張市長の回答には、あいもかわらず、恥知らずなほどにしらじらしいいいわけ、いいのがれ、いいつくろいしかみあたらない。まことに見苦しい。やなせ宿は歴史資料館を主用途として整備された、という発言が虚偽であったと認めないかぎり、見苦しさは度を増すばかりであろう。あほらしくてやってられん、という気になる。
ちんたらちんたらしてるのがいやになった、ということもある。だからもう、やなせ宿にかんする質問はいったん打ち止めとして、新しい質問を送信した。新しいというよりは、名張市は乱歩をどうする気? という本命の質問である。送信IDは20080928095334439とのことであった。内容はつぎのとおり。
ご回答ありがとうございました。やなせ宿にかんするお尋ねはひとまずここまでとし、新しい質問を提出いたします。つぎの一点です。
・名張市立図書館が所蔵する江戸川乱歩関連資料を活用するための具体的な方針はあるか。 念のために申し添えますと、展示用資料のことをお尋ねしているわけではありません。市立図書館が開館準備の段階から収集してきた図書や雑誌などの資料のことです。この点につきましては、昨年の2月から3月にかけて、名張市教育委員会の当時の教育次長にお訊きしたのですが、お答えはいただけませんでした。その後、公文書公開請求によって確認したところでも、乱歩関連資料の活用にかんする公文書は存在していないとのことでしたので、具体的な方針はまとめられていないものと推測される次第ですが、念のためにお尋ねいたします。 ご多用中恐縮ですが、よろしくご回答たまわりますようお願いいたします。 2008/09/28 |
軽く釘を刺しておいたけれど、展示のための資料を問題にしているのではない。眺めるものではなく、あくまでも読む資料である。どうも名張市役所あたりでは、本を読むという習慣のない人間が多いせいか、資料は展示するものと相場が決まっているようである。だから乱歩関連資料の活用というと、ハコモノを整備してなにかを展示するという話になる。そういう話にしかならない。
しかし、そんな話をしているのではない。新しい施設を整備する、などという話ではまったくない。すでにある資料、市立図書館が収集し所蔵している乱歩関連資料をどう活用するのか、という問題である。望むべくもないことであろうが、誠意ある回答というやつを期待したい。
やなせ宿でこんな催しがスタートした。主催はまちなか運営協議会。
毎日新聞:伊勢湾台風被害写真展:土砂で埋まった街並--30日まで、名張・やなせ宿 /三重(9月20日)
そのやなせ宿の公式サイトにメールを送信した。文面はつぎのとおり。
やなせ宿運営の根幹にかかわる質問である。
名張市長から頂戴した9月18日付回答には、「まちなか運営協議会が現在行っている管理運営は施設整備の当初の目的から勘案しても不適切であるとは考えておりません」とあったが、市民から寄せられた重要な質問に回答しようとしないのは、やなせ宿の運営主体として不適切な態度だと判断せざるをえない。
不合理なことや理不尽なことを尋ねているわけではない。ごくまっとうな質問である。不合理であり理不尽であるのは、どう考えたってまちなか運営協議会であり名張まちなか再生委員会であり、さらにいってしまえば名張市なのである。
ともあれ、返答くらいしてやれよ、と思う。返答するのかしないのか、その返答くらいしてやれよ。
毎日新聞:伊勢湾台風被害写真展:土砂で埋まった街並--30日まで、名張・やなせ宿 /三重(9月20日)
そのやなせ宿の公式サイトにメールを送信した。文面はつぎのとおり。
辻本武久様
お世話さまです。9月5日にメールをお送りし、つぎの二点についてお訊きしました。 (1)やなせ宿公式サイト「9月度・主催イベント情報」に、9月15日の「よってだ~こ各号店手作り合同作品展」の案内が掲載され、主催団体として名張地区まちづくり推進協議会などの名があげられている。まちなか運営協議会の主催事業ではないイベントが、やなせ宿公式サイトで「主催イベント」として告知されるのは、明らかに不当なことと判断されるが、これを正当なものと認めるかどうか。 (2)やなせ宿公式サイト「やなせ宿とは」に、やなせ宿は「観光交流センターとして位置づけされた」と明記されているが、名張市公式サイト「市長への手紙」で確認したところによれば、やなせ宿は歴史資料館を主たる用途として整備された、というのが名張市長の主張である。やなせ宿整備の経緯に照らして判断すれば、この市長の言は虚偽であるというしかないが、これを虚偽と認めるかどうか。 お答えはいただけないものと判断してよろしいでしょうか。とりいそぎその点を確認いたしたく思います。 (a)回答する (b)回答しない (a)か(b)かのいずれかでお答えをたまわりたく、ご多用中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。 2008/09/21 |
やなせ宿運営の根幹にかかわる質問である。
名張市長から頂戴した9月18日付回答には、「まちなか運営協議会が現在行っている管理運営は施設整備の当初の目的から勘案しても不適切であるとは考えておりません」とあったが、市民から寄せられた重要な質問に回答しようとしないのは、やなせ宿の運営主体として不適切な態度だと判断せざるをえない。
不合理なことや理不尽なことを尋ねているわけではない。ごくまっとうな質問である。不合理であり理不尽であるのは、どう考えたってまちなか運営協議会であり名張まちなか再生委員会であり、さらにいってしまえば名張市なのである。
ともあれ、返答くらいしてやれよ、と思う。返答するのかしないのか、その返答くらいしてやれよ。
諸羽流正眼崩し胡蝶の舞、きのうのつづき。さっそく舞う。
名張市長にたいする質問の二点目はこれであった。
回答を引用。
質問に記した「やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託している根拠」、それについて述べられている。一般的には、こうした場合、つまり自治体が公共施設の運営を民間団体に委託した場合、この団体にはこういう実績があるとか、この団体は運営コストをこれだけに抑えるとか、明確な根拠を示すことが求められる。しかし、それが示されない。回答に記されている根拠らしきものは、まちなか運営協議会が「名張まちなか再生委員会から生まれた組織です」ということだけである。
いうまでもないことだが、まちなか運営協議会は名張まちなか再生委員会の下請け組織ではない。名張市はあくまでも、まちなか運営協議会に直接、やなせ宿の運営を委託している。委託するにあたっては、当然それなりの根拠があるはずである。なければならない。名張まちなか再生委員会から生まれた、などというのはなんの説明にも証明にもならない。しいていえば、名張市がずぶずぶなあなあの癒着構造を全面的に支持している、という事実の証明にはなるであろうが。
しかも、その名張まちなか再生委員会はどんな状態にあるのか。多言は要さぬ。あの委員会が現在、規約や組織の抜本的な見直しとやらを進めているという一事だけをとっても、委員会の現状は容易に察しがつくであろう。それが現実というものである。そうした現実にいっさい眼をむけようとせず、その委員会から「ゆくゆくは既成市街地のまちづくりを担っていこうとして」生まれたものでございます、などといってみたところで、そんなことばには寝言やうわごと以上の重みはあるまい。
「そうした経緯」とはどういう経緯か。まちなか運営協議会は名張まちなか再生委員会から生まれました、というただそれだけの経緯か。こんな説明では、人を納得させることなどとてもできない。これまでの経緯というのであれば、名張まちなか再生委員会発足以来きょうまでのプロセスをきちんと精査したうえで、経緯なることばを使用すべきであろう。
これはいったいなにか。「現存していた建物中の保存状態の良いものをできるだけ当時の状態を保つよう改修した建物そのものが歴史資料館になりうる」とはなにごとか。いいわけにしても苦しすぎる。現状保存に意を用いて古い建物を改修すれば、それだけで歴史資料館になりうる? そんな歴史資料館がどこにあるというのか。資料収集に努めもせず、常設展示も企画展もおこなわず、学芸員を配置することもなく、ただ古い建物を昔のままに改修しただけの歴史資料館などというものが、いったいどこに存在するというのか。
ひきつづく説明も、意味が不明である。そもそもこちらは、やなせ宿における物販や飲食を中止せよ、などとは一度もいっていない。好きにすればよかろう。ただし、やなせ宿が歴史資料館を主用途として整備されたというのであれば、物販や飲食のほかに、主用途たる歴史資料館としての運営が進められているはずである。だが、実際には、そんな運営はまったくみられない。ゆえに、歴史資料館という主用途を無視してやなせ宿の運営をつづけるまちなか運営協議会は、施設の運営団体としてあまりにも不適格である。そういう結論になるのが当然であり、市民が行政指導を要請するのもまた当然の話である。
要するに、こちらが求めているのは主用途にかんする説明である。それがいっさいない。主用途ならぬ副用途の説明ばかりである。物販や飲食もよかろう。部屋を展示用に貸し出すのもよかろう。できるだけ多くの人に利用してもらうのも結構なことである。まちなかの再生の拠点施設にするのもまことに結構なことである。しかし、こちらは、主用途にかんする説明を求めている。その点にいっさいふれることなく、ただご理解だのご協力だのを要請するだけでことを済ませているのは、いったいどういう料簡なのか。
正直、大丈夫か、という気がする。しかし、あいにくなことに人間豹である。血も涙もないのである。ただでさえ血も涙もない人間豹が、正直さや誠実さのかけらもないいいわけ、いいのがれ、いいつくろいを眼にして、鉤爪をといでいるのである。これからいったいどうなるのかな。
名張市長にたいする質問の二点目はこれであった。
・現在、やなせ宿の運営はまちなか運営協議会に委託されているが、その運営内容は、当方の直接の知見においても、新聞報道においても、やなせ宿公式サイトから知られるところにおいても、歴史資料館を主用途とした施設にはおよそふさわしくないものといわざるをえない。適切な運営のためには行政による指導が必要であると判断されるが、指導する考えはあるか。また、やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託している根拠は何か。
回答を引用。
・2点目のまちなか運営協議会の適切な運営のため、行政による指導の考えがあるのかどうかとの質問や、やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託した根拠についてのお尋ねですが、まちなか運営協議会は、当面は、やなせ宿の管理運営をしつつ、ゆくゆくは既成市街地のまちづくりを担っていこうとして名張まちなか再生委員会から生まれた組織です。
質問に記した「やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託している根拠」、それについて述べられている。一般的には、こうした場合、つまり自治体が公共施設の運営を民間団体に委託した場合、この団体にはこういう実績があるとか、この団体は運営コストをこれだけに抑えるとか、明確な根拠を示すことが求められる。しかし、それが示されない。回答に記されている根拠らしきものは、まちなか運営協議会が「名張まちなか再生委員会から生まれた組織です」ということだけである。
いうまでもないことだが、まちなか運営協議会は名張まちなか再生委員会の下請け組織ではない。名張市はあくまでも、まちなか運営協議会に直接、やなせ宿の運営を委託している。委託するにあたっては、当然それなりの根拠があるはずである。なければならない。名張まちなか再生委員会から生まれた、などというのはなんの説明にも証明にもならない。しいていえば、名張市がずぶずぶなあなあの癒着構造を全面的に支持している、という事実の証明にはなるであろうが。
しかも、その名張まちなか再生委員会はどんな状態にあるのか。多言は要さぬ。あの委員会が現在、規約や組織の抜本的な見直しとやらを進めているという一事だけをとっても、委員会の現状は容易に察しがつくであろう。それが現実というものである。そうした現実にいっさい眼をむけようとせず、その委員会から「ゆくゆくは既成市街地のまちづくりを担っていこうとして」生まれたものでございます、などといってみたところで、そんなことばには寝言やうわごと以上の重みはあるまい。
・そうした経緯により、現在やなせ宿の管理運営をまちなか運営協議会に荷っていただいております。また、まちなか運営協議会への指導ということですが、まちなか運営協議会が現在行っている管理運営は施設整備の当初の目的から勘案しても不適切であるとは考えておりません。
「そうした経緯」とはどういう経緯か。まちなか運営協議会は名張まちなか再生委員会から生まれました、というただそれだけの経緯か。こんな説明では、人を納得させることなどとてもできない。これまでの経緯というのであれば、名張まちなか再生委員会発足以来きょうまでのプロセスをきちんと精査したうえで、経緯なることばを使用すべきであろう。
・プランでも、歴史資料館(現存していた建物中の保存状態の良いものをできるだけ当時の状態を保つよう改修した建物そのものが歴史資料館になりうる)として整備し、多様な市民ニーズに応えるため物販や飲食も含む複合的な利用も可能なものとすることも述べています。また施設の紹介でも、ほとんどの部屋で、展示もおこなえるとしていることからも、呼び方や表現の違いがあっても、やなせ宿の施設をできるだけ多くの人に利用していただき、まちなかの再生の拠点施設にしていくために、努力していただいておりますことをご理解頂きますと共に、出来上がった本施設のよりよい利用に建設的なご協力を頂きますようお願い申し上げます。
これはいったいなにか。「現存していた建物中の保存状態の良いものをできるだけ当時の状態を保つよう改修した建物そのものが歴史資料館になりうる」とはなにごとか。いいわけにしても苦しすぎる。現状保存に意を用いて古い建物を改修すれば、それだけで歴史資料館になりうる? そんな歴史資料館がどこにあるというのか。資料収集に努めもせず、常設展示も企画展もおこなわず、学芸員を配置することもなく、ただ古い建物を昔のままに改修しただけの歴史資料館などというものが、いったいどこに存在するというのか。
ひきつづく説明も、意味が不明である。そもそもこちらは、やなせ宿における物販や飲食を中止せよ、などとは一度もいっていない。好きにすればよかろう。ただし、やなせ宿が歴史資料館を主用途として整備されたというのであれば、物販や飲食のほかに、主用途たる歴史資料館としての運営が進められているはずである。だが、実際には、そんな運営はまったくみられない。ゆえに、歴史資料館という主用途を無視してやなせ宿の運営をつづけるまちなか運営協議会は、施設の運営団体としてあまりにも不適格である。そういう結論になるのが当然であり、市民が行政指導を要請するのもまた当然の話である。
要するに、こちらが求めているのは主用途にかんする説明である。それがいっさいない。主用途ならぬ副用途の説明ばかりである。物販や飲食もよかろう。部屋を展示用に貸し出すのもよかろう。できるだけ多くの人に利用してもらうのも結構なことである。まちなかの再生の拠点施設にするのもまことに結構なことである。しかし、こちらは、主用途にかんする説明を求めている。その点にいっさいふれることなく、ただご理解だのご協力だのを要請するだけでことを済ませているのは、いったいどういう料簡なのか。
正直、大丈夫か、という気がする。しかし、あいにくなことに人間豹である。血も涙もないのである。ただでさえ血も涙もない人間豹が、正直さや誠実さのかけらもないいいわけ、いいのがれ、いいつくろいを眼にして、鉤爪をといでいるのである。これからいったいどうなるのかな。
人間豹刺止鉤爪、というカテゴリを新設した。にんげんひょうとどめのかぎづめ、とお読みいただきたい。そろそろとどめに入ろうか、といったところである。
ブログ開設一周年を迎え、来し方を回顧し行く末を展望する「開設一周年を迎えて」の続篇をつづるつもりでいたのだが、昨日、名張市公式サイト「市長への手紙」に寄せた質問への回答を頂戴した。それを話題とする。
質問はこんなんであった。
頂戴した回答はこんなんである。
経緯を確認しておくと、8月27日付の質問に、やなせ宿に乱歩関連資料が展示されていないのはなぜか、と記した。
8月27日:人間豹秋の陣
9月2日付の回答で、一部関係者の合意が得られないから展示していない、との説明があった。
9月3日:いよいよいけない秋の陣
一部関係者のことなど尋ねていない。名張市が所有している、または貸与を受けている資料をなぜ展示しないのか。9月8日付の質問のひとつめで、その点をただした。
9月8日:予測がつかない秋の陣
だというのに、またこれである。昨日付の回答に、なにが書かれてあるのか。再度引用。読みやすさに配慮して、文章単位で改行する。
結構なことである。努めていただいたり、展示していただいたり、ご苦労なことである。ところが、つぎの段落で、馬脚があらわれる。
やっぱり、人のせいなのである。結局は、「関係者の方々」のせいなのである。前回とおなじことしか書かれておらんのである。関係者というのは、乱歩関連資料の所有者ということであろう。しかし、関係者など、まったく関係がない。その関係者がどんな「意見」を述べたとしても、それはその関係者の所蔵資料にかんするものでしかないであろう。
名張市が管理している資料の展示について、その関係者がどんなくちばしをはさめるというのか。かりに、関係者から提供された資料は「展示の方法等」に問題があって展示を中止することになったとしても、それにあわせてそれ以外の資料もすべて、「合意が図れるまでは一端片付け」てしまうなどというばかな話がどこにある。名張市が管理している資料を展示するのに、どうしていちいち関係者の合意が必要なのか。
そもそも、これはほんとうのことなのか。やなせ宿プレオープン時における乱歩関連資料の展示について、回答に記されているところを列記する。
以上のことが試みられたという。しかし、それはほんとうのことなのか。うそではないのか。乱歩関連資料を展示のために提供した市民のかたから、9月3日に「一部関係者」名義のコメントを頂戴した。それをみるかぎり、回答にあるような展示が実際におこなわれたとは、とても思えないのである。
9月3日:いよいよいけない秋の陣 > はなしつけに行ってきます。
以前にも引用したが、再度お読みいただこう。
・6月のプレオープンに手紙のコピーを展示したいという申し出があった際には、心よく了承いたしました。
・乱歩先生が生まれた新町から乱歩情報が発信され、乱歩生誕地を訪れる人たちにもしっかり見てもらえる場所が出来るんだと楽しみにしておりました。
・ところが当日、愕然としました。
・乱歩関連資料というのは、祖父に宛てた乱歩先生の手紙のコピー1点のみだったのです。
・乱歩と名張の関係をほとんど示されることもなく手紙だけがぽつんとおかれていたのです。
・これではダメだと思いましたので、家族と相談の上、乱歩の扱いについて行政としてちゃんとした方針が出来るまで私どもが所有する品の展示を控えていただくようお願いした次第です。
どうもおかしい。やなせ宿のプレオープン時、展示されていた乱歩関連資料は、一部関係者の提供による乱歩書簡のコピーだけであったという。しかし、名張市長の回答には、すでにお読みいただいたとおりの資料が、いったんは展示されたと記されている。それが、一部関係者の意見を容れて、すべて片づけられるにいたったという。常識的に考えれば、一部関係者か、名張市長か、どちらかがうそつきだということになる。
しかも、9月3日付コメントによれば、一部関係者は名張市に対し、「乱歩の扱いについて行政としてちゃんとした方針」を示すことを求めたという。しかし、9月18日付回答によれば、一部関係者から名張市に寄せられたのは、「展示の方法等に係るご意見」であったという。両者の主張には、明らかなくいちがいがある。これも常識的に考えれば、一部関係者から乱歩にかんする方針の明示を求められたにもかかわらず、名張市長はこれを展示方法の問題だとしか認識していない、ということになるであろう。
方針なら、あったはずである。昨年6月定例会での市長答弁である。名張市公式サイトに掲載された記事録からの引用。
この方針は、いったいどうなったのか。名張市長なりの方針はあったものの、やなせ宿の運営方針は名張まちなか再生委員会とかまちなか運営協議会とか、そのあたりが決めたのだから市長方針が反映されるにはいたらなかった、といったことででもあるのか。いやまさか、いくらなんでもそんなことはあるまいけれど、なんとも困ったものである、と嘆きつつ、諸羽流正眼崩し胡蝶の舞、あすにつづく。
ブログ開設一周年を迎え、来し方を回顧し行く末を展望する「開設一周年を迎えて」の続篇をつづるつもりでいたのだが、昨日、名張市公式サイト「市長への手紙」に寄せた質問への回答を頂戴した。それを話題とする。
質問はこんなんであった。
ご回答ありがとうございました。当方の質問がやや具体性を欠いておりましたので、不備を補ったうえであらためてお尋ねいたします。関連して、別の質問も提出いたします。次の二点となります。よろしくお願いいたします。
・名張まちなか再生プランには、旧細川邸を歴史資料館として整備し、「江戸時代の名張城下絵図や江戸川乱歩など名張地区に関係の深い資料を常設展示する」と明記されている。歴史資料館を主たる用途として整備されたというやなせ宿では、現在、名張城下絵図の複写版は展示されているとの由であるが、江戸川乱歩の関連資料は展示されていない。名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料を展示しない理由は何か。 ・現在、やなせ宿の運営はまちなか運営協議会に委託されているが、その運営内容は、当方の直接の知見においても、新聞報道においても、やなせ宿公式サイトから知られるところにおいても、歴史資料館を主用途とした施設にはおよそふさわしくないものといわざるをえない。適切な運営のためには行政による指導が必要であると判断されるが、指導する考えはあるか。また、やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託している根拠は何か。 ご多用中恐縮ですが、よろしくご回答たまわりますようお願いいたします。 2008/09/08 |
頂戴した回答はこんなんである。
中 相作 さま
このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました 名張市が所有している、または貸与を受けている乱歩関連資料を展示しない理由は何かとの質問にお答えします。 □再生プランでも計画されていたように、乱歩関連資料を展示するため、市立図書館内の乱歩コーナーより展示可能な資料の借用や複製品の作成に努めてきました。また、プレオープン時には、市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示をいたしました。 しかしその後、展示の方法等に係るご意見を頂いたことから、今後は関係者の方々のご支援、ご協力を得ながら、合意が図れるまでは一端片付け、一日も早く展示ができるよう努めてまいりたいと考えております。 2点目のまちなか運営協議会の適切な運営のため、行政による指導の考えがあるのかどうかとの質問や、やなせ宿の運営をまちなか運営協議会に委託した根拠についてのお尋ねですが、まちなか運営協議会は、当面は、やなせ宿の管理運営をしつつ、ゆくゆくは既成市街地のまちづくりを担っていこうとして名張まちなか再生委員会から生まれた組織です。 □そうした経緯により、現在やなせ宿の管理運営をまちなか運営協議会に荷っていただいております。また、まちなか運営協議会への指導ということですが、まちなか運営協議会が現在行っている管理運営は施設整備の当初の目的から勘案しても不適切であるとは考えておりません。 プランでも、歴史資料館(現存していた建物中の保存状態の良いものをできるだけ当時の状態を保つよう改修した建物そのものが歴史資料館になりうる)として整備し、多様な市民ニーズに応えるため物販や飲食も含む複合的な利用も可能なものとすることも述べています。また施設の紹介でも、ほとんどの部屋で、展示もおこなえるとしていることからも、呼び方や表現の違いがあっても、やなせ宿の施設をできるだけ多くの人に利用していただき、まちなかの再生の拠点施設にしていくために、努力していただいておりますことをご理解頂きますと共に、出来上がった本施設のよりよい利用に建設的なご協力を頂きますようお願い申し上げます。 今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。 平成20年 9月18日 名張市長 亀井利克 |
経緯を確認しておくと、8月27日付の質問に、やなせ宿に乱歩関連資料が展示されていないのはなぜか、と記した。
8月27日:人間豹秋の陣
9月2日付の回答で、一部関係者の合意が得られないから展示していない、との説明があった。
9月3日:いよいよいけない秋の陣
一部関係者のことなど尋ねていない。名張市が所有している、または貸与を受けている資料をなぜ展示しないのか。9月8日付の質問のひとつめで、その点をただした。
9月8日:予測がつかない秋の陣
だというのに、またこれである。昨日付の回答に、なにが書かれてあるのか。再度引用。読みやすさに配慮して、文章単位で改行する。
・再生プランでも計画されていたように、乱歩関連資料を展示するため、市立図書館内の乱歩コーナーより展示可能な資料の借用や複製品の作成に努めてきました。
・また、プレオープン時には、市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示をいたしました。
・また、プレオープン時には、市が所有もしくは貸与を受けている資料のうち可能なものの展示をいたしました。
結構なことである。努めていただいたり、展示していただいたり、ご苦労なことである。ところが、つぎの段落で、馬脚があらわれる。
・しかしその後、展示の方法等に係るご意見を頂いたことから、今後は関係者の方々のご支援、ご協力を得ながら、合意が図れるまでは一端片付け、一日も早く展示ができるよう努めてまいりたいと考えております。
やっぱり、人のせいなのである。結局は、「関係者の方々」のせいなのである。前回とおなじことしか書かれておらんのである。関係者というのは、乱歩関連資料の所有者ということであろう。しかし、関係者など、まったく関係がない。その関係者がどんな「意見」を述べたとしても、それはその関係者の所蔵資料にかんするものでしかないであろう。
名張市が管理している資料の展示について、その関係者がどんなくちばしをはさめるというのか。かりに、関係者から提供された資料は「展示の方法等」に問題があって展示を中止することになったとしても、それにあわせてそれ以外の資料もすべて、「合意が図れるまでは一端片付け」てしまうなどというばかな話がどこにある。名張市が管理している資料を展示するのに、どうしていちいち関係者の合意が必要なのか。
そもそも、これはほんとうのことなのか。やなせ宿プレオープン時における乱歩関連資料の展示について、回答に記されているところを列記する。
・市立図書館乱歩コーナーにある資料の借用
・市立図書館乱歩コーナーにある資料の複製品の作成
・市が所有している資料のうち可能なものの展示
・市が貸与を受けている資料のうち可能なものの展示
・市立図書館乱歩コーナーにある資料の複製品の作成
・市が所有している資料のうち可能なものの展示
・市が貸与を受けている資料のうち可能なものの展示
以上のことが試みられたという。しかし、それはほんとうのことなのか。うそではないのか。乱歩関連資料を展示のために提供した市民のかたから、9月3日に「一部関係者」名義のコメントを頂戴した。それをみるかぎり、回答にあるような展示が実際におこなわれたとは、とても思えないのである。
9月3日:いよいよいけない秋の陣 > はなしつけに行ってきます。
以前にも引用したが、再度お読みいただこう。
・6月のプレオープンに手紙のコピーを展示したいという申し出があった際には、心よく了承いたしました。
・乱歩先生が生まれた新町から乱歩情報が発信され、乱歩生誕地を訪れる人たちにもしっかり見てもらえる場所が出来るんだと楽しみにしておりました。
・ところが当日、愕然としました。
・乱歩関連資料というのは、祖父に宛てた乱歩先生の手紙のコピー1点のみだったのです。
・乱歩と名張の関係をほとんど示されることもなく手紙だけがぽつんとおかれていたのです。
・これではダメだと思いましたので、家族と相談の上、乱歩の扱いについて行政としてちゃんとした方針が出来るまで私どもが所有する品の展示を控えていただくようお願いした次第です。
どうもおかしい。やなせ宿のプレオープン時、展示されていた乱歩関連資料は、一部関係者の提供による乱歩書簡のコピーだけであったという。しかし、名張市長の回答には、すでにお読みいただいたとおりの資料が、いったんは展示されたと記されている。それが、一部関係者の意見を容れて、すべて片づけられるにいたったという。常識的に考えれば、一部関係者か、名張市長か、どちらかがうそつきだということになる。
しかも、9月3日付コメントによれば、一部関係者は名張市に対し、「乱歩の扱いについて行政としてちゃんとした方針」を示すことを求めたという。しかし、9月18日付回答によれば、一部関係者から名張市に寄せられたのは、「展示の方法等に係るご意見」であったという。両者の主張には、明らかなくいちがいがある。これも常識的に考えれば、一部関係者から乱歩にかんする方針の明示を求められたにもかかわらず、名張市長はこれを展示方法の問題だとしか認識していない、ということになるであろう。
方針なら、あったはずである。昨年6月定例会での市長答弁である。名張市公式サイトに掲載された記事録からの引用。
P.133 ◎ 市長(亀井利克)
□それから、まちなかの中で乱歩の関係のお尋ねがあったわけでございます。当方のこれについての考え方は今議会で申し上げたとおりでございまして、桝田病院第2病棟の部分というのは、地域の方々にとりましては生活の場でもあるわけでございます。そんな中で、さまざまなご意見もいただいてまいりました。よって、この場所は生誕の地であることを表現できる公園の整備をいたしていくのがいいのではないかというふうに思っております。 □ただでございますけれども、ミステリー文庫であったり、あるいはまた乱歩ゆかりの品も一緒に、その近くといいましょうか、街道沿いといいましょうか、そういう部分に展示する場所が必要であるということは、これもさきに申し上げたとおりでございますので、このことにつきましてこれから関係者とお出会いをさせていただくと、その日程も決めていただいてるところでございます。 |
この方針は、いったいどうなったのか。名張市長なりの方針はあったものの、やなせ宿の運営方針は名張まちなか再生委員会とかまちなか運営協議会とか、そのあたりが決めたのだから市長方針が反映されるにはいたらなかった、といったことででもあるのか。いやまさか、いくらなんでもそんなことはあるまいけれど、なんとも困ったものである、と嘆きつつ、諸羽流正眼崩し胡蝶の舞、あすにつづく。