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三重県名張市のかつての中心地、旧名張町界隈とその周辺をめぐる雑多なアーカイブ。
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いや面白い。ブログ市長こと竹原信一さん、返り咲きである。

西日本新聞:竹原氏、阿久根市長に再選 出直し選挙 さらに市政混迷か(6月1日 00:11 )
西日本新聞:阿久根市長再選 波乱覚悟 改革望む 民意、市議選から一転(6月1日 00:20)
西日本新聞:「これから革命」 阿久根市長選 竹原氏返り咲き 「市民も変わった」(6月1日 01:11)

ほかにもいろいろ。

Google:阿久根市長選のニュース検索結果
2ちゃんねる:【政治】 「市職員、年収700万以上が54%…デタラメだ!」と厚遇批判し失職の「ブログ市長」竹原氏、阿久根市長選で再選★2

いや面白い。阿久根市がどんなところだかはまったく知らんのだが、名張市以上にずぶずぶなあなあのムラ社会的構造が根強く残存している土地ではあろう。そんな土地で、こんなことが起きてしまうのだからなあ。こうなると、改革自治体として知られているはずのわが名張市も、すっかり影が薄くなってしまったのではないかなあ。というか、名張市の改革って、結局なんだったのかなあ。大笑いだよなあ。
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早いものである。やなせ宿が開設されて、そろそろ一周年を迎える。6月13日の土曜日と翌14日の日曜日には、記念事業も予定されているらしい。

名張市公式サイト:広報なばり > 平成21年5月4週号 > お知らせ(やなせ宿一周年記念、公共下水道関係図書の縦覧、狩猟免許試験、狩猟免許取得講習会、市民活動支援センター移転に伴う休館日、経済センサス‐基礎調査、こころの健康相談、人権擁護委員の日、行政相談)

橘今滋の歌碑除幕、記念講演「初瀬街道の歴史」、「やなせ宿物語」の披露・発表ライブ、やなせ朝市、といった催しが怒濤のごとく展開されるとのことである。へーえ、と思って、やなせ宿の公式サイトをみてみる。

名張市旧細川邸やなせ宿:トップ

それらしいものは、なーんにも告知されていないようである。

名張市旧細川邸やなせ宿:やなせ宿イベント通信

ここにもなにも記されていない。というか、5月7日を最後にブログの更新が途絶えておるではないか。これではまずかろうが。名張市には「名張市旧細川邸やなせ宿の設置及び管理に関する条例」というのがあって、施設利用について定めた第四条においてはいのいちばんに、「(1)名張地区既成市街地の歴史、文化、自然、季節等地域資源の積極的な情報発信に関すること」があげられている。それがどうよこのていたらくは。地域資源の積極的な情報発信どころか、てめーらが主催する一周年記念事業の告知もできないというのはいったいどういうことだこら。てめーら今年は去年の四倍の委託料を名張市からふんだくり、常勤と非常勤の事務員をおいて施設運営に精励恪勤しているのではないのか。だというのにこのざまはいったいなんなんだ。手抜きばっかかましてんじゃねーぞこの便所下駄協議会。いったいなんなんだというのだこらこのまちなか運営協議会。いやいや、まちなか運営協議会などという組織はいまだ存在していないのだから、こらこのまちなか運営協議会、ではなくて、こらこのまちなか運営協議会もどき、とでもいっておくしかないであろうな。

しかし、まちなか運営協議会もどきもまあ、かわいそうといえばかわいそうなのである。ふびんなものなのである。ここでふり返っておくならば、だれがわるいのかといえば、まちなか運営協議会もどきがこのような、ほとんど犯罪と呼んでいいような行為に手を染めるようになったのも、もとはといえば名張市がわるい。なにしろばかがついうっかり、いやいや、これはもう、ばかがついうっかり、と表現するしかないことなのであるが、ばかがついうっかり、スタートボタンを押してしまったのである。国土交通省からおりてくるまちづくり交付金のスタートボタンである。押したが最後、毎年度毎年度、国交省から与えられた課題はクリアしなければならず、にもかかわらずかんじんのこと、つまり、旧細川邸をなんのための施設として整備するかということが、いつまでたっても決められない。あれよあれよというまに建物の整備だけは進んで、去年の3月31日までに、つまり平成19・2007年度内にやなせ宿は竣工をみた。しかし、なんのための施設なのか、それがまだ決まっていなかったために、いやまあ、ばかなんだからいつまでたっても決めることなどできぬのであるが、去年の4月1日にオープンできていたものを、姑息にも6月7日まで開設を遅らせる仕儀とはなった。で、一年たってもこのざまなのである。ほんっと、ばかだよなあ、としみじみ思うぞ。

ことほどさように、これは以前からくり返し指摘してきたことであるけれど、やなせ宿とは要するに、だれからも望まれることなく生まれてきた赤子のような施設なのである。そんな子供を丸投げされたまちなか運営協議会もどきは、かわいそうといえばかわいそう、ふびんといえばふびんなのである。ばかがついうっかり、なにも考えることなく、いやまあ、そもそも考えることなんかできないできない、思いつきと知らん顔しかできないできない、そんなばかがついうっかり、なにも考えることなく嬉々としてスタートボタンを押してしまったのがいけないのである。とはいえ、だれからも望まれることなく生まれてきたかわいそうな赤子を預けられ、余儀なく面倒をみているうちにその赤子が成長していい娘さんになったからといって、いきなり寄ってたかってレイプなんかしてんじゃねーぞこのまちなか運営協議会もどきが、てゆーか、名張地区まちづくり推進協議会が。てゆーか、わるいのは結局おまえらなんだぞこの名張市とかいうインチキ自治体。こんなレイプ犯罪者を生み出したのはおまえらだといっておるのだ。わかっておるのかこの便所下駄自治体が。
ようやく動きがあった。きのう、名張まちなか再生委員会の事務局から文書が届いた。これである。

   
第4回名張まちなか再生委員会理事会の開催について

下記のとおり標記理事会を開催させていただきますので、ご出席賜りますようお願い申し上げます。
 

開催日時:平成21年6月5日(金) 19時00分より
開催場所:名張市役所2階 庁議室

【会議事項】
(1)各プロジェクトチームの今後の在り方について
(2)規約の再改正の意見について
(3)定期総会への取り扱いについて
(4)その他

早いもので、理事会ももう四回目である。第一回は2月25日、第二回は4月1日、第三回は4月17日、そして第四回が6月5日となる。名張市公式サイトには理事会関係のページも設けられている。

名張市公式サイト:名張まちなか再生委員会(理事会関係)

設けられてはいるものの、掲載されているのは第一回理事会の議事録と事項書だけである。どうしたどうした。二回目以降は公開せんのか。なにか都合のわるい発言でもあったのか。どうしたどうした。ただの思いつきで第一回だけ掲載し、あとはもう知らん顔ということか。それではまるでまちなか再生事業そのものではないか。というよりは、思いつきと知らん顔、これこそが名張市政の本質なのであって、それは市政のどんな細部とも緊密に照応し合っている、ということなのであろうな。市政の本質が思いつきと知らん顔なのだから、たとえばまちなか再生事業ぶちかましまーす、とかなんとかいってみたって、結局は思いつきと知らん顔。その事業に関係する組織の記録を公開することも、やっぱり思いつきと知らん顔。首尾はみごとに一貫している。立派なものだなインチキ自治体。

さて、ようやく動きがあった、と冒頭に記したが、これはあくまでも表立った動きのことであって、このブログが「壊れる前に発足しろよの巻」というエントリを最後に不気味な沈黙を守っていたあいだ、いや、それ以前からも、いわゆる水面下においては、こそこそこそこそ動きがあったと伝え聞く。うろたえとるのか? あわてふためいとるのか? そのあたりのことはどうもようわからんのであるけれど、水面下の動きってのがどんなものであったのかというと、やなせ宿を名張地区まちづくり推進協議会が実質的に私物化してしまうための動きであったらしい。むろん、そんな不正行為を名張地区まちづくり推進協議会が単独で実行できるわけがない。名張市役所の関係セクションが打って一丸となり、やなせ宿の私物化を後押ししていると伝えられる。

そんなばかなことが、とお思いの向きもあろうが、当節の名張市においては、こんなのは日常的な光景だというべきであろう。たとえば6月13日、希央台に市民情報交流センターとやらがオープンする。これを、利権がらみの黒いうわさにまみれてオープンする、と表現しても、一部の市民や少なからぬ市職員には深くうなずかれるところがあるのではないか。いささかおおげさにいってしまえば、いまや名張市政は、情実と結託、この二点を基軸として展開されている。行政と市民とのあいだに構築されているべき信頼関係なんてものはまったく存在せず、そのかわりムラ社会さながらの互酬関係が幅を利かせている。それが名張市政の実態なのである。市民情報交流センターをもちだすまでもなく、やなせ宿の川蔵にどうしてFMなばりのサテライトスタジオが入っているのか、根拠はきわめてあいまいである。市民を納得させる説明など、名張市にはとてもできないはずである。

さて、第四回理事会である。名張市役所が総力をあげてやなせ宿の私物化に荷担してくれるのはいいのだが、そうやすやすとは問屋が卸してくれんのではないか。なにしろ、名張市から委託を受けてやなせ宿を運営しているまちなか運営協議会が、じつはいまだ存在しておらんのである。したがって、6月5日の理事会では、「(2)規約の再改正の意見について」にからんで、そのあたりにツッコミを入れてやるつもりなのであるが、まちなか運営協議会が正式に発足しなければ、やなせ宿の私物化なんてとてもできない相談なのである。この問題をクリアするにはどうすればいいのか、名張地区まちづくり推進協議会ならびに名張市役所の関係セクションは総力を結集してわるだくみしておく必要があるであろう。しかしまあ、なんつったって名張市である。なんでもありの名張市である。なんでもありといったって、論理だの道理だの合理だの、そういったものはまったくない。ないからこそ、驚くほどのなんでもありが実現されているわけなのであるが、存在してもいない組織と運営委託の契約を、それも二年にわたって結んでいるというなんでもありぶりには、さすがに市民を納得させるだけの説明が必要であろう。ま、おきばりやす。

もうひとつ、まちなか再生事業における今後の計画づくりの問題も、第四回理事会で問題にされなければならぬはずである。3月定例会で発表された名張市長の施政方針に、「まちなか再生事業については、本年度をもって、一旦事業を終えることから、名張まちなか再生委員会と共に、5ヵ年の事業内容を見据えた今後の計画づくりを進めてまいります」と記されていた問題である。名張市公式サイト「市長への手紙」を利用して質したところ、こんな回答が届いた。

   
中 相作 様

このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました。
ご質問に関しまして以下のとおり回答します。

【ご質問】
1)3月23日付回答に記されていた「市街地整備室を主担当として、総合企画政策室・健康福祉政策室・商工観光室・都市計画室・道路河川室・営繕住宅室・教育委員会事務局生涯学習室等によるプロジェクト」は、いつ設置されるのか。
【回答】
平成21年4月末までには設置したいと考えています。

【ご質問】
2)3月23日付回答には「今後の計画づくり」の「具体的な日程」を「名張まちなか再生委員会と共に決定」するとあるが、名張まちなか再生委員会との決定は、いつ、どのような場でなされるのか。
【回答】
平成21年6月での名張まちなか再生委員会総会での決定を想定しています。

【ご質問】
3)「今後の計画づくり」について名張まちなか再生委員会に知らせることなく、いきなり施政方針で発表したのは、委員会の自立性や主体性を無視した行為であり、明らかに不適切なことである。これを不適切ではないと主張するのであれば、名張市はみずから発足させた各種委員会の自立性や主体性をいっさい認めようとしない、と判断せざるをえない。このように判断して差し支えないか。
【回答】
市として、今後の計画づくりについて名張まちなか再生委員会と共に進めることを表明したことをもって、名張まちなか再生委員会の自立性や主体性を認めないものではないと考えております。

【ご質問】
4)「今後の計画づくり」によって新たな計画が策定されるのにともない、名張まちなか再生プランは無効化されるのか。
【回答】
「今後の計画づくり」は、過去5ヵ年の事業を踏まえたうえで、今後行なうべき事業、行なうことのできる事業について、十分議論したうえでの計画づくりを想定しています。名張まちなか再生プランをさらに有効にするための計画づくりに取り組みたいと考えておりますので、ご協力の程よろしくお願いいたします。

今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。

平成21年 3月27日
名張市長 亀井利克

ひとこと説明しておくならば、一問目の質問にある「市街地整備室を主担当として、総合企画政策室・健康福祉政策室・商工観光室・都市計画室・道路河川室・営繕住宅室・教育委員会事務局生涯学習室等によるプロジェクト」とかいうやつが、名張地区まちづくり推進協議会によるやなせ宿の私物化を打って一丸となって後押ししている市役所の関係セクションなのである、とみていいであろう。ま、おきばりやす。

で、二問目の回答には、名張まちなか再生委員会の総会で「決定」をおこなうと明記されている。総会は6月28日に開かれる予定である。総会で決定をおこなうためには、事前の理事会でそのための調整を進めておく必要がある。ところが、第四回理事会の会議事項をみるかぎり、そんな調整作業は予定されていない。ならば、6月28日の総会に一発提案の一発可決、ということになるのかな。一発といえばまさしく一発。なにしろ名張市から名張まちなか再生委員会に対し、今後の計画づくりのことはいまだなーんにも伝えられていないのであるからな。3月には施政方針で発表され、それよりさらに以前、コンサルタントとのあいだでは計画づくりを二百万円で発注する話もまとまっていたというのに、かんじんの名張まちなか再生委員会に対しては、いまだに梨のつぶてなのである。まちなか運営協議会の件だけでなく、この今後の計画づくりとやらをめぐっても、6月5日の理事会は荒れ模様になるかもしれんなあ。

ここで名張市にアドバイスしておくと、施政方針にあるとおり、名張まちなか再生委員会とともに今後の計画づくりを進めたいというのであれば、第四回理事会と総会とのあいだに、もういちど理事会を開いて計画づくりにかんする調整を進めなければならない。調整なし、総会で一発勝負、というのであればそれでもいいけれど、その場合には総会の場で名張市長が、これまで進めてきたまちなか再生事業を検証し、今後の計画づくりの必要性を説明したうえで、委員会に対して協力を要請するということになる。もうひとつ、委員会への申し出がここまで遅れてしまったことの説明も、ぜひともなされなければならない。あたりまえのことではあるが、あたりまえのことができないのが名張市なのである。どうなるのであろうな。ま、うそとインチキでかためた市民不在の市政ってのも、なかなか大変みたいだな。
名張まちなか再生委員会はもうじきぶっ壊れてしまうにしても、まちなか運営協議会はどうなるのか。それはもう、ぶっ壊れるぶっ壊れないという問題以前に、いまだ存在していないのであるから、てんでお話にならない。まちなか運営協議会は、4月25日の定期総会で規約改正をおこない、名張まちなか再生委員会の名前を規約からすべて抹殺して、協議会と委員会はまったくの無関係、ということにしてやった、と思い込んでいるらしいのだが、これまでにも述べたとおり、そんなことはありえない。たとえていえば、離婚届である。離婚届にだって、夫婦双方の署名と押印が必要なのである。まちなか運営協議会は、自分の名前だけを書いてはんこを押し、これで離婚が成立した、と喜んでいるようなものなのである。名張まちなか再生委員会が署名押印しなければ、離婚届は発効しない。

だが、じつは、婚姻届すら出されてはいない。まちなか運営協議会は、滑稽な独り相撲をとっているにすぎない。一昨年の総会において、名張まちなか再生委員会はまちなか運営協議会の設置を承認した。そして、それだけである。協議会側は、ちゃんと規約を制定し、一人前の組織として発足した、と思い込んでいるらしいのだが、そんなものは、婚姻届に自分の名前だけを書いてはんこを押し、それでこと足れりとしている、ということでしかない。協議会の規約にいくら委員会の名がみえようとも、委員会の規約に協議会との関係性が明記されるにいたっていない以上、協議会の規約はいまだ無効である。必死になって規約の改定を進める必要など、まちなか運営委員会にはまったくなかった。そんなことより先に、規約の制定を名張まちなか再生委員会に報告し、協議会と委員会、双方の規約を照応させるために、委員会規約の改正を願い出ることが必要であった。つまり、正式に発足することが必要だったのである。

名張まちなか再生委員会は現在、規約の改正を進めている。そのための規約改正委員会も発足している。まちなか運営協議会が組織として正式に発足するためには、今回の改正によって、委員会の規約に協議会にかんする条項が新しく盛りこまれることが必要となる。それは避けて通ることのできない道である。じつはきょう、5月18日午前に規約改正委員会を開きたいという連絡がきのう入ったのだが、はずせない用事があると伝えたところ、延期になった。いつに延期されたのかは、現時点ではわからない。ともあれ、まちなか運営協議会にかんする規約を新設するためには、委員会と協議会との連絡調整が必要である。このつぎの規約改正委員会には、まちなか運営協議会の出席が不可欠である。ということになる。それがなければ、いつまでたっても規約改正は進まない、ということでもある。いよいよ面白くなったきた。
あいもかわらず、名張まちなか再生委員会の話題。先日来、プロジェクトチーム単位の会議がつづいている。4月27日には歴史拠点整備プロジェクトチーム、5月8日には乱歩関連事業検討プロジェクトチームの会議があったのだが、前者は出席、後者は欠席、ということになった。それぞれの報告書がまとめられ、届けられたので、お披露目しておく。

まず、歴史拠点整備プロジェクトチーム。

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やなせ宿の整備事業にかんしては、「決してうまくいったと言えるものではない」とか、「本当に整備は必要だったのか」とか、かなり厳しい評価が示されている。委員会そのものについては、「組織の再編が不可欠」とのことである。

つづいて、乱歩関連事業検討プロジェクトチーム。

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こちらはもうはっきりと「プロジェクトの終了」を打ち出し、名張市教育委員会にバトンを引き継ぎたい、といった感じなのであるが、はなはだ残念なことながら、あんな委員会にはなにも期待できんぞ。ここ名張市において、乱歩にかんすることはすべて終わってしまったのであり、この先にはもうなにもない。

全体的な流れとして、じつにめでたいことに、名張まちなか再生委員会は一歩一歩、解散に向かって着実に歩を進めているようである。委員会をぶっ壊してやるために入会した身としては、まこと欣快に堪えない。今後の予定としては、プロジェクトチーム単位の意見を集約したうえで、規約改正委員会による検討が進められることになっているのだが、規約の改正はおそらく、永遠に終わらぬのではないか。歴史拠点整備プロジェクトチームの報告書にもあったとおり、規約第二条は「文章として成り立っていない、この部分を放置して規約の改正はあり得ない」てなものなのであるが、これをまともな条文にするのはとうてい不可能である。名張まちなか再生委員会がまともな組織にならないかぎり、いくらひねくってみたところで、条文だけがまともになるなんてことはありえない。規約の改正という側面からみても、名張まちなか再生委員会はもう、ぶっ壊れるしかないのである。
きのう、案内のはがきが届いたので、武士のなさけじゃ、やなせ宿のイベントをお知らせしておくことにする。

第1回京の絞り職人展

日時:6月4日(木)−7日(日) 
  午前10時(初日は午後1時)−午後5時(最終日は3時)
主催:京の絞り職人衆京都絞栄会

▽詳細は案内のはがきでどうぞ
 
▽展示作品の一部を案内はがきから転載
 
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この催しは、まちなか運営協議会の自主事業ではない。いわゆる貸し館による事業である。今年度、名張市からやなせ宿の企画運営を委ねられ、二百五十万円の委託料で企画専従スタッフを雇い入れたまちなか運営協議会、やなせ宿を会場にいったいどんな企画をくりひろげてくれるのか、その全容はいまだようわからんみたいである。
きのうにつづいて、5月8日金曜の話題。名張市役所四階にある市街地整備室へ行って、まちなか運営協議会に流れる税金のことを聞いてきた。今年は去年の四倍の額の税金が、やなせ宿の委託料として支払われることになっている。

昨年度、平成20・2008年度がこれ。

やなせ宿管理運営委託料  1,195,320円

昨年度のやなせ宿施設維持管理運営経費は、総額で二百七十七万円であった。電気代や水道代のたぐい、さらに警備や浄化槽管理などに必要な経費は市が負担することになっていて、管理運営の委託料としては百十九万円あまり、ということになる。浄化槽の管理といえば、先日引いた昨年6月定例会の一般質問で、橋本マサ子議員からこういう指摘がなされていた。

「例えばやなせ宿の問題にいたしましても、今公共下水道の整備を進めている、いずれはそこに向かって公共下水道の整備もされるにもかかわらず、合併浄化槽の整備に800万円も使ったという、そういうふうな二重投資が行われるというふうなことも私は無駄遣いの一つではないかというふうに思います」

この二重投資、なんか裏があるのか? まーた越後屋か? 相当あやしいんじゃね? といった細かいツッコミも可能ではあるが軽くスルーしてやることにして、この委託料でいったいなにを委託したのかというと、やなせ宿の鍵の開け閉め、掃除、受付などの業務であったという。

で、今年度、平成21・2009年度がこれ。

やなせ宿企画運営委託料  2,538,900円
やなせ宿管理運営委託料  2,294,250円
合計           4,833,150円

管理運営委託料が倍増している。これは、時給七百五十円で人件費を算出した数字が基準になっているらしい。まちなか運営協議会の総会資料には、非常勤事務員の賃金として「2,070,000円(750円/時間×9時間×306日)」が計上されている。つまり、去年の委託料の算定はかなりいいかげんなものであった、ということである。なんの基準もなしに決められたものであって、とにかく初年度に予算をつけておきさえすれば、それが揺るぎない前例となり、あとは倍々ゲームにすることも可能だから、といったことではまったくなかったと信じたいのだが、なにしろ名張市がやってることである。どうも信用できない。名張市なんて、信用できるわけがないではないか。

新年度に新設された企画運営委託料は、煎じつめれば常勤事務員の人件費だという。総会資料では「2,031,000円(160,000/月×12ヶ月、通勤手当36,000円、時間外75,000円)」として新年度予算に組みこまれている。ちょっとややこしい話であるが、昨年度の委託は管理運営のみ、今年度は管理運営と企画運営を委託する、ということらしい。ちなみに、名張まちなか再生委員会の昨年度総会資料には、まちなか運営協議会が「[平成20年度]/施設管理、企画運営を受託し、名張市旧細川邸『やなせ宿』の管理運営を行う」と明記されていたから、企画のほうも受託していたのかと思っていたのだが、そうではなかったのかよまちなか運営協議会、といった細かいツッコミも可能ではあるが軽くスルーしてやることにして、要するにやなせ宿、今年は企画のための専従スタッフを雇いました、ということなのである。今年一年、どんな素晴らしい企画が展開されるのか、おおいに楽しみである、ということにしておく。

この企画運営委託料は、いわゆる緊急雇用対策の予算でまかなわれている。おそらく、名張市が打ち出している「ふるさと雇用再生特別基金事業」とやらに該当しているはずなのであるが、くわしいことはわからない。ともあれ、まちなか運営協議会がハローワークで一週間前後公募し、応募者が何人あったのかは不明だが、厳正な選考の末にひとりを採用した、ということになっている。しかし、そんなこと、まったく知らなかったなあ。知ってたら応募したのになあ。企画運営のための専従スタッフとなれば、それなりの知識や能力、あるいは人間的魅力、できれば人脈なんてものも要求されるはずで、ついでにいえばやなせ宿の公式サイトも名張まちなかの情報受発信基地としてもう少しなんとかしてほしいところであるから、自分でいうのもあれであるが、中先生なんかうってつけなのだがなあ、もしも採用してもらえてたら、企画運営スタッフとして市民が驚くほどの力を発揮できると思うのだがなあ、といった細かいツッコミも可能ではあるが軽くスルーしてやることにして、この事業、制度として三年間存続するとのことなのであるが、初年度はまちなか運営協議会が首尾よく二百五十万円をゲットできたにしても、二年目三年目がどうなるかはわからないという。しかしまあ、名張市のことである。なんとかしてやってくれることであろう。

それはもう、なんとかしてやってくれるはずである。なにしろ、なにがどうなっても、やなせ宿はずーっと開館していなければならんのである。運営内容なんて、もうどうだってかまわない。閉鎖ということになってはまずいのである。一億円かけたまちづくり交付金事業なのである。なんといわれようと、笑われたって、怒られたって、クローズすることだけは避けなければならんのである。しかも、このあたりが微妙なところなのであるけれど、指定管理者制度を導入してしまうのも、おそらくはまずいのである。競争原理が働かないところで、ずーっとずーっと、まちなか運営協議会に管理運営と企画運営を受託してもらわなければならんのである、ということではないかのな。どうもそんな気がする。うそだと思うのなら、市街地整備室へ行ってちょっと話を聞いてみなさい。それはもう面白いもので、公務員は全体の奉仕者でございますが、手前どもはまちなか運営協議会の奉仕者でございますので、あしからずご了承くださいますよう、あらあらかしこ、などと職員諸君の顔に書いてあるのである。ほんとに面白いものであるが、困ったことでもあるよなあ。

そんなことはまあいいとして、ここからがポイントである。専従スタッフを雇うために企画運営委託料なるものを新設するという話は、いったいどこから出てきたものなのかね、と尋ねた。まちなか運営協議会から提案があり、名張市がその必要性を認めた、とのことであった。ひらたくいえば、おねだりされましたので財政難なのになんとか予算をつけてみました、みたいなことなのであろうか。よッ、太っ腹。ていうか、大丈夫なのかほんとに。
5月8日金曜、名張市役所四階にある市街地整備室に足を運んで、まちなか運営協議会がいつ発足したのか、それを尋ねてみた。わからなかった。どうしてわからんのか。わからんわけがないだろうと思うのだが、これが皆目わからんのである。だから、去年の5月27日、つまり、まちなか運営協議会の規約が制定された日が、すなわち協議会の発足した日なのである、と判断するのが合理的ではないのか、と質問すると、そういうことになるだろう、との返答が返ってきた。それにしても、えらい手抜かりであったなあ、と水を向けたところ、これといった反応はなかった。

(1)平成19・2007年6月2日、名張まちなか再生委員会の定期総会で、まちなか運営協議会を設置することが決まった。

(2)平成20・2008年5月27日、まちなか運営協議会の規約が制定された。

(3)平成20・2008年6月1日、名張まちなか再生委員会の定期総会が開かれた。

以上が、実際にあったことである。昨年5月27日には、まちなか運営協議会の設立総会が開かれた、ということなのかもしれない。その席で規約が制定された、と考えるのがもっとも自然であろう。つまり、それ以前には、まちなか運営協議会は存在していなかった。なんらかの組織が存在していたとしても、それは発足のための準備組織でしかない。いまだ規約も制定されていない組織を、正式な組織と認めることはできない。

正式に発足したあと、まちなか運営協議会はなにをなすべきであったのか。まず必要だったのは、これである。

(4)平成20・2008年6月1日、名張まちなか再生委員会の定期総会で、まちなか運営協議会の発足を報告する。

上記(1)の総会で、まちなか運営協議会の設置案が承認された。それを受けて(2)の規約制定がおこなわれ、協議会が正式に発足した。だからその五日後の(3)において、(4)の報告がなされなければならなかったのだが、実際にはなにもなかった。手抜かりであろうな。しかも、(4)以降にも、なすべきことは存在していたのである。

(5)平成20・2008年6月1日、名張まちなか再生委員会の定期総会で、まちなか運営協議会の発足にともなう委員会規約の改正を協議する。

まちなか運営協議会の規約には、こう定められていた。

   
(目的及び設置)
第1条 まちなか運営協議会(以下「協議会」は、次のことを目的として設置する。
(1)名張まちなか再生委員会の中心的立場にて事業の推進を図り、それぞれの専門プロジェクトを見守る中で、事業実施に対しての支援と提案と監査の役割を果たす。
(2)名張市旧細川邸やなせ宿(以下「やなせ宿」という。)の管理運営を行う。

第一条には、協議会と委員会との関係性が規定されている。ただし、協議会が一方的に規約を定めても、それだけで第一条が発効することはありえない。委員会側の規約が問題になる。委員会の規約に、協議会にかんする条項が加えられなければならない。両者の規約が照応し合ってはじめて、協議会の規約は有効になるのである。平成20・2008年6月1日、名張まちなか再生委員会の定期総会において、まちなか運営協議会の発足が報告され、それにともなう委員会規約の改正が審議の末に決定される、というプロセスを経なければ、まちなか運営協議会は規約第一条に定められた「立場」を獲得することができない。しかし、そんなことはいっさいなかった。だから、どうなるのか。名張まちなか再生委員会には、いまにいたってもなお、まちなか運営協議会などという内部組織は存在していない、ということになる。そう判断せざるをえない。

だからまあ、手抜かりだったよなあ、というしかないのであるが、これはむろん、名張まちなか再生委員会の問題である。委員会内部の問題である。したがって、いつになるのかはわからないが、このつぎの理事会で、この件を問題にすることになる。まちなか運営協議会なんて組織が正式に存在しているのかどうか、やなせ宿を運営しているまちなか運営協議会は、存立の根拠がきわめてあいまいな幽霊組織でしかないのではないか、と理事会の席で質問し、合理的な説明を求めることになる。合理的な説明なんてできっこないのであるが、もしもできないということになれば、問題は名張市に飛び火する。そんな幽霊組織にやなせ宿の運営を委託していいものかどうか、名張市にそれを質すことになる。どう質すのか。やっぱ住民監査請求をかますのが手っ取り早いかもしれんなあ。

住民監査請求の件はまあいいとして、手抜かりの問題をさらに追及しておく。まちなか運営協議会の、というか、名張まちなか再生委員会の手抜かりは、じつは、たくらまれたものであった。わるだくみであった。わるだくみなんてのは、頭の切れる人間がねちねちねちねちと練りあげなければ、面白くもなんともないものである。それがまあどうよ。今回のわるだくみときた日には、わるだくみがそのまま手抜かりになってしまっているというおそまつさなのである。もう笑ってやるしかないのであるが、市街地整備室で確認したところ、名張まちなか再生委員会の昨年度総会では、委員会からまちなか運営協議会を「抜けさせる」作業が進められた、とのことであった。だから、昨年度総会の資料において、まちなか運営協議会は平成19・2007年度の事業報告はおこなったものの、平成20・2008年度の事業計画は発表しなかった。単なる報告資料として、協議会が「[平成20年度]/施設管理、企画運営を受託し、名張市旧細川邸『やなせ宿』の管理運営を行う」と記した紙きれ一枚、総会資料に付されていただけだったのである。これだけのことで、「抜けさせる」作業が完了したのである、という。

あきれてものもいえない。抜けさせるなら抜けさせるで、それなりの手続きというものが必要なのである。まちなか運営協議会の設置は、名張まちなか再生委員会の総会に議案として提出され、総会の議決によって決定されたものである。それが委員会を抜けるというのであれば、おなじく委員会の総会において、議案として審議されることが要求される。勝手に抜けることなんかできるわけがない。そんなこともわからんのか。それが実際にはどうだ。総会ではいっさいなにも報告せず、総会資料に小細工を弄して、たったそれだけのことで抜けさせたことにしてしまう。そんなインチキが通用すると思うておるのか。しかし、通用してしまうんだよなあ。あの名張まちなか再生委員会というインチキ委員会では、というか、この名張市とかいうインチキ自治体では、いくらだって通用してしまうんだよなあ。あきれてものもいえない。

しかし、インチキが通用したと思い込んで枕を高くしてお眠りのところ、まことにすまんなとは思うけれど、話を蒸し返さないわけにはまいらぬ。名張まちなか再生委員会のこのつぎの理事会では、まちなか運営協議会が正式に存在しているのかどうかを確認するとともに、昨年度総会における意図的な不備についても質問する。不備というのは、まちなか運営協議会にかんして、当然なされるべきであった報告や審議がいっさいなされなかった、ということである。わるだくみにして手抜かり、という思わず笑ってしまうような意図的な不備を、いったいだれがたくらんだのかな。それを追及する。犯人探しである。昨年度総会のペテン師はだれなのか。総会資料からまちなか運営協議会を煙のごとく消滅させてしまった詐欺師はだれなのか。一連のインチキの絵図を引いたのはだれなのか。そのあたりのことを追及して、かりに犯人が明確にならなかったのであれば、当時の役員会のメンバー全員が犯人であるとみなし、その全員の除名処分を検討するべく、理事会に対して厳に要請することになると思う。どうだ。なかなか面白いだろう。
えらいものである。名張市丸之内の魚民名張西口駅前店、オープンから一か月ちかくが経過した5月8日の夜にも、まだ行列ができていた。名張市青少年センターのコンサートが終わって、さあ魚民だ魚民だと名張駅に自動車を走らせると、魚民の前に人だかりがある。行列である。ありゃりゃ、と思いながら駅西口のコインパーキングに駐車し、念のために入ってみると、店のスタッフが、いまのところ七組が待機中、待ち時間がどれくらいになるのかは見当もつかない、という。あっさり諦め、居酒屋中むら西口店に移動した。むろん、満席ではない。湯豆腐とおでんと熱燗を頼むと、熱燗を運んでくれたおねえさんがお酌までしてくれる。こんなことははじめてだぞと思い、はっはーん、魚民ができたさかいここまでサービスせんことにはやっていけへんのか、と素朴な感想を口にすると、おねえさん思いきり口を開けて、がはははははは、と笑っておった。それにしても、魚民に入れるのはいつのことになるのか。15日の金曜日にも人と酒を飲む予定が入っているから、今度こそ魚民にのたくり込むか。

翌9日、つまりきのうは、名張市中町の伊賀まちかど博物館、はなびし庵で歴史影絵「宇奈根宇流冨志祢奇談」が上演された。前日には朝日新聞のウェブニュースもアップされた。

朝日新聞:歴史 影絵劇でたどる 名張 一の鳥居(5月8日)

きわめて平明でわかりやすい台本なのだが、高度なテーマが秘められていて、高校生が観客にむかって、あなたたちの世界観はどうよ、と問いかける内容になっている。高校生も観客も、あるいは影絵の制作者も、そんなことには全然気がついていなかったかもしれないが、じつはそういったことなのであって、横光利一ふうにいえば古神道、それがテーマであった。だから高校生が祝詞を読んだりもしたのだが、朝日新聞の記事によれば、ナレーションを担当した日生学園第一高校の滑川弘樹君と領内みずほさんは、やはり「祝詞の部分など歴史的な言い回しが難しかった」とぼやいておったそうである。しかし、祝詞も含めてナレーションのできはまことによろしく、この記事のなかでも中先生は「大変良いできばえになった」と絶讃していた次第なのである。だから、よーし、これで名張まちなかに渦を巻く罪、とが、けがれ、まがごと、その他もろもろの悪しきものを一挙におはらいできるな、と思っていたのであるが、きのうの朝日新聞にはなんとこんな記事が。

朝日新聞:市民満足度 全項目で× 中心部再生事業(5月9日)

あーりゃりゃッ。高校生の祝詞は遅きに失したかもしれんな、と思わざるをえない。名張まちなか再生プランにもとづき、名張市が国土交通省のまちづくり交付金事業として実施した一連の施策は、市民の眼には、かなりだめじゃね? と映っているらしい、とのアンケート結果が出た、という記事である。一部を引いておく。

   
中心市街地の名張地区は、初瀬街道が通り古くから栄えてきたが、人口が70年から約3割減り、空き家や空き店舗が増加している。市では同地区の再生を目指して、「名張まちなか再生プラン」を05年3月に策定。「まちの顔」と位置づけて整備を進めてきた。「まちづくり交付金事業」は、最長5年間、事業費の4割の補助を国から受けられる制度で、名張地区では04年度から5年間、同プランを踏まえて事業が実施されてきた。

同事業の総事業費は約2億1千万円。まちの案内板や近鉄名張駅前の公衆便所整備▽明治時代の建物である「旧細川邸」の改修・活用▽江戸川乱歩生誕地碑広場の整備▽町中を流れる城下川の景観改修——などを実施した。

ところが、市が昨年9月に事業評価のために実施した、市内全域の2千人を対象にしたアンケートでは、名張地区の現在の印象について、市が目標に掲げた満足度60%をすべての項目で下回った。

満足度が最も高かった「歴史的資源や伝統文化を活用したまちづくりが進められている」でも約45%。とりわけ、「にぎわいのあるまちづくりが進められている」で満足度約15%、「まち歩きが楽しめるまちづくりが進められている」で同19%と評価が低い。事業が実施されている名張地区の方が、全市平均より満足度が低いという結果だったという。同地区の自営業男性は「事業の効果は感じられない。みなさん一生懸命しているが、うまくかみ合っていないのでは」と話す。

このアンケート、昨年9月に名張市が実施したとのことであるが、実務にあたったのはおそらくコンサルタントであって、そうした業務を委託するために、昨年度はたしか四百五十万円の税金が名張市からコンサルタントに流れているはずである。名張市とずぶずぶなあなあのコンサルタントが実施したのであれば、ちっとは色をつけた結果が提示されたとしてもふしぎではない。にもかかわらず、 「事業が実施されている名張地区の方が、全市平均より満足度が低いという結果だった」というのだから、色のつけようもない惨憺たる結果だったということになる。高校生によるせっかくの祝詞も、はっきりいって手遅れだったのかもしれんな。

この記事では関係者のコメントも報じられていて、名張まちなか再生委員会の副委員長は「計画段階から十分な議論が必要だったのにできておらず、行政と民間の間に信頼関係がない」と述べている。どうして委員長がコメントしていないのか、という疑問は横に置いておくことにして、結局はこういうことにならざるをえないであろうな、とは思う。要するに、計画段階から無茶苦茶であった、名張まちなか再生プランが無茶苦茶であった、ということである。しかし、そんなことは、あのプランを一読すればすぐに了解されることなのである。あんな無茶苦茶が無茶苦茶であると認識できないほど無茶苦茶な名張市が無茶苦茶なことをかましつづけてこの無茶苦茶な結果にいたったのである。もう取り返しはつかない

いっぽう、名張市市街地整備室の担当者は「ハード先行でなく、まずどんなものが必要で誰が担い、どう生かすのかを徹底して議論したうえで進めないといけない。5年間の事業を検証し、再生委員会とともにこれからの計画を考えたい」と述べている。いいだけぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあいってやったから、市街地整備室も少しはまともになったのか、検証ということばをおぼえたようである。従来のお役所用語でいえば、こんなところに検証ということばは登場しない。というか、お役所の辞書には検証ということばは存在しないのである。だから、このコメントの場合であれば、五年間の事業の成果を踏まえながら、といったことになっているはずなのであるが、ちゃんと「5年間の事業を検証し」となっているのだから、いや成長したなあ市街地整備室。中先生のおかげだぞ。ありがたく思うように。しかし、成長というよりも、これはむしろ、名張まちなか再生事業の惨憺たる失敗は、おせじにも成果と呼べるようなものではなく、市街地整備室にももはやとりつくろいようがなくなった、ということででもあるのかな。

ところで、5月8日の金曜日、名張市役所四階にある市街地整備室に赴いて、おらおら、まちなか運営協議会はどうよ、とか、おらおら、緊急雇用対策事業はどうよ、とか、あれこれおらおら尋ねてきた。結果としては、例によって頭を抱えてしまわざるをえないのであるが、その報告はあした以降に。
あしたに迫った。台本を手がけた関係上、PRに努めておくことにする。名張市中町の伊賀まちかど博物館、はなびし庵で歴史影絵の最新作「宇奈根宇流冨志祢奇談」が上演される。タイトルは、うなねうるふしねきだん、とお読みいただきたい。

はなびし庵歴史影絵

作品:宇奈根宇流冨志祢奇談
日時:5月9日(土)午後2時
場所:伊賀まちかど博物館 はなびし庵(すみた酒店)
  名張市中町370 電話0595-63-0032
席料:400円(茶菓つき) *電話予約が必要

ウェブニュースは、こんなあんばい。

中日新聞:鳥居の歴史を影絵に 名張「はなびし庵」で9日上演(5月2日)
毎日新聞:歴史影絵:「一の鳥居」題材新作 「はなびし庵」主宰・角田さん夫妻が初公開 /三重(5月2日)

毎日新聞の記事によれば、約二年ごしの構想らしい。らしい、などといってしまってはまるでひとごとみたいであるが、名張のまちなかにそびえる鳥居を題材にした影絵の台本を、とはなびし庵から依頼されたのは、そういわれればたしかに二年ほど前のことであったか。ずーっとほったらかしにしてあったのだが、今年の2月になって、日生学園第一高校の放送部から影絵の新作づくりに協力したいと申し出があったので早く台本を書くように、とはなびし庵から催促されてしまった。へーえ、高校生かよ、とか思って眼の色を変え、いそいそと書きあげたのが「宇奈根宇流冨志祢奇談」である。

名張まちなかの鳥居というのは、平尾に鎮座する宇流冨志祢神社の一の鳥居である。ちなみに、二の鳥居がこれ。

20071019a.jpg

一の鳥居を題材にするのであれば、宇流冨志祢神社そのものを登場させなければ話にならない。ならば、神社の創建から説き起こすのが常道というやつであろう。てなわけで、この新作影絵、ざっと四千年にわたる名張の歴史を語る内容となった。宇流冨志祢神社のもともとの祭神は宇奈根という神だったのだが、この宇奈根神の語源から説き起こして宇流冨志祢神社の歴史を跡づける試みは、これまでに一度もなされていないはずである。つまりまっさらの新説であって、これをテーマに立派な論文を書きあげることも可能なのであるが、そのネタを影絵でやってしまうのだから、じつにぜいたくな話である。とはいえ、難しい内容ではまったくない。論文ではなくてエンターテインメントなのであるから、たいていのあほにでも理解できるようにはなっておる。心配ご無用である。

毎日新聞の記事によると、ナレーションを担当してくれた三年生の滑川弘樹君は「普段使わない言葉が多く難しかった」とぼやいておったらしいのであるが、すまなんだな滑川君、もうひとりのナレーターだった三年生、領内みずほさんともども、えらい苦労をかけた。たしかに難しいことばが多用されたパートがあって、その一部を台本から引いておくとこんな感じである。

   
 《春日の祭。大神等の、乞わしたまいのまにまに、春日の、三笠の山の、下つ石ねに、宮柱、広知り立て、高天の原に、千木、高知りて、天の御蔭、日の御蔭と定めまつりて、貢る神宝は、御鏡、御横刀、御弓、御桙、御馬に備えまつり、御服は、明るたえ、照るたえ、和たえ、荒たえに、仕えまつりて、四方の国の献れる、御調の荷前、取り並べて、青海の原の物は、鰭の広物、鰭の狭物、奥つ藻菜、辺つ藻菜、山野の物は、甘菜、辛菜に至るまで、御酒は、甕の上、高知り、甕の腹、満て並べて、雑の物を、横山の如く、積み置きて、神主に、某の官位、姓名を定めて、献るうずの大幣帛を、安幣帛の足幣帛と、平らけく平らけく、聞しめせと、皇大御神等を称辞竟えまつらく》

難しいはずである。祝詞なのである。祝詞は、のりと、とお読みいただきたい。高校生の若くて清新な声で祝詞を唱えてもらい、この名張まちなかに渦を巻く罪、とが、けがれ、まがごと、その他もろもろの悪しきものを一挙におはらいしてやるか、と考えた次第である。高校生に祝詞を読ませるとはなにごとか、などと教育やくざ三教組あたりが口にしそうな愚かしいクレームにまきこまれたら気の毒だと思われたので、日生学園の高校生諸君にはじめて会ったとき、君たちの学校は思想的にはライトなのかレフトなのかそれともニュートラルなのか、と質問してみたのだが、とくに問題もなく、滑川と領内のご両人、みごとに祝詞を読んでくれた。どんなできばえになったのかは、あすの上演でご確認いただきたい。

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